| 【発明の名称】 |
上質紙用の原紙の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】マルック レスケレ
【氏名】カーロ ヨハネス ニスカネン
【氏名】スティナ ニュゴルド
【氏名】マイヤ ピトケネン
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| 【要約】 |
【課題】上質紙用の原紙を製造する方法に関しする。
【解決手段】本発明の原紙はメカニカルパルプと化学パルプとの混合物から作られている。使用される化学パルプは、メカニカルパルプに近い弾性モジュラスと大きな結合強度とを有する軟材の化学パルプで構成されている。結合強度が400J/m2 の時に6000N/mm2 より小さい弾性モジュラスを有するシートを製造する軟材の化学パルプを用いてることが望ましい。この種のパルプは、同じ光散乱係数において良好なスコットボンド強度を有する。この方法で製造された原紙は、原紙が大きな結合強度を有することが必要な二重コーティングされた上質紙に使用可能である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 コーティングされた上質紙用の原紙を製造する方法であって、該原紙はメカニカルパルプと化学パルプとの混合物から製造され、使用される前記化学パルプは、メカニカルパルプの弾性モジュラスに近い弾性モジュラスと大きな結合強度とを有する軟材パルプであることを特徴とする方法。 【請求項2】 結合強度が400J/m2 のとき、6000N/mm2 より小さい弾性モジュラスを有するシートを製造するのに、軟材の化学パルプを使用する、請求項1に記載の方法。 【請求項3】 硬質材から製造されたメカニカルパルプとバッチ式蒸煮によって製造された漂白された軟材のセルロース・パルプを使用する、請求項1又は2に記載の方法。 【請求項4】 オゾンと過酸化物とによって漂白された軟材のセルロース・パルプを使用する、請求項2又は3に記載の方法。 【請求項5】 少なくとも二段階のオゾン処理と少なくとも二段階の過酸化物処理によって漂白された軟材のセルロース・パルプを使用する、請求項4に記載の方法。 【請求項6】 スーパーパッチ・プロセスによって製造されたセルロース・パルプを使用する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。 【請求項7】 22m2 /kgの光散乱係数において少なくとも400J/m2 のスコットボンド強度を有し、乾燥パルプ1kg当たり40ミリ当量のカルボン酸基を含有するセルロース・パルプを使用する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。 【請求項8】 82以上、好ましくは85以上、特に好ましくは88以上の白色度を有するセルロース・パルプを使用する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。 【請求項9】 繊維状原材料から原料が形成され、該原料によってウェブが形成され、該ウェブが乾燥されて原紙を形成する請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法であって、−ポプラ(Populus )科の木材から製造されたメカニカルパルプとバッチ式蒸煮によって製造されたTCF漂白された軟材のセルロース・パルプとで前記原料を形成し、懸濁液の乾燥材料に対して前記砕木パルプの量は20〜70重量%であり、前記漂白された軟材のセルロース・パルプの量は80〜30重量%であることを特徴とする方法。 【請求項10】 前記原料の乾燥材料の30〜60重量%がメカニカルパルプによって形成され、70〜40重量%が軟材のセルロース・パルプによって形成されている、請求項9に記載の方法。 【請求項11】 メカニカルパルプがP.tremula, P.tremuloides, P.balsamea, P.balsamifera, P.trichocarpa又はP.heterophyllaから製造されている、請求項9又は10に記載の方法。 【請求項12】 メカニカルパルプが圧搾粉砕木材である、請求項11に記載の方法。 【請求項13】 繊維状材料の30〜60重量%がアスペンから製造され、70〜40重量%が軟材の化学パルプからなり、後者は光散乱係数が22m2 /kgにおいて少なくとも400J/m2 に達するスコットボンド強度を有し、且つ乾燥パルプ1kg当たり40ミリ当量のカルボン酸基を含んでいることを特徴とする、上質紙用の原紙。 