| 【発明の名称】 |
回転式ラムジェットエンジン |
| 【発明者】 |
【氏名】木村 建彦
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| 【要約】 |
【課題】回転の周速を利用してラム圧縮を行うことにより、ラムジェットエンジンの適用範囲を拡大することができ、しかも航空用エンジン、地上用ガスタービンエンジンとしてその構造を簡略化することができる回転式ラムジェットエンジンの提供。
【解決手段】予めスターターで回転体を回転させ、この回転周速によりインテーク部11においてラム圧縮し、このラム圧縮された空気を燃焼室12に送り込み、燃焼室12で燃焼した高温高圧の燃焼ガスをジェットノズル13から噴射すると、回転体の軸線に対して傾斜して設定されたジェットノズル13の吹き出し角によって、ジェットノズル13から噴射する燃焼ガスによる出力が軸方向推力だけでなく、軸出力(回転力)としても取り出せる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 回転体の周上にラムジェットエンジン部が設けられ、このラムジェットエンジン部が、取り入れた空気を回転周速によりラム圧縮するインテーク部と、このラム圧縮された空気と燃料とを混合して燃焼させる燃焼室と、この燃焼室で燃焼した燃焼ガスを噴射するジェットノズルとから構成され、このジェットノズルの吹き出し角が前記回転体の軸線に対して傾斜して設定されたことを特徴とする回転式ラムジェットエンジン。 【請求項2】 ラムジェットエンジン部の前段にファン動翼が設けられたことを特徴とする請求項1記載の回転式ラムジェットエンジン。 【請求項3】 ジェットノズルの吹き出し角が可変に設定されたことを特徴とする請求項1または2記載の回転式ラムジェットエンジン。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、回転による相対速度を利用した回転式ラムジェットエンジンに関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来のラムジェットエンジンは、航空機の機速を利用してインテーク部内に空気を取り込み、このインテーク部でラム圧縮を行って、燃焼、噴射を行う航空用エンジンで、回転体を持たない構造である。一方、ターボジェットエンジンは、高速で回転する翼で圧縮を行い、この圧縮空気を用いて燃焼させ、この燃焼ガスによって、圧縮機をまわすタービンを回転させる構造をしている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、前記従来のラムジェットエンジンは、構造が簡単であるが、その適用範囲が狭く、航空用エンジンしかも高速飛行時に限られていた。一方、従来のターボジェットエンジンはその適用範囲は広いが、構造が複雑であるという不満があった。 【0004】本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、回転の周速を利用してラム圧縮を行うことにより、ラムジェットエンジンの適用範囲を拡大することができ、しかも航空用エンジン、地上用ガスタービンエンジンとしてその構造を簡略化することができる回転式ラムジェットエンジンを提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明の請求項1は、回転体の周上にラムジェットエンジン部が設けられ、このラムジェットエンジン部が、取り入れた空気を回転周速によりラム圧縮するインテーク部と、このラム圧縮された空気と燃料とを混合して燃焼させる燃焼室と、この燃焼室で燃焼した燃焼ガスを噴射するジェットノズルとから構成され、このジェットノズルの吹き出し角が前記回転体の軸線に対して傾斜して設定されたものである。この請求項1にあっては、予めスターターで回転体を回転させ、この回転周速によりインテーク部においてラム圧縮し、このラム圧縮された空気を燃焼室に送り込み、燃焼室で燃焼した高温高圧の燃焼ガスをジェットノズルから噴射すると、回転体の軸線に対して傾斜して設定されたジェットノズルの吹き出し角によって、ジェットノズルから噴射する燃焼ガスによる出力が軸方向推力だけでなく、軸出力(回転力)としても取り出せ、この回転力により回転体を回転させて、インテーク部におけるラム圧縮を継続する。また、本発明の請求項2は、ラムジェットエンジン部の前段にファン動翼が設けられたものである。この請求項2にあっては、前記ジェットノズルから噴射された燃焼ガスによって得られた回転力により回転体を介してファン動翼を回転させる。さらに、本発明の請求項3は、ジェットノズルの吹き出し角が可変に設定されたものである。この請求項3にあっては、可変に設定されたジェットノズルの吹き出し角によって、回転体の回転速度に応じて、前記吹き出し角を変更する。すなわち、回転体の周速が低速の間は吹き出し角を大きく設定して回転力をかせぎ、周速が上がってきたら吹き出し角を小さく設定して軸方向推力をかせぐ。 【0006】 【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の回転式ラムジェットエンジンを航空エンジンに適用した場合の実施の形態を示す説明図、図2は回転体に設けられたラムジェットエンジン部を示す概略斜視図、図3はラムジェットエンジン部を示す説明図である。図1において符号1は軸受2に回転自在に支持された低速回転軸であり、この低速回転軸1にはファン動翼3が設けられている。そして、前記低速回転軸1には、減速ギア4を介して、高速回転軸(回転体)5が軸受6に回転自在に支持された状態で連結されている。