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【発明の名称】 植栽地の排水構造
【発明者】 【氏名】富永 斉史

【要約】 【課題】排水不良地に設けた植生緑地において、植穴の底に溜まった水を根本的に排水することを目的とする。また、埋立地のような沿岸部においては、海からの風と共に、塩分が飛来し土壌に堆積するのであるが、従来の技術では、この植穴に塩分がそのまま堆積してしまっていた。この排水を取出すと共に、塩分も排出する。

【解決手段】住宅地において公園等の共有地に樹木等を植栽する植栽地において、樹木を植える植穴Aの下部に排水坑Bを設け、該排水坑Bは地下水のレベルである地下水位Lの層まで到達させた。また、樹木を植える植穴Aが複数穴だけ近接配置されている場合に、植穴Aの下部に勾配排水坑Cを設け、該勾配排水坑Cは植穴Aの間の位置に配置した縦穴形状の排水坑Bに連結し、該排水坑Bは地下水のレベルである地下水位の層まで到達させた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 住宅地における公園等の共有地に樹木等を植栽する植栽地において、樹木を植える植穴Aの下部に排水坑Bを設け、該排水坑Bは地下水のレベルである地下水位Lの層まで到達させたことを特徴とする植栽地の排水構造。
【請求項2】 住宅地における公園等の共有地に樹木等を植栽する植栽地において、樹木を植える植穴Aが複数穴だけ近接配置されている場合に、植穴Aの下部に勾配排水坑Cを設け、該勾配排水坑Cは植穴Aの間の位置に配置した縦穴形状の排水坑Bに連結し、該排水坑Bは地下水のレベルである地下水位Lの層まで到達させたことを特徴とする植栽地の排水構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、埋立地等において、高層住宅群を計画する場合に、高層住宅の間に潤いを持たせる為に設ける植生緑地の、排水を良好にして樹木の根腐れを阻止する排水構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の埋立地の植生緑地における排水は、植穴の底に溜まった水を、蒸散作用により減少させる構造であった為に、過剰の水を除去する為には、相当の期間を有していたのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、排水不良地に設けた植生緑地において、植穴の底に溜まった水を根本的に排水することである。また、埋立地のような沿岸部においては、海からの風と共に、塩分が飛来し土壌に堆積するのであるが、従来の技術では、この植穴に塩分がそのまま堆積してしまっていたのである。本発明においては、この排水を取出すと共に、塩分も排出するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明が解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。請求項1においては、住宅地における公園等の共有地に樹木等を植栽する植栽地において、樹木を植える植穴Aの下部に排水坑Bを設け、該排水坑Bは地下水のレベルである地下水位Lの層まで到達させたものである。
【0005】請求項2においては、住宅地における公園等の共有地に樹木等を植栽する植栽地において、樹木を植える植穴Aが複数穴だけ近接配置されている場合に、植穴Aの下部に勾配排水坑Cを設け、該勾配排水坑Cは植穴Aの間の位置に配置した縦穴形状の排水坑Bに連結し、該排水坑Bは地下水のレベルである地下水位Lの層まで到達させたものである。
【0006】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の高層住宅群の間に設けた植生緑地を示す平面図、図2は同じく高層住宅群の間に設けた植生緑地の斜視図、図3は同じく高層住宅群の間に設けた植生緑地の拡大斜視図、図4は植生緑地の側面断面図、図5は植生緑地の一区画の平面図と側面断面図、図6は植穴Aと勾配排水坑Cと排水坑Bの部分を示す斜視図、図7は樹木Wと植穴Aと透水フィルターFと排水坑Bの部分の側面断面図、図8は樹木Wの周囲に灌木Mが植えられている場合の勾配排水坑Cの構成を示す側面断面図、図9は正方形の植生緑地Sに植えられた2本の樹木Wの間を勾配排水坑Cにより連結し、正方形の植生緑地Sの中央に排水坑Bを設けた構成を示す側面断面図である。
