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【発明の名称】 洗濯機
【発明者】 【氏名】小松 守正

【要約】 【課題】洗濯機において、蓋を閉鎖状態にロックすることができ、幼児が蓋を開けてしまう危険性をなくす。

【解決手段】洗濯機のトップカバー2の後部に取り付けられたバックカバー22にロック部材29を、出入口24が形成されたトップカバー2の凹陥部23に突出させると、ロック部材29の係合部31が、出入口24を閉鎖している蓋25の後端蓋の下側に入り込んでその蓋25の開放方向への回動を阻止する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内部に洗濯槽を設け、上面部に前記洗濯槽に対し洗濯物を出し入れするための出入口を形成した本体と、この本体の上面部に設けられ、前記出入口を開閉する蓋と、前記出入口が開放されないように前記蓋の開放を制限する蓋開放制限機構とを具備してなる洗濯機。
【請求項2】 蓋開放制限機構は、本体および蓋のうちの一方に設けられ、他方に係脱可能に係合して蓋の開放を制限する係合部と、この係合部を少なくとも係合解除方向に操作するための操作部とを備えたロック部材により構成されていることを特徴とする請求項1記載の洗濯機。
【請求項3】 蓋開放制限機構は、本体の上面部の後部に設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の洗濯機。
【請求項4】 蓋開放制限機構が蓋の開放を制限する状態にあるか否かを表示する表示手段を備えていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の洗濯機。
【請求項5】 ロック部材を係合方向に付勢する付勢手段が設けられていることを特徴とする請求項2記載の洗濯機。
【請求項6】 本体および蓋のうちの一方に設けられたロック部材には、蓋の閉鎖方向への動作に伴い、他方に接してロック部材を付勢手段の付勢力に抗して係合準備のために一時的に係合解除方向に移動させる斜面部が設けられていることを特徴とする請求項2または5記載の洗濯機。
【請求項7】 蓋開放制限機構を、蓋の開放を制限しない状態に保持する蓋開放制限禁止手段が設けられていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の洗濯機。
【請求項8】 蓋開放制限禁止手段は、ロック部材を係止して係合方向への移動を禁止する蓋開放制限禁止部材からなり、この蓋開放制限禁止部材は、電動駆動源によりロック部材を係止する動作を行い、手動操作によりその係止を解除する動作を行うことを特徴とする請求項7記載の洗濯機。
【請求項9】 蓋開放制限機構が蓋の開放を制限する状態に設定されたか否かを表示するモード表示部が、本体前部の操作パネルに設けられていることを特徴とする請求項7または8記載の洗濯機。
【請求項10】 出入口は、本体の上面部に形成された凹陥部に設けられていると共に、蓋は、閉鎖状態で前記凹陥部の内側に位置するように回動可能に支持され、蓋開放制限機構は、蓋の外側面と凹陥部の内側面との間の隙間内に差し込まれて蓋をロックするロック部材からなることを特徴とする請求項1記載の洗濯機。
【請求項11】 ロック部材は、条部材により本体に繋がれていることを特徴とする請求項9記載の洗濯機。
【請求項12】 ロック部材は、本体側にスライド可能に支持され、スライド操作されることによって蓋の外側面と凹陥部の内側面との間の隙間内に挟み込まれることを特徴とする請求項9記載の洗濯機。
【請求項13】 ロック部材は、本体側に回動可能に支持され、回動操作されることによって蓋の外側面と凹陥部の内側面との間の隙間内に挟み込まれることを特徴とする請求項9記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上面に洗濯物の出入口を設けた洗濯機に係り、特に、幼児が出入口から洗濯槽内に落ちるといった危険性をなくすために、出入口が開放されないようにの蓋の開放を制限するようにしたものに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来、脱水兼用洗濯機では、脱水時に蓋が開けられたときには、高速回転中の内槽に手などが触れる危険性があるため、蓋の開放と同時にブレーキを作動させ、内槽を急停止させるようにしている。これに対し、洗いやすすぎ時には、内槽が回転される状況になく、内槽内で回転する撹拌体も比較的低速回転し、更に、撹拌体は一般に使用者の手に届きにくい内槽内の底部に位置するため、危険性がないと判断し、運転がそのまま続けられるようになっている。
【0003】しかしながら、上述のように危険性がないと判断される洗いやすすぎ時であっても、例えば洗濯機の近くに偶然に台やそれに類するものが置いてあったりしたときには、幼児がそれに上って蓋を開け、内槽内をのぞき込んでいるうちに、槽内に落ちるということが考えられる。
