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【発明の名称】 物干し装置
【発明者】 【氏名】植竹 徹

【要約】 【課題】被干し物が腰壁等の手摺りの構成部材に接触することがなく、また通風性が良好になり、被干し物がよく乾く物干し装置を提供すること。

【解決手段】住宅の物干し場所であるバルコニ1に手摺り13を設け、この手摺り13の手摺り部材10を2本の部材14,15で構成し、被干し物を干すとき、手摺り13の位置の両側に部材14,15を突出移動させてこれらを被干し物掛け部材とし、掛け部材14,15に布団等の被干し物を掛けて干すことができるようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 建物の手摺り付き物干し場所に設置され、この手摺りの位置から水平方向の成分をもって突出する被干し物掛け部材を備えていることを特徴とする物干し装置。
【請求項2】 請求項1に記載の物干し装置において、前記被干し物掛け部材は、前記手摺りの位置の両側に突出する複数個あることを特徴とする物干し装置。
【請求項3】 請求項2に記載の物干し装置において、前記複数個の被干し物掛け部材は連動機構を介して連結され、この連動機構は前記複数個の被干し物掛け部材を同時に前記手摺りの位置の両側に突出させる機構になっていることを特徴とする物干し装置。
【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の物干し装置において、前記手摺りの位置からの突出前の前記被干し物掛け部材は、前記手摺り付き物干し場所の手摺り部材となっていることを特徴とする物干し装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅等の建物の手摺り付き物干し場所に設置される物干し装置に係り、例えば、バルコニで布団等を干す場合に利用できるものである。
【0002】
【背景技術】住宅のバルコニは布団や洗濯物の物干し場所として利用されている。例えば、布団をこのバルコニで干す場合には、バルコニの腰壁等で形成されている手摺りの上端に布団を掛け、この布団を手摺りに沿って垂らしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような布団干しの状況によると、バルコニの手摺りが腰壁で形成されていると、この腰壁の壁面に布団が接触し、また、バルコニの手摺りが、バルコニの床から立設した複数本の支柱の上端で手摺り部材を支持するとともに、これらの支柱の間に手摺り子を介在させて形成している場合には、支柱や手摺り子の側面に布団が接触する。このため、腰壁の壁面、支柱や手摺り子の側面が汚れていると、布団も汚れてしまうため、布団を干す前にこれらの汚れを取る清掃作業を行わなければならず、それだけ布団干しに手間がかかっていた。また、バルコニの手摺りが腰壁で形成されていると、この腰壁の外側の壁面を清掃することが難しいという問題もあった。さらに、布団が腰壁の壁面に接触していると、布団と腰壁との間に風が通らないため、それだけ布団の乾きが悪くなるという問題もあった。
【0004】本発明の目的は、布団等の被干し物が腰壁等の手摺りの構成部材に接触することがなく、また通風性が良好になって被干し物がよく乾くようになる物干し装置を提供するところにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る物干し装置は、建物の手摺り付き物干し場所に設置され、この手摺りの位置から水平方向の成分をもって突出する被干し物掛け部材を備えていることを特徴とするものである。
【0006】本発明の物干し装置は、手摺り付き物干し場所の手摺りの位置から水平方向の成分をもって突出する被干し物掛け部材を備えているため、布団等の被干し物をこの掛け部材に掛けて干すと、被干し物は、少なくとも掛け部材が突出した側において腰壁等の手摺りの構成部材に接触しなくなる。このため、被干し物を干す前に少なくとも掛け部材が突出する側における手摺りの構成部材を清掃することが不要になり、また、被干し物と手摺りの構成部材との間に間隔ができるため、通風性が良好になって被干し物はよく乾くようになる。