この高速回転軸5には、図2に示すように、その周回りに複数のラムジェットエンジン部10が並べられて設けられている。各ラムジェットエンジン部10は、図3に示すように、内部に空気の取り込みを行い、かつ内部でラム圧縮を行うインテーク部11と、このインテーク部11でラム圧縮された空気と燃料とを混合して燃焼させる燃焼室12と、この燃焼室12で生じた高温高圧の燃焼ガスを外部に噴射するジェットノズル13とから概略構成されている。これらインテーク部11、燃焼室12、ジェットノズル13の形状は、回転ラムダクトセパレータ15により形成される。そして、ジェットノズル13の吹き出し角は、回転ラムダクトセパレータ15により回転体5の軸線に対して所定角度傾斜して設定されている。また、燃焼室12内には保炎器14が設けられている。なお、図1中符号7は出口案内翼兼ストラットである。 【0007】前記のように構成された回転式ラムジェットエンジンにあっては、まず、スターターを用いて、回転軸1、5を回転させる。これにより、ラムジェットエンジン部10のインテーク部11に空気が取り込まれ、回転周速によりラム圧縮される。そして、このラム圧縮された空気は燃焼室12内に送られ、燃焼室12内で燃料と混合されて燃焼される。次いで、この燃焼室12内の高温高圧の燃焼ガスはジェットノズル13から噴射される。この場合、ジェットノズル13の吹き出し角が回転体5の軸線に対して所定角度傾斜して設定されているから、この吹き出し角に応じて、その出力は軸方向推力だけでなく、軸出力(回転力)としても取り出せる。従って、前記ジェットノズル13から噴射された燃焼ガスにより、回転体5に回転力が与えられ、前記スターターの使用を止めても回転が継続する。 【0008】このようにして、前記構成の回転式ラムジェットエンジンが起動される。そして、通常時にあっては、図1において、低速回転軸1に設けられたファン動翼3の回転によって取り込まれ圧縮された空気は、その一部がファンダクト8から排出されると共に、残りの部分がラムジェットエンジン部10に送られ、燃焼室12における燃焼が継続される。また、このラムジェットエンジン部10のジェットノズル13から噴射された燃焼ガスは、出口案内翼7を介して外部に排出される。 【0009】なお、本実施の形態においては、ジェットノズル13の吹き出し角を固定として説明したが、これに限らず、回転ラムダクトセパレータ15の全部または一部を可変できるように構成して吹き出し角を可変にしてもよい。この場合には、回転体5の回転が上がり、インテーク部11において、十分なラム圧縮が行えるようになれば、吹き出し角を小さくして軸方向推力を専ら取り出すようにすることができる。また、本実施の形態にあっては、航空用エンジンに適用した場合について説明したが、地上用ガスタービンエンジンにも適用できることはいうまでもない。この場合には、軸方向推力よりも専ら軸出力(回転力)を取り出すように構成する。 【0010】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1によれば、予めスターターで回転体を回転させ、この回転周速によりインテーク部においてラム圧縮し、このラム圧縮された空気を燃焼室に送り込み、燃焼室で燃焼した高温高圧の燃焼ガスをジェットノズルから噴射すると、回転体の軸線に対して傾斜して設定されたジェットノズルの吹き出し角によって、ジェットノズルから噴射する燃焼ガスによる出力が軸方向推力だけでなく、軸出力(回転力)としても取り出せる。そして、この回転力により回転体を回転させ、この回転周速を利用してインテーク部におけるラム圧縮を継続することにより、従来のターボジェットエンジンにおいて必要であったタービンあるいは圧縮機が不用となり、従って、航空用エンジン、地上用ガスタービンエンジンとしてその構造を簡略化することができると共に、従来のラムジェットエンジンに比べて、低速域における適用が可能となり、適用範囲を拡大することができる。また、本発明の請求項2によれば、ジェットノズルから噴射された燃焼ガスによって得られた回転力により回転体を介してファン動翼を回転させることにより、このファン動翼によって軸方向推力を増加させることができると共に、前記ファン動翼が圧縮した空気をラムジェットエンジン部に供給することができ、エンジン効率を向上させることができる。さらに、本発明の請求項3によれば、可変に設定されたジェットノズルの吹き出し角によって、回転体の回転速度に応じて、前記吹き出し角を変更することができる。すなわち、回転体の周速が低速の間は吹き出し角を大きく設定して回転力をかせぎ、周速が上がってきたら吹き出し角を小さく設定して軸方向推力をかせぐことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000099 【氏名又は名称】石川島播磨重工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)3月25日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】志賀 正武 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−280554 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)10月12日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−78052 |
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