【0004】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的は、洗濯物の出入口が開放されないように蓋の開放を制限することができ、幼児が出入口から洗濯槽内に落ちるといった危険性をなくすことができる洗濯機を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、内部に洗濯槽を設け、上面部に前記洗濯槽に対し洗濯物を出し入れするための出入口を形成した本体と、この本体の上面部に設けられ、前記出入口を開閉する蓋と、前記出入口が開放されないように前記蓋の開放を制限する蓋開放制限機構とを具備してなるものである。
【0006】この構成によれば、出入口が開放されないように蓋の開放が制限されるため、幼児では、その蓋に与えられた制限を解く操作を行うことができない。このため、幼児が蓋を開いて出入口を開放してしまうといった危険性をなくすことができる。ここで、「蓋の開放を制限」とは、蓋を閉鎖位置にロックする概念はもちろんであるが、出入口が露出されない程度、或いは出入口が少しは露出されても危険でない程度までは蓋を開くことはできても、これを限度にしてそれ以上開くことができないように制限するという概念をも含むものである。
【0007】請求項2の発明は、蓋開放制限機構を、本体および蓋のうちの一方に設けられ、他方に係脱可能に係合して蓋の開放を制限する係合部と、この係合部を少なくとも係合解除方向に操作するための操作部とを備えたロック部材により構成したことを特徴とするものである。この構成によれば、蓋開放制限機構を1個のロック部材により構成でき、製造コストの低減することができる。
【0008】請求項3の発明は、蓋開放制限機構を、本体の上面部の後部に設けられていることを特徴とするものである。この構成によれば、蓋開放制限機構が本体の上面部の後部に設けられているので、幼児が踏み台などに乗ったとしても、ほとんどの場合、幼児の手は本体の上面部の後部にまで届かないので、蓋に与えられている開放制限を解除することはできない。
【0009】請求項4の発明は、蓋開放制限機構が蓋の開放を制限する状態にあるか否かを表示する表示手段を備えていることを特徴とするものである。この構成によれば、蓋が開放を制限された状態にあるか否かを。使用者において容易に認識できる。
【0010】請求項5の発明は、ロック部材を係合方向に付勢する付勢手段が設けられていることを特徴とするものである。この構成によれば、ロック部材による蓋のロックを解除する場合、付勢手段の付勢力に抗してロック部材を係合解除方向に移動させた状態を保持しながら蓋を開くという二重操作をしなければならなくなる。このため、幼児により蓋が開かれてしまうことをより確実に防止することができる。
【0011】請求項6の発明は、本体および蓋のうちの一方に設けられたロック部材には、蓋の閉鎖方向への動作に伴い、他方に接してロック部材を付勢手段の付勢力に抗して係合準備のために一時的に係合解除方向に移動させる斜面部が設けられていることを特徴とするものである。この構成によれば、蓋を閉じる操作によって自動的に蓋をロックすることができる。
【0012】請求項7の発明は、蓋開放制限機構を、蓋の開放を制限しない状態に保持する蓋開放制限禁止手段が設けられていることを特徴とするものである。この構成によれば、幼児のいない家庭などにおいて、蓋を閉じたとき、その度に蓋開放制限機構により蓋の開放が制限される状態となる煩わしさをなくすことができる。
【0013】請求項8の発明は、蓋開放制限禁止手段は、ロック部材を係止して係合方向への移動を禁止する蓋開放制限禁止部材からなり、この蓋開放制限禁止部材は、電動駆動源によりロック部材を係止する動作を行い、手動操作によりその係止を解除する動作を行うことを特徴とする。この構成によれば、蓋開放制限禁止部材の係止動作を電動で、すなわちスイッチ操作で簡単に行うことができる。しかも、係止を解く動作は手動で行うから、蓋の開放を制限する状態にセットすることをより確実に認識することができる。
【0014】この構成よれば、蓋開放制限部材がロック動作しない状態に設定されているか否かを容易に判別できる。しかも、操作パネルは本体の前部に配置されているので、より一層見易くなる。
【0015】請求項9の発明は、蓋開放制限機構が蓋の開放を制限する状態に設定されたか否かを表示するモード表示部が、本体前部の操作パネルに設けられていることを特徴とするものである。この構成によれば、蓋開放制限機構により蓋の開放を制限する状態に設定されているのか、或いは、その制限はないのかを、容易に認識できると共に、その表示部は上面部の前部にあるので、見易い。
