| 【発明の名称】 |
筒内噴射装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】飯野 賢一
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| 【要約】 |
【課題】筒内噴射装置において、点火プラグ周辺の着火燃焼時の燃料濃度が過度に濃くなるのを防止する。
【解決手段】コモンレール5から燃料噴射ノズル11へ至る燃料供給管10aに、電磁弁(減圧手段)20を介装する。この電磁弁20は、開位置20aと絞り位置20bとの2位置を有しており、通常、開位置20aに位置する一方、成層燃焼モードにおける比較的高負荷時には、噴射期間の末期ごとに絞り位置20bに切り換えられる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 高圧の燃料を蓄えるコモンレールと、燃料が噴射される噴射孔を有する燃料噴射ノズルと、上記コモンレールと上記噴射孔との間に設けられた燃料供給通路とを備え、上記燃料噴射ノズルが、上記噴射孔を開閉するニードルバルブ、このニードルバルブを閉弁方向に付勢するノズルばね、および磁力によって上記ニードルバルブを開弁方向に移動させるソレノイドを有し、上記ソレノイドが励磁されると、上記ニードルバルブが開弁して上記噴射孔から燃料が噴射され、上記ソレノイドが消磁されると、上記ニードルバルブが上記ノズルばねと上記燃料の圧力とによって閉弁されて燃料の噴射が終了する筒内噴射装置において、上記燃料供給通路に、上記噴射孔から燃料が噴射される燃料噴射期間の終期に、上記噴射孔に供給される燃料の圧力を低下させる減圧手段を設けたことを特徴とする筒内噴射装置。 【請求項2】 高圧の燃料を蓄えるコモンレールと、燃料が噴射される噴射孔を有する燃料噴射ノズルと、上記コモンレールと上記噴射孔との間に設けられた燃料供給通路とを備え、上記燃料噴射ノズルが、上記噴射孔を開閉するニードルバルブ、このニードルバルブを閉弁方向に付勢するノズルばね、および磁力によって上記ニードルバルブを開弁方向に移動させるソレノイドを有し、上記ソレノイドが励磁されると、上記ニードルバルブが開弁して上記噴射孔から燃料が噴射され、上記ソレノイドが消磁されると、上記ニードルバルブが上記ノズルばねによって閉弁されて燃料の噴射が終了する筒内噴射装置において、上記燃料供給通路に、上記噴射孔から燃料が噴射される燃料噴射期間の途中からその燃料噴射期間の終了までの間、上記噴射孔に供給される燃料の圧力を低下させる減圧手段を設けたことを特徴とする筒内噴射装置。 【請求項3】 上記減圧手段が、燃料を抵抗なく流通させる開位置と、所定の大きさの抵抗をもって燃料を流通させる絞り位置との2位置を有する電磁弁であることを特徴とする請求項1または2に記載の筒内噴射装置。 【請求項4】 高圧の燃料を蓄えるコモンレールと、燃料が噴射される噴射孔を有する燃料噴射ノズルと、上記コモンレールと上記燃料噴射ノズルとの間に設けられた燃料供給管とを備え、上記燃料噴射ノズルが、上記噴射孔を開閉するニードルバルブ、このニードルバルブを閉弁方向に付勢するノズルばね、および磁力によって上記ニードルバルブを開弁方向に移動させるソレノイドを有し、上記ソレノイドが励磁されると、上記ニードルバルブが開弁して上記噴射孔から燃料が噴射され、上記ソレノイドが消磁されると、上記ニードルバルブが上記ノズルばねによって閉弁されて燃料の噴射が終了する筒内噴射装置において、上記燃料供給管に、上記噴射孔から燃料が噴射される燃料噴射期間の終期に、上記燃料供給管を遮断する遮断手段を設けたことを特徴とする筒内噴射装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、筒内噴射式ガソリンエンジンに用いられる筒内噴射装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般に、この種の筒内噴射装置は、燃料ポンプから吐出されたガソリン燃料を所定の圧力で蓄えるコモンレールと、エンジンの各気筒にそれぞれ設けられた燃料噴射ノズルと、各燃料噴射ノズルの噴射孔とコモンレールとを連通する燃料供給通路とを備えている。 【0003】燃料噴射ノズルは、噴射孔を開閉するニードルバルブと、このニードルバルブを開方向へ移動させるソレノイドと、ニードルバルブを閉弁する方向へ付勢するノズルばねとを備えている。