【0007】本発明では、前記被干し物掛け部材が水平方向の成分をもって物干し場所の手摺りの位置から突出すればこのような効果を得られることになり、ここでいう水平方向の成分をもって突出するとは、単に水平方向に突出することだけではなく、垂直方向に突出してから水平方向に突出すること、および斜め方向に突出することにより結果的に水平方向への突出成分が生じることをも含む。
【0008】被干し物掛け部材が成分をもって突出する水平方向は、物干し場所を備えた建物に対して前後方向(建物内外方向)でもよく、左右方向でもよく、斜めの方向でもよい。
【0009】また、建物の物干し場所に設けられる手摺りは、腰壁だけによるものでもよく、また、物干し場所の床から立設された複数の支柱と、これらの支柱の上端で支持された手摺り部材と、必要に応じて複数の支柱の間に設けられた手摺り子とを含んで構成されたものでもよく、さらに、腰壁から立設された複数の支柱と、これらの支柱の上端で支持された手摺り部材と、必要に応じて複数の支柱の間に設けられた手摺り子とを含んで構成されたものでもよく、その構造は任意である。
【0010】被干し物掛け部材の個数は1個でもよいが、好ましくは、手摺りの位置の両側に突出する複数個とする。このように掛け部材が手摺りの位置の両側に突出する複数個あると、布団等の被干し物が掛け部材に掛けられて干されたとき、手摺りの構成部材の両側に被干し物が接触するのを防止でき、また通風性も一層良好になる。
【0011】このように被干し物掛け部材の個数を物干し場所の手摺りの位置の両側に突出する複数個とした場合において、それぞれの掛け部材を独立させることにより、個別に手摺りの位置の両側に水平方向の成分をもって突出するようにしてもよく、また、複数個の掛け部材を連動機構を介して連結し、この連動機構により複数個の掛け部材が物干し場所の手摺りの位置から同時に突出するようにしてもよい。
【0012】後者のように複数個の掛け部材が連動機構で同時に突出するようになっていると、これらの掛け部材が突出して布団等の被干し物を干すことができるようになるまでの時間を短くできる。
【0013】複数個の掛け部材を手摺りの位置の両側に突出させるための方式は、手作業による手動方式でもよく、また、モータ等の駆動源を使用した自動方式でもよい。
【0014】複数個の掛け部材を手摺りの位置の両側に突出させる方式が手動方式であって、これらの掛け部材が連動機構で連結され、同時に手摺りの位置の両側に突出するようになっていると、1個の掛け部材を握ってこの掛け部材を突出させる作業を行うと、この掛け部材に連動機構を介して連結されている他の掛け部材も自ずと突出することになり、これらの掛け部材を突出させる作業を簡単に行える。
【0015】複数個の掛け部材を手摺りの位置の両側に同時に突出させるための連動機構の一例は、これらの掛け部材を基端を中心に揺動する支持部材で支持し、これらの支持部材の基端に互いに噛み合う歯車を設け、これらの歯車の回転により複数個の支持部材の揺動で複数個の掛け部材を手摺りの位置の両側へ突出させることである。また、他の例は、複数個の掛け部材に掛け部材の突出方向に延びるラック部材を結合し、これらのラック部材をハンドル等の回転操作部材で回転するピニオンで移動させることである。複数個の掛け部材を同時に手摺りの位置の両側に突出させるための機構はこれらに限定されず、任意な構造のものでよい。
【0016】物干し場所の手摺りには手摺り部材が設けられるが、掛け部材はこの手摺り部材とは別の部材でもよいが、掛け部材をこの手摺り部材と同じ部材とすることもできる。すなわち、物干し場所の手摺りの位置から突出する前の掛け部材が、この手摺りの手摺り部材となっていることである。このように物干し場所の手摺りの位置から突出する前の掛け部材がこの手摺りの手摺り部材となっていると、部材が兼用化されるため、その分だけ部材点数の削減、構造の簡単化を図ることができることになる。
【0017】また、本発明に係る物干し装置には、被干し物を挟んで物干し装置から被干し物が風等で落ちるのを防止するための被干し物挟着手段を設けてもよい。この挟着手段の構造は任意であり、例えば、前記被干し物掛け部材と共に被干し物を挟む1個の挟着部材を備えたものでもよく、また、被干し物を挟む複数個の挟着部材を備えたものでもよい。この挟着手段は不使用時には物干し装置に用意されている格納場所に格納されるようになっていることが好ましく、この格納場所は、例えば、棒状に形成されている被干し物掛け部材の開口端部である。