【0016】請求項10の発明は、出入口は、本体の上面部に形成された凹陥部に設けられていると共に、蓋は、閉鎖状態で前記凹陥部の内側に位置するように回動可能に支持され、蓋開放制限機構は、蓋の外側面と凹陥部の内側面との間の隙間内に差し込まれて蓋をロックするロック部材からなることを特徴とするものである。この構成のよれば、蓋の開放を制限するための機構がより一層簡単なものとなる。
【0017】請求項11の発明は、ロック部材は、条部材により本体に繋がれていることを特徴とするものである。この構成によれば、従来からの洗濯機に比べ、蓋ロックのために特別な構造的改変を加えなくとも済む。また、ロック部材は条部材によって本体に繋がれているから、紛失のおそれがない。
【0018】請求項12の発明は、ロック部材は、本体側にスライド可能に支持され、スライド操作されることによって蓋の外側面と凹陥部の内側面との間の隙間内に挟み込まれることを特徴とするものであり、請求項13の発明は、ロック部材は、本体側に回動可能に支持され、回動操作されることによって蓋の外側面と凹陥部の内側面との間の隙間内に挟み込まれることを特徴とするものである。このように構成した場合には、ロック部材をスライド或いは回動操作することにより、容易に蓋の開放を制限する状態にすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施例を図1〜図5を参照しながら説明する。図5には全自動形の脱水兼用洗濯機が示されている。同図に示すように、本体1は、上面部にトップカバー2を配設した外箱3を台座4上に設置して構成されている。この本体1内には、外槽5が複数の吊り棒6に弾性支持機構7を介して揺動自在に支持されている。外槽5内に回転可能に配設された内槽8は、洗濯槽と脱水槽とを兼用するもので、その内底部には撹拌体9が回転可能に配設されている。そして、内槽8は、脱水孔10を周壁の上端部分のみに形成し、脱水時に洗濯物から振り切られる水をこの脱水孔10から外槽5内に放出するようになっている。
【0020】外槽5の内底部には、中心部から後部側へと延びる排水通路11が設けられており、この排水通路11の中心部側の端部は内槽8内に連通するように構成され、後方部側の端部は排水口12とされている。そして、上記排水口12は排水弁13により開閉されるようになっており、この排水弁13には排水ホース14が連結されている。
【0021】上記の排水弁13が開放されると、内槽8内の水は排水通路11および排水ホース14を通じて外部に排出される。また、外槽5の底部には、内槽8から溢出した水を排出するための溢水排出口15が形成されており、この溢水排出口15はホース(図示せず)を介して排水ホース14に連結されている。そして、脱水運転時に脱水孔10から外槽5内に放出された水は溢水排出口15から排水ホース14を通って外部に排出されるようになっている。なお、前記排出口12にはエアトラップ16が設けられ、このエアトラップ16には圧力センサからなる水位センサ(図示せず)がエアパイプ17を介して連結されていて該水位センサにより内槽8内の水位を検知するように構成されている。
【0022】外槽5の外底部には、洗濯運転および脱水運転用の洗濯機モータ18および駆動機構部19が設けられており、洗濯機モータ18の回転力は、ベルト伝動機構20を介して駆動機構部19に伝達されるようになっている。上記駆動機構部19は、周知のように、クラッチ機構、減速機構およびブレーキ機構を有して構成されている。このうち、ブレーキ機構は内槽5を制動して停止させる機能を有し、また、クラッチ機構は洗濯機モータ18の回転を、洗濯時に撹拌体9だけに伝達する状態と、脱水時に内槽5および撹拌体9の双方に伝達する状態とに切り換える機能を有している。
【0023】図4に示すように、前記トップカバー2の前部および後部には、それぞれ操作パネル21およびバックカバー22が設けられている。トップカバー2において、操作パネル21とバックカバー22との間は、角形の凹陥部23として形成されており、その凹陥部23の中央部には、洗濯物を出し入れするための出入口24が形成されている。そして、トップカバー2には、出入口24を開閉するための蓋25が回動可能に設けられている。
【0024】上記蓋25は、前蓋部26と後蓋部27とを回動可能に連結して構成された二つ折り形のもので、図1に示すように、後蓋部27の後端部の左右両側に設けられた軸部27aがトップカバー2に回動可能に支持されている。この蓋25は、出入口24を閉鎖した状態では凹陥部23の内側に嵌まり込んだ状態となり、そして、前蓋部26の中央部に設けられた手掛部26aに手を掛けて引き上げると、前蓋部26と後蓋部27とが一体的に上方に回動して出入口24を開く。なお、前蓋部26と後蓋部27との連結部分で山形に折り曲げるように操作すれば、図5に二点鎖線で示すように、蓋25を二つ折りした状態にすることかできるようになっている。
【0025】さて、本体1の上面部たるトップカバー2の後部には、蓋25が開かれないように該蓋25をロックする蓋開放制限機構28が設けられている。この蓋開放制限機構28は、ロック部材29を主体として構成されており、このロック部材29は、図3に示すように、バックカバー22と一体のレール部30によりバックカバー22の内部上面に沿って前後方向にスライド可能に支持されている。