ソレノイドを励磁すると、ニードルバルブがノズルばねの付勢力に抗して開移動し、噴射孔が開口して、燃料が噴射される。ソレノイドを消磁すると、ニードルバルブがノズルばねの付勢力と燃料圧とによって閉移動し、噴射孔が閉塞される。これによって、燃料噴射が終了する。 【0004】このような筒内噴射装置においては、コモンレールによって燃料圧が一定に維持されているので、燃料は一定の速度でエンジンの燃焼室に噴射される。この燃料の速度は、空気の抵抗を受けて前方へ至るほど低下する。したがって、噴射孔の前方の所定場所では、燃料濃度が時間とともに濃くなり、噴射終了直後に最も濃くなる。その後、燃料は時間の経過とともに拡散し、燃焼室全体に均一に分布する。 【0005】ところで、ガソリンエンジンでは、燃料濃度が着火時に少なくとも点火プラグ周辺で着火に適した濃さに達している必要がある。したがって、高負荷時に多量の燃料を噴射して燃焼を行う場合には、燃料濃度が燃焼室全体にわたって均一に分布した段階で着火燃焼させることができるが(この場合を均質燃焼モードという)、低負荷時になるべく少量の燃料で燃焼を行おうとする場合には、燃料濃度が燃焼室全体にわたって均一になってしまうと、薄すぎてうまく燃焼させることができない。そこで、筒内噴射装置を用いたガソリンエンジンでは、噴射終了直後に燃料濃度が最も濃くなる上記所定場所もしくはその近傍に点火プラグを配置しておくことにより、低負荷時には噴射終了直後に着火を行っている(この場合を成層燃焼モードという)。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】従来の筒内噴射装置を用いたガソリンエンジンにおいては、成層燃焼モードの中でも比較的低負荷で運転されているときに合わせて、点火プラグ周辺の着火燃焼時の燃料濃度が適度な値になるように構成されている。ところが、そのように設定すると、成層燃焼モードの中でも比較的高負荷で運転されている場合に、点火プラグ周辺の着火燃焼時の燃料濃度が過度に濃くなってしまうという問題があった。負荷が高くなると、噴射期間を長くして燃料の噴射量を多くしなければならないからである。勿論、点火プラグ周辺の着火燃焼時の燃料濃度を、成層燃焼モードにおける高負荷時に合わせればそのような問題を解消することができるが、そうすると、低負荷時に燃料濃度が過度に薄くなってしまう。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため、請求項1に係る発明は、高圧の燃料を蓄えるコモンレールと、燃料が噴射される噴射孔を有する燃料噴射ノズルと、上記コモンレールと上記噴射孔との間に設けられた燃料供給通路とを備え、上記燃料噴射ノズルが、上記噴射孔を開閉するニードルバルブ、このニードルバルブを閉弁方向に付勢するノズルばね、および磁力によって上記ニードルバルブを開弁方向に移動させるソレノイドを有し、上記ソレノイドが励磁されると、上記ニードルバルブが開弁して上記噴射孔から燃料が噴射され、上記ソレノイドが消磁されると、上記ニードルバルブが上記ノズルばねと上記燃料の圧力とによって閉弁されて燃料の噴射が終了する筒内噴射装置において、上記燃料供給通路に、上記噴射孔から燃料が噴射される燃料噴射期間の終期に、上記噴射孔に供給される燃料の圧力を低下させる減圧手段を設けたことを特徴とする。 【0008】請求項2に係る発明は、高圧の燃料を蓄えるコモンレールと、燃料が噴射される噴射孔を有する燃料噴射ノズルと、上記コモンレールと上記噴射孔との間に設けられた燃料供給通路とを備え、上記燃料噴射ノズルが、上記噴射孔を開閉するニードルバルブ、このニードルバルブを閉弁方向に付勢するノズルばね、および磁力によって上記ニードルバルブを開弁方向に移動させるソレノイドを有し、上記ソレノイドが励磁されると、上記ニードルバルブが開弁して上記噴射孔から燃料が噴射され、上記ソレノイドが消磁されると、上記ニードルバルブが上記ノズルばねによって閉弁されて燃料の噴射が終了する筒内噴射装置において、上記燃料供給通路に、上記噴射孔から燃料が噴射される燃料噴射期間の途中からその燃料噴射期間の終了までの間、上記噴射孔に供給される燃料の圧力を低下させる減圧手段を設けたことを特徴とする。 【0009】ここで、上記減圧手段が、燃料を抵抗なく流通させる開位置と、所定の大きさの抵抗をもって燃料を流通させる絞り位置との2位置を有する電磁弁であることが望ましい。 