【請求項14】 請求項1〜11のいずれか1項によって製造された原紙又は請求項12によって製造された原紙が二重のコーティング用着色料の層によって被覆され、第1コーティングはフィルム・プレス法で行われ、第2コーティングはドクター・ナイフ・コーティングによって行われることを特徴とする、コーティングされた上質紙を製造する方法。 【請求項15】 ウェブ上にフィルム・プレス法によって5〜50g/m2のコーティング用着色料を付与し、ドクター・ナイフ・コーティングによって10〜60g/m2 のコーティング用着色料を付与し、これらのコーティングの重量はコーティング用着色料の乾燥材料に基づいて計算されている、請求項14に記載の方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、コーティングされた上質紙や印刷用紙を製造するための基礎紙として使用される原紙を製造するための、特許請求の範囲第1項の前文に記載されたプロセスに関する。この種の紙又は印刷用紙は漂白された化学パルプで構成されている。 【0002】本発明は、特許請求の範囲第13項の前文に記載された上質紙用原紙、及び特許請求の範囲第14項の前文に記載されたプロセスにも関する。 【0003】コーティングされた、特に二重にコーティングされた上質紙の特有な問題は、印刷用着色料からの水や溶剤が乾燥によって除去される時に、ペーパーウェブが印刷機の乾燥機で裂け易いことである。この問題は、二重コーティングが紙の表面に非常に緻密なコーティング層を形成し、原紙から蒸発した蒸気がこれを透過できないことに起因している。この蒸気は、主として紙に通常4〜5%含有されている水分から発生し、原紙の強度がこの蒸気圧に耐えられない場合に、この水分から形成された気泡が紙を破る。 【0004】前述の問題はふくれと称され、紙の所要内部結合強度(z方向強度)はスコットボンド値(ScottBond value)で測定される。 【0005】 【従来の技術】従来は、紙の原紙のふくれを減らすには、化学パルプの叩解(beating) を増加し繊維同士の間の結合を良好にしていた。この解決策は、叩解の増加が、結合表面積に対する強度の比で表現される結合強度を向上させない欠点を有する。叩解の増加は多くの問題を生じる。第一に、叩解を増やすと紙の脱水が阻害される。したがって、ウェブ形成後に紙が製紙機械のウェット・プレス部に移送され、次いで上昇して乾燥部に運ばれる際に、紙の含水量が高くなり過ぎる。その結果、紙がウェット・プレス部や乾燥部のローラに付着し易くなり、ウェブが破れるリスクが増大する。更に、含水量が高くなるとウェブの強度が小さくなり、それ自体でウェブの破れるリスクが増大する。 【0006】第二に、パルプが過大な叩解を受けると乾燥した紙の性質も望ましくないように変化する。叩解を増加すると、紙の密度が大きくなり、その結果、紙の腰が無くなる。これは紙の縁を波うたせるので、製紙機械において走行性の問題を生じる。紙の密度が増加すると、化学パルプの繊維同士は益々緻密に結合し、弾性モジュラスが高くなる。すると、紙は脆くなり、製紙機械や印刷機によって生じる歪みに耐える靱性(toughness) が不十分となる。 【0007】シート・オフセット印刷技術では別個の乾燥機は使用されないけれども、紙の内部結合強度が不十分であると、シート・オフセット印刷の際にも問題を生じることに言及しておかなければならない。シート・オフセット印刷では、印刷用着色料が粘っこいので問題が起こる。紙が印刷の際の把持から解放される際に、紙の表面と濡れている印刷用着色料とが互いにくっつき合う。紙の内部結合強度が印刷用着色料の内部凝集力に比べて充分に大きくないと、紙の表面は印刷用着色料に随伴して、紙はシートの真ん中で裂けてしまうであろう。この問題の解決にも、化学パルプの叩解の増大が利用されている。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】本発明の一つの目的は、これらの従来の技術の問題点を解消し、コーティングされた上質紙用の原紙として用いることのできるペーパーウェブを製造する全く新規な方法を提供することにある。