| 【発明の名称】 |
内燃機関のエアクリーナ装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】三宅 和幸
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| 【要約】 |
【課題】構造が簡単で、しかも全体形状をコンパクト化した消音機能を備えているエアクリーナ装置を提供する。
【解決手段】内燃機関15のエアクリーナ装置50の基本構造を、吸入口2が配設されたエアクリーナケース10と、このエアクリーナケース10内をダーティーサイド18とクリーンサイド19に分割し、かつ吸入口2から吸入された外気を清浄化するエレメント12と、ダーティーサイド18に配設される別室27とからなる構造とする。そして、この別室27は、開放部26を備え、かつ複数の孔24、25を対向して配設した区画壁20と開放部26に面し、かつ外気と連通する通気孔7が配設されたエアクリーナケース10にて構成されている内燃機関15のエアクリーナ装置50とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 吸入口が配設されたエアクリーナケースと、該エアクリーナケース内をダーティーサイドとクリーンサイドに分割し、かつ前記吸入口から吸入された外気を清浄化するエレメントと、前記ダーティーサイドに配設される別室とからなる内燃機関のエアクリーナ装置であって、該別室は、開放部を備え、かつ複数の孔を対向して配設した区画壁と、前記開放部に面し、かつ外気と連通する通気孔が配設された前記エアクリーナケースにて構成されることを特徴とする内燃機関のエアクリーナ装置。 【請求項2】 前記別室内に吸音材を配設したことを特徴とする請求項1記載の内燃機関のエアクリーナ装置。 【請求項3】 前記エアクリーナケース外に配設され、かつ外気から遮断されたレゾネータに、前記通気孔を連通することを特徴とする請求項1記載の内燃機関のエアクリーナ装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、エアクリーナケース内に吸入された外気を、このエアクリーナケースに内蔵されたエレメントを通過させることで外気を清浄化して内燃機関に供給するエアクリーナ装置に関するものである。詳しくは、4輪自動車、自動2輪車、または汎用内燃機関等に使用される消音機能を備えた内燃機関のエアクリーナ装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】消音機能を備えた内燃機関用のエアクリーナ装置に関する従来の技術は、一般的には、レゾネータと呼ばれる音響管(音響室)を利用した技術が多い。例えば、特開平9−32669号公報の従来技術として図4、図5に開示されているように、エアクリーナケース内に連通して外気を吸入する機能を持つ吸入管に、レゾネータと呼ばれる音響管(音響室)を配設して消音機能を持たせる技術である。この消音技術は、下記に示す内容の技術である。基本構造は、吸入管の途中箇所に、吸入管とは別部材の音響管を付設した構造である。そして、消音は、この音響管の働き(内部の気柱共鳴により、ある特定の周波数で音のエネルギーを減衰させる働き)により、内燃機関で発生した騒音を低減させる技術である。 【0003】また、この特開平9−32669号公報に開示されているように、音響管を使用しない方法で消音機能を備えた内燃機関用のエアクリーナ装置に関する技術もある。この消音技術は、下記に示す内容の技術である。基本構造は、エレメントにより区画されたエアクリーナケース内の吸入口側であるダーティーサイドに、エレメントに対して間隔を隔てて対向する箇所であって、エアクリーナケースの内面に対しても間隔を隔てて、振動板を配設する。そして、この振動板とエアクリーナケースの内面との間に形成された別室を、エアクリーナケース外部と空気流通孔にて外気に連通させた構造である。そして、消音は、振動板を使用して音エネルギーを振動エネルギーに変換する技術を応用することにより、内燃機関で発生した騒音を低減するという技術である。また、この消音は、吸気の振動(脈動)に対応して振動板が振動するので、脈動の圧力変動が大きいほど効果的に作用する技術である。さらに、振動板をエアクリーナケースに弾性支持部材を介して取付けると、振動板を伝わる振動がこの弾性支持部材にても吸収されるため、より良好な消音機能が確保されるという技術である。