【0010】請求項4に係る発明は、高圧の燃料を蓄えるコモンレールと、燃料が噴射される噴射孔を有する燃料噴射ノズルと、上記コモンレールと上記燃料噴射ノズルとの間に設けられた燃料供給管とを備え、上記燃料噴射ノズルが、上記噴射孔を開閉するニードルバルブ、このニードルバルブを閉弁方向に付勢するノズルばね、および磁力によって上記ニードルバルブを開弁方向に移動させるソレノイドを有し、上記ソレノイドが励磁されると、上記ニードルバルブが開弁して上記噴射孔から燃料が噴射され、上記ソレノイドが消磁されると、上記ニードルバルブが上記ノズルばねによって閉弁されて燃料の噴射が終了する筒内噴射装置において、上記燃料供給管に、上記噴射孔から燃料が噴射される燃料噴射期間の終期に、上記燃料供給管を遮断する遮断手段を設けたことを特徴とする。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1〜図6を参照して説明する。図1は、請求項1〜3に係る発明の実施の形態に係る筒内噴射装置1Aを示したものである。筒内噴射装置1Aは、コモンレール5と、複数の(図1には1つだけ図示)燃料噴射ノズル11とを備えており、コモンレール5によって畜圧されたガソリン燃料が、燃料供給管10aを介してそれぞれの燃料噴射ノズル11に供給され、燃料噴射ノズル11からエンジンの燃焼室(図示しない)内へ噴射される。 【0012】コモンレール5には、燃料タンク2内のガソリン燃料が低圧ポンプ3および高圧ポンプ4によって供給される。コモンレール5に供給された燃料の一部は燃料噴射ノズル11に供給され、他の一部は高圧レギュレータ6および低圧レギュレータ7を介して燃料タンク2に戻される。高圧レギュレータ6によってコモンレール5内の燃料の圧力が一定に維持される。 【0013】コモンレール5と各燃料噴射ノズル11との間には燃料供給管10aが配管されている。燃料供給管10aには、電磁弁20(減圧手段)が介装されているが、この点は、本発明の特徴的部分であるので、追って詳述する。燃料供給管10aと、燃料噴射ノズル11の内部に形成された後述する燃料通路10bとにより、燃料供給通路10が構成されている。 【0014】燃料噴射ノズル11は、公知のものと同様に構成されているので、簡単に説明する。燃料噴射ノズル11は、筒状のノズルホルダ12と、このノズルホルダ12の下端部に設けられたノズルボディ13とからなる本体14を有しており、本体14の内部には、ソレノイド15、ノズルばね16、およびニードルバルブ17が順次下方に向けて設けられている。 【0015】ソレノイド15を励磁すると、ニードルバルブ17が弁座13bからリフトする。これによって、コモンレール5内のガソリン燃料が、燃料供給管10aを介してノズルホルダ12の中空部12aの上端部に導入され、その後順次、中空部12a、ニードルバルブ17の上端部に形成された縦孔17aおよび横孔17b、ノズルボディ13の中空部13aの内周面とニードルバルブ17の外周面との間を通過して、噴射孔13cに達し、噴射孔13cから燃焼室内に噴射される。このノズルホルダ12の中空部12aの上端部から噴射孔13cに至るまでの燃料噴射ノズル11の内部における燃料の流路が、燃料通路10bである。 【0016】ソレノイド15を消磁すると、ニードルバルブ17が、ノズルばね16の付勢力によって押し下げられる。これと同時に、ニードルバルブ17は、燃料噴射ノズル11内の燃料圧によっても押し下げられる。すなわち、ニードルバルブ17の下端部には、ノズルボディ13の中空部13aの内周面に液密に密着するスワールチップ部17cが設けられており、このスワールチップ部17cより上方の燃料圧の方が、下方の燃料圧よりも大きいので、ニードルバルブ17が押し下げられる。これにより、スワールチップ部17cが弁座13bに着座させられ、燃料噴射が終了する。 【0017】次に、本発明の特徴的部分たる電磁弁20について説明する。電磁弁20は、開位置20aと絞り位置20bとの2位置を有しており、通常は、開位置20aに位置している。電磁弁20が開位置20aに位置しているときは、燃料が電磁弁20内を抵抗なく流通することができる。したがって、燃料噴射ノズル11に供給される燃料の圧力が低下することはない。 【0018】一方、絞り位置20bにおける電磁弁20内の油路には絞り20cが設けられている。したがって、電磁弁20が絞り位置20bに位置しているときは、燃料供給管10a内のガソリン燃料が絞り20cによって所定の大きさの抵抗を受ける。これにより、燃料噴射ノズル11に供給される燃料の圧力が減圧される。 