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【発明の名称】 コンクリート打設用足場
【発明者】 【氏名】藤原 宗一

【氏名】高橋 栄次

【要約】 【課題】組立および撤去作業が簡単で、繰返し転用できるようにしたコンクリート打設足場を提供することである。

【解決手段】本発明のコンクリート打設用足場10は、平行な一対の浮体12と、両浮体12上に掛渡された足場板14と、足場板を各浮体12上に固定する索18とからなっており、足場板上に作業員が乗ったままコンクリート表面に浮上状態に保持される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 平行な一対の浮体と、両浮体上に掛渡された足場板と、足場板を各浮体上に固定する索とからなることを特徴とするコンクリート打設用足場。
【請求項2】 請求項1に記載の足場を単位ユニットとして、コンクリート打設面形状に沿って縦横に配置することを特徴とするコンクリート打設用足場。
【請求項3】 前記浮体が軽量発泡樹脂成形体からなり、かつこの成形体の外周を遮水シートで覆ったことを特徴とする請求項1または2に記載のコンクリート打設用足場。
【請求項4】 前記浮体の底面両角部を円弧状断面としたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のコンクリート打設用足場。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば浮上式のコンクリート打設用足場に関する。
【0002】
【従来の技術】ダムコンクリートや、マスコンクリート構造物において、現場に無筋コンクリートを打設する際、打設コンクリートのスランプが0〜5cmのような固練りコンクリートの場合には足場が不要であるが、スランプ5cm以上のコンクリートを打設する場合には、従来では、一般に図3に示すごときコンクリート打設用足場1が組立られ、この足場1上に複数の作業員が乗ってコンクリートホースなどを通じてコンクリート打設作業を行い、またバイブレータなどによる締め固め作業を行っていた。
【0003】足場1は、支柱2となる鉄筋、アングル材、単管パイプなどの先端を既存のコンクリートあるいは岩盤Eに打込み、これに横桟3となる鉄筋、単管パイプを配置し、クランプなどで接合した枠組の上部に、目孔加工された軽量の鋼製足場板4を縦横に設置したもので、コンクリート打設区域に応じた規模、形状に組立てられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の構成の足場1にあっては、支柱2となる鉄筋、アングル材、単管パイプはコンクリートの硬化後に引抜くことができないため、使い捨てとなり、ほかに転用できないため、不経済であった。また、足場の組立設置および撤去作業に多大な労力と時間がかかっていた。
【0005】さらに、支柱2の高さは、足場板4が打設完了面となるコンクリート天端CLより高い位置に位置すべくその高さを設定しなければならないため、足場1からの転落を防止する設備を備える必要があった。
【0006】本発明は、かかるコンクリートの特性に鑑みなされたものであり、その目的は、足場として浮体を利用することで、組立および撤去作業が簡単で、繰返し転用でき、また転落しても安全な高さに保てるようにしたコンクリート打設足場を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するため、本発明は、平行な一対の浮体と、両浮体上に掛渡された足場板と、足場板を各浮体上に固定する索とからなることを特徴とする。したがって、本発明にかかる足場は、未だ固まらないコンクリート上に浮いた状態に設置され、足場の設置、移動、撤去を簡単に行うことができ、その上部に人が乗ってコンクリート打設作業や、振動締め固め作業を行うことができる。打設によりコンクリート天端の上昇に応じて足場も上昇するので、転落事故なども回避することができる。
【0008】また、前記足場は単独使用してもよいし、単位ユニットとして、コンクリート打設面形状に沿って縦横に配置することもできる。
【0009】さらに、足場を構成する前記浮体が軽量発泡樹脂成形体からなり、かつこの成形体の外周を遮水シートで覆うことが望ましい。
【0010】またさらに、浮体の底面両角部を円弧状断面とすることにより、足場移動時におけるコンクリートとの摩擦抵抗を少なくすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0012】図1は本発明にかかるコンクリート打設用足場10を示している。この足場10は、外見上はカタマラン形の筏に類似する形状であって、所定間隔をおいて並列配置された平行な一対の浮体12と、両浮体12上の中央にこれと直交して掛渡された目孔付の軽量鋼板からなる足場板14と、足場板14を各浮体12に固定すべくそれぞれにX字型に渡され、かつリング16に終端を結びつけた針金やゴム紐などの結束用の索18とからなっている。