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】特開平9−32669号公報の従来技術に開示されている、レゾネータと呼ばれる音響管(音響室)を配設して消音機能を発揮させるためには、レゾネータの容積を充分に確保する必要がある。しかし、小型4輪自動車では、自動車自体がもともとコンパクトに設計されているため、エンジンルーム内に消音機能を充分に発揮するだけの容積を持つレゾネータを配設するスペースの確保が容易ではない。そして、エアクリーナ装置本体であるエアクリーナケースまでの外気吸入管を、コンパクトに設計されたエンジンルームやエンジンルーム周辺の車体に配設すると、この外気吸入管を曲がりくねらせて配設する必要があり、一般的にレイアウトが複雑になりやすい。このため、外気吸入管内での通気抵抗が増加して、出力低下の原因となることがある。さらに、このレゾネータの取付けは、コンパクトに設計されたエンジンルームやエンジンルーム周辺の車体の狭いスペースに無理に押し込む作業となりやすく、作業性が悪いことが多い。 【0005】特開平9−32669号公報に開示されている、振動板を使用して音エネルギーを振動エネルギーに変換して消音効果を発揮させるには、いかに振動板の振幅を吸気の振動(脈動)に正確に追従させるか、そして、いかに振動板の振幅を大きく確保するかが課題となる。また、振動板自体が備えている減衰性能によっても消音機能の良否が左右されやすい。つまり、振動板の設計の良否により、消音性能がほぼ決定されてしまう構造を持つ発明である。従って、振動板の材質や、板厚、さらに振動板のエアクリーナケースへの取付け方法等を充分に検討しないと、狙った消音効果が得られない場合がありうる。そして、振動板を振動させて消音効果を発揮するという構造的特性上、振動板、およびエアクリーナケースへの取付け部分の耐久性を充分に考慮して設計することが要求される。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解決するため、内燃機関のエアクリーナ装置の基本構造を、吸入口が配設されたエアクリーナケースと、このエアクリーナケース内をダーティーサイドとクリーンサイドに分割し、かつ吸入口から吸入された外気を清浄化するエレメントと、ダーティーサイドに配設される別室とからなる構造とする。そして、この別室は、開放部を備え、かつ複数の孔を対向して配設した区画壁と、開放部に面し、かつ外気と連通する通気孔が配設されたエアクリーナケースにて構成されている内燃機関のエアクリーナ装置とするものである。なお、上記エアクリーナケースは、内部にエレメントや区画壁等を内蔵するため、一般的に分割構造タイプのエアクリーナケースとなるが、分割数については複数であればよく、その数については特に限定されない。そして、エレメントや区画壁に対するエアクリーナケース分割面の合わせ面方向についても同様に、特に指定方向はない。 【0007】また、本発明は、前記別室内に吸音材を配設した内燃機関のエアクリーナ装置とするものである。 【0008】さらに、本発明は、エアクリーナケース外に配設され、かつ外気から遮断されたレゾネータに、前記通気孔を連通する内燃機関のエアクリーナ装置とするものである。 【0009】 【発明の実施の形態】図1から図6に本発明の実施例を示す。図1は、本発明のエアクリーナ装置を取り付けた内燃機関を内燃機関の上方から見た図、図2は、図1における断面AーA図、図3は、本発明のエアクリーナ装置に使用する区画壁の全体形状を示す斜視図である。そして、図4は、本発明を適用したエアクリーナ装置における、エアクリーナケース内に吸入された外気の流れ、および吸気管から伝達される内燃機関の吸気脈動波の状態を示す図である。また、図5は、本発明を適用したエアクリーナ装置の他の実施例の要部断面を示す図であり、さらに図6も、本発明を適用したエアクリーナ装置の他の実施例の要部断面を示す図である。 【0010】本発明を適用したエアクリーナ装置50の、内燃機関15に対する取付け位置を図1、図2に示す。この内燃機関15は、4輪自動車、汎用内燃機関等に主に適する内燃機関15である。エアクリーナ装置50は、吸気管16を介して内燃機関15に連結し、取付位置を内燃機関15の上方位置としている。なお、本実施例はあくまでも一実施例であり、機能的には、本発明を適用したエアクリーナ装置50の取付位置は、内燃機関15の側方、または下方としてもよい。 【0011】以下に、本発明を適用したエアクリーナ装置50の具体的構造について、図1から図3を参照しながら説明する。