【0018】以上の本発明において、掛け部材等で構成される物干し装置を設置する物干し場所は、物干しを行えかつ手摺りが設けられている建物の場所であれば任意な場所でよく、例えば、住宅のバルコニがその一例であり、また、集合住宅の外廊下や外階段の踊り場は他の例である。
【0019】また、本発明に係る物干し装置は、掛け部材に掛けて干しことができるものであれば任意な被干し物を干すために利用でき、例えば、布団やシーツである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、手摺りが設けられている住宅の物干し場所であるバルコニ1を示す。このバルコニ1は、左右の腰壁2,3と前側の腰壁4とで輪郭が形成され、左右の腰壁2,3には2本ずつの支柱5,6の上端で支持された手摺り部材7,8が設けられ、前側の腰壁4にも2本の支柱9で支持された手摺り部材10が設けられている。このため、この実施形態では、左右の腰壁2,3と支柱5,6と手摺り部材7,8とにより、バルコニ1の左右の手摺り11,12が構成され、また、前側の腰壁4と支柱9と手摺り部材10とにより、バルコニ1の前側の手摺り13が構成されている。
【0021】手摺り13の手摺り部材10は2本の平行な部材14,15からなり、これらの部材14,15は、図2に示す通り、手摺り13の位置の両側へ、言い換えると、手摺り13の位置からバルコニ1が設けられている住宅に対して前後方向へ突出するものとなっており、この突出した状態において図4で示されているように布団等に被干し物Aが掛けられるため、これらの部材14,15が本実施形態における被干し物掛け部材となっている。また、手摺り13のそれぞれの支柱9の内部には、被干し物掛け部材14,15を手摺り13の位置の両側に突出させるための図3〜図7で示す機構が配置されているため、本実施形態に係る物干し装置は、手摺り13の一部によって構成されている。
【0022】次ぎに、この物干し装置の構造を説明する。図3〜図5に示す通り、支柱9は角筒材で形成され、この内部には、下側が大きい箱部16Aで上側が小さい箱部16Bとなった上下2段の箱部材16が上下摺動自在に収納されている。支柱9の上面は開口部9Aとなっており、この開口部9Aの周縁部は支柱9の側面上端から開口部9A側に延出した縁部9Bとなっている。箱部材16が上昇したとき、上側の箱部16Bが図4のように開口部9Aから突出するとともに、下側の箱部16Aの上面肩部が縁部9Bの下面に当接することにより箱部材16の上限位置が規定されるようになっている。
【0023】上側の箱部16Bの内部には、被干し物掛け部材14,15の延出方向に延びる2本の中心軸17,18が平行に架設され、これらの中心軸17,18の外周に図4で示す断面六角形の回転軸19、20が回転自在に嵌合され、回転軸19,20は歯車21,22の中心部の六角形孔に挿通されているため、回転軸19,20と歯車21,22は一体に回転し、また、歯車21,22は互いに噛合しているため、これらの歯車21,22は互いに反対側へ回転する。回転軸19,20には箱部16Bから外部へ延びる棒状の支持部材23,24の基端が結合一体化され、回転軸19,20における基端を中心に垂直面内で揺動自在となっているこれらの支持部材23,24の先端に掛け部材14,15が水平に支持されている。
【0024】それぞれの支柱9の側面には、上限位置に達した箱部材16をその上限位置で止めておくための図5で示すストッパ手段25が設けられている。このストッパ手段25は、図6で示されているように、先端26Aが支柱9の内部に出没自在となったストッパ部材26と、支柱9の外側面に固定されたケース27の内部に収納され、一端がストッパ部材26のフランジ部26Bに当てられていることによりストッパ部材26に支柱9の内部方向への付勢力を常時付与しているばね28とを含んで構成され、ケース27から突出したストッパ部材26の後端には摘み29が取り付けられている。ストッパ部材26の先端26Aの上面は平坦面26Cになっており、その下部は支柱9の内側に向かって昇り傾斜している傾斜面26Dになっている。
【0025】ストッパ部材26には、ストッパ部材26の軸方向と直交する方向に貫通固定されたピン30が設けられ、また、ケース27の摘み29側の端部には切り欠き溝27Aが形成されており、ストッパ部材26の先端26Aが支柱9の内部に突出しているときには、ピン30はケース27側のみに開口している切り欠き溝27Aに嵌合している。摘み29を後方へ引っ張ることによりストッパ部材26をばね28に抗して後退させ、かつ摘み29でストッパ部材26を90度回転させると、図7のように、切り欠き溝27Aから脱出したピン30がケース27の端部に引っ掛かり、ストッパ部材26の先端26Aを支柱9の内部から脱出させてその状態を維持できるようになっている。また、摘み29でストッパ部材26をさらに90度回転させると、ピン30が切り欠き溝27Aに嵌合してストッパ部材26の先端26Aが支柱9の内部に突出するようになっている。
