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【発明の名称】 全自動洗濯機
【発明者】 【氏名】宮野 譲

【氏名】釜野 年恭

【氏名】大杉 寛

【要約】 【課題】部品点数を増やすことなく、低い水位の場合にも糸屑を捕集することが可能な全自動洗濯機の提供。

【解決手段】底部に裏羽根を有する撹拌翼を有する洗濯兼脱水槽と前記洗濯兼脱水槽を回転自在に内包する外槽と、前記外槽を防振支持する支持装置と、前記外槽底部に取り付けられ撹拌翼及び前記洗濯兼脱水槽を駆動する為の駆動装置を支持するためのベ−ス、及び駆動装置と、前記洗濯兼脱水槽内部には前記撹拌翼に設けられた裏羽根による遠心ポンプ作用を利用し、洗濯液を循環路を通し、洗濯兼脱水槽内へと噴出する糸屑捕集装置、及び洗濯液循環装置からなる全自動洗濯機において、洗濯液循環装置と糸屑捕集装置とを一部材にて構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 底部に裏羽根を有する撹拌翼を有する洗濯兼脱水槽と前記洗濯兼脱水槽を回転自在に内包する外槽と、前記外槽を防振支持する支持装置と、前記外槽底部に取り付けられ撹拌翼及び前記洗濯兼脱水槽を駆動する為の駆動装置を支持するためのベ−ス、及び駆動装置と、前記洗濯兼脱水槽内部には前記撹拌翼に設けられた裏羽根による遠心ポンプ作用を利用し、洗濯液を循環路を通し、洗濯兼脱水槽内へと噴出する糸屑捕集装置、及び洗濯液循環装置からなる全自動洗濯機において、洗濯液循環装置と糸屑捕集装置とを一部材にて構成していることを特徴とする全自動洗濯機。
【請求項2】 前記洗濯液循環装置に一体にて設けられた糸屑捕集装置の洗濯液吐出口は、洗濯液循環装置の吐出口よりも下方に位置することを特徴とすることを特徴とする請求項1の全自動洗濯機。
【請求項3】 前記洗濯液循環装置に一体にて設けられた糸屑捕集装置の洗濯液吐出口にはネット等のフィルタ−を配設したことを特徴とする請求項1の全自動洗濯機。
【請求項4】 前記洗濯液循環装置に一体にて設けられた糸屑捕集装置の洗濯液吐出口は、別の糸屑捕集装置の洗濯液吐出口よりも洗濯兼脱水槽の下方に位置することを特徴とする請求項1の全自動洗濯機。
【請求項5】 前記洗濯液循環装置に一体にて設けられた糸屑捕集装置の循環水路は、洗濯液循環路の一部を利用して循環路を形成することを特徴とする請求項1の全自動洗濯機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、全自動洗濯機に関わり、特に撹拌翼に設けられた裏羽根の遠心ポンプ作用によって、洗濯兼脱水槽側壁に設けられた循環路カバ−内に洗濯液を送りこみ、洗濯兼脱水槽上部に設けられた吐出口より洗濯液を吐き出すことにより、洗濯兼脱水槽内の洗濯液を循環させ、これにより洗濯液内の糸屑を捕集する装置、及び洗濯液循環装置の部品点数の削減、コスト低減がはかれる全自動洗濯機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の全自動洗濯機における循環式糸屑捕集装置及び、洗濯液循環装置は回転翼に設けられた裏羽根の遠心ポンプ作用により、洗濯液を洗濯兼脱水槽上部に設けられた吐出口へと導き、槽内部へと噴出しており、糸屑捕集装置については、吐出口にフィルタ−部を設けることにより、その循環水内に含まれる糸屑を捕集している。このいずれの場合においても、槽内に貯えられる洗濯水が少ない場合には、揚程(吐出口と洗濯水水面との距離)が大きくなり、回転翼に設けられた裏羽根の遠心ポンプ作用の能力が不足し、性能を著しく低下させていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このため、洗濯兼脱水槽の中程や、底部に糸屑捕集装置を設けることにより洗濯液が少ない場合にも糸屑を捕集する方法があるが、このために部品を追加する必要があったため、コスト低減に悪影響をおよぼすものであった。本発明の目的は、上記した欠点をなくし、安価な全自動洗濯機の糸屑捕集装置を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的は、循環水量を糸屑捕集装置に比べ、多く必要としない洗濯液循環装置内の循環路を利用することで、部品を増やすことなく低い水位の場合にも、十分な糸屑捕集性能を確保できる。
