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【発明の名称】 洗濯ネット用ハンガー
【発明者】 【氏名】三枝 克己

【氏名】加藤 誠

【氏名】世代 文彦

【氏名】長谷川 伸子

【要約】 【課題】手でハンガーを自在に伸縮させることができ、また、洗濯時のハンガーと洗濯槽との衝突音が低減した洗濯ネット用ハンガーを得る。

【解決手段】衣類の洗濯時に洗濯ネット内に収容されて使用される洗濯ネット用ハンガー10Aを、シャフト部3と、その2つの端部にそれぞれ外嵌され、シャフト部端部が挿入された状態となる端部部材4とから構成し、シャフト部3の端部部材4への挿入深さを連続的に可変とし、これらが摺動力で止まるようにする。さらに、この挿入深さを変えるときのシャフト部3と端部部材4との乾燥時の摺動力は、好ましくは9〜40Nとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 衣類の洗濯時に洗濯ネット内に収容されて使用される洗濯ネット用ハンガーであって、該ハンガーが、シャフト部と、その2つの端部にそれぞれ外嵌され、シャフト部端部が挿入された状態となる2つの端部部材とからなり、シャフト部の端部部材への挿入深さが連続的に可変であり、かつ、該シャフト部と端部部材とが摺動力で止まることを特徴とする洗濯ネット用ハンガー。
【請求項2】 シャフト部の端部部材への挿入深さを変えるときのシャフト部と端部部材との乾燥時の摺動力が9〜40Nである請求項1記載の洗濯ネット用ハンガー。
【請求項3】 端部部材のシャフト部側の端部に筒状スライダーが嵌合されている請求項1又は2記載の洗濯ネット用ハンガー。
【請求項4】 端部部材が発泡樹脂からなり、筒状スライダー及びシャフト部がそれぞれ非発泡樹脂からなる請求項3記載の洗濯ネット用ハンガー。
【請求項5】 端部部材が発泡ポリエチレン樹脂からなり、シャフト部がポリプロピレン樹脂からなる請求項4記載の洗濯ネット用ハンガー。
【請求項6】 ハンガーの浮力が30〜500gである請求項1〜5のいずれかに記載の洗濯ネット用ハンガー。
【請求項7】 シャフト部の両端部に前記筒状スライダーの内径よりも径の大きいストッパー部が設けられている請求項3〜6のいずれかに記載の洗濯ネット用ハンガー。
【請求項8】 ストッパー部にその端部から長手方向に切れ目が形成されている請求項7記載の洗濯ネット用ハンガー。
【請求項9】 洗濯ネットにハンガーを取り付けるクランプを着脱自在に有する請求項1〜8のいずれかに記載の洗濯ネット用ハンガー。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衣類の洗濯時に洗濯ネット内に収容されて使用される洗濯ネット用ハンガーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、セーター、おしゃれ着等の形崩れしやすい衣類を洗濯する場合、予め洗濯物を洗濯ネットに入れ、洗濯機により、あるいは手洗いにより洗濯することがなされている。さらに近年では、洗濯ネット内の洗濯物のよれを抑制し、洗濯中の形崩れをより効果的に防止するため、洗濯物をハンガーに掛け、このハンガーごと洗濯物を洗濯ネット内に収容し、洗濯することもなされている。
【0003】このような洗濯ネット用ハンガーとしては、図8に示すように、つり紐2を有し、洗濯ネット10xに固定的に取り付けられたハンガー1xや、あるいは、図7に示すように、洗濯ネット10yに縫いつけられたリング状部材14に通すことにより洗濯ネット10yに着脱できる棒状ハンガー1y(特開平7−289778号公報)などが知られている。
【0004】この図7に示した洗濯ネット10yは、シート状ネット11を袋状に成形し、その一方の面にファスナー12で開閉する開閉蓋13を設けたものである。また、棒状ハンガー1yは、洗濯時にこのハンガー1yが洗濯水上に浮上し、洗濯物がハンガー1yに吊り下げられた状態に維持されるように発泡樹脂から形成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の従来のハンガーでは、図8の洗濯ネット10xに固定的に取り付けられているハンガー1xだけでなく、図7に示した棒状ハンガー1yでも、洗濯時に衣類をハンガーに掛ける場合には、いずれも洗濯ネットにハンガーが取り付けられた状態で衣類をハンガーに掛けることとなる。即ち、図7に示したように、ハンガー1yそれ自体は洗濯ネット10yと着脱自在に取り付けられるものでも、洗濯時には予めハンガー1yをリング状部材14に通して洗濯ネット10yに取り付け、その後、衣類をハンガー1yに掛けなくてはならない。