【0026】ロック部材29の前端部には突片状の係合部31が設けられていると共に、上部中央にはバックカバー22に形成された長孔32から上部外方に突出する操作部としての摘み部33が設けられている。そして、摘み部33を操作してロック部材29を前方にスライドさせると、図1に示すように、係合部31がバックカバー22の前壁部に形成された切欠部22aから凹陥部23内に突出した状態となり、この状態から摘み部33を操作してロック部材29を後方にスライドさせると、図2に示すように、係合部31がバックカバー22内に没入した状態となる。なお、以下の説明では、係合部31が凹陥部23内に突出した状態となるロック部材29の位置をロック位置とし、係合部31がバックカバー22内に没入した状態となる位置をロック部材29のロック解除位置ということとする。
【0027】上記ロック部材29の前後両側には、突起29aが突設されており、この突起29aに対してバックカバー22の内部上面には第1穴部34aと第2穴部34bとが形成されている。そして、ロック部材29がロック位置或いはロック解除位置にスライドされると、突起29aが第1穴部34a或いは第2穴部34bに係合するようになっており、その突起29aと第1穴部34a或いは第2穴部34bとの係合により、ロック部材29がロック位置或いはロック解除位置に保持される。
【0028】上記構成の蓋開放制限機構28において、摘み部33を操作してロック部材29を前方にスライドさせると、係合部31がバックカバー22の切欠部22aから凹陥部23内に突出するようになる。そして、ロック部材29がロック位置に至ると、突起29aが第1穴部34aに係合し、そのロック位置に保持される。
【0029】このとき、出入口24を閉鎖している蓋25を開けようとして後蓋部27が上方に回動操作されたとすると、後蓋部27の上部後端縁が直ぐに図1に二点鎖線で示すようにロック部材29の係合部31に係合(当接)し、それ以上は上方に回動できなくなる。従って、ロック部材29がロック位置にあるときには、蓋25は若干開くことはできるが、ロック部材29に係合する開度以上に開くことはできず、出入口24を開くことはできない。
【0030】蓋25を開くには、摘み部33を操作してロック部材29を後方にスライドさせる。すると、係合部31が凹陥部23からバックカバー22内に没した状態となり、ロック部材29はロック解除位置に戻る。これに伴い、突起29aは第1穴部34aから抜け出て第2穴部34bに係合し、ロック部材29をロック解除位置に保持する。従って、この状態では、蓋25を開けるべく後蓋部27が上方に回動操作されると、係合部31がバックカバー22内に没しているため、後蓋部27は支承なく上方に回動し、蓋25は全開され、出入口24を開くことができる。
【0031】このように本実施例によれば、ロック部材29をロック位置或いはロック解除位置にスライドさせることによって、蓋25を出入口24が開かれないようにロックしたり、そのロックを解除したりすることができる。このため、幼児がいる家庭では、洗濯物の出し入れを行うとき以外、ロック部材29をロック位置にセットして蓋25が開かれないようにしておけば、幼児が一人で蓋25を開けるという危険な事態の発生を防止できる。
【0032】この場合、本実施例のように、ロック部材29を蓋25の後側に位置するように設ければ、幼児が洗濯機の前に置いた踏み台に上ったとしても、蓋25の後側まで手が届くようなことはほとんどないので、幼児が一人で蓋25を開けるという危険な事態の発生をより一層確実に防止できる。
【0033】もちろん、幼児のいない家庭などで、一々蓋25をロックする必要がない場合には、ロック部材29をロック解除位置に保持したままにしておけば良いので、自動的に蓋25がロックされる場合とは異なり、逐一ロック解除操作を行う必要がない。
【0034】図6は本発明の第2実施例を示すもので、上記第1実施例と異なるところは、ロック部材29が蓋25をロックした状態にあるか、或いはロックを解除した状態にあるかを表示する表示手段を設けたところにある。すなわち、バックカバー22の長孔32の後側に「蓋ロック」の文字を表示すると共に、ロック部材29の上面のうち、ロック位置にスライドさせたとき、長孔32内に臨む部分(摘み部33の後側)には、図6(a)に示すように「蓋ロック」の文字を表示し、ロック解除位置にスライドさせたとき、長孔32内に臨む部分(摘み部33の前側)には図6(b)に示すように「解除」の文字を表示している。
【0035】このため、ロック部材29が蓋25をロックした状態にあるときには、長孔32には「蓋ロック」の文字が現れ、蓋25のロックを解除した状態にあるときには、長孔32には「解除」の文字が現れるので、蓋25がロックされて開けられない状態にあるのか、ロックされておらず蓋25を自由に開け閉めできる状態にあるのかを容易に判別できる。
