| 【発明の名称】 |
燃料噴射弁 |
| 【発明者】 |
【氏名】西脇 豊治
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| 【要約】 |
【課題】内燃機関の燃料噴射弁において、オリフィスプレートを、簡単な構成で、オリフィスプレートに印加される燃料圧力によるたわみに対して強化することである。
【解決手段】オリフィスプレート5は、バルブボディ3の、燃料流路1aの開口端を塞ぐように設け、弁部1bが開くとオリフィスプレート5の中央部に形成した噴孔501から燃料を噴射するようにし、かつオリフィスプレート5に出口面5b側に膨出する補強部51を設けて、補強部51において厚さを増すことで、また成形時の加工硬化(金属の場合)により、強度を高める。かかる補強部51を噴孔501形成部を中心として対称位置に配置することで、オリフィスプレート5全体の剛性を高め、オリフィスプレート5をたわみに対して強化する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 燃料流路の下流部が形成され該下流部に弁部が設けられたバルブボディを有し、バルブボディの端面には燃料流路の開口端を塞ぐようにオリフィスプレートを密着し、オリフィスプレートの中央部に形成した噴孔から燃料を噴射するようになした燃料噴射弁において、上記オリフィスプレートに、噴孔形成部を中心として対称位置に、オリフィスプレートが出口面側に膨出する補強部を設けたことを特徴とする燃料噴射弁。 【請求項2】 請求項1記載の燃料噴射弁において、上記補強部は、噴孔近傍からオリフィスプレートの周縁部にかけて直線状に形成し、放射状に配置した燃料噴射弁。 【請求項3】 請求項1記載の燃料噴射弁において、上記補強部は、噴孔形成部を中心として環状に形成した燃料噴射弁。 【請求項4】 請求項1ないし3いずれか記載の燃料噴射弁において、上記補強部は上記オリフィスプレートに厚肉部を設けてなる燃料噴射弁。 【請求項5】 請求項4記載の燃料噴射弁において、上記補強部の肉厚をオリフィスプレートの周縁側ほど厚くした燃料噴射弁。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関の燃料噴射弁に関し、特に燃料噴射の特性を改善する構造に関する。 【0002】 【従来の技術】内燃機関の燃料噴射弁は、燃料流路の下流部が形成されたバルブボディを有し、この燃料流路の下流部には弁部が設けられている。1対の吸気ポートに分配噴射する燃料噴射弁等においてはバルブボディの端面に燃料流路の開口端を塞ぐようにオリフィスプレートを密着し、オリフィスプレートの中央部に形成した噴孔から燃料を噴射する。かかる燃料噴射弁の噴霧特性、噴射量特性は、オリフィスプレートの厚さ(噴孔の長さ)tと噴孔の径dの比率t/dに依存することが知られており、これらのパラメータや噴孔数を、要求される仕様により設定することが行われている。特開平1−116280号公報には、オリフィスプレートの面に、相隣れる噴孔の間に段差を設け、厚肉側と薄肉側とにそれぞれ噴孔を形成し、燃料の噴射流量を自在に調整できるようにしたものがある。 【0003】また噴射燃料の微粒化、高温時の噴射量の低下の防止に対してオリフィスプレートの厚さtを薄くすることが効果的であり、オリフィスプレートの薄板化が要請されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしオリフィスプレートの厚さtをあまり薄くすると、例えば0.1mm程度まで薄くすると、オリフィスプレートの入口面に印加される燃料圧力によりオリフィスプレートにたわみが生じ、所期の噴霧特性および燃料噴射量が得られないという問題がある。 【0005】このためオリフィスプレートを薄板化する場合には、中央部に孔をあけた円盤状のバックアップ部材を、オリフィスプレートの出口面に、孔をオリフィスプレートの噴孔が形成された中央部に合うように密着させてオリフィスプレートをたわみに対して強化する必要があり、部品点数が増加し、組付け工程が複雑化していた。 