【0006】そのため、衣類を掛けにくく、特に、前あきや後あきのないセーター等の衣類をハンガーに掛ける場合には、襟ぐり部分を無理に広げ、襟ぐりからハンガーを衣類の中に入れ込まなくてはならないので、衣類に形崩れが生じやすいという問題があった。
【0007】また、洗濯後に衣類をハンガーからはずす場合にも、衣類が掛かった状態でハンガーを洗濯ネットからはずすことができないので、衣類の襟ぐり部分を無理に広げ、襟ぐりからハンガーを取り出さなくてはならない。そのため、ここでも衣類の形崩れがまねかれるという問題があった。
【0008】このような問題に対しては、ハンガーを伸縮可能とし、洗濯時に衣類をハンガーに掛けるとき、あるいは、洗濯後に衣類をハンガーからはずすときにはハンガーを縮めた状態にして容易に衣類を掛けたりはずしたりできるようにし、一方、洗濯中あるいは洗濯後にそのハンガーで洗濯ものを干すときには、伸ばした状態で衣類をハンガーに吊せるようにすることが考えられる。
【0009】しかし、このような伸縮機構を有するハンガーを形成するにあたり、通常のインジェクションタイプの樹脂材料を使用して、単に伸長状態あるいは収縮状態のいずれかをとることができるように形成すると、洗濯中にハンガーと洗濯槽との衝突音が大きくなるので実用上好ましくない。
【0010】本発明は以上のような従来技術の課題を解決しようとするものであり、洗濯ネットと共に使用するハンガーにつき、ハンガーへの衣類の着脱が容易となるようにハンガーを伸縮自在とし、かつ洗濯時のハンガーと洗濯槽との衝突音の問題も解消することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的を達成するため、衣類の洗濯時に洗濯ネット内に収容されて使用される洗濯ネット用ハンガーであって、該ハンガーが、シャフト部と、その2つの端部にそれぞれ外嵌され、シャフト部端部が挿入された状態となる2つの端部部材とからなり、シャフト部の端部部材への挿入深さが連続的に可変であり、かつ、該シャフト部と端部部材とが摺動力で止まることを特徴とする洗濯ネット用ハンガーを提供する。
【0012】特に、シャフト部の端部部材への挿入深さを変えるときのシャフト部と端部部材との乾燥時の摺動力が9〜40Nである洗濯ネット用ハンガーを提供する。ここで、摺動力とは縮めたハンガーを引張試験器で、引張スピード100mm/minで引っ張った場合に、ハンガーが変位したときの最大引張力をいう。
【0013】また、この洗濯ネット用ハンガーにおいて、端部部材のシャフト部側の端部に筒状スライダーが嵌合されている態様、端部部材が発泡ポリエチレン樹脂等の発泡樹脂からなり、筒状スライダー及びシャフト部がそれぞれポリプロピレン樹脂などの非発泡樹脂からなる態様、又はハンガーの浮力が30〜500gである態様を提供する。
【0014】また、この洗濯ネット用ハンガーにおいて、シャフト部の両端部に筒状スライダーの内径よりも径の大きいストッパー部が設けられている態様を提供する。
【0015】さらに、洗濯ネットにハンガーを取り付けるクランプを着脱自在に有する態様を提供する。
【0016】本発明の洗濯ネット用ハンガーによれば、洗濯ネット用ハンガーが、シャフト部と、その2つの端部にそれぞれ外嵌され、シャフト部端部が挿入された状態となる2つの端部部材とからなり、シャフト部の端部部材への挿入深さが可変であるため、ハンガーの長手方向の長さが伸縮する。したがって、ハンガーに対して衣類の着脱を容易に行うことができ、衣類の形崩れを防止することが可能となる。
【0017】しかも、このハンガーの長手方向の長さはシャフト部と端部部材との摺動力で定まる。そのため、単に伸長状態と収縮状態のいずれかをとるのではなく、シャフト部の端部部材への挿入深さの連続的な変化に対応して連続的に伸縮する。したがって、洗濯時にハンガーと洗濯槽とが衝突した場合の衝撃力を効果的に吸収し、衝突音を低減させることが可能となる。
