| 【発明の名称】 |
船艇用内燃機関の燃料噴射弁防水構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】名波 正善
|
| 【要約】 |
【課題】船艇の内燃機関に備えられた燃料噴射弁や、電気接続部に水が降りかかることを防止して、これらが容易には腐食させられないようにする。上記腐食の防止が、簡単な構成で達成されるようにする。
【解決手段】船体2に搭載された内燃機関3の本体部5の内部に燃料15を供給可能とする燃料噴射弁17を設ける。上記本体部5にその外部を内部に連通させる連通孔19を形成する。この連通孔19に上記燃料噴射弁17の噴射ノズル20側の端部21を嵌入させる。上記噴射ノズル20側の端部21に外嵌されてこの端部21と上記連通孔19の内周面との間をシールするOリング24を設ける。上記燃料噴射弁17の上記噴射ノズル20側のうち、内燃機関3の外部に露出する部分36の外面に外嵌される弾性の筒状体37を設ける。この筒状体37を上記Oリング24に一体成形する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 船体に搭載された内燃機関の本体部の内部に燃料を供給可能とする燃料噴射弁を設け、上記本体部にその外部を内部に連通させる連通孔を形成し、この連通孔に上記燃料噴射弁の噴射ノズル側の端部を嵌入させ、上記噴射ノズル側の端部に外嵌されてこの端部と上記連通孔の内周面との間をシールするOリングを設けた船艇用内燃機関において、上記燃料噴射弁の上記噴射ノズル側のうち、内燃機関の外部に露出する部分の外面に外嵌される弾性の筒状体を設け、この筒状体を上記Oリングに一体成形した船艇用内燃機関の燃料噴射弁防水構造。 【請求項2】 船艇に搭載された内燃機関の本体部の内部に燃料を供給可能とする電磁開閉式の燃料噴射弁を設けた船艇用内燃機関において、上記燃料噴射弁と外部電線との電気接続部の少なくとも一部をその上方から上記内燃機関の構成部品で覆った船艇用内燃機関の燃料噴射弁防水構造。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、燃料噴射弁に海水や雨水等の水が降りかかるのを防止するようにした船艇用内燃機関の燃料噴射弁防水構造に関するものである。 【0002】 【従来の技術】船艇には、一般に、推進用の内燃機関が搭載され、この内燃機関には、その本体部の内部に燃料を噴射して供給する燃料噴射弁を備えたものがある。そして、この燃料噴射弁により供給された燃料が上記本体部の内部で燃焼に供されて内燃機関が駆動し、その動力によって、船艇が推進させられるようになっている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の技術では、上記燃料噴射弁は、内燃機関の外部に大きく露出しているため、上記燃料噴射弁や、この燃料噴射弁と外部電線との電気接続部に海水や雨水等の水が降りかかり易く、よって、上記水による腐食が進行し易くなるという問題がみられた。 【0004】本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、船艇の内燃機関に備えられた燃料噴射弁や、電気接続部に水が降りかかることを防止して、これらが容易には腐食させられないようにすることを課題とする。 【0005】また、上記腐食の防止が、簡単な構成で達成されるようにすることを課題とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するための本発明の船艇用内燃機関の燃料噴射弁防水構造は、次の如くである。 【0007】請求項1の発明は、船体2に搭載された内燃機関3の本体部5の内部に燃料15を供給可能とする燃料噴射弁17を設け、上記本体部5にその外部を内部に連通させる連通孔19を形成し、この連通孔19に上記燃料噴射弁17の噴射ノズル20側の端部21を嵌入させ、上記噴射ノズル20側の端部21に外嵌されてこの端部21と上記連通孔19の内周面との間をシールするOリング24を設けた船艇用内燃機関において、【0008】上記燃料噴射弁17の上記噴射ノズル20側のうち、内燃機関3の外部に露出する部分36の外面に外嵌される弾性の筒状体37を設け、この筒状体37を上記Oリング24に一体成形したものである。 【0009】請求項2の発明は、船艇1に搭載された内燃機関3の本体部5の内部に燃料15を供給可能とする電磁開閉式の燃料噴射弁17を設けた船艇用内燃機関において、【0010】上記燃料噴射弁17と外部電線29との電気接続部30の少なくとも一部をその上方から上記内燃機関3の構成部品である例えばエンジンカバー31で覆ったものである。