【0036】図7および図8は本発明の第3および第4の各実施例を示す。これら両実施例は、表示手段の他の例を示すもので、図7の第3実施例は、バックカバー22の長孔32の左側に「蓋ロック」の文字を表示すると共に、ロック部材29の上面のうち、ロック位置にスライドさせたとき、長孔32内に臨む部分には図7(a)に示すように「ON」の文字を表示し、ロック解除位置にスライドさせたとき、長孔32内に臨む部分には図7(b)に示すように「OFF」の文字を表示している。
【0037】また、図8の第4実施例は、バックカバー22の長孔32の上側に「蓋ロック」の文字を表示すると共に、長孔32の左側後半部に「ON」の文字を表示してその文字表示部分を緑色に着色し、長孔32の左側前半部に「OFF」の文字を表示してその文字表示部分を赤色に着色する一方、ロック部材29の上面のうち、ロック位置にスライドさせたとき、長孔32内に臨む部分を図8(a)に示すように緑色に着色し、ロック解除位置にスライドさせたとき、長孔32内に臨む部分を図8(b)に示すように赤色に着色したものである。なお、図8では、赤色部分を網目線で示し、青色部分を斜線で示した。
【0038】図9〜図15は本発明の第5実施例を示すもので、以下、前述の第1実施例と同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略し異なる部分のみ説明する。この実施例の蓋開放制限機構35は、図9に示すように、トップカバー2の前部左側に配設されている。すなわち、図10および図11に示すように、トップカバー2の内部上面には、下面が受け板36により塞がれた収納ケース部37が設けられており、この収納ケース部37内に蓋開放制限機構35のロック部材38がスライド可能に設けられている。
【0039】ロック部材38は、先端部に係合部39を有すると共に、上面中央部にトップカバー2の長孔40から突出する操作部としての摘み部41を有している。このロック部材38と収納ケース部37の奥面との間には付勢手段としての圧縮ばね42が設けられており、ロック部材38はこの圧縮ばね42によって常時矢印Aで示すロック動作方向に付勢されている。そして、この圧縮ばね42の付勢力により、ロック部材38は、常には、係合部39が凹陥部23内に突出したロック位置に保持されている。
【0040】ロック部材38の係合部39の上面は、先端に向かって下降傾斜する斜面部43に形成されている。そして、蓋25により出入口24を閉鎖すべく前蓋部26を下方に押すと、前蓋部26の左側面部の下端が斜面部43に当接するようになっている。前蓋部26が斜面部43に当接してこれを下方に押圧すると、斜面部43によりロック部材38をロック(係合)解除方向である反矢印A方向に付勢する分力が生じ、これにより、ロック部材38は圧縮ばね42の弾発力に抗して前蓋部26の左側面部に摺接する位置まで反矢印A方向にスライドするようになる。
【0041】前蓋部26の左側面部には、被係合部としての係合孔44が形成されており、上記のように反矢印A方向にスライドして前蓋部26の左側面部に摺接したロック部材38は、蓋25が閉鎖位置に達すると、圧縮ばね42の弾発力により矢印A方向にスライドして係合部39を係合孔44に係合させる。これにより、蓋25が閉鎖位置にロックされたことになる。そして、摘み部41を操作してロック部材38を圧縮ばね42の弾発力に抗して反矢印A方向にロック解除位置までスライドさせると、係合部39が係合孔44から抜け出るので、摘み部41を反矢印A方向に押してロック部材38をロック解除位置に保持したまま、蓋25を上方に回動させると、蓋25を開くことができる。
【0042】トップカバー2の前部左側の内部上面には、ロック部材38の他に蓋開放制限禁止手段としての止め部材45が設けられている。この止め部材45は、図13に示すように、トップカバー2と一体のレール部46によりロック部材38のスライド方向と交差する方向、例えば直交方向にスライド可能に支持されている。この止め部材45の上面中央部には、トップカバー2に形成された長孔47から外方に突出する操作部としての摘み部48が突設されていると共に、ロック部材38側の先端部左側は斜面部49に形成されている。
【0043】そして、止め部材45がロック部材38側にスライド操作されると、先端の斜面部49がロック部材38に形成された止め孔50の左側縁に当接するようになっている。斜面部49が止め孔50の左側縁に当接すると、斜面部49によりロック部材38を反矢印A方向に付勢する分力が生じ、これによりロック部材38は圧縮ばね42の弾発力に抗して係合部39をトップカバー2内に没入されたロック解除位置までスライドさせるようになる。ロック部材38がロック解除位置までスライドすると、図15に示すように、止め部材45は、ロック部材38を係止(斜面部49は止め孔50の左側縁から外れている)し、ロック部材38を圧縮ばね42の弾発力に抗してロック解除位置に保持する。
