| 【発明の名称】 |
内燃機関のEGRガス冷却装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】小川 弘志
【氏名】木村 修二
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| 【要約】 |
【課題】冷却性能を改善でき、延いては信頼性・排気性能をも改善できるようにした内燃機関のEGRガス冷却装置を提供すること。
【解決手段】L1を長く取った導入部17を設けると共に、入口部15を、略直交する方向から導入部17へ接続する構成としたので、排気通路11から導入されるEGRガスを、導入部17内壁で衝突・拡散させたうえに所定距離(L1)助走させてから、複数の伝熱管19へ導入させることができる。従って、EGRガスを複数の伝熱管19に対して均一の流速分布で導入させることができ、延いてはある偏った伝熱管19に極端に高速でEGRガスが導入されることを回避できる。このため、従来、流速の高い部分で発生していた局所的な熱伝達率の増加を抑制できるので、冷却水の沸騰を回避でき、冷却効率を高く維持できる。また、吸気温度の低下と許容EGR率限界を改善できるため、排気性能も改善できる。更に、冷却水の沸騰を抑制できるので伝熱管19の破損等も抑制できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】EGRガスを導入するための略筒状のEGRガス入口部と、前記EGRガス入口部に略直角に接続される略筒状の導入部と、EGRガス下流側で前記導入部に接続され、EGRガスが通過する伝熱管が複数内装されると共に、これら伝熱管の外周部を冷却する冷却部を備えた胴管と、前記胴管にEGRガス下流側で接続され、EGRガスを排出するための略筒状の出口部と、を備え、前記伝熱管内を通過するEGRガスを前記冷却部で冷却するようにした内燃機関のEGRガス冷却装置において、前記導入部の内容積を機関排気量の所定係数倍以上、若しくは前記導入部の内容積を所定時間当たりに導入される最大EGRガス流量の所定係数倍以上としたことを特徴とする内燃機関のEGRガス冷却装置。 【請求項2】前記導入部の内容積を機関排気量の0.08倍以上、若しくは前記導入部の内容積を1分間当たりに導入される最大EGRガス流量の0.0001倍以上としたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のEGRガス冷却装置。 【請求項3】EGRガスを導入するための略筒状のEGRガス入口部と、前記EGRガス入口部に略直角に接続される略筒状の導入部と、EGRガス下流側で前記導入部に接続され、EGRガスが通過する伝熱管が複数内装されると共に、これら伝熱管の外周部を冷却する冷却部を備えた胴管と、前記胴管にEGRガス下流側で接続され、EGRガスを排出するための略筒状の出口部と、を備え、前記伝熱管内を通過するEGRガスを前記冷却部で冷却するようにした内燃機関のEGRガス冷却装置において、前記導入部のEGR流れ方向長さL1を、当該導入部の内径D1の2倍以上としたことを特徴とする内燃機関のEGRガス冷却装置。 【請求項4】前記導入部のEGR流れ方向長さL1を、前記EGRガス入口部の内径D2の3倍以上としたことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関のEGRガス冷却装置。 【請求項5】前記EGRガス入口部の内径D2を、前記導入部の内径D1の1/2以下としたことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の内燃機関のEGRガス冷却装置。 【請求項6】前記導入部の閉塞端面から前記EGRガス入口部の円筒中心軸までの長さL2を、前記EGRガス入口部の内径D2以下としたことを特徴とする請求項3〜請求項5の何れか1つに記載の内燃機関のEGRガス冷却装置。 【請求項7】前記EGRガス入口部の円筒中心軸を、前記導入部の円筒中心軸に対して所定の偏心量L3をもって配設したことを特徴とする請求項3〜請求項6の何れか1つに記載の内燃機関のEGRガス冷却装置。 