【0006】本発明は上記実情に鑑みなされたもので、簡単な構成でたわみの防止を図ることができ、組付け工程が複雑化しない燃料噴射弁を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明では、バルブボディに燃料流路の下流部を形成し、該下流部に弁部を設ける。バルブボディの端面には燃料流路の開口端を塞ぐようにオリフィスプレートを密着し、オリフィスプレートの中央部に形成した噴孔から燃料を噴射する。かかる構成に加えて上記オリフィスプレートに、噴孔形成部を中心として対称位置に、オリフィスプレートが出口面側に膨出する補強部を設ける。 【0008】オリフィスプレートは補強部において部分的に非平面部を設けることで部分的に厚肉となり、またオリフィスプレートが金属である場合、補強部形成時の加工硬化により、強度が増す。かかる補強部が噴孔形成部を中心として対称位置に設けられてオリフィスプレート全体の剛性が増し、オリフィスプレートをたわみに対して強化できる。補強部はオリフィスプレートが出口面側に膨出したものであるから、新たな部品を用意することなく、したがって組付け工程を複雑化することなくオリフィスプレートをたわみに対して強化できる。 【0009】請求項2記載の発明では、補強部は、噴孔近傍からオリフィスプレートの周縁部にかけて直線状に形成し、放射状に配置することで、オリフィスプレートの径方向に沿ってオリフィスプレートの強度を増強せしめる。 【0010】請求項3記載の発明では、補強部は噴孔形成部を中心として環状に形成することにより、オリフィスプレートの周方向に沿ってオリフィスプレートの強度を増強せしめる。 【0011】請求項4記載の発明では、補強部を上記オリフィスプレートに厚肉部を設けてなる構造とすることで、補強部における厚肉部分が増え、オリフィスプレートのさらに強度が増す。 【0012】請求項5記載の発明では、補強部の肉厚を、固定端となるオリフィスプレートの周縁側ほど厚くすることで、たわみを効果的に防止することができる。 【0013】 【発明の実施の形態】図1に本発明の燃料噴射弁の先端部分の拡大断面を示し、図2に本発明の内燃機関の燃料噴射弁の全体断面を示す。燃料噴射弁1は樹脂性のハウジングモールド2を有し、その先端には磁性パイプ61を介してバルブボディ3が嵌着してある。バルブボディ3は、円盤状のスペーサ62を介して磁性パイプ61に嵌入し、磁性パイプ61とレーザ溶接されている。スペーサ62には中心位置とその周りに貫通孔621,622が形成してあり、バルブボディ3内と磁性パイプ61とを連通せしめている。 【0014】ハウジングモールド2内には、磁性パイプ61の上方にこれと同軸に非磁性パイプ63および固定鉄心64が設けてあり、固定鉄心64はハウジングモールド2の上端より突出している。固定鉄心64は両端開口の円筒部材で、上端開口部641は燃料導入口641としてあり、燃料噴射弁1の軸線Cに沿って燃料導入口641から導入された燃料が固定鉄心64、非磁性パイプ63、磁性パイプ61、スペーサ62を経てバルブボディ3内に到る燃料流路1aが形成される。また固定鉄心64内には、燃料導入口641の直下にフィルタ65が設けてあり、燃料中のゴミ等の異物が除去されるようになっている。 【0015】燃料流路1aには、非磁性パイプ63よりも先端側にニードル4およびその上方に可動鉄心66が配設してある。ニードル4は弁体部41と軸部42と可動鉄心66との接合部43からなり、弁体部41の摺動部412がバルブボディ3の内側周面3aと摺接している。可動鉄心66は磁性材料からなる両端開口の筒状部材で、非磁性パイプ63に摺動保持されている。可動鉄心66には下方よりニードル4の接合部43が嵌入し、可動鉄心66とニードル4とがレーザ溶接される。かくしてニードル4は軸線Cに沿って変位が可能となる。 【0016】ニードル4の摺動部412は周面に四面取り部が形成され、燃料が流通自在としてある。またニードル4の接合部43は周面に二面取り部が形成され、接合部43と可動鉄心66の間を燃料が流通自在としてある。 【0017】ニードル4の弁体部41はバルブボディ3に収容される。バルブボディ3には弁体部41の外周にニードル4と同軸に円筒面3aが形成してある。