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【発明の名称】 コンクリート型枠取外し時期確認装置
【発明者】 【氏名】細川 清志

【氏名】鈴木 昭太郎

【要約】 【課題】コンクリート工事の施工において、正確な型枠取外し時期を知り、工期の短縮を図り得る型枠取外し時期確認装置の提供。

【解決手段】図1において、本発明の型枠取外し時期確認装置は、温度センサ3で毎日気温を感知すると、その検知信号がマイクロプロセッサに入力され、その際、気温がマイナスになる温度の日は、警告ブザー6により警告すると共にディスプレーに表示し、更に、このマイナス温度の検知信号はすべて入力されないように論理回路から構成された選択回路に出力され、スイッチが作動してオフになる。それによりプラスの気温の日の気温の検知信号のみが入力される。マイクロプロセッサ1により演算し積算温度を算出し、更に実験式により圧縮強度を算出して、積算温度と圧縮強度との関係を基準のグラフと比較し、同じ圧縮強度となるまでの材齢日数、即ち型枠取外し予定時期をディスプレー4を見ながら知るか又は報告ブザー5の音を聞いて察知する。このようにして型枠取外し時期を確認した後、その時期がきたところでコンクリート型枠の取外しを行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】温度センサ、型枠取外し強度選択手段、マイクロプロッセサ、メモリ、デスプレー及び警告ブザーを備えたコンクリート型枠取外し時期確認装置であって、前記温度センサが感知した気温の検知信号が前記マイクロプロセッサに入力されると積算温度が演算され、更にコンクリート強度が演算され、前記型枠取外し強度選択手段により該強度が型枠取り外し可能な強度と一致した時、ブザーで報知し、かつディスプレーに表示することを特徴とするコンクリート型枠取外し時期確認装置。
【請求項2】更に気温選別手段及び警告ブザーを有し、該気温選別手段により温度センサが感知した気温の検知信号のうち、マイナスの気温の検知信号とプラスの気温の検知信号とを選別し、これらの検知信号がマイナスの気温の検知信号のとき、前記警告ブザーで警告し、かつマイクロプロセッサにこの気温の検知信号は入力しないようにし、プラスの気温の検知信号のみを入力すると、積算温度が演算され、更にコンクリート強度が演算され、前記型枠取外し強度選択手段により該強度が型枠取り外し可能な強度と一致した時、報知ブザーで報知することを特徴とする請求項2に記載の寒冷地のコンクリート型枠取外し時期確認装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリート型枠取外し時期確認装置に関し、特に寒冷地での施工において、正確に型枠取外し時期を知ることができ工期の短縮に寄与するコンクリートの型枠取外し時期確認装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンクリートの打設後の型枠取外し時期は、平均気温が10℃以下の場合、圧縮強度5N/mm2 以上が確保された時点とされるが、従来、施工磁気を勘案して経験則の型取り外し時期を決定するが、あらかじめ、過去の経験から実験式(I)を推定するか、あるいはまれには室内実験を行って実験式(I)を求めておき、この実験式(I)から圧縮強度5N/mm2 が発現する積算温度(°DD)を求め、さらに一般式〔I〕に当該積算温度と過去数年間の日平均気温を代入し、逆算してZ(材齢(日))を予測決定していた。
【0003】