【0005】上記により、部品点数を増やすことなく、低い水位の場合にも糸屑を捕集することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
【0007】図1は、全自動洗濯機の基本構造を示している。1は、内部機構を内包する略箱形の鋼板製の外枠、2は、ステンレス製の洗濯兼脱水槽で、有底の略円筒形状を形成しており、側壁に多数の脱水穴2aを有すると共に、上部には流体を封入した中空環状の上部流体バランサー3、底部にはカバ−4を設け、底部中央には、回転自在な撹拌翼5を配設している。
【0008】6は、洗濯兼脱水槽2を回転可能に内包し、洗濯水を受ける有底略円筒状の外槽であり、底部には、駆動部を鋼板製のセンターベース8を介し取り付けると共に、外槽6の外側壁には、防振装置9を保持する凹球面状の吊り棒受け6aを設け、外槽全体を外枠1の上端四隅に固着された凹球面状のコーナープレート18から、防振装置9にて垂下防振支持している。また、上端開口部には、外槽6と洗濯兼脱水槽2との隙間に洗濯物が落下するのを防止するため、合成樹脂性の槽カバー7を固着している。防振装置9は、吊り棒9a、防振バネ9b、摺動筒9c、バネ受け9d、吊り棒保持具9e等から構成されている。吊り棒9aの上端には凸球面を持った吊り棒保持具9eが固着され、保持具9eがコーナープレート18の凹球面に嵌かり合っている。摺動筒9cは、吊り棒受け6aの凹球面に嵌かり合う凸球面を有し、内部に防振バネ9b、バネ受け9dを設け、外槽6の上下方向の振動によって防振バネ9bが伸縮し、バネ受け9dが摺動筒9cの内面を摩擦しながら振動する。駆動部は、モータ10、クラッチ11、Vベルト12等からなり、モータ10の回転をモータプーリ13、Vベルト12、Pプーリ14を介し、クラッチ11に伝達する。クラッチ11は、内部に洗濯と脱水を切替るクラッチバネ機構、減速ギヤ等を有すると共に洗濯軸11a、脱水軸11bを備えている。
【0009】洗濯軸11aには撹拌翼5が固定されており、脱水軸11bには洗濯兼脱水槽2が、補強部材15を介し固着されており、洗濯時には、内部の減速ギヤ、洗濯軸11aを介し回転力を撹拌翼5に伝達すると共に、脱水時には、減速ギヤを介さず、脱水軸11bにより回転力を洗濯兼脱水槽2に伝達し、脱水を行う。
【0010】排水装置は、排水弁16、排水ホース17とからなっている。排水弁16の一端は、外槽6の底部に設けられた排水口6bに接着され、他端は、排水ホース17に接続されている。排水ホース17の他端は、排水ホース取り出し口27から機外へ引出す。
【0011】水位の検出は、外槽6に設けられたエアートラップ6cからエアーチューブ19を介し、水位センサー20で圧力検知している。21は、給水電磁弁であり、一端は、給水ホースを介し、水栓へ接続され、他端は、注水口22に接続されている。23は、パネルボックス部を有する上面カバーであり、内部には、制御部であるコントロールユニット24、水位を制御する水位センサー20、電源スイッチ25、入力スイッチ部26、進行表示部27などが収納されている。パネルボックス部28は、前側と後側の2ヵ所に設けられており、それぞれ、フロントパネル29、バックパネル30を装着している。又、上面カバー23は、衣類投入用の開口部23aと開口部23aを開閉する蓋体31が設けられ、外枠1の上方開口部を包括するように構成されている。
【0012】以上が全体の構成である。
【0013】次に、図2〜図6により洗濯兼脱水槽2について詳述する。
【0014】洗濯兼脱水槽2は、胴板41、底板42のそれぞれステンレス鋼板により構成されている。胴板41は平板を円筒上に成形し、端部をハゼ折加締めにて固定するとともに、外に向かうバーリング状の脱水穴2aを多数個設けている。底板42は略円盤状の形状を有しており、端部外周部をハゼ折加締2bにより胴板41と締結している。
【0015】胴板41の上端部には中空環状で流体を内蔵した樹脂製の流体バランサー3を配設しており、前記流体バランサー3は洗濯兼脱水槽2の外側より、胴板41を介しネジ43にて固定してある。