【0026】図8〜図10は、被干し物Aを掛け部材14,15に掛けて干すときに、被干し物Aを挟着して掛け部材14,15から落ちるのを防止する挟着手段31を示す。この挟着手段31はそれぞれの掛け部材14,15について2個あり、これらの挟着手段31は、使用していないときには図8で示されているように、掛け部材部材14,15の開口端部に格納されている。すなわち、挟着手段31は、図9で示すように、掛け部材14,15の開口端部から引き出されて使用されるものである。
【0027】挟着手段31は、挟着手段31が掛け部材14,15の開口端部に格納されているときにこの開口端部のキャップにもなる端面部材32と、この端面部材32に結合され、掛け部材14,15の開口端部の内部に挿入自在となっている本体33とを有する。本体33の内部には、それぞれの基端がピン34,35で本体33に回転自在に連結された第1リンク36とばね37が配置され、ばね37の先端には第2リンク38が連結され、第1リンク36の先端と第2リンク38の先端との間には、図9で示すピン39,40でこれらのリンク36,38に回転自在に連結された第3リンク41が架設されている。この構造により、第1リンク36と、ばね37および第2リンク38とが平行になった平行リンク機構が形成されていることになり、第3リンク41の内部には、止めねじ42を緩めることによりスライド可能になって掛け部材14,15の長さ方向に位置を調整できる棒状の挟着部材43が挿通されている。
【0028】本体33における挟着部材43側の側面および端面部材32とは反対側の前面には、開口部33Aが形成されており、挟着手段31の全部を掛け部材14,15の開口端部から抜き出したとき、この開口部33Aから挟着部材43等を本体33の内部から取り出すことができるようになっている。この後、図9に示すように、本体33の半分程度を掛け部材14,15の開口端部に挿入し、掛け部材14,15に掛けられた布団等の被干し物Aをばね37のばね力が作用している挟着部材43と、掛け部材14,15とで挟着できるようになる。
【0029】次ぎに本実施形態に係る物干し装置の操作方法を説明する。この物干し装置を使用する前は、図1のように2本の掛け部材14,15は互いに隣接しており、この状態では、掛け部材14,15はバルコニ1の前側の前記手摺り13の手摺り部材10となっている。また、このときには、それぞれの支柱9の内部に配置されている箱部材16は図3のように下限位置まで降りている。布団等の被干し物Aを干すときには、先ず、2本の掛け部材14,15の一方また両方を握り、これらをそのまま垂直に引き上げて箱部材16を上昇させる。この箱部材16の上昇行程の途中において、下側の箱部16Aの上面肩部が支柱9の内部に突出しているストッパ部材26の先端26Aに当接し、この当接は先端26Aの下部の傾斜面26Dで行われるため、引き続き箱部材16が上昇すると、箱部16Aの上面肩部からの押圧作用によりストッパ部材26はばね28に抗して後退する。
【0030】この後、箱部16Aの上面肩部が図4に示すように支柱9の上端の縁部9Bに当接して箱部材16が上限に達すると、箱部材16の下面はストッパ部材26の先端26Aの高さ位置を越えているため、ストッパ部材26はばね28で前進し、ストッパ部材26の支柱9の内部に突出した先端26Aの平坦面26Cに箱部材16の下面が載ることにより、箱部材16はその高さ位置で停止する。
【0031】次いで、2本の掛け部材14,15のうちの掛け部材14をバルコニ1の内側に倒す。これにより、掛け部材14を支持している支持部材23の基端と回転軸19を介して結合されている歯車21は回転し、この歯車21には掛け部材15側の歯車22が噛合しているため、歯車21とは反対側への歯車22の回転により、この歯車22と回転軸20、支持部材24を介して連結されている掛け部材15はバルコニ1の外側へ倒れ、支持部材23,24が支柱9の上面に設けられている受け部材44で受けられることにより、両方の掛け部材14,15は前記手摺り13の位置の両側に水平方向の成分をもって突出したことになる。