【0004】

【0005】また本発明において、寒冷地でコンクリートの打ち込みを行う場合には、寒中コンクリートが用いられるが、通常、コンクリートが凝結・硬化の初期段階で凍結すると、硬化しなかったり、所定の強度が得られないという障害が生じ、いわゆる初期凍害が起こるので、この対策が必要である。したがって、この対策として、寒中コンクリートの期間は、それぞれ地域によって異なるが、通常はコンクリートの打ち込みから28日までの外気温について求める積算温度Mが、370°D・D以下の期間とする。これはこの間の平均気温が3.2℃以下となる期間に相当し、水セメント比60%程度のAEコンクリートで、標準養生20℃の場合に対して強度不足が25%以上となるような温度範囲である。
【0006】寒冷地で行う鉄筋コンクリート工事では、コンクリートの打ち込み後、28日までの期間について、一般式〔I〕によって求めた積算温度Mが370°D・D以下になる場合は、工事監理者の承諾を受ける。また工事に当たっては、日々の気象情報に十分に注意を払う必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような中で、コンクリートの打ち込み工事において、経験則はもちろんのこと、前述の如き積算温度を使用する方法においても、一般式〔I〕に過去の実績である日平均気温を用いて、積算温度が370°D・D以下の期間の積算温度と圧縮強度との関係をグラフに表し、この関係から寒冷地におけるコンクリート型枠取外し時期を予想する方法であり、したがって、実際の気温とはかなりの差があり、正確さに欠けているのが現状である。そこで、本発明者等は、コンクリートの施工現場の毎日の気温がわかれば、型枠取外し時期をかなり正確に判定することができる点に注目し、この際、初期凍害の起こり得る気温の低い日、即ちマイナスの気温の日を除外して、前記の積算温度を計算することにより型枠取外し時期のコンクリート強度を正確に知ることができることを見出し、この知見に基づいて型枠取外し時期確認装置を作製した。
【0008】したがって、本発明が解決しようとする課題は、コンクリート工事の施工、特に寒冷地での施工において、正確な型枠取外し時期を知り、工期の短縮を図り得る型枠取外し時期確認装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明が解決しようとする上記課題は、以下の各発明によってれぞれ達成される。
【0010】(1)温度センサ、型枠取外し強度選択手段、マイクロプロッセサ、メモリ、デスプレー及び警告ブザーを備えたコンクリート型枠取外し時期確認装置であって、前記温度センサが感知した気温の検知信号が前記マイクロプロセッサに入力されると積算温度が演算され、更にコンクリート強度が演算され、前記型枠取外し強度選択手段により該強度が型枠取り外し可能な強度と一致した時、ブザーで報知し、かつディスプレーに表示することを特徴とするコンクリート型枠取外し時期確認装置。
(2)更に気温選別手段及び警告ブザーを有し、該気温選別手段により温度センサが感知した気温の検知信号のうち、マイナスの気温の検知信号とプラスの気温の検知信号とを選別し、これらの検知信号がマイナスの気温の検知信号のとき、前記警告ブザーで警告し、かつマイクロプロセッサにこの気温の検知信号は入力しないようにし、プラスの気温の検知信号のみを入力すると、積算温度が演算され、更にコンクリート強度が演算され、前記型枠取外し強度選択手段により該強度が型枠取り外し可能な強度と一致した時、報知ブザーで報知することを特徴とすることを特徴とする前記第2項に記載の寒冷地のコンクリート型枠取外し時期確認装置。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態について説明するが、本発明はこれらにのみ限定されるものではない。
【0012】本発明のコンクリート型枠取外し時期確認装置は、温度センサ、型枠取外し強度選択手段、マイクロプロッセサ、メモリ、デスプレー及びブザーを備えており、前記温度センサが感知した気温の検知信号が前記マイクロプロセッサに入力されると積算温度が演算され、更にコンクリート強度が演算され、前記型枠取外し強度選択手段により該強度が型枠取り外し可能な強度と一致した時、ブザーで報知し、かつディスプレーに表示することを特徴とするもので、この装置をコンクリート工事現場に設置しておくと、コンクリートの打ち込み後、養生期間にわたり毎日気温を測定し、マイクロプロセッサで演算して所望の型枠取外し時期を算出しディスプレーに表示され、かつ報知ブザーで報知するので、コンクリート工事の型枠取外し時期が正確に判定され、工期短縮が可能であるという優れた効果を奏するものである。
【0013】本発明のコンクリート型枠取外し時期確認装置は、実験室で温度と養生時間とから積算温度を一般式〔I〕で算出し、該積算温度と、実測のコンクリート圧縮強度との関係から求められた実験式(I)を用いて、積算温度と圧縮強度のグラフを作成する。この積算温度と圧縮強度の関係をマイクロプロセッサに入力して基準値とし、温度センサで感知した検知信号を入力して積算温度を演算し、更にコンクリート強度を演算し、この値が5N/mm2 を上廻る材齢日を知り、コンクリート型枠取外し予定時期を判定することができる。ついで、その結果をディスプレーに表示すると共に報知ブザーで報知する。施工者は、このブザー音を聞き、コンクリート型枠取外し時期を知り、作業に取りかかる。これにより型枠取外し時期が確実にわかるので、施工計画を立案しやすく、したがって、工期の短縮が可能となる。
【0014】更に本発明では、寒冷地においてコンクリート工事を行う際、気温が低い場合には圧縮強度発現が十分ではなく、かつ最低気温がマイナスになる日が多いと圧縮強度がほとんど発現せず、型枠取外し時期を判定するのが難しい。この点を寒冷地で使用する型枠取外し時期確認装置では、一般式〔I〕の式において、材齢日数に凍害が起こり得る気温の低い日をすべて除外した日数を用いて積算温度を算出するため正確な判定ができることを特徴とするものであり、また気温がマイナスになる日が多いと初期凍害が発生する恐れがあるが、警告ブザーにより、迅速かつ未然に初期凍害を防ぐ手段を講ずることができることを特徴とするものである。
【0015】