【0016】底板42底部中央には、脱水軸11bとの嵌合穴部と底板42とを固着させるためのネジボス部を有した補強部材15を底板42の内側に配設しており、底板42底部より、底板42を介してネジ45にて取付、洗濯兼脱水槽2を脱水軸11bに固着させている。
【0017】撹拌翼5の裏側には複数枚の裏羽根5aが一体的に設けてあり、洗濯兼脱水槽2の内周側側壁面には糸屑捕集装置48と洗濯液循環装置52が配設してあり、洗濯液循環路47、53を形成している。糸屑捕集装置48と洗濯液循環装置52は洗濯兼脱水槽2の壁面上部までの高さを有しており、下部は裏羽根5aの外周に対向して、底板カバー4とで導水開口部49、54を設ける。糸屑捕集装置48と洗濯液循環装置52の上部には、流体バランサー3とで構成される導水吐出口50、55が、洗濯兼脱水槽2の内方に向かって設けられている。糸屑捕集装置48の吐出口50には、糸屑捕集用のネット51が着脱自在に装着される。
【0018】洗濯時、撹拌翼5が回転すると、裏羽根5aによる遠心ポンプ作用により、洗濯水を導水開口部49、54に押出し、循環路47、53を通って、吐出口50、55から洗濯兼脱水槽2の内方に向かって噴出する。
【0019】糸屑捕集装置48はこの循環する洗濯液に含まれる糸屑を吐出口50に装着されるネット51により捕集する。このため、糸屑捕集性能を向上しようとする場合には、糸屑捕集装置48の吐出口50より洗濯兼脱水槽2の内方に向かって出る洗濯液の量を増やせば良い。しかし洗濯液を循環させる場合に、その循環洗濯液の量は洗濯液の水面と吐出口の距離hが少ないほど循環する洗濯液の量は多くなり、逆に大きいほど洗濯液の循環量は少なくなるために洗濯兼脱水槽2内に貯えられる洗濯液の量が少ない場合には、糸屑捕集装置48の吐出口50より噴出される洗濯液の量も少なくなるために、糸屑捕集性能も低下してしまう。
【0020】この問題を解決する方法として、糸屑捕集装置48の洗濯液循環路47内に、別の循環路を設け、この循環路の吐出口を、洗濯兼脱水槽2の低い位置に設置する方法もあるが、この場合、洗濯兼脱水槽2の上方に吐出口をもつ糸屑捕集装置48の洗濯液循環路47の断面積を低下させてしまうために、上方に吐出口をもつ糸屑捕集装置48の糸屑捕集性能も低下させてしまうという問題がある。
【0021】図5、6は本発明による洗濯兼脱水槽を示す。洗濯液循環装置52は洗濯兼脱水槽2内部の洗濯液を循環させることで、洗濯液中の洗剤の溶解を促進することと、洗濯兼脱水槽2上方にある洗濯衣類への洗濯液の浸透を図るためのものであるため、ある一定量の洗濯液を吐出口55より洗濯兼脱水槽2上部内方に向かって噴出すればよいので、糸屑捕集装置48で必要とされるほどの洗濯液の循環量を必要としないため、洗濯液循環装置52の洗濯液循環路53は糸屑捕集装置48の洗濯液循環路47ほどの断面積を必要としない。これにより洗濯液循環装置52の洗濯液循環路53内に別の循環路58を配設し、さらにこの循環路58の上端には洗濯兼脱水槽2の下方または中程に位置するように吐出口57を配設し、前記吐出口57の洗濯兼脱水槽内方に向かう位置に着脱自在にネット等のフィルタ−装置60を配設することにより、洗濯兼脱水槽内に貯えられる洗濯液が少ない場合にも洗濯液の水面と吐出口57の距離を小さくとることが可能になり、洗濯兼脱水槽内に貯えられる洗濯液が少ない場合で、洗濯兼脱水槽上方に配設される糸屑捕集装置48により糸屑が捕集できないような場合にも、洗濯液中の糸屑が捕集できるようになる。
【0022】
【発明の効果】以上本発明によれば、部品点数を増やすことなく、低い水位の場合にも糸屑を捕集することが可能な全自動洗濯機を提供できる。
【出願人】 【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【出願日】 平成9年(1997)8月31日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 明夫
【公開番号】 特開平11−76683
【公開日】 平成11年(1999)3月23日
【出願番号】 特願平9−286290