エアクリーナケース10は、内燃機関15に対して上下方向に、アッパエアクリーナケース3と、ロアエアクリーナケース6の2分割構造としている。材質は、樹脂や、鋼板等の金属等を使用している。このエアクリーナ装置10の詳細構造は、アッパエアクリーナケース3については、アッパエアクリーナケース本体1に吸入口2が配設されている。また、このアッパエアクリーナケース3には、吸入口2とは別位置に、アッパエアクリーナケース3内に外気を連通する通気孔7が配設されている。そして、ロアエアクリーナケース6には、ロアエアクリーナケース本体4に、清浄化した外気を吸気管16に吐出する吐出口5が配設されている。エレメント12の外周プロフィールは、エアクリーナケース10の外週プロフィールと略相似形状としている。エレメント12の外気を清浄化する部分の材質は、紙、ウレタン等を使用している。また、このエレメント12の外周には、シール部材11が取付けられている。このシール部材11は、アッパエアクリーナケース3とロアエアクリーナケース6との合わせ面に挟まれる状態で配設される。そして、複数のクランプ8にてアッパエアクリーナケース3とロアエアクリーナケース6を固定することで、水、泥等のエアクリーナケース10内への侵入を防止している。さらに、このエレメント12は、エアクリーナケース10内を、外気を基準に、吸入口から吸入されたままの状態で清浄化の前段階あるダーティーサイド18と、エレメント12により清浄化された後段階の状態であるクリーンサイド19に分割している。 【0012】また、このダーティーサイド18には、区画壁20を、アッパエアクリーナケース3に溶着、または接着等で固着することで、通気口17を形成するとともに、別室27が配設されている。区画壁20の材質は、樹脂や、鋼板等の金属等を使用している。この別室27の構造について詳しく説明すると、区画壁20の全体形状は、開放部26と、一対の対向壁21、23を連結壁22により連結した、外観形状を略コ字形状としたものである。そして、この対向壁21には、孔24を、そして、対向壁23には、孔25を、それぞれ複数配設してある。この孔24、25の位置は、連結壁22を基準に略同一位置で、さらに互いに略同一の開口面積としている。一方、開放部26が面するアッパエアクリーナケース3の位置は、区画壁20をアッパエアクリーナケース3に固着した状態で、通気孔7が配設されている位置としている。つまり、区画壁20をアッパエアクリーナケース3に固着した状態で、連通孔7にて、別室27を外気と連通可能としている。なお、本実施例では、この連通孔7は、アッパエアクリーナケース3の外周に複数配設されているが、基本的には少なくとも一つあれば機能上の問題はない。 【0013】以上が、本発明を適用したエアクリーナ装置50の詳細構造である。以下に、本発明を適用したエアクリーナ装置50の外気の清浄化作用と、消音作用について図4を参照しながら説明する。まず、エアクリーナ装置50の本来の機能である外気の清浄化作用について説明する。外気の流れは、エアクリーナケース10内のダーティーサイド18に、吸入口2から吸入され、通気口17を経由してエレメント12を通過する経路(矢印B)と、アッパエアクリーナケース3に配設された連通孔7から別室27内に吸入され、区画壁の孔24、25を経由してエレメント12を通過する経路(矢印C)の2系統がある。この2系統から吸入され、エレメント12を通過して清浄化された外気は、吐出口5から吸気管16を経由して内燃機関15に吸入される。 【0014】次に、本発明を適用したエアクリーナ装置50の消音作用について説明する。本発明が消音の対象としている騒音は、内燃機関15のピストン往復運動により内燃機関15から吸気管16を経由して、エアクリーナ装置50に伝達される吸気の脈動波に起因する騒音である。このエアクリーナ装置50内に伝達されるエレメント12を透過した脈動波は、2系統に大別することができる。まず、一方は、対向壁23に向かって進行し、孔25を通過する脈動波(矢印D)である。そして、他方は、通気口17を経由し、アッパエアクリーナケース本体1にて反射され、その後、対向壁21とアッパエアクリーナケース本体1との間で反射されながら孔24を通過する脈動波(矢印E)である。孔24、25を通過したこの2系統の脈動波は、別室27内にて正面から衝突して干渉し合う。言い換えれば、別室27内で空気(別室内に連通孔7から吸入された外気)の振動が干渉し、相殺し合い、互いに打ち消し合うか、または振動を低減させる現象が発生する。従って、この干渉作用により、脈動波に起因する騒音を、排除または低減することができる。 