特に、本発明の目的は、優れた地合いと強力な結合を形成する能力を有するペーパーウェブを提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明は、メカニカルパルプと化学パルプの混合物から原紙を形成するアイデアに基づいたもので、使用される化学パルプは、大きなスコットボンド(ScottBond) 強度と軟材の化学パルプとしては比較的小さい弾性モジュラスを有する軟材の化学パルプからなっている。この弾性モジュラスは、化学パルプのスコットボンド強度が400J/m2 の場合に、6000N/mm2 より小さい。こうして、砕木パルプと化学パルプの混合物から製造された紙は、高いスコットボンド強度と大きな靭性の両方を兼ね具えている。 【0010】更に詳しくは、本発明の方法は特許請求の範囲第1項の特徴部分に記載された事項によって特徴付けられている。 【0011】 【発明の実施の形態】本発明によって多くの利点が得られる。即ち、本発明によって製造されたパルプは、同じ表面結合剤の量即ち同じ光散乱でありながら、比較対象のパルプよりも良好な結合強度を有する。この原紙は、特に原紙に大きい強度を必要とする二重にコーティングされた上質紙の製造に使用可能である。それ自体の結合強度は充分ではない他の繊維成分をこの原紙に組み入れることができる。特別な例として、アスペンの砕木パルプと軟材の化学パルプとの混合物からの上質紙の製造が挙げられ、これによって最終製品として強力な紙が得られ、この紙は良好な白色度、不透明性、非常に平滑な表面を有する。軟材の化学パルプは良好な結合強度を有するので、アスペンの砕木はパルプの乾燥材料の20〜60%の量まで使用可能である。 【0012】本発明の技術的解決策によれば、繊維を保護する化学パルプ製造法によって製造された化学パルプを使用しているので、繊維の強度は良好に維持されている。繊維のリグニンを選択的に除去し炭水化物は残すように、蒸煮を選択的に行う必要がある。本発明によれば、これらの目的はバッチ式蒸煮を使用することによって達成されることが見出された。特に好ましい実施例においては、延長型バッチ式蒸煮(extended Superbatch cooking)が行われる。 【0013】化学パルプの強度に関しては、このパルプ製造法だけでは充分ではなく、本発明によって製造された化学パルプは繊維同士の間に充分な結合を持つことが必要である。本発明では、バッチ式蒸煮で製造された軟材のパルプを、過酸化物とオゾンとによる漂白段階を含むTCF漂白で漂白することによって、特に良好な強度特性が得られることが判明した。これらの酸化薬品は繊維上にカルボキシル基を形成し、これらの基は漂白されたパルプの強度を改善する。 【0014】繊維同士の間の結合を形成するこの酸基の重要性は、「パルプと紙の科学」誌(Journal of Pulp and Paper)」、23(1997)J59−J61において、Barzyk, D 他が述べている。この論文によれば、結合強度はカルボキシル基に基づくものである。しかし、本発明においては、決定的なのは酸基の量だけではなく、蒸煮と漂白工程の条件も重要であることが判明した。 【0015】上述のように、叩解によってパルプの性質を調整する場合、即ち叩解の度合いを高くしてスコットボンド強度を上昇させる場合には、化学パルプ並びに例えば硬質材の砕木は非常に異なる弾性モジュラスを持ち(化学パルプは非常に高い剛性を有する)、このことはこれらのパルプから作られた混合物の靭性に関しては好ましくない。この問題は、本発明では発生しない。この理由によって、本発明によれば、上質紙の原紙として優れた硬質材の砕木パルプと化学パルプとの混合物が得られる。 【0016】好適実施例によれば、原紙の製造に使用される化学パルプは、改善されたバッチ式蒸煮法(Superbatch cooking) として公知の蒸煮法によって製造される。この蒸煮法は文献(例えばMalinen, R.Paperi ja Puu (紙と木材),75 (1993) 14-18 参照) に記載されている。この蒸煮法は、硫酸塩蒸煮法のようにアルカリ性の蒸煮液を使用する改良された蒸煮法であるが、粘度の著しい低下なしに化学パルプのκ数を低くするように、脱リグニン処理を行える。このスーパーバッチ・プロセスの場合、パルプはκ数20以下になるまで蒸煮される。 【0017】本発明の好適実施例によれば、バッチ式蒸煮によって製造された軟材パルプは、TCF漂白法によって漂白される。好適な漂白の順序は次の通りである。 (Q)−O−Z−P−Z−P(Q)−O−Z−E−PnO−(Q)−Z−E−P−Z−E−PO−Z−(Q)−PnO−X−Z−PnここでO=酸素処理P=過酸化物処理Pn =複数回の過酸化物処理段階E=アルカリ処理Q=錯生成剤での処理X=酵素処理酸素による脱リグニン処理(O段階)と酸化薬品によって行われる漂白処理(即ちZ段階)との間に、高温での酸処理(A段階)を行ってもよい。 【0018】パルプの漂白を二つのオゾン段階と少なくとも二つの過酸化物段階とによって行うことが、特に好ましい。酸化薬品によって行われる処理の間で、種々のアルカリ処理(E又はEO)の際にパルプを抽出し、及び/又はそれを水洗することができる。 【0019】前述の処理の結果、比較対象のパルプよりも良好な内部結合強度を有するパルプが得られる。このパルプは少なくとも40mモルのカルボン酸基/kg乾燥パルプを含んでいる。本発明で使用されるこの化学パルプの弾性モジュラスは6000N/mm2 より低く、特にスコットボンド強度が400J/m2 の場合には5000N/mm2 以下であることが望ましい。 【0020】上述のように、化学パルプをアスペンの砕木と混合し、得られた繊維状基礎材料をどろどろに溶かし、この原料からウェブを形成し、このウェブを製紙機械上で乾燥して基礎紙を形成することによって、原紙を得ることができる。一般に、このパルプはポプラ(Populus )科の樹木で作られたメカニカルパルプから製造される。好適な種は、P.tremula, P.tremuloides, P.balsamea, P.balsamifera,P.trichocarpa, P.heterophylla等である。好適実施例では、アスペン(trembling aspen, P.tremula; Canadian aspenとして公知のアスペン, P.tremuloides)又は異なる基礎となるアスペン(aspen )を交配することによって作られた雑種aspen として知られているaspen の変種、遺伝子組み換え技術によって作られた他の種、又はポプラを使用している。aspen 、雑種aspen 又はポプラで作られた砕木(GW)、圧搾砕木(PGW)又は熱的メカニカルパルプ(TWP)を使用することが望ましい。 【0021】このアスペンのメカニカルパルプは、約10〜20%の+20〜+48メッシュの繊維を含有していることが好ましく、これによってパルプに機械的強度が与えられる。光の散乱を良好にするために、+100、+200及び−200の画分は可能な限り大きくするべきである。これらはパルプ全体の50%以上であることが望ましい。特に、パルプ全体に対するその割合は70%以上、好ましくは80%以上である。一方、製紙機械での脱水が困難になるので、最小の画分即ち−200メッシュがあまり大き過ぎてはならない。この画分の割合は50%より小さく、特に45%より小さいことが望ましい。 【0022】本発明のパルプは優れた機械的特性を有するので、メカニカルパルプの割合は、紙の強度を基本的に損なうことなしに原料の乾燥材料の70重量%にまでもすることができる。代表的な例としては、メカニカルパルプの割合は少なくとも20%、特に30〜60重量%である。 【0023】上述した事項に基づいて、本発明によれば、特に好ましい原紙の組成は次の通りである。繊維材料の30〜60重量%がアスペンから作られたメカニカルパルプからなり、70〜40重量%が軟材の化学パルプからなっている。軟材(特に松)の化学パルプのスコットボンド強度は、光散乱係数が22m2 /kgの場合に少なくとも400J/m2 であり、且つこのパルプは少なくとも40mモルのカルボン酸基/kg乾燥パルプを含んでいる。 【0024】本発明の基礎紙を2回コーティングすることによって、高品質の上質紙を製造することができる。最初のコーティングは、例えばフィルム・プレス法として公知の方法で行われ、2回目のコーティングはブレード・コーティングによって行われる。フィルム・プレス法によってウェブに付与されるコーティング用着色料の量は、代表的な例では約5〜50g/m2 であり、一方、ドクター・ブレード・コーティングの場合のこれに対応する量は、10〜60g/m2 である。ここに示したコーティングの量は、コーティング用着色料の乾燥材料から計算されたものである。 【0025】次に、添付の図面と実施例を参照して、本発明を更に詳細に説明する。これらの実施例では、次の測定標準が使用された。 −化学パルプのISO白色度:SCAN−CM11及びSCAN−P3−光散乱係数:SCAN−C27−スコットボンド強度:Tappi T833−白色度:SCAN−P3:93(D65/10°) −不透明度:SCAN−P8:93(C/2) −表面粗度:SCAM−P76:95−Bendtsen粗度:SCAN−P21:67−光沢:TappiT480(75°)及びT653(20°) −弾性モジュラスの測定:SCAN−P−38(試験片サイズ及び引っ張り速度) 弾性モジュラスの測定の場合、標準SCAN−C26にしたがってシートが準備され、乾燥が行われた。 【0026】 【実施例】実施例1化学パルプの内部結合強度軟材の化学パルプで作られたシートのスコットボンド強度は、繊維同士の間の結合表面の広さと結合の強度とによって影響される。結合表面の大きさは、シートの作成に使用される化学パルプの叩解の度合いに大きく依存している。叩解が増大すると、結合面積と同時に結合強度が増加する。結合強度を比較するできるように、この実施例では、異なる化学パルプの内部結合強度を光散乱係数の関数として測定している。このやり方は、前述のJournal of Pulp and Paper Science, 23 (1997), J59-J61,図3と4のBarzyk他の論文に述べられている。軟材の化学パルプの場合、光散乱係数は繊維同士の結合表面の大きさの指標であり、結合表面が大きいほど光散乱係数は小さくなるものと考えられている。 【0027】このテストにおいて、化学パルプの内部結合強度と光散乱係数は、0〜200kW/ トンの範囲の種々のエネルギー量でEscher-Wyss 精製装置内でパルプを叩解することによって調整された。叩解の比エッジ荷重(specific edge load)は3Ws/mであった。この結果は図1に示されている。この図では、同じ結合表面積即ち同じ光散乱係数において高いレベルに伸びている曲線が、より大きい結合強度を示している。 【0028】グラフ1〜3は、連続バッチ式蒸煮(スーパーバッチ)によって製造されたセルロース・パルプを2回のオゾン処理段階と2回の過酸化物処理段階(ZPZP)を使用して無塩素漂白(TCF)したものを示す。グラフ4と5は、連続式蒸煮法によって製造されたパルプを1回のオゾン処理と1回の過酸化物処理(ZP)を使用して無塩素漂白(TCF)したものを示す。この蒸煮の結果は、前述のバッチ式蒸煮と比べて不均質であり、弱い繊維が製造された。この繊維は容易に潰れて光散乱係数を低下させ、曲線を左方に移動させる。方法1〜3及び4と5によって製造されたパルプは、少なくともほぼ同量のカルボン酸基(それぞれ41〜47mekv/ kg及び42〜46mekv/ kg)を含有している。 【0029】グラフ6〜9は元素の塩素を使用しないで漂白(ECF漂白)されたパルプを示す。蒸煮6の出発原料はフィンランドの北部で得られた原材料であった。これは大きな比表面積(m2 /g繊維)を与えるサイズの小さい繊維を含み、したがって、その光散乱係数は好ましいものである。カルボン酸基の濃度は34mekv/kgであった。蒸煮7の出発原料は東部フィンランドで得られたもので、化学パルプはバッチ式蒸煮で製造された。グラフ8と9は連続蒸煮によって作られ、ECF漂白によって漂白されたパルプの内部結合強度を表す。カルボキシル基の濃度は27〜34mekv/ kgであった。これらのグラフは、パルプ1〜3は同じ光散乱係数において、他のパルプよりも大きい結合強度の値を与えることを示している。パルプが多く叩解された場合にはこの差はより目立って来る。 【0030】次に、前述のパルプの中の三つが選ばれてシート形成テストが行われた。パルプは上述と同じバッチから得られたものではないが、パルプAはパルプ1〜3に対応し、パルプBはパルプ6に対応し、パルプCはパルプ7に対応していた。これらのパルプは、叩解度(排水度)がCSF380mLになるように実験室用のValleyビーターで精製された。次に、各テスト点においてシートが60%の化学パルプと40%のポプラのPGWパルプ(Popula科のaspen)を含むように、これらのパルプからシートが製造された。 【0031】光散乱係数に対するこれらの混合シートの結合強度が測定されて、図2に示す結果が得られた。これらの差は小さいが、化学パルプAはパルプBとCよりも良好な結果を示していることは明らかである。この傾向は純粋なパルプに関しても同じであり、換言すれば、比較対象のパルプはそれぞれが本発明の要素の一部を含んではいても、本発明のバッチ式蒸煮とTCF漂白との組合せによって、比較対象のパルプの場合よりも良好な結合強度が得られる。 【0032】最後に、スコットボンド強度に対して弾性モジュラスが如何に変化するかを調べる解析が行われた。