円筒面3aは軸方向中程に弁体部41の摺動部412と摺接する等径部3a2を有し、等径部3a2よりも下側の下流部3a1は下側の開口端に向けて縮径する円錐面としてあり、等径部3a2よりも上側の上流部3a3は等径部3a2に向けて縮径する円錐面としてある。 【0018】弁体部41の先端部411は、円筒面3a下流部3a1の下端の開口径よりも大径のもので、先端部411の周面4aの下端部にはバルブボディ3の円筒面3aの下流部3a1と対向する円環状の接面部が形成され、円筒面3aの下流部3a1を弁座3a1としてこれに着座するシート部4bとしてある。ニードル4の先端部411とバルブボディ3の弁座3a1とで弁部1bを構成する。 【0019】また弁体部41には摺動部412よりも上部にフランジ413が形成してある。フランジ413は、軸部42が挿通するスペーサ62の貫通孔621よりもやや大径のもので、ニードル4のリフト位置を規定し、リフト量はバルブボディ3の上端面3bとフランジ413の上端面413aとで形成され、リフト量の調整はバルブボディ3の上端面3bの削り量で調整される。また、このとき可動鉄心66の上端面と固定鉄心64の下端面間に所定のギャップが形成されるように各部材の寸法等を設定しておく。 【0020】バルブボディ3の下端面にはオリフィスプレート5が密着せしめてある。オリフィスプレート5はステンレススティール製の円板で、周縁部52から立設する筒状の取り付け部53を有しており、バルブボディ3に嵌着された後、取り付け部53においてバルブボディ3と溶接される。 【0021】図3にオリフィスプレート5を出口面5b側からみたものを示し、図4に図3におけるIV−IV線に沿うオリフィスプレート5の断面を示す。オリフィスプレート5の中心部には四角形の頂点をなす4か所に噴孔501が形成してあり、ニードル4の開弁時に燃料が噴射されるようになっている。噴孔501は2つずつやや外側向きに2方向に傾斜して形成され、図略のインテークバルブ方向に好適に噴射されるようになっている。 【0022】オリフィスプレート5には、噴孔501形成部を中心として、放射状に90°の間隔をおいて補強部51が形成してある。各補強部51は、図1,図4に示すごとくオリフィスプレート5の出口面5b側へ膨出する断面コ字状の凸部で、円筒面3aの下流部3a1の下端位置から周縁部52にかけて、立ち上がり部511が形成され、その上下端には直角に屈曲する屈曲部511a,511bが形成される。かかる立ち上がり部511に沿って、オリフィスプレート5の厚さが実質的に増している。補強部51は例えばプレス加工により成形される。 【0023】次にニードル4の駆動手段について説明する。固定鉄心63内には、可動鉄心66の上方に、軸線Cに沿って圧縮コイルスプリング67およびその上端位置を規定するアジャスティングパイプ68とが設けてあり、圧縮コイルスプリング67が可動鉄心66を介してニードル4を下方に付勢している。 【0024】ハウジングモールド2内には可動鉄心を吸引するソレノイド部7が設けてある。ソレノイド部7は、樹脂製のスプール71を磁性パイプ61、非磁性パイプ63、固定鉄心64の外周に配設し、これに電磁コイル72が巻装されたもので、スプール71および電磁コイル72の外周に、ハウジングモールド2で包囲している円筒状の筒状部731より上方に突出する突出部732を有し、突出部732は電磁コイル72から電気的に導出されるリード線74を保護するとともに後述するターミナル75を保持する。 【0025】ハウジングモールド2内にはまた、2枚の金属プレート76,77が設けてある。金属プレート76,77は電磁コイル72への通電時の磁束を通す磁路を形成する部材であり、上方の一端が固定鉄心64の外周面に接し、下方の一端が磁性パイプ61の外周に接するように設けられる。 【0026】ハウジングモールド2の上部には、斜め上方にコネクタ部21が突出している。コネクタ部21には先端部を残してターミナル75が埋設され、電磁コイル72より引き出されるリード線74と接続されている。ターミナル75は図示しない電子制御装置にワイヤーハーネスを介して接続されており、電子制御装置からターミナル75を介して電磁コイル72に通電されて電磁コイル72が励磁し、可動鉄心66を圧縮スプリングコイル67の付勢力に抗して固定鉄心64の方へ吸引してニードル4をリフトせしめるようになっている。 