【請求項8】前記所定の偏心量L3を、前記導入部の内径D1と前記EGRガス入口部の内径D2の偏差の1/2としたことを特徴とする請求項3〜請求項7の何れか1つに記載の内燃機関のEGRガス冷却装置。 【請求項9】前記出口部の内径を、前記EGRガス入口部の内径と等しいかそれ以上としたことを特徴とする請求項3〜請求項8の何れか1つに記載の内燃機関のEGRガス冷却装置。 【請求項10】前記冷却部の冷却媒体が、当該冷却部のEGRガス流れ下流側から当該冷却部に導入され、当該冷却部のEGRガス流れ上流側から排出されることを特徴とする請求項1〜請求項9の何れか1つに記載の内燃機関のEGRガス冷却装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関のEGR(排気還流)ガスを冷却するための冷却装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の冷却装置等に用いられる熱交換器としては、例えば、特開平08−035790号公報に開示されるものがある。このものは、図10に示すように、バッフル12’は円管状のシェル11’内に軸方向に所定間隔で固定され、伝熱管20’は、バッフル12’を貫通し、伝熱管20’の両端でコアプレート13’を貫通するとともにバッフル12’およびコアプレート13’に支持されている。バッフル12’は、円形の金属板の一部を弓形に切欠き、伝熱管20’を挿入可能な貫通孔を同心円状に形成しているので、伝熱管20’はシェル11’の内壁とできるだけ間隙を形成しないように配設可能である。このため、伝熱管群外を流れるオイル量を低減でき、熱交換効率の低下を防止することができる、と言うものである。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来の熱交換器の構成を、内燃機関のEGRガス冷却装置に適用しようとすると、以下のような事態が生じる惧れがある。即ち、特に、機関の運転条件が高負荷時において、高温のEGRガス(以下、既燃ガスとも言う。)が伝熱管群に不均一に流入し、局所的な流速の増加によって熱伝達率が高まる為、伝熱管内を流れる冷却水の沸騰が誘引される惧れがある。その結果、既燃ガスの冷却効率が大幅に低下し、延いては吸気温度の上昇によるスモーク性能の悪化や許容EGR率限界の低下によってNOx排出量の増加等、機関の排気性能が低下する惧れがある。 【0004】更に、冷却水が沸騰してしまうと、エロージョンにより伝熱管に破損等が発生してしまう惧れもある。本発明は、このような従来の実情に鑑みなされたもので、比較的簡単な構成でありながら、熱交換効率・冷却性能を改善でき、延いては信頼性・排気性能をも改善できるようにした内燃機関のEGRガス冷却装置を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】このため、請求項1に記載の発明は、EGRガスを導入するための略筒状のEGRガス入口部と、前記EGRガス入口部に略直角に接続される略筒状の導入部と、EGRガス下流側で前記導入部に接続され、EGRガスが通過する伝熱管が複数内装されると共に、これら伝熱管の外周部を冷却する冷却部を備えた胴管と、前記胴管にEGRガス下流側で接続され、EGRガスを排出するための略筒状の出口部と、を備え、前記伝熱管内を通過するEGRガスを前記冷却部で冷却するようにした内燃機関のEGRガス冷却装置において、前記導入部の内容積を機関排気量の所定係数倍以上、若しくは前記導入部の内容積を所定時間当たりに導入される最大EGRガス流量の所定係数倍以上とした。 【0006】請求項2に記載の発明は、前記導入部の内容積を機関排気量の0.08倍以上、若しくは前記導入部の内容積を1分間当たりに導入される最大EGRガス流量の0.0001倍以上とした。そして、請求項3に記載の発明では、EGRガスを導入するための略筒状のEGRガス入口部と、前記EGRガス入口部に略直角に接続される略筒状の導入部と、EGRガス下流側で前記導入部に接続され、EGRガスが通過する伝熱管が複数内装されると共に、これら伝熱管の外周部を冷却する冷却部を備えた胴管と、前記胴管にEGRガス下流側で接続され、EGRガスを排出するための略筒状の出口部と、を備え、前記伝熱管内を通過するEGRガスを前記冷却部で冷却するようにした内燃機関のEGRガス冷却装置において、前記導入部のEGR流れ方向長さL1を、当該導入部の内径D1の2倍以上とした。 