【0007】図1と図2と図3において説明する。近年は沖合を廃棄物埋立等により陸地化して、該埋立地に高層住宅群を建設する都市計画が進められている。このような場合に、埋立地であることが目立たないようにする為に、高層住宅Kの間には、樹木Wや芝生等を広く植生して、潤いを持たせることが行われている。このような場合に、埋立地は海面レベルとの間が近いので、地下水レベルも高く、樹木Wを植える植穴Aの周囲は、レンガブロックやアスファルト舗装等で被覆するので、高温や日射による蒸散も少なく、また雨水は植穴Aの部分に集中的に集まってしみ込むので、該植穴Aからの排水は抜け難く、排水不良地となることが多く、樹木Wが立ち枯れを起こすことが多かったのである。
【0008】本発明は従来のこのような不具合を解消するものである。図4と図5において、本発明の植栽地の排水構造の構成が開示されている。高層住宅群の間に設けた植生緑地においては、図5に示す如く、正方形の単位に区切られており、図3に示す如く、この正方形の植生緑地S毎に、1本〜2本の樹木Wが植えられている。そして、この正方形の植生緑地Sの略中央に、排水坑Bが縦穴として設けられている。該排水坑Bは排水機能を持たせるものとし、該排水坑Bが目詰まりしないように、透水フィルターFを設けている。
【0009】通常は、図7に示す如く、1つの植穴Aの中に、1本の樹木Wを植えて、該植穴Aの下部に、地下水位Lに至る排水坑Bを掘削しているのである。該排水坑Bの内部は、砕石等を詰めて、目詰まりが発生しないように構成している。該植穴Aと排水坑B以外の周囲の土壌は、排水不良な土壌なのである。そして、該排水不良な土壌に樹木Wを植える部分だけ穴を開けて、植穴Aとして、土壌改良土を入れて、樹木Wの根が張り易いように構成している。該植穴Aの下方に縦穴の排水坑Bを穿設している。該排水坑Bには単粒砕石やパーライト等を入れて透水性を強化している。
【0010】該樹木Wの周囲に灌木Mを植えた場合には、その灌木Mの下には、勾配排水坑Cを構成して、該灌木Mの部分の排水も良好にする。勾配排水坑Cは、図4に示す如く、排水坑Bに向けて構成した筋溝に砕石を詰めた構成としてもよい。また、該単粒砕石やパーライトの間に、塩ビパイプに穴を穿設した有孔透水管Pを埋設しても良いものである。図5と図6の場合には、正方形の植生緑地Sの中央に、排水坑Bを立てて、植穴Aは正方形の植生緑地Sの隅の部分に設け、その間を、勾配排水坑Cで連結している。そして該勾配排水坑Cは単粒砕石やパーライトを埋めて、更に有孔透水管Pを埋設している。
【0011】また、該勾配排水坑Cは排水坑Bに連通しており、該排水坑Bにも、単粒砕石やパーライトが埋設されている。このような形状の正方形の植生緑地Sを多数寄せ集めて、高層住宅群の間に設けた植生緑地を構成しているのである。そして、各正方形の植生緑地S毎に、樹木Wの種類が相違し、中には芝生だけの正方形の植生緑地Sもあり、また樹木Wと灌木Mの正方形の植生緑地Sもあり、また樹木Wと芝生の組み合わせの正方形の植生緑地Sも設けられているのである。
【0012】
【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。請求項1の如く、住宅地における公園等の共有地に樹木等を植栽する植栽地において、樹木を植える植穴Aの下部に排水坑Bを設け、該排水坑Bは地下水のレベルである地下水位Lの層まで到達させたので、埋立地のような場所に、高層住宅群を立てた場合に設ける植生緑地においては、排水不良となりやすく、樹木Wや灌木Mが立ち枯れを発生しやすいのであるが、本発明の如く、正方形の植生緑地S毎に、植穴Aと排水坑Bを連通することにより、この不具合を解消することが出来るのである。
【0013】請求項2の如く、住宅地における公園等の共有地に樹木等を植栽する植栽地において、樹木を植える植穴Aが複数穴だけ近接配置されている場合に、植穴Aの下部に勾配排水坑Cを設け、該勾配排水坑Cは植穴Aの間の位置に配置した縦穴形状の排水坑Bに連結し、該排水坑Bは地下水のレベルである地下水位Lの層まで到達させたので、正方形の植生緑地Sの中に、2本以上の樹木Wが植えられている場合や、1本の樹木Wと複数の灌木Mが植えられている場合や、1本の樹木Wと芝生が植えられている場合において、全ての樹木Wや灌木Mや芝生の部分の水捌けを良くすることができ、樹木Wや灌木Mの立ち枯れを減少することが出来るのである。
【出願人】 【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
【出願日】 平成9年(1997)8月28日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
【公開番号】 特開平11−71742
【公開日】 平成11年(1999)3月16日
【出願番号】 特願平9−232889