【0044】ここで、止め部材45の左右両側部には突起45aが突設されており、この突起45aに対してトップカバー2の内部上面には第1穴部51aと第2穴部51bとが形成されている。そして、止め部材45が止め位置および止め解除位置にスライドされると、突起45aが第1穴部51aおよび第2穴部51bに係合するようになっており、その突起45aと第1穴部51a或いは第2穴部51bとの係合により、止め部材45が止め位置或いは止め解除位置に保持される。
【0045】上記構成において、今、止め部材45を止め解除位置に保持しておいたとする。この場合には、ロック部材38はロック解除位置とロック位置との間でスライド可能になっているので、開かれていた蓋25を閉鎖すると、その閉鎖途中で前蓋部26がロック部材38の斜面部43に当接してこれを押圧するようになるので、ロック部材38は、一旦、ロック解除方向にスライドし、そして、蓋25が閉鎖位置に至ったところで、圧縮ばね42の弾発力によりロック位置にスライドして係合部39を係合孔44に係合させ、蓋25をロックする。蓋25を開けるには、図14に示すように、摘み部41を操作してロック部材38をロック解除位置までスライドさせる。そして、ロック部材38をロック解除位置に保持しながら、前蓋部26の蓋25の手掛部26aに手を掛けて蓋25を開放操作するものである。
【0046】また、幼児のいない家庭などで、一々蓋25を閉鎖位置にロックする必要がない場合には、止め部材45を止め位置にスライドさせる。すると、この止め部材45によりロック部材38がロック解除位置に保持されるので、蓋25を閉鎖しても該蓋25はロックされることはない。
【0047】このように本実施例では、ロック部材38をロック動作方向に付勢する圧縮ばね42を設けたことにより、蓋25の閉鎖に応動して自動的に蓋25をロックすることができるので、蓋25を閉じた時、その都度蓋25をロックするためにロック部材38を操作しなくとも済む。しかも、蓋25を開放するには、ロック部材38を圧縮ばね42の弾発力に抗してロック解除位置にスライド操作し、そして、そのままロック部材38をロック解除位置に保持しながら、蓋25を開放操作する、という二重操作を行う必要があるので、幼児が一人で蓋25を開いてしまうという危険な事態の発生を防止できる。
【0048】その上、止め部材45により、ロック部材38をロック動作自由な状態にするか、ロック動作を禁止する状態にするかを選択できるので、幼児がいないような家庭で蓋25が閉鎖されるようにする必要がない場合には、蓋25を開く際に逐一ロック部材38をロック解除位置にスライド操作せずとも済む。
【0049】図16〜図19は本発明の第6実施例を示す。この実施例は上述の第5実施例と同様にロック部材38と止め部材45とを設けたもので、第5実施例と異なるところは、それらロック部材38および止め部材45を本体1側ではなく、蓋25側に設けたところにある。具体的には、ロック部材38および止め部材45は、前蓋部26の右側に配設されている。そして、ロック部材38を蓋25側に設けたことにより、トップカバー2の凹陥部23の右側面に、係合部39が係合する被係合部としての係合凹部52を形成している。
【0050】ここで、ロック部材38を止め部材45によりロック解除位置に保持するには、ロック部材38を図19に示すようにロック解除位置に操作し、この状態で止め部材45をロック部材38側にスライド操作して該止め部材45の先端部をロック部材38の止め孔50に挿入するものである。なお、止め部材38の先端部に図17に示す傾斜面とは逆の傾斜面を形成し、上記第5実施例と同様に、止め部材45をロック部材38側にスライド操作することにより、ロック部材38を傾斜面によってロック解除位置にスライドさせるように構成しても良い。
【0051】図20〜図25は本発明の第7実施例を示す。この実施例は、前述の第5実施例と同じくロック部材38と止め部材45とをトップカバー2に設けたもので、第5実施例と異なるところは、止め部材45の止め位置から止め解除位置への移動を電動駆動源としての電磁石装置53により行うようにしたところにある。なお、図21〜図24に示されていない部分については、第1実施例で説明した符号を用いて説明する。
【0052】電磁石装置53は、トップカバー2の内側に配設されたソレノイドと、このソレノイドにより吸引される可動鉄心54とからなり、可動鉄心54が止め部材45に連結されている。また、トップカバー2の内側には、図25に示すモード検出スイッチ55が設けられている。このモード検出スイッチ55は、具体的には、止め部材45がロック部材38をロック解除位置に保持する止め位置にあるか、止め解除位置にあるかを検出するものである。