【0015】以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はこの実施例以外にも本発明の技術思想に基づいて他の実施例が可能である。以下に、本発明の技術思想に基づいた他の実施例を示すが、上述した実施例と同一部品を使用する箇所についは、同一符号を記載するか、または符号の記載を省略する。図5は、本発明を適用した他のエアクリーナ装置50’の要部断面を示す図である。この断面位置は、上述したエアクリーナ装置50における断面AーAと同じ位置である。このエアクリーナ装置50’は、具体的には、上述したエアクリーナ装置50の別室27内に、吸音材28を配設したものである。吸音材28の材質は、通気性のあるウレタン等が適している。そして、吸音材28の別室27内への配設方法は、区画壁20をアッパエアクリーナケース3に固着する作業工程にて、あらかじめ、区画壁20内に装着しておく方法とする。 【0016】図6も、本発明を適用した他のエアクリーナ装置50”の要部断面を示す図である。この断面位置は、上述したエアクリーナケース50における断面AーAと同じ位置である。このエアクリーナ装置50”は、具体的には、上述したエアクリーナ装置50に配設されている連通孔7のうち、少なくともー箇所をエアクリーナケース10’の外側から、外気とは遮断されたレゾネータ30内に連通させたものである。図6は、連通孔7を、全てレゾネータ30内に連通させた実施例である。この実施例での消音効果は、レゾネータによる共鳴作用により、上述した実施例と比べて、ある特定の周波数にて、孔24、25からの空気の出入りが特に激しくなるので、音の干渉を促進することになり、さらに消音効果を増すことができる。 【0017】 【発明の効果】本発明によれば、消音構造をエアクリーナ装置と一体構造としたので、エアクリーナ装置までの外気吸入管とエアクリーナ装置の全体形状をコンパクトにまとめることが可能となる。このため、コンパクトな設計が要求される小型4輪自動車のエンジンルーム内や、その車体に採用が可能となり、騒音を低下させた小型4輪自動車を市場に提供することができる。同様に、騒音を低下させた自動2輪車や、汎用内燃機関等を市場に提供することができる。また、本発明によれば、消音機能が特開平9ー32669号公報に開示されている技術のように、振動板の設計の良否により大きく左右されることがなく、しかも耐久性の面でも、特開平9ー32669号公報に開示されている技術よりすぐれている。従って、設計がしやすく、耐久性のある消音機能を備えたエアクリーナ装置を提供することができる。 【0018】さらに、本発明によれば、エアクリーナケース内に吸入される外気の量を充分に確保することが容易である。これは、別室とエアクリーナケースとで形成される通気口の面積を充分に確保して外気の通気抵抗を低減するとともに、別室からも外気を吸入するからである。従って、内燃機関の出力を低下させることなく騒音を低減することができる。そして、本発明によれば、全体をコンパクトにまとめたエアクリーナ装置とすることができる。このため、特に小型4輪自動車のエンジンルーム等の取付けスペースが限られた狭い箇所にも容易に取付けが可能であり、従来技術に比べて取付作業性を大幅に向上することができる。従って、全体がコンパクトにまとまり、部品の小型化によるコストダウンの他に、さらに、作業者の取付作業工数の削減によるコストダウンも期待できる。また、全体がコンパクトであるので、本発明を、自動2輪車や汎用内燃機関等にも幅広く適用が可能である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002082 【氏名又は名称】スズキ株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)3月27日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】奥山 尚男 (外4名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−280576 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)10月12日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−80640 |
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