【0018】また、シャフト部の端部部材への挿入深さを変えるときのシャフト部と端部部材との乾燥時の摺動力を、好ましくは9〜40Nに設定し、40N以下とするので、ハンガーへ衣類をかけるときあるいははずすときには、容易に使用者がシャフト部を端部部材へ押し込みあるいは引き出すことにより、ハンガーを伸縮させることができる。さらにこの摺動力を、9N以上とすることにより、ハンガーの長さは衝撃により連続的に変化し得るにも関わらず、洗濯時に受ける通常の衝撃によっては、ハンガーが完全に収縮することなく、衣類を吊り下げることのできる伸長状態を維持することが可能となる。
【0019】また、本発明の洗濯ネット用ハンガーにおいて、端部部材が発泡ポリエチレン樹脂等の発泡樹脂からなり、シャフト部がポリプロピレン樹脂等の非発泡樹脂からなる態様においては、洗濯時のハンガーと洗濯槽との衝撃力を、発泡樹脂からなる端部部材が極めて良好に吸収する。したがって、洗濯時の衝突音をいっそう緩和させることが可能となる。また、この場合にシャフト部が非発泡樹脂から形成されているので、ハンガーの浮力を30〜500gに設定することが容易となる。したがって、ハンガーが過度の浮力を有することにより洗濯物が洗濯液上に浮かび上がり、その結果洗濯物に洗濯液が十分に通水せず、汚れ落ちが不十分になることを防止できる。
【0020】また、本発明の洗濯ネット用ハンガーにおいて、シャフト部の端部が挿入される端部部材の挿入口に非発泡樹脂からなる筒状スライダーが固定され、シャフト部の両端部に前記筒状スライダーの内径よりも径の大きいストッパー部が設けられている態様によれば、ハンガーを伸長させるにあたり、シャフト部を端部部材から引き出す際に不用意に大きい引っ張り力をかけても、シャフト部が端部部材から抜けることが防止される。
【0021】さらに、本発明の洗濯ネット用ハンガーにおいて、洗濯ネットにハンガーを取り付けるクランプを着脱自在に有する態様によれば、洗濯時に洗濯物をハンガーに掛けた後、このクランプでハンガーを洗濯ネットに取り付けたり、あるいは洗濯後に、洗濯ネットからハンガーをはずした後に洗濯物をハンガーからはずすことが容易に行えるようになるので、いっそうハンガーへの衣類の着脱が容易となり、衣類の形崩れを防止することが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図中、同一符号は、同一又は同等の構成要素を表している。
【0023】図1(a)は、本発明の一つの態様の洗濯ネット用ハンガー1の部品構成図であり、同図(b)はシャフト部と筒状スライダーとの組み合わせ状態の説明図であり、同図(c)は部品組立後の洗濯ネット用ハンガーの完成品の斜視図である。また、図2(a)はその収縮状態の断面図であり、同図(b)は伸長状態の断面図である。
【0024】この洗濯ネット用ハンガー1は、図1に示したように、シャフト部3と、そのシャフト部3の端部に外嵌され、端部が挿入された状態となる2つの端部部材4と、端部部材4のシャフト部3側の端部に設けられている筒状スライダー5とからなっている。シャフト部3の両端部にはストッパー部6が設けられており、このストッパー部6の外径d4 はシャフト部3の中央部に比して大きく形成されている。また、ストッパー部6には、先端から長手方向に切れ目7が形成されている。
【0025】ここで、シャフト部3の端部部材4への挿入深さd1は図2に示したように可変であり、それによりハンガーの長手方向の長さd2が伸縮自在となっている。
【0026】シャフト部3の端部部材4への挿入深さd1を特定の大きさに固定する手段は格別設けられておらず、端部部材4へ挿入されたシャフト部3の端部とその端部部材4との摺動力によって当該伸縮状態が維持されている。
【0027】より具体的には、図2に示したように、端部部材4に挿入されたシャフト部3は、その周面全体が端部部材4の内壁で押圧される。特に、シャフト部3の両端部のストッパー部6は、その外径d4 がシャフト部3の中央部に比して大きく形成されているのでより強く端部部材4の内壁から押圧される。これにより、切れ目7が押し縮められてストッパー部6は先端が細径になるように弾性変形する。また、ストッパー部6の前後の端部部材4の内壁は、ストッパー部6の前後でストッパー部6にやや被さるように変形して端部部材4内でのシャフト部3の移動抵抗となる。