【0032】このように2個の歯車21,22は、掛け部材14,15のうちの一方を手摺り13の位置から一方の方向へ突出させたときに、他方を手摺り13の位置から他方の方向へ同時に突出させる連動機構45を構成するものとなっている。
【0033】なお、このときの歯車21,22の回転量は4分の1回転であるため、歯車21,22を歯が角度90度の範囲に形成されたセクタ歯車としてもよい。
【0034】この後、図4のように掛け部材14,15に布団等の被干し物Aを掛け、そして掛け部材14,15の開口端部に格納されていた挟着手段31を取り出し、これらの挟着手段31の本体33の半分程度を掛け部材14,15の開口端部に挿入するとともに、図9、図10のようにばね37のばね力が作用している挟着部材43と掛け部材14,15とで被干し物Aを挟着し、この被干し物Aを物干し装置に固定する。
【0035】被干し物Aが乾燥した後、物干し装置をもとの状態に戻すときには、ストッパ手段25の摘み29を後方へ引っ張って90度回転させる操作をそれぞれの支柱9に設けられているストッパ手段25について順番に行うことにより、これらのストッパ手段25による箱部材16の上限での停止を解除し、2番目のストッパ手段25についての操作を行うときには同時に掛け部材14を持ち上げ、これにより、前記連動機構45で掛け部材15も上昇させて箱部材16を自重で支柱9内の下限位置まで降ろす。次いでそれぞれのストッパ手段25の摘み29を90度回転させてストッパ部材26の先端26Aをばね28で支柱9の内部に突出させる。これにより全部がもとの状態に戻り、このときには2本の掛け部材14,15は隣接平行していて、前記手摺り13の手摺り部材10となっている。
【0036】以上説明した本実施形態に係る物干し装置は、住宅の物干し場所であるバルコニ1の手摺り13の位置から水平方向の成分をもって突出する被干し物掛け部材14,15を備えているため、掛け部材14,15に被干し物Aを掛けて干すと、この被干し物Aは手摺り13を構成する腰壁4の壁面に接触せず、このため、腰壁4の壁面を清掃しなくても被干し物Aが汚れることない。また腰壁4の壁面と被干し物Aとの間に間隔ができるため、通風性が良好となり、被干し物Aはよく乾く。
【0037】また、本実施形態に係わる物干し装置によると、掛け部材は手摺り13の位置から両側に突出する2本14,15あるため、被干し物Aは腰壁4の両側の壁面と接触しないことになり、また、この両側において良好な通風性を確保できることになる。
【0038】また、2本の掛け部材14,15は連動機構45で連動するようになっており、一方の掛け部材を手摺り13の位置から一方の方向に突出させる操作を行うと、他方の掛け部材は手摺り13の位置から他方の方向に同時に突出するためと、2本の掛け部材14,15の突出作業を容易かつ短時間で行える。特に本実施形態のように、2本の掛け部材14,15のうちの掛け部材15が手の届かないバルコニ1の外側に突出するようになっている場合でも、掛け部材14をバルコニ1の内側に突出させる操作だけを行えばよいため、操作を容易に行える。
【0039】また、突出前の掛け部材14,15は、手摺り13の手摺り部材10となっているため、部材が兼用化され、それだけ、物干し装置の部材点数の削減、構造の簡単化を達成できる。
【0040】また、物干し装置は被干し物Aを挟着する挟着手段31を備えているため、被干し物Aを掛け部材14,15に掛けて干しているときに風が吹いても、被干し物Aが落ちるのを防止できる。そして、挟着手段31が使用されないときには、挟着手段31を掛け部材14,15の開口端部に格納できるため、物干し装置のデッドスペースの有効活用によって挟着手段を収納できる。
【0041】図11〜図14は、自動式の物干し装置を示す。前記実施形態における部材と対応する部材には、同じ符号を用いる。すなわち、9は手摺り13の支柱、14、15は被干し物掛け部材である。それぞれの支柱9の内部には、下側の大きい箱部50Aと上側の小さい箱部50Bからなる箱部材50が上下摺動自在に配置され、下側の箱部50Aの内部には正回転、逆回転するモータ51が組み込まれ、このモータ51には歯車52が取り付けられている。また、下側の箱部50Aには図12で示す回転軸53が架設され、この回転軸53には、歯車52と噛合する歯車54と、スプロケット55と、スプロケット56とが取り付けられている。