【0019】次に、上記のように構成された筒内噴射装置1Aの作用を、図2〜図4を参照して説明する。いま、エンジンが成層燃焼モードで、しかも低負荷で運転されているものとする。この運転状態では、図2に示すように、電磁弁20を常に開位置20aに位置させておく。したがって、燃料通路10bの燃料圧は、コモンレール5によって定められたほぼ一定の値P0 に維持される。ソレノイド15を励磁すると(励磁信号ON)、ニードルバルブ17がフルリフト量hまでリフトし、ソレノイド15を消磁すると(励磁信号OFF)、ニードルバルブ17のリフト量が0になる。噴射率は、ソレノイド15の励磁によって0から立ち上がり一定の値Q0 になる。そして、ソレノイド15の消磁によって上記一定値Q0 から0まで低下し、燃料噴射が終了する。その直後に点火プラグ(図示せず)が着火される。着火の瞬間、点火プラグ周辺の燃料濃度が、着火に適した値になるように設定されている。 【0020】一方、成層燃焼モードにおいてエンジン負荷が高くなったときは、図3および図4に示すように、各噴射期間の途中からその噴射期間の終了までの間、電磁弁20を絞り位置20bにする。すると、絞り20cによって燃料通路10bの燃料圧がP1 まで低下する。燃料圧と噴射率とは比例関係にあるため、噴射の後半で噴射率が下がり、点火プラグ周辺の燃料濃度が過度に濃くなるのを防止することができる。 【0021】この点を、図3に基づいてさらに詳細に述べる。高負荷時には低負荷時よりも所要の噴射量が多くなるので、噴射期間を長くする必要がある。したがって、図3において想像線で示すように、電磁弁20を開位置20aに維持し続けたとすると、上記一定の噴射率Q0 で噴射される時間が長くなり、点火プラグ周辺の燃料濃度が過度に濃くなってしまう。 【0022】そこで、各噴射期間の末期ごとに、電磁弁20を絞り位置20bに切り換える。すると、燃料通路10bの燃料圧がP1 まで低下するため、図3において実線で示すように、噴射率が上記想像線の場合よりも早く低下し始める。そして、ソレノイド15を消磁し、ニードルバルブ17を降下させる。上述したように、ニードルバルブ17は、ノズルばね16の付勢力に加えて燃料通路10bの燃料圧によっても降下させられるが、燃料圧がP1 まで低下しているので、それだけ低速で降下していく。そのため、噴射率の低下勾配も緩慢になる。この結果、上記想像線の場合よりも、噴射が遅く終了する。これにより、上記想像線の場合と同じ噴射量を確保することができる。 【0023】しかも、噴射期間の末期に噴射された燃料については、噴射率の低下に対応して噴射速度が低下しているため、点火プラグ周辺に到達することはほとんどない。したがって、点火プラグ周辺の燃料濃度が過度に濃くなるのを防止することができる。これにより、スモークや失火を抑制することができ、燃焼の安定化が可能になるとともに、排気中のHC濃度も低減させることができる。 【0024】噴射終了後は、電磁弁20を開位置20aへ復帰させる。これにより、燃料通路10bの燃料圧も元の一定の値P0 へ復帰することとなる。 【0025】図4は、電磁弁20の切り換えタイミングを図3よりも早めた場合を示したものである。すなわち、図4では、噴射期間の中期に、電磁弁20を絞り位置20bに切り換えている。その場合、電磁弁20の切り換え後、しばらくの間、噴射率が絞り20cによって定められる所定の値Q1 に維持される。この噴射率Q1は、電磁弁20の切り換え前の噴射率Q0 よりも小さい。したがって、噴射孔13cから噴射される燃料の速度が、電磁弁20の切り換え前よりも遅くなる。これによって、図3と同様に、着火時における点火プラグ周辺の燃料濃度を適度な値に抑えることができる。 【0026】なお、噴射期間の後半において噴射率が小さくなった分、ソレノイド15が図3の場合よりも遅いタイミングで消磁されることによって、長い期間噴射が行われる。したがって、図3の場合と同じ噴射量を確保することができる。 【0027】ここで、図3の場合には、ニードルバルブ17がノズルばね16に加えて燃料圧によっても押し下げられることを利用していたが、図4の実施の形態では、ニードルバルブ17が燃料圧によって押し下げられることは必ずしも必要ではない。噴射期間末期の噴射率の低下勾配を緩慢にすることがポイントなのではなく、噴射率を2段階に切り換えることがポイントだからである。また、電磁弁20は、燃料噴射ノズル11内の燃料通路10bに設けてもよい。減圧手段は、電磁弁20に限定されるものではない。