このテストは図1のパルプ1〜3に対応する三つの製造バッチからのパルプ(A1,A2,A3)と、図1のパルプ8と9に対応するパルプサンプルDとによって行われた。パルプのサンプルA1とA2はEscher-Wyssの精製装置において異なる叩解度になるように精製され、サンプルA3とDは再びValleyビーターに入れられた。図3は、同じスコットボンド強度で比較された場合には、パルプAの弾性モジュラスがパルプDの場合よりも小さいことを示している。即ち、本発明のパルプAはDよりも小さい弾性モジュラスを与え、したがって、パルプAから製造された紙は脆さが少ないことが期待できる。換言すれば、この紙はパルプDから作られた紙よりも靱性が大きい。パルプAは、良好なスコットボンド強度を得るために高い叩解度になるように叩解された場合に、その優秀性は顕著となる。 【0033】実施例2ポプラのPGWを含有する上質紙の製造重量比率で40対60の割合で混合されたアスペンのメカニカルパルプ(GW)と松の化学パルプから、原紙が製造された。繊維材料の約10%の量の粉砕された炭酸カルシウムが、増量剤として懸濁液に添加された。原紙がギャップ・フォーマーで製造された。この原紙の性質は次の通りであった。 坪量 53.3g/m2嵩高度 1.45cm3/g不透明度 88%白色度 82.5%粗度 240mL/分多孔度 170mL/分増量剤含量 12%【0034】本発明に関して行われた比較テストによると、原紙の坪量は、全部が漂白された化学パルプで形成された、これと対応する不透明度と白色度を有する原紙の坪量よりも少なくとも10%小さいことが示された。 【0035】前記原紙から上質紙を製造するために、原紙は最初はフィルム・プレス法で、次いでドクター・ブレード・コーティング法によって二回コーティングされた。表1の粒子サイズ分布を有する炭酸カルシウム顔料が、コーティング用着色料に使用された。 【表1】
【0036】コーティング用着色料は、顔料に結合剤その他の添加剤を混ぜることによって、公知のやり方で製造された。プレコーティング用着色料の乾燥材料含量は60%であり、表面コーティング用着色料のそれは61%であった。これらの着色料は、次の条件で前記基礎紙をコーティングするのに使用された。 【0037】フィルム・プレス法によるプレコーティング:片面当たり9g/m2 ;ドクター・ブレード・ステーションにおける表面コーティング:1500m/分の速度で片面当たり10.5g/m2 。コーティングされた紙はスーパーカレンダー処理された。最終製品の性質が求められ、市販されている二つの上質紙、即ちLumiart (Enso)及びNopacoat (Nordland Papier)と比較された。その結果は表2から明らかであろう。 【表2】
【0038】表2は、本発明によって製造された上質紙の性質は、これに対応する嵩高度と坪量を有する比較対象の紙に比べてすべての点で良好なことを示している。同等なレベルの不透明度における歩留りは20%以上である。 【0039】この実施例で製造された上質紙のスコットボンド強度は306J/m2 であった。これは、化学パルプのみからなる従来の上質紙の強度に充分に匹敵し得るものである。ポプラのPGWの内部結合強度が、例えば、かばの化学パルプの強度よりも劣っていても、本発明によれば、上質紙として充分に使用可能な強度を有する紙が提供された。
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| 【出願人】 |
【識別番号】598005085 【氏名又は名称】メツェ−セーラ オサケユキチュア 【氏名又は名称原語表記】METSA−SERLA OY
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)9月16日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】杉村 暁秀 (外5名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−315489 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)11月16日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−262006 |
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