【0007】請求項1〜請求項3に記載の発明の構成とすれば、機関排気の一部であるEGRガスを、伝熱管群に低い流速且つ均一の流速分布で流入させることができるようになるため、伝熱管群のうちの一部において(局所的な伝熱管の)熱伝達率が増加してしまうと言った事態を回避することができる。このため、高負荷時においても冷却水の沸騰による冷却性能の低下が抑制され、冷却性能を高く維持できるから、EGRガスの冷却を確実に行うことが可能となる。 【0008】その結果、吸気温度の上昇によるスモーク性態の低下や許容EGR率限界の低下によるNOx排出量の増加を回避することが可能となり、機関の排気性能の向上が得られる。さらに、冷却水の沸騰を防止することでエロージョンによる伝熱管の破損を未然に防ぐことができる。請求項4に記載の発明では、前記導入部のEGR流れ方向長さL1を、前記EGRガス入口部の内径D2の3倍以上とした。 【0009】請求項5に記載の発明では、前記EGRガス入口部の内径D2を、前記導入部の内径D1の1/2以下とした。請求項6に記載の発明では、前記導入部の閉塞端面から前記EGRガス入口部の円筒中心軸までの長さL2を、前記EGRガス入口部の内径D2以下とした。請求項7に記載の発明では、前記EGRガス入口部の円筒中心軸を、前記導入部の円筒中心軸に対して所定の偏心量L3をもって配設した。 【0010】請求項8に記載の発明では、前記所定の偏心量L3を、前記導入部の内径D1と前記EGRガス入口部の内径D2の偏差の1/2とした。請求項7や請求項8に記載の発明によれば、EGRガスが導入部の内部を旋回して流れるようになるため、胴管外周側に配置された伝熱管内を流れるEGRガスの流速が、胴管中央部に配置された伝熱管内を流れるEGRガスの流速に比べ相対的に高まることとなる。このため、比較的多量のEGRガスが流れる胴管外周側に配置された伝熱管が、胴管外周部の流速の高い冷却水と接触することになるため、冷却性能の向上がより顕著となり、さらなる排気性能の向上が可能となる。即ち、胴管外周部の流速の高い冷却水を、積極的かつ有効に、EGRガスの冷却に利用することができることになる。 【0011】請求項9に記載の発明では、前記出口部の内径を、前記EGRガス入口部の内径と等しいかそれ以上とした。かかる構成とすれば、該装置を設けたことによる圧損を最小に留めることが可能となるから、要求EGR量(率)の達成等にとって有利なものとなる。請求項10に記載の発明では、前記冷却部の冷却媒体が、当該冷却部のEGRガス流れ下流側から当該冷却部に導入され、当該冷却部のEGRガス流れ上流側から排出されるようにした。 【0012】かかる構成とすれば、EGRガスと冷却媒体(例えば水など)とが対向して流れることになるから、相対速度が上昇するので、EGRガスと冷却媒体間の熱伝達率を大きくすることができると共に、EGRガスを伝熱管群に低い流速且つ均一の流速分布で流入させることによる熱交換効率の向上との相乗効果によって、より一層、熱交換効率を向上させることができることとなる。 【0013】 【発明の効果】本発明によれば、機関本体の排気通路の一部であるEGRガスを、伝熱管群に低い流速且つ均一の流速分布で流入させることができるため、伝熱管群のうちの一部において(局所的な伝熱管の)熱伝達率が増加してしまうと言った事態を回避することができる。このため、高負荷時においても冷却水の沸騰による冷却性能の低下が抑制され、冷却性能を高く維持できるから、EGRガスの冷却を確実に行うことが可能となる。 【0014】その結果、吸気温度の上昇によるスモーク性態の低下や許容EGR率限界の低下によるNOx排出量の増加を回避することが可能となり、機関の排気性能の向上が得られる。さらに、冷却水の沸騰を防止できるから、エロージョンによる伝熱管の破損等を未然に防ぐことができる。