たとえば、燃料供給管10aから燃料タンク2へ還流する分岐管を設け、この分岐管に逃がし弁を設ける。そして、逃がし弁を電磁弁20と同じタイミングで開閉すれば、燃料通路10bの燃料圧を増減させることができ、電磁弁20と同じ効果を奏することができる。 【0028】図5は、請求項4に係る発明の実施の形態に係る筒内噴射装置1Bを示したものである。この筒内噴射装置1Bにおいて、上記筒内噴射装置1Aと異なる構成についてのみ説明することとし、同一構成部分については、同一符号を付してその説明を省略する。 【0029】この筒内噴射装置1Bでは、電磁弁20に代えて、電磁弁30(遮断手段)が用いられている。この電磁弁30は、開位置30aと閉位置30bとの2位置を有する常開の(通常、開位置30aに位置する)電磁弁である。電磁弁30が開位置30aに位置しているときは、燃料が電磁弁30内を抵抗なく流通することができる。一方、電磁弁30が閉位置30bに位置しているときは、電磁弁30内の燃料の流通が遮断される。 【0030】上記構成の筒内噴射装置1Bにおいて、成層燃焼モードにおける低負荷時には、電磁弁30が常に開位置30aに維持され、図2の場合と同様の噴射が行われる。 【0031】一方、成層燃焼モードにおける高負荷時には、図6に示すように、噴射期間の末期ごとに、電磁弁30が閉位置30bに切り換えられ、燃料供給管10aが遮断される。したがって、それ以降の噴射は、電磁弁30の下流側の残圧、すなわち、燃料通路10bの残圧によって行われることになる。燃料通路10bの残圧は、燃料が噴射されるに伴って低下していくので、噴射率もしだいに低下していく。この噴射率の低下勾配は、図2のニードルバルブ17のリフト量の低下勾配に比べると、緩やかである。したがって、噴射期間の末期に噴射された燃料が、噴射終了直後の着火時に、点火プラグに到達することはない。これにより、上記筒内噴射装置1Aと同様に、着火時における点火プラグ周辺の燃料濃度を適度な値に抑えることができる。 【0032】なお、ニードルバルブ17は、電磁弁30の切り換え後若干遅れてソレノイド15が消磁されることによって、降下していく。ニードルバルブ17のリフト量が0になった後、電磁弁30が開位置30aに切り換えられる。上記図4の場合と同様に、この筒内噴射装置1Bにおいても、ニードルバルブ17が燃料圧によって押し下げられることは、発明の必須要件ではない。電磁弁30を閉位置30bにすることによって、ニードルバルブ17のリフト量とは無関係に、噴射率が低下するからである。 【0033】 【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発明では、各噴射期間の末期の噴射率の低下勾配を緩慢にすることによって、着火燃焼時の点火プラグ周辺のガソリン燃料の濃度が過度に濃くなるのを防止することができる。請求項2に係る発明では、各噴射期間の後半の噴射率を低下させることによって、着火燃焼時の点火プラグ周辺のガソリン燃料の濃度が過度に濃くなるのを防止することができる。請求項3に係る発明では、単に電磁弁を燃料供給通路に介装するだけでよく、燃料供給通路から燃料タンクへ戻り用の配管を設けるなどの必要がないので、構成が簡素化される。請求項4に係る発明では、遮断手段の下流側の残圧によって各噴射期間の末期の噴射を行わせることにより、着火燃焼時の点火プラグ周辺のガソリン燃料の濃度が過度に濃くなるのを防止することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003333 【氏名又は名称】株式会社ゼクセル
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)3月27日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】渡辺 昇
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| 【公開番号】 |
特開平11−280589 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)10月12日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−100226 |
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