【0042】さらに、上側の箱部50Bには図11で示す2本の中心軸57,58が架設され、一方の中心軸57の外周には図12の回転軸59が回転自在に設けられ、この回転軸59にスプロケット55とチェーン60で連結されたスプロケット61が固設されているとともに、歯車62も固設されている。そして、回転軸57には、図11で示す掛け部材14を先端で支持した支持部材63の基端が結合されている。他方の中心軸58の外周には図示されていない回転軸が、中心軸57の回転軸59と同様に回転自在に設けられ、この回転軸には歯車62と噛合する歯車64が取り付けられ、また、掛け部材15を先端で支持する支持部材65の基端も結合されている。
【0043】前記スプロケット56には、図13で示す回転軸66に取り付けられたスプロケット67がチェーン68で連結され、この回転軸66にはラック部材69に噛合するピニオン70も結合されている。ラック部材69は、図11に示されているように、支柱9の内面に上下方向に延設固定されている。
【0044】支柱9の側面には図14で示すストッパ手段71が設けられ、このストッパ手段71は、先端72Aが支柱9の内部に出没自在となったストッパ部材72と、ケース73の内部に収納され、ストッパ部材72のフランジ部72Bに一端が当てられることによりストッパ部材72を支柱9の内部方向に常時押圧しているばね74と、ストッパ部材72の前後進を案内するガイド部材75と、このガイド部材75上において、ストッパ部材72の後端と対向配置された電磁石76とを含んで構成されている。電磁石76は、前記モータ51を正回転、逆回転させるスイッチをオンにすると励磁されてストッパ部材72をばね74に抗して後退させるものとなっており、電磁石76が消磁されると、ストッパ部材72はばね74で前進し、その先端72Aが支柱9の内部に突出するようになっている。この先端72Aには平坦面72Cが形成されている。
【0045】この実施形態の物干し装置を使用して被干し物を干すときには、それぞれの支柱9のモータ51を正回転させるスイッチをオンにする。これによりストッパ部材72が後退するとともに、歯車52の回転で歯車54が回転し、この回転はスプロケット56、チェーン68、スプロケット67を介してピニオン70に伝達され、この結果、ラック部材69に沿って箱部材50は上昇する。箱部材50の上側の箱部50Bが図11で示す支柱9の上端開口部9Aから突出して下側の箱部50Aの上面肩部が支柱9の縁部9Bに近づくと、この縁部9Bの下面に取り付けられているリミットスイッチ77がオンとなり、これにより、モータ51の正回転は停止し、かつ電磁石76は消磁されてストッパ部材72は前進し、ストッパ部材72の先端72Aの平坦面72Cに箱部材50の下面が載ることにより、箱部材50は上限位置で停止する。この状態が図14で示されている。
【0046】また、モータ51の正回転が始まって歯車52により歯車54が回転したときには、スプロケット55、チェーン60、スプロケット61、回転軸59を介して歯車62が回転し、歯車64は歯車62と反対側に回転する。この結果、基端を中心に揺動する支持部材63,65を介して2本の掛け部材14,15は互いに反対側へ、すなわち前記手摺り13の位置の両側へ突出し、前記実施形態と同様の作動を行う。この実施形態では、歯車62,64等が2本の掛け部材14,15を連動させる連動機構78の構成部材となっている。この実施形態においても、歯車62,64を歯が角度90度の範囲で形成されたセクタ歯車としてもよい。
【0047】被干し物が乾いた後、物干し装置をもとの状態に戻すときには、掛け部材14,15から被干し物を取り外した後、モータ51を逆回転させるスイッチをオンにする。これにより、ストッパ部材72が後退し、また歯車52で歯車54が回転し、この回転の方向は前記とは逆であるため、箱部材50は下降し、また、2本の掛け部材14,15は前記とは逆作動し、箱部材50が下限位置に達すると、図示しないリミットスイッチがオンとなるため、モータ51の逆回転は停止し、また、電磁石76は消磁されるため、ストッパ部材72は前進し、これにより全部がもとの状態に戻ることになる。
【0048】この実施形態によると、物干し装置の掛け部材14,15を手摺り13の位置の両側に突出させること、およびもとの状態に戻すことをスイッチ操作で自動的に行わせることができるようになる。