【0053】図25は洗濯機の電気回路構成を示すもので、マイクロコンピュータを主体とする制御装置56は、図24に示す操作パネル21の操作部21aに設けられた各種スイッチ57、水位センサ58、蓋25の開閉を検出する蓋スイッチ59から各種の信号が入力されると、それら入力信号およびメモリに予め記憶されているプログラムに従って各種のトライアック60を駆動回路61を介してオンオフ制御し、洗濯機モータ18の正逆転、内槽8への給水を行う給水弁62および排水弁13、蓋開放制限機構35における電磁石装置53のソレノイドを制御すると共に、操作部21aに設けられた各種の表示器63、報知手段としてのブザー64を制御する。
【0054】しかして、操作部21aには、他に蓋ロック用スイッチ65、この蓋ロック用スイッチ65に隣接位置してモード表示部としての発光ダイオードなどの蓋ロック表示器66が設けられている。そして、蓋ロック用スイッチ65が操作されると、制御装置56は、その蓋ロック用スイッチ65からの入力信号に基づき、トライアック67をオン動作させて電磁石装置53のソレノイドに通電する。また、モード検出スイッチ55により、止め部材45が止め解除位置に移動したことが検出されると、制御回路56は、蓋ロック表示器66を点灯させ、且つブザー64を一時的に鳴動させ、その後、電磁石装置53のソレノイドを断電する。
【0055】上記構成において、蓋ロック表示器66が消灯した状態にあるとき、蓋ロック用スイッチ65を操作すると、電磁石装置53のソレノイドが通電される。これにより、可動鉄心54がソレノイドの磁気力により矢印B方向に吸引変位して止め部材45を止め解除位置に移動させる。そして、止め部材45が止め解除位置に移動すると、これをモード検出スイッチ55が検出し、これに基づき、制御装置56は、蓋ロック表示器66を点灯させると共に、ブザー64を鳴動させてロック部材38がロック動作自由状態にセットされたことを報知する。
【0056】止め部材45が止め解除位置に移動したことにより、ロック部材38は、蓋25が閉鎖されると自動的に蓋25をロックするように動作する。蓋25のロックを解除するには、ロック部材38をロック解除位置に移動させ、そしてロック部材38をロック解除位置に保持しながら前蓋部26の手掛部26aに手を掛けて蓋25を開く。
【0057】ロック部材38による蓋25のロックをしない場合には、止め部材45を手動操作にて止め位置にスライドさせる。なお、この止め部材45のスライドに伴い、可動鉄心54も反矢印B方向に移動する。上記の止め部材45のスライドに伴い、ロック部材38はロック解除位置に移動されて当該位置に保持されたままとなるので、蓋25を閉じても該蓋25がロック部材38によりロックされることはない。
【0058】一方、止め部材45が止め位置にスライドすると、モード検出スイッチ55がこれを検出し、これに基づき、制御装置56は、蓋ロック表示器66を消灯させて蓋25がロックされない蓋ロック禁止モードにあることを示す。
【0059】この実施例によれば、止め部材45の止め解除位置への移動を電磁石装置53により行う、換言すれば蓋ロックスイッチ65を押圧するだけで行うことができるので、操作が簡単である。しかも、止め部材45の止め位置への移動は手動により行うので、蓋25の開放を制限する状態にセットしたことを、使用者に、より確実に認識させることができる。
【0060】図26〜図28は本発明の第8実施例を示す。この実施例の蓋開放制限機構68は、ロック部材としての1個の差込み部材69により構成されている。この差込み部材69は、係止片69aの一端部に摘み部69bを突設したほぼT字形のものである。そして、差込み部材69の摘み部69bには、条部材としての紐70が結び付けられており、その紐71の先端をトップカバー2の側面部に設けられたフック2aに結び付け、これにて差込み部材68が紛失することのないようにしている。
【0061】この構成において、蓋25をロックするには、蓋25を閉じた状態で差込み部材69の係止片69aを後蓋部27の後面壁と凹陥部23の後内側面との間に差し込む。すると、後蓋部27が上方に回動操作しようとしても、後蓋部27が係止片69aに支えて回動操作できず、その結果として蓋25を開くことはできない。このように構成した場合には、蓋開放制限機構68の構成および操作が簡単となる。また、洗濯機側に大きな改変を加えることなく蓋25の開放に制限を加えることができ、安価に所期の目的を達成できる。
【0062】図29〜図32は本発明の第9実施例を示す。この実施例は、上記第8実施例と同様に蓋開放制限機構71をロック部材としての差込み部材72から構成し、その差込み部材72をトップカバー2に回動可能に設けたものである。すなわち、トップカバー2の右側後部において、バックカバー22との間に存在する隙間内には支持部73が立設され、この支持部73の軸部73aに差込み部材72が左右方向に回動可能に支持されている。