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。 【0012】図において、符号1は船艇で、この船艇1の船体2の内部に内燃機関3が搭載され、矢印Frは上記船艇1の前方を示している。 【0013】上記内燃機関3は4サイクル四気筒エンジンで、この内燃機関3の本体部5は、上記船体2の前後方向に延びるクランク軸6を支承するクランクケース7と、このクランクケース7から上方に向って突出するシリンダ8と、このシリンダ8の外部をその内部の燃焼室9に連通させる吸気管10と、この吸気管10の上流端に取り付けられるエアクリーナ11とを備え、これら8〜11は上記内燃機関3の構成部品とされている。また、上記内燃機関3は、上記燃焼室9をその外部に連通させる排気系部材12を備え、この排気系部材12も上記内燃機関3の構成部品とされている。 【0014】上記内燃機関3の本体部5に燃料15を供給可能とする燃料供給装置16が設けられている。この燃料供給装置16は、各気筒毎に、上記シリンダ8の内部の燃焼室9に上記燃料15を供給可能とする燃料噴射弁17を備えている。これら燃料噴射弁17は上記本体部5のシリンダ8の一側部に配設され、これら各燃料噴射弁17はそれぞれ電磁弁を有する電磁開閉式とされている。上記シリンダ8にはその外部を燃焼室9に連通させるねじ孔である連通孔19が形成されている。 【0015】上記燃料噴射弁17は全体的に断面円形の軸形状とされ、上記電磁弁よりも下流側の燃料噴射弁17の一端部には、その内部から外部に向って燃料15を噴射可能とする噴射ノズル20が形成されている。 【0016】上記燃料噴射弁17の噴射ノズル20側の端部21のうち、最端部の外周面に雄ねじ22が形成されている。また、上記端部21の軸方向の中途部にはその周方向に延びる円環状の周溝23が形成され、上記端部21に外嵌されるよう上記周溝23に嵌入されるOリング24が設けられ、このOリング24は、上記端部21の外周面と連通孔19の内周面とにそれぞれ圧接してこれら両面の間をシールしている。 【0017】上記燃料噴射弁17の電磁弁よりも上流側に燃料タンク26内と連通する燃料レール27が設けられ、燃料ポンプにより、上記燃料レール27を通し燃料15が上記燃料噴射弁17に供給されるようになっている。また、上記燃料噴射弁17の電磁弁と制御装置から延出してきた外部電線29とを接続させる電気接続部30が設けられている。上記燃料タンク26は上記シリンダ8の上方に設置され、また、上記本体部5のシリンダ8と上記燃料タンク26とをその上方から覆う樹脂製のエンジンカバー31が設けられ、このエンジンカバー31は上記燃料タンク26の上面に着脱自在に取り付けられている。 【0018】一方、上記クランク軸6の後端部には、船体2の後部に支承されたプロペラがカップリング32と推進軸33とにより連動連結されている。 【0019】そして、上記燃料15が燃料レール27を通して燃料噴射弁17に加圧されて供給されている状態で、上記制御装置により制御された燃料噴射弁17の電磁弁が適宜開閉することで、この燃料噴射弁17から燃料15が本体部5の内部の燃焼室9に対し適宜噴射されて供給され、この供給された燃料15が燃焼室9で燃焼に供される。これにより、上記内燃機関3が駆動し、その動力が上記クランク軸6から出力され、この動力により上記カップリング32と推進軸33とを介してプロペラが駆動させられ、船艇1が推進させられるようになっている。 【0020】上記構成において、燃料噴射弁17の上記噴射ノズル20側の端部21のうち、内燃機関3の外部に露出する部分36の外周面に弾性的に密着するよう外嵌される弾性の円形筒状体37が設けられている。また、この筒状体37の下端部はその周方向の全体にわたり前記Oリング24に一体成形されている。 【0021】上記構成によれば、上記燃料噴射弁17に雨水や海水等の水が降りかかるということは、上記筒状体37によって防止され、よって、上記水により燃料噴射弁17が腐食させられるということは防止される。 【0022】しかも、上記の場合、筒状体37は、燃料噴射弁17の噴射ノズル20側の端部21と、内燃機関3の本体部5に形成した連通孔19の内周面との間をシールするために設けられたOリング24に一体成形したのであり、このため、上記した腐食の防止のために、上記筒状体37を設けても、内燃機関3の部品点数が増えることは回避され、よって、上記腐食の防止が簡単な構成によって達成されることとなる。 【0023】一方、上記エンジンカバー31は内燃機関3の構成部品であり、このエンジンカバー31の一側部は一体的に複数(4つ)のカバー部39が形成され、これら各カバー部39は前記各電気接続部30の少なくとも一部をその上方と、前後方向から覆っている。