また、請求項7や請求項8に記載の発明によれば、胴管外周部の流速の高い冷却水を、積極的かつ有効に、EGRガスの冷却に利用することができることになるから、一層、冷却性能を向上でき、延いては排気性能等を更に向上させることができる。 【0015】そして、請求項9に記載の発明によれば、該装置を設けたことによる圧損を最小に留めることができ、延いては要求EGR量(率)の達成等にとって有利なものとなる。請求項10に記載の発明によれば、EGRガスと冷却媒体間の熱伝達率を大きくすることができると共に、EGRガスを伝熱管群に低い流速且つ均一の流速分布で流入させることによる熱交換効率の向上との相乗効果によって、より一層、熱交換効率を向上させることができる。 【0016】 【発明の実施の形態】以下に、本発明の一実施の形態を、添付の図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係るEGRガス冷却装置を備えた直接噴射式ディーゼルエンジンの全体構成を示している。図1に示すように、複数のシリンダ2が形成されたシリンダブロック3の上面に吸気ポート5および排気ポート6が形成されたシリンダヘッド4が固定され、シリンダ2内にはピストン7が摺動自在に取り付けられている。 【0017】シリンダヘッド4には、シリンダ2の内面とシリンダヘッド4下面およびピストン7の上面により閉塞された燃焼室と吸気ポート5および排気ポート6を開閉する吸気弁8および排気弁9が設けられている。シリンダヘッド4外部には、吸気ポート5と接続する吸気通路10と、排気ポート6に接続する排気通路11が設けられている。排気通路11は機関本体外部に取り付けられた過給機12のタービン側に接続し、吸気通路11は吸気集合部13を経て過給機12の圧縮機側に接続する。 【0018】また、機関本体外部には、EGRガス冷却装置1が設けられ、EGRガス冷却装置1の一端側は排気通路11に接続され、他端側がEGR弁14を介して吸気集合部13に接続されるようになっている。図2は、EGRガス冷却装置1の詳細な構成を示している。図2に示したように、排気通路11に接続されるEGRガス入口部(既燃ガス入口部。以下、単に入口部とも言う)15は、胴管16の一端部に設けられる導入部17に略直角方向から接続され、胴管16の他端部に設けられる出口部18はEGR弁14を介して吸気集合部13に連通されるようになっている。 【0019】胴管16内部には、胴管16内での導入部17と出口部18との連通を可能としつつ、複数の伝熱管19が胴管16の長手方向(EGRガスの流れ方向)と略平行に配設されると共に、伝熱管19の外周部の胴管16には、冷却媒体としての冷却水を供給するための冷却水入口部20と、冷却水を排出させるための冷却水出口部21が設けられている。即ち、後述するように、入口部15から導入される既燃ガス(EGRガス)は、前記複数の伝熱管19内を流れて、出口部18側へ排出されることになる。また、冷却水入口部20から供給される冷却水は、伝熱管19を支持するべく伝熱管19の両端部に設けられた仕切板19Aを介して密閉され、胴管16内の伝熱管19の周囲を流れた後、冷却水出口部21から排出されるようになっている。なお、胴管16内壁、複数の伝熱管19外壁、冷却水入口部20、冷却水出口部21、両端の仕切板19Aによって、本発明にかかる冷却部が構成される。 【0020】ここで、本実施形態に係る装置の作用について説明する。図1において、燃焼室内の既燃ガスは排気弁9の開弁とともに排気ポート6を経て過給機12に流入する。過給機12から排気通路11へ流出した既燃ガスは機関外部に排出されるが、一部の既燃ガスは、前記入口部15を介して、排気通路11から分岐され、EGRガス冷却装置1に導入される。 【0021】EGRガス冷却装置1に導入された既燃ガスは、該EGRガス冷却装置1(伝熱管19の内部)を通過し、前記出口部18に連通するEGR弁14(該EGR弁14は機関の運転条件に応じて図示しないコントロールユニツトから信号を受けて開閉されるようになっている。)を介して、吸気集合部13に導入される。また、吸気集合部13には、過給機12の圧縮機により圧縮された吸入空気が吸気通路10を介して流入しており、吸気弁8の開弁により、前記吸気集合部13に導入された既燃ガスは、吸入空気と共に、吸気ポート5を経て燃焼室に導入される。 