【0027】ニードル4のリフト時には、燃料導入口641から流入した燃料がフィルタ65で清浄化され、アジャスティングパイプ68から圧縮スプリングコイル67の収容部を経て、可動鉄心66の、ニードル4に形成された上記二面取り部との間隙、さらにはバルブボディ3の、ニードル4の上記四面取り部との間隙を通過し、弁部1bを抜けてオリフィスプレート5の噴孔501に達する。 【0028】本発明の燃料噴射弁の作動を説明する。ターミナル75に通電すると電磁コイル72が励磁して可動鉄心66を吸引し、これによりニードル4がリフトする。燃料流路1aを通って燃料がニードル4のシート部4bと弁座3a1の間を抜けてオリフィスプレート5の入口面5aに達し、噴孔501から噴射される。 【0029】さて、このときオリフィスプレート5の入口面5aに達した燃料の圧力がオリフィスプレート5に印加されるが、噴孔501形成部を除きオリフィスプレート5を径方向に横切る補強部51が形成されているので、補強部51の立ち上がり部511に沿って、オリフィスプレート5の厚さが実質的に増している。また屈曲部511a,511bに沿ってオリフィスプレート5が金属の場合、加工硬化による強度が増す。これによりオリフィスプレート5は剛性が増し、たわみに対して強化される。 【0030】このように本発明の燃料噴射弁によれば、オリフィスプレートのたわみを抑えてオリフィスプレートの薄板化が可能である。またオリフィスプレートとは別にバックアップ部材を用いないので、組付け工程が複雑化することもない。 【0031】また補強部はプレスにより形成するのではなく、図5に示す補強部51Aのように補強部51A全体が厚肉となるようにしてもよい。この補強部51Aは、平らなステンレススティール板に、補強部を形成する部分を除いてエッチング等を施することで形成する。 【0032】なお補強部は、断面コ字状に屈曲しているが、山形に屈曲する断面形状のものでもよい。あるいは断面円弧状でもよい。また補強部の数は4つに限定されるものではなく、3つや5つ以上でもよい。また補強部は放射状に配置するのではなく、噴孔形成部から偏心した位置を通り、オリフィスプレートの周縁部から周縁部にかけて直線状に形成した補強部を、噴孔形成部を中心に対称に、例えば井桁状に配置してもよい。 【0033】また補強部の形状は直線状に限定されるものではなく、図6に示すように、オリフィスプレート5Bに断面コ字状の補強部51Bを環状に形成し、噴孔501形成部を中心として同心円状に配置してもよい。かかる形状の補強部51Bでは屈曲部(図4の511a,511b参照)が周方向に形成され、屈曲部における加工硬化の作用でたわみが抑制できる(オリフィスプレート5Bが金属の場合)。 【0034】なお補強部51Bは上記図5のごとく全体を厚肉にしてももちろんよく、厚肉部が増すことでオリフィスプレート5Bの剛性を高めることができる。 【0035】またオリフィスプレートは噴孔形成部を除き、周縁部側ほど厚肉となる略凹レンズ状にしてもよい。この場合、固定端となるオリフィスプレートの周縁部側ほどオリフィスプレートの厚さが増すので、より好適にたわみに対して強化し得る。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004260 【氏名又は名称】株式会社デンソー
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)3月30日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】伊藤 求馬
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| 【公開番号】 |
特開平11−280612 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)10月15日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−103885 |
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