【0016】以下に、本発明の実施の形態を説明すると、図1は、本発明のコンクリート型枠取外し時期確認装置のブロック図を示す。図1において、本発明に用いられる温度センサとしては、熱電対温度センサ、サーミスタ温度センサ、IC温度センサ、白金側温抵抗体センサ、圧力センサ、磁気温度センサ等が挙げられる。本発明では、コンクリートの施工現場に、前記型枠取外し時期確認装置を設置し、温度センサ3で毎日気温を感知すると、その検知信号がマイクロプロセッサに入力され、その際、気温がマイナスになる温度の日は、警告ブザー6により警告すると共にディスプレーに表示し、更に、このマイナス温度の検知信号はすべて入力されないように論理回路から構成された選択回路に出力され、スイッチが作動してオフになる。
【0017】それによりプラスの気温の日の気温の検知信号のみが入力されるので、マイクロプロセッサ1により演算し積算温度を算出し、更に実験式(I)の式により圧縮強度を算出して、積算温度と圧縮強度との関係を前記の基準となる積算温度と圧縮強度のグラフを比較し、同じ圧縮強度となるまでの材齢日数、即ち型枠取外し予定時期をディスプレー4を見ながら知るか又は報告ブザー5の音を聞いて察知する。このようにして型枠取外し時期を確認した後、その時期がきたところでコンクリート型枠の取外しを行う。前記の選択回路は、マイクロプロセッサ中に選択回路を組み込むようにしてもよいし、またマイクロプロセッサを構成する半導体チップとは別に選択回路を取り付けてもよい。
【0018】

【0019】更に、図2は、本発明の型枠取外し時期確認装置の動作を示すフローチャートであり、図2において、温度センサ3により外気温が測定され、気温がプラスかマイナスかを認識し、気温がマイナスの時には警告ブザー6が鳴って警告がされる。気温がプラスのときは積算温度が演算され、更にコンクリート強度が演算される。そして、基準となるコンクリート強度と比較され、強度が型枠取外し強度と一致したところでデスプレー4に表示され、かつ報知ブザー5で報知される。また強度が型枠取外し強度に達しないときは、再び積算温度演算に戻される。本発明の型枠取外し時期確認装置は、このようにして型枠取外し時期を正確に確認することができる。
【0020】本発明に用いられるコンクリート用セメントは、特に限定されるものではないが、凝縮・硬化を促進するうえで早強性のポルトランドセメントが好ましい。また他のセメントもその目的に応じて用いることができ、またセメントの種類にしたがって、マニアルが作成されて型枠取外し時期確認装置内のコンピュータに入力されており、工事地域にしたがってその都度選択することができる。従来は、工事にあたって日々の気象情報に十分注意を払う必要があったが、本発明のコンクリート型枠取外し時期確認装置の使用に際しては、特にその必要がない。
【0021】
【発明の効果】本発明の型枠取外し時期確認装置は、温度センサ、型枠取外し強度選択手段、マイクロプロッセサ、メモリ、デスプレー及び警告ブザーを備えたコンクリート型枠取外し時期確認装置であって、前記温度センサが感知した気温の検知信号が前記マイクロプロセッサに入力されると積算温度が演算され、更にコンクリート強度が演算され、前記型枠取外し強度選択手段により該強度が型枠取り外し可能な強度と一致した時、ブザーで報知し、かつディスプレーに表示することにより、正確にコンクリート型枠取外し時期を確認することができ、工期の短縮が可能となる。
【0022】また本発明の型枠取外し時期確認装置において、更に気温選別手段及び警告ブザーを有し、該気温選別手段にり温度センサが感知した気温の検知信号のうち、マイナスの気温の検知信号とプラスの気温の検知信号とを選別し、これらの検知信号がマイナスの気温の検知信号のとき、前記警告ブザーで警告し、かつマイクロプロセッサにこの気温の検知信号は入力しないようにし、プラスの気温の検知信号のみを入力すると、積算温度が演算され、更にコンクリート強度が演算され、前記型枠取外し強度選択手段により該強度が型枠取り外し可能な強度と一致した時、報知ブザーで報知することにより、寒冷地でも正確にコンクリート型枠取外し時期を確認することができ、施工計画を立案しやすく、したがって、工期の短縮が可能となる。
【出願人】 【識別番号】000006264
【氏名又は名称】三菱マテリアル株式会社
【出願日】 平成9年(1997)11月7日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】中島 幹雄
【公開番号】 特開平11−141125
【公開日】 平成11年(1999)5月25日
【出願番号】 特願平9−305197