【0022】ところで、排気通路11から分岐してEGRガス冷却装置1に流入した既燃ガスは、EGRガス冷却装置1内で冷却水により冷却されるようになっている。即ち、図2において、入口部15から流入する既燃ガスは、胴管16本体端部の導入部17に流入し、胴管16内部に均等に配置された複数の伝熱管19の内部を通過して出口部18から流出し、EGR弁14に導入される。 【0023】また、伝熱管19の周囲には冷却水入口部20から導入された冷却水が仕切板19Aを介して満たされる構造となっている。従って、伝熱管19内の既燃ガスは、伝熱管19の周囲の冷却水との熱交換により冷却されることになる。なお、胴管16内部(伝熱管19の周囲)の冷却水は、冷却水出口部21を介して胴管16外部に排出される。 【0024】ところで、本実施形態では、十分L1を長く取った導入部17を設けると共に、EGRガス冷却装置1の入口部15を、図2に示すような形で(略直交する方向から)、前記導入部17へ接続させる構成としたので、排気通路11から分岐して導入された既燃ガスを、導入部17内壁で衝突・拡散させたうえに所定距離(長さL1)助走させてから、複数の伝熱管19に導入させることができるため、既燃ガスを複数の伝熱管19に対して均一の流速分布で導入させる(各伝熱管19への既燃ガスの流入速度の均一化を図る)ことができ、延いてはある偏った伝熱管19には極端に高速で、またある偏った伝熱管19には極端に低速で、既燃ガスが導入されると言った事態を回避することができる。 【0025】図3は、本実施形態に係るEGRガス冷却装置1内部の伝熱管19の平均流速と、従来(L1が短いか無い場合)におけるそれと、を三次元数値解析により算出し、比較した結果である。これから、本実施形態に係るEGRガス冷却装置1では、従来と比較して、伝熱管19の平均流速が均一となっており、従来における流速分布図のように高い流速となる伝熱管19が偏在することが抑制できることが分かる。 【0026】なお、図4に示すように、総排気量2.5L(リットル)のエンジンにおいて、EGR弁14を1分間当たりに通過する(前記導入部17へ導入される)最大EGRガス流量を1800L/minとした場合、前記導入部17の内容積(体積)が約0.2L以上のときに良好なものとなるため、従って、前記導入部17の内容積を機関排気量の約0.08倍以上とするか、若しくは前記導入部17の内容積を1分間当たりに導入される最大EGRガス流量の約0.0001倍以上とすることが好ましい。 【0027】また、図5は、EGRガス冷却装置1の導入部17の長さL1を変化させたときの、各伝熱管19の平均流速と全ての伝熱管19の平均流速の差の最大値を算出した結果である。この図から、導入部17の長さL1を導入部17内径D1の2倍以上とすれば、平均流速の差が5m/sec以下となり、伝熱管19の平均流速をほぼ均一にできるため、一層好ましいことが分かる。 【0028】図6には、EGRガス冷却装置1の入口部15の中心軸と導入部17の中心軸の間の長さL3(入口部15の偏心量)と、各伝熱管19の平均流速と全ての伝熱管19の平均流速の差の最大値の関係を算出した結果である。これから偏心量が増加するとともに、最大値は低下しており、導入部17に対する入口部15の偏心量L3が導入部17内径Dlと入口部15内径D2の差の1/2とすると、平均流速の差が5m/sec以下となり、伝熱管19の平均流速をほぼ均一にできるため、一層好ましいことが分かる。 【0029】図7は、機関の運転条件マップであるが、EGRガス冷却装置1内の冷却水の沸騰は、既燃ガス温度が高くなる図中の斜線で示した領域である高負荷時において発生する。冷却水が沸騰すると、冷却水と伝熱管19の間の熱伝達率が低下する為、EGRガス冷却装置1の冷却性能が大幅に低下する。しかし、本実施形態のように構成すれば、伝熱管19内を流れるEGRガスの流速を低下し、且つ流速分布が均一となる為、流速の高い部分で発生していた局所的な熱伝達率の増加が抑制される。そのため、冷却水の沸騰を回避することが可能となる。従って、EGRガス冷却装置1の冷却効率、熱交換効率を高く維持することができる。 