【0049】なお、以上の図11〜図14の実施形態において、ストッパ手段71のストッパ部材72に図1〜図10の実施形態におけるストッパ手段25のストッパ26部材の傾斜面26Dと同様の傾斜面を設けることにより、箱部材50が上昇したときに、この傾斜面に作用する下側の箱部50Bの上面肩部からの押圧力でストッパ部材72が後退し、箱部50Bの下面がストッパ部材72の高さ位置に達したときに、ストッパ部材72がこのストッパ部材72に常時作用しているばね等の弾性部材による弾性力で前進して箱部50Bの下面に係止するようにし、箱部材50を下降させるときだけ電磁石76でストッパ部材72を後退させるようにしてもよい。また、図11〜図14の実施形態におけるストッパ手段を、図1〜図10のストッパ手段25と同様に、全部を手作業で行う手動式としてもよい。
【0050】さらに、図1〜図10および図11〜図14の実施形態において、支柱9ごとに設けられた2個のストッパ手段が図6で示されたストッパ手段25のように手動式であって、そのストッパ部材がばね等の弾性部材で常時前方へ付勢されているものとなっており、かつ、2個のストッパ手段の間隔がこれらのストッパ手段を同時に操作できる程に小さい場合には、これらのストッパ手段を、図6で示された切り欠き溝27Aとピン30を備えないものにすることもできる。また、2個のストッパ手段の間隔が大きくても、これらのストッパ手段を1箇所に配置された操作部の操作で連動させるように構成した場合にも、これらのストッパ手段を、切り欠き溝27Aとピン30を備えないものにできる。
【0051】また、以上において、ストッパ手段の配置位置は図1、図2に示された位置に限らず任意な位置でよく、例えば、支柱9のバルコニ内側の面にストッパ手段を配置してもよい。
【0052】図15〜図17は、第3実施形態に係る物干し装置を示す。この実施形態の装置も、図15で示す通り、手摺り13を構成する腰壁4から立設された2本の支柱80と、2本の被干し物掛け部材81,82と含んで構成されており、掛け部材81,82は手摺り13の手摺り部材10を兼ねるものとなっている。
【0053】図16、図17は、支柱80の内部構造を示す。それぞれの支柱80の内部には掛け部材81,82の延出方向に延びる回転軸83が配置され、これらの回転軸83は連結軸84で連結されており、一方の支柱80の側面には、この支柱80の回転軸83を回転させるハンドル85が設けられている。それぞれの支柱80の回転軸83には図17のスプロケット86と歯車87が取り付けられ、スプロケット86にはチェーン88を介してスプロケット89が連結され、このスプロケット89には図16のピニオン90が接続されている。また、図17の歯車87には2個のアイドル歯車91,92を介して歯車93が連結され、この歯車93には図16のピニオン94が接続されている。ピニオン90,94は,ガイド部材95,96で図1のバルコニ1の内外方向に摺動自在に案内されているラック部材97,98に噛合しており、これらのラック部材97,98に掛け部材81,82が支持されている。
【0054】ハンドル85で回転軸83を回転させると、スプロケット86、チェーン88、スプロケット89を介してピニオン90が回転するとともに、歯車87、アイドル歯車91,92、歯車93を介してピニオン94が回転し、ピニオン90と94の回転方向は互いに反対となるため、ラック部材97,98を介して掛け部材81,82は手摺り13の位置の両側へ突出する。また、ハンドル85を逆回転操作すると、掛け部材81,82は戻り作動して手摺り13の手摺り部材10となる。
【0055】この実施形態では、掛け部材81,82の連動機構99は、ピニオン90,94やラック部材97,98等で構成され、また、掛け部材81,82は手摺り13の位置からそのまま水平方向に突出する。
【0056】
【発明の効果】本発明によると、被干し物が腰壁等の手摺りの構成部材に接触することがなく、また通風性が良好になり、被干し物がよく乾くいう効果を得られる。
【出願人】 【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
【出願日】 平成9年(1997)9月2日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 武
【公開番号】 特開平11−76693
【公開日】 平成11年(1999)3月23日
【出願番号】 特願平9−237516