【0063】差込み部材72は、軸73aに支持されたほぼL字形の係止片72aと、この係止片72aの先端に設けられた摘み部72bとからなる。そして、差込み部材72は、蓋25の閉鎖状態において、図30の破線で示す位置まで矢印Cで示す左方に回動操作されると、係止片72aが後蓋部27とバックカバー2との間の隙間内に差し込まれる。これにより、蓋25は開くことができないようになる。この状態から、差込み部材72を図30に二点鎖線で示す位置まで右方に回動操作すると、係止片72aが後蓋部27とバックカバー22との間の隙間から抜け出るので、蓋25は開くことができるようになる。なお、差込み部材72の右方への回動は、トップカバー2に立設されたストッパ74により規制されるようになっている。
【0064】図33〜図35は本発明の第10実施例を示す。この実施例は、上記第9実施例と同様に蓋開放制限機構75を差込み部材76から構成し、この差込み部材76をスライド可能に支持するようにしたものである。すなわち、差込み部材76は、ほぼL字形の係止片76aと、この係止片76aの先端に設けられた摘み部76bとからなる。更に、係止片76aの基部には、角形の軸部76cを介して鍔部77が取り付けられており、その角形の軸部77はトップカバー2の縦壁に形成されたガイド孔78にスライド可能に支持されている。
【0065】この構成において、蓋25の閉鎖状態において、差込み部材76を矢印Dで示す左方にスライド操作すると、係止片76aが後蓋部27とバックカバー22との間の隙間内に差し込まれ、これにより、蓋25は開くことができないようになる。この状態から、差込み部材76を右方にスライド操作すると、係止片76aが後蓋部27とバックカバー22との間の隙間から抜け出るので、蓋25は開くことができるようになる。
【0066】なお、本発明は上記し且つ図面に示す実施例に限定されるものではなく、例えば脱水兼用洗濯機ばかりでなく、二槽式洗濯機に適用しても良いなど、要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することができる。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、次のような効果を得ることができる。請求項1の発明は、出入口が開放されないように蓋の開放を制限することができるので、幼児では、その蓋に与えられた制限を解くことができず、幼児が蓋を開けて出入口を開放してしまうという危険性をなくすことができる。
【0068】請求項2の発明は、蓋開放制限機構を、係合部と操作部とを備えた1個のロック部材により構成でき、コスト安とすることができる。請求項3の発明は、蓋開放制限機構が幼児の手の届きにくい本体の上面部の後部に設けられているので、幼児が蓋に与えられている開放制限を解除することはできない。請求項4の発明は、蓋開放制限機構が蓋の開放を制限した状態にあるか否かを表示する表示手段により、蓋の開放に制限が与えられているか否かを容易に判別できる。
【0069】請求項5の発明は、ロック部材が付勢手段によりロック動作方向に付勢されているので、ロック部材をロック解除方向に移動させた状態を保持しながら蓋を開く操作をしなければならず、幼児により蓋が開かれてしまうことをより確実に防止することができる。請求項6の発明は、付勢手段によりロック動作方向に付勢されているロック部材に斜面部が設けられているので、蓋を閉じる操作によって自動的に蓋をロックすることができる。請求項7の発明は、蓋開放制限機構を、蓋の開放を制限しない状態に保持する蓋開放制限禁止手段が設けられているので、幼児のいない家庭などにおいて、蓋を閉じたとき、その度に蓋開放制限機構により蓋の開放が制限される状態となる煩わしさをなくすことができる。請求項8の発明は、蓋開放制限禁止部材の係止動作を電動で、すなわちスイッチ操作で簡単に行うことができ、しかも、係止を解く動作は手動で行うから、蓋の開放を制限する状態にセットすることをより確実に認識することができる。請求項9の発明は、蓋開放制限機構が蓋の開放を制限するように機能しない状態に設定されているか否かを操作パネルのモード表示部を見ることにより容易に判別できる。請求項10の発明は、蓋の外側面と凹陥部の内側面との間の隙間内に差し込まれるロック部材により蓋の開放の制限をできるので、蓋ロックのための構成が簡素となる。請求項11の発明は、ロック部材は、条部材により本体に繋がれているので、紛失のおそれがない。請求項12および請求項13の発明は、ロック部材をスライド或いは回動操作することにより、容易に蓋の外側面と凹陥部の内側面との間に挟み込むことができる。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【出願日】 平成10年(1998)5月12日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 強
【公開番号】 特開平11−319372
【公開日】 平成11年(1999)11月24日
【出願番号】 特願平10−129166