【0013】各浮体12の実用寸法は、主として作業員一人ないしは数人の重量を支えるに足りるとともに、十分な足場面積を確保する目的で、たとえば長さ1m,幅60cm,高さ50cmとされている。また、その底面両側角部には200mm程度のR寸法とすることで、コンクリート上の移動時における摩擦力を減じている。
【0014】なお、各浮体12に掛渡される足場板14は、通常の支保鋼材の寸法である長さ2m,幅60cm程度のものが用いられている。
【0015】浮体12は、図1の一部に拡大して示すように、発泡スチロールなどの見掛け比重が小さな軽量樹脂発泡成形体20を主体とし、この成形体20の外周全体をビニールシートなどの遮水シート22で気密に包囲したものである。したがって、以上の寸法および素材構成により、足場板14上に作業員が乗ったとしても、水上におけるのと同様に、未だ固まらないコンクリート上において十分な浮力により浮遊状態が保持されるものとなる。
【0016】そして、図1は以上の打設用足場10を単独で使用している形態を示し、足場板14上に一人の作業員が乗り、コンクリート打設用ホース24などによって、打設用足場10の周囲にコンクリートを撒き出している状況が示されている。
【0017】コンクリートの打設によって、足場10の周囲のコンクリートの天端が上昇すると、その比重差により、コンクリートの表面に浮きながら、天端上昇に見合って順次上昇する。
【0018】また、撒き出し後に、打設コンクリートにバイブレータなどを突刺し、振動締め固め作業を行うことにより、さらに足場10に浮力が大きく作用するため、コンクリート天端に浮上状態に設置されたままとなり、コンクリート表面のレベリングにより足場板14の不陸も矯正されることになる。
【0019】なお、単独使用の場合には、周囲にコンクリートを撒き出した後、足場10の周囲は孤立するが、例えば打設範囲外の位置と足場10とを図示しないロープで結束しておき、撒き出し作業、あるいは締め固め作業終了後、そのロープで足場10を牽引すれば、コンクリート表面に浮体12のシュプールを僅かに残しつつ、打設範囲外の位置に移動できる。また、このシュプールはコンクリートのセルフレベリング性により漸次消失し、平坦面となる。
【0020】さらに、打設現場上部に予め移動方向に沿ってガイドロープを張り渡しておけば、作業員が足場10に乗ったままガイドロープを伝って打設現場を移動出来るため、作業範囲を拡大することができる。
【0021】図2は以上の足場10を単位ユニットとして、多数の足場10をコンクリートCの打設範囲に応じて縦横に配列して筏状に浮べた形態を示している。
【0022】この場合は、多数の足場板14が直線状に並列し、ほぼ固定状態であることにより、複数の作業員が打設範囲外から現場を自由に歩行しながら作業することができる。
【0023】なお、この場合には、打設および振動締め固め作業後の撤収を容易にするために、各足場10同士をロープなどで結び、作業終了後に一斉に牽引して撤去しても良いし、個々の足場10は軽量であるから、順次持運びながら撤去することもできる。
【0024】なお、撤去した足場10は水洗することでそのままの組立状態で他の現場に転用できる。また、索18を解けば、二つの浮体12と一枚の足場板14に簡単に分解できる。
【0025】
【発明の効果】以上の説明により明らかなように、本発明によるコンクリート打設用足場にあっては次の利点がある。
■打設現場毎に組立が不要か、あるいは各足場を単位ユニットとして打設面形状に応じて多数敷き並べるだけでよく、また打設後は分解することなく、足場毎に速やかに撤去することができる。
■組立形状で何度でも他の打設現場に転用でき、資材の消耗がない。
■浮上式であるため、打設コンクリートの天端上昇により上昇する。これにより、常時コンクリート天端に近い位置で作業できる。
■足場単体を用いる場合に、ガイドロープを張り渡しておけば、作業員が足場に乗って打設コンクリート上を移動することができ、作業範囲を拡大できる。
【出願人】 【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
【出願日】 平成9年(1997)9月2日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】一色 健輔 (外2名)
【公開番号】 特開平11−81649
【公開日】 平成11年(1999)3月26日
【出願番号】 特願平9−237301