これら各電気接続部30は、上記エンジンカバー31の本体部から一体的に延出して上記電気接続部30の上方近傍に位置する天井板40と、この天井板40の前、後端縁からそれぞれ下方に向って一体的に延出し上記電気接続部30の前、後方近傍に位置する前、後板41,42とを有している。 【0024】更に、上記燃料噴射弁17は、その上方から内燃機関3の構成部品であるエアクリーナ11で覆われており、また、上記電気接続部30は、同上内燃機関3の構成部品である上記燃料タンク26の外側面近傍に位置させられて、上記電気接続部30の少なくとも一部は、上記燃料タンク26により外側方から覆われている。 【0025】上記構成によれば、電気接続部30に海水や雨水等の水が降りかかることは、上記内燃機関3のエンジンカバー31、エアクリーナ11、および燃料タンク26によって防止され、よって、上記水により電気接続部30が腐食させられるということは防止される。 【0026】しかも、上記の場合、電気接続部30に水が降りかからないようにさせる上で、上記内燃機関3のエンジンカバー31、エアクリーナ11、および燃料タンク26が利用されたのであり、このため、上記した腐食の防止をしても、内燃機関3の部品点数が増えることは回避され、よって、上記腐食の防止が簡単な構成によって達成される。 【0027】なお、図1中二点鎖線で示すように、上記天井板40の延出端縁、前、後板41,42の外側端縁とを一体的に連結させて、上記電気接続部30の少なくとも一部を上記燃料タンク26の外側面とは反対側の外側方から覆う側板44を設けてもよく、このようにすれば、上記腐食防止の効果が更に向上する。 【0028】また、上記内燃機関3は2サイクルであってもよい。更に、上記電気接続部30の少なくとも一部を、内燃機関3の構成部品である排気系部材12の排気管や排気膨張管などで覆うようにしてもよい。 【0029】 【発明の効果】本発明による効果は、次の如くである。 【0030】請求項1の発明は、船体に搭載された内燃機関の本体部の内部に燃料を供給可能とする燃料噴射弁を設け、上記本体部にその外部を内部に連通させる連通孔を形成し、この連通孔に上記燃料噴射弁の噴射ノズル側の端部を嵌入させ、上記噴射ノズル側の端部に外嵌されてこの端部と上記連通孔の内周面との間をシールするOリングを設けた船艇用内燃機関において、【0031】上記燃料噴射弁の上記噴射ノズル側のうち、内燃機関の外部に露出する部分の外面に外嵌される弾性の筒状体を設け、この筒状体を上記Oリングに一体成形してある。 【0032】このため、上記燃料噴射弁に雨水や海水等の水が降りかかるということは、上記筒状体によって防止され、よって、上記水により燃料噴射弁が腐食させられるということは防止される。 【0033】しかも、上記の場合、筒状体は、燃料噴射弁の噴射ノズル側の端部と、内燃機関の本体部に形成した連通孔の内周面との間をシールするために設けられたOリングに一体成形したのであり、このため、上記した腐食の防止のために、上記筒状体を設けても、内燃機関の部品点数が増えることは回避され、よって、上記腐食の防止が簡単な構成によって達成されることとなる。 【0034】請求項2の発明は、船艇に搭載された内燃機関の本体部の内部に燃料を供給可能とする電磁開閉式の燃料噴射弁を設けた船艇用内燃機関において、【0035】上記燃料噴射弁と外部電線との電気接続部の少なくとも一部をその上方から上記内燃機関の構成部品で覆ってある。 【0036】このため、上記電気接続部に海水や雨水等の水が降りかかることは、上記内燃機関の構成部品によって防止され、よって、上記水により電気接続部が腐食させられるということは防止される。 【0037】しかも、上記の場合、電気接続部に水が降りかからないようにさせる上で、上記内燃機関の構成部品が利用されたのであり、このため、上記した腐食の防止をしても、内燃機関の部品点数が増えることは回避され、よって、上記腐食の防止が簡単な構成によって達成される。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000010076 【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
|
| 【出願日】 |
平成10年(1998)3月27日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】澤田 忠雄
|
| 【公開番号】 |
特開平11−280607 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)10月15日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−100425 |
|