【0030】図8は、NOxとPM(排気微粒子)のトレードオフ線図を示しているが、EGRガス冷却装置1の冷却性能が向上した結果、吸気温度の低下と許容EGR率限界を改善することができるため、NOxとPMのトレードオフは25%程度改善されることが確認された。また、EGRガス冷却装置1の沸騰を抑制することで、沸騰の気泡による伝熱管19のキャビテーション破損を防止することが可能となり、信頼性を高めることができることとなる。 【0031】なお、入口部15の中心軸が導入部17の中心軸に対して偏心して取り付ける構成とすると、既燃ガスが導入部17の内部を旋回して流れる為、胴管16外周部に配置された伝熱管19の流速が胴管16中央部に配置された伝熱管19に比べ相対的に高まることとなる。そのため、胴管16外周部の流速の高い冷却水と接触することになる。その結果、冷却性能の向上がより顕著となり、さらなる排気性能の向上が可能となる。 【0032】このように、本実施形態によれば、各伝熱管19内を流れるEGRガスの流速を低減でき、各伝熱管19におけるEGRガスの流速分布を均一化できるから、従来のように流速の高い部分で発生していた局所的な熱伝達率の増加が抑制することができるので、冷却水の沸騰を回避することが可能となる。従って、EGRガス冷却装置1の冷却効率、熱交換効率を高く維持することができる。 【0033】また、吸気温度の低下と許容EGR率限界を改善することができるため、排気性能も改善することができる。更に、沸騰によるキャビテーション等を抑制できるから、伝熱管19の破損等の惧れを回避できるため、装置の信頼性を格段に高めることができる。なお、前記出口部18の内径を、前記EGRガス入口部15の内径D1と等しいかそれ以上とすれば、圧損を低減できるため、要求EGR量(率)の達成等において有利なものとなる。 【0034】また、上記実施形態では、直接噴射式ディーゼルエンジンに適用した例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の内燃機関(例えばガソリンエンジン、副室式のディーゼルエンジン等)にも適用できるものである。そして、図9に示すように、胴管16内部(伝熱管19の周囲)の冷却水(冷却媒体)を、図2とは逆に、EGRガス流れ下流側(冷却水出口部21)から胴管16内部に導入し、EGRガス流れ上流側(冷却水入口部20)で胴管16から排出するように構成することもできる。 【0035】このように構成すると、EGRガスと冷却水とが対向して流れることになるから、相対速度が上昇するので、EGRガスと冷却水間の熱伝達率を大きくすることができる。従って、前述したEGRガスを伝熱管群に低い流速且つ均一の流速分布で流入させることによる熱交換効率の向上効果と相まって、より一層、熱交換効率を向上させることができることとなる。 【0036】ところで、上記実施形態では、EGRガス入口部15、導入部17、胴管16、伝熱管19、出口部18等を略円筒状のものとして説明したが、これに限られるものではなく、本発明と実質的に同様の作用効果を奏することができるものであれば、すべて本発明の範囲に含まれるものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003997 【氏名又は名称】日産自動車株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)3月27日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】笹島 富二雄
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| 【公開番号】 |
特開平11−280563 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)10月12日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−81582 |
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