【0028】したがって、端部部材4に挿入されているシャフト部3の挿入深さd1を変えようとする外力に対しては、端部部材4に挿入されているシャフト部3の周面、特に、ストッパー部6の周面にはたらく摩擦力や、ストッパー部6の前後のシャフト部3の内壁の変形による移動抵抗などが総じて摺動力として作用し、この摺動力は当該外力の強さに応じてシャフト部3の端部部材4への挿入深さd1を規制する。
【0029】よって、洗濯時にハンガー1と洗濯槽とが衝突した場合、その衝撃力に応じて挿入深さd1が長くなり、ハンガーの長手方向の長さd2が短くなる。このため、ハンガー1と洗濯槽との衝突時の衝撃力が効果的に吸収され、衝突音が低減する。
【0030】また、シャフト部3の端部部材4への挿入深さd1を変えるときのシャフト部3と端部部材4との摺動力は、それらの材質、洗濯液で濡れているか否か、洗濯液の種類等に応じて変わるが、この洗濯ネット用ハンガー1においては、乾燥時の摺動力が、好ましくは9〜40Nとなるように形成される。この摺動力が大きすぎると、ハンガー1に衣類を掛けるときあるいははずすときに、手でシャフト部3を押し込みあるいは引き出しにくくなり、ハンガー1の長手方向の長さd2を所望の長さに調整することが困難になる。一方、摺動力が小さすぎると、ハンガー1が軽い衝撃を受けた場合でも直ちに短くなり、洗濯中にハンガー1の長手方向の長さd2を衣類を掛けるのに適した長さに維持することが困難となる。
【0031】この洗濯ネット用ハンガー1において、端部部材4は発泡樹脂、例えば、発泡ポリエチレン、発泡スチロール、発泡ウレタン等の樹脂から形成することが好ましく、中でも可撓性の点から、発泡ポリエチレンが好ましい。このように端部部材4の構成材料として発泡樹脂を使用することにより、洗濯時の衝撃力により、発泡樹脂からなる先端部材4が図3のように変形してこの衝撃力を吸収するので、洗濯時の衝突音を著しく緩和させることが可能となり、また、洗濯中の形崩れや洗濯後に洗濯物をハンガー1に掛けたまま干す場合の形崩れを防止することができる。
【0032】端部部材4の形状について、本発明は特に限定しないが、例えば、図1に示したように、先端が細くなるようにテーパーをつけた筒状体とすることが好ましい。このようにテーパーをつけることにより、端部部材4が衣類の肩部とフィットしやすくなり、形崩れを防止することができる。また、筒状体とすることにより、端部部材4の内部に洗濯液が溜まることを防止し、カビの発生を防止することが可能となる。この他、端部部材4の形状としては、後述する浮力の調整等の必要に応じて、柱状体、中空体等としてもよい。
【0033】端部部材4を発泡樹脂から形成する場合に、シャフト部3は非発泡樹脂、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂等から形成することが好ましい。洗濯ネット用ハンガー1全体を発泡樹脂から形成すると、ハンガー1の浮力が大きくなりずぎ、以下に述べるように洗濯不良が生じやすくなるが、端部部材4を発泡樹脂から形成した場合にシャフト部3を非発泡樹脂から形成すると、ハンガー1の浮力を30〜500gという好ましい大きさにすることが容易となる。
【0034】即ち、ハンガーの浮力が小さすぎると洗濯機で洗濯中にハンガーに掛けた衣類が洗濯槽の底部に沈み込んだままになり、洗濯機のパルセーターに衝突し、衣類の毛羽立ちや縮みの発生原因となるので好ましくない。反対にハンガーの浮力が大きすぎると洗濯機で洗濯中に衣類の上部が洗濯液上に浮かんだ状態となり、そのために衣類の上部に洗濯液を十分に通水させることができず、この部分が洗濯不良となるので好ましくない。
【0035】また、ハンガーに最適の浮力は、そのハンガーが使用される洗濯機の種類や洗濯機に設定されている水流の強弱、衣類の種類などにより異なる。例えば、洗濯時の水流が強い場合には、ハンガーに掛けた衣類は水流が弱い場合に比して沈みやすくなるので、浮力はやや大きく設定することが好ましく、反対に水流が弱い場合にはハンガーに掛けた衣類は水流が強い場合に比して浮き上がりやすくなるので、浮力はやや小さく設定することが好ましい。より具体的には、洗濯機での洗濯では、一般にハンガーの浮力を30〜500gとすることが好ましい。なおここで浮力の大きさは、ハンガーを水の上に浮かべ、重りを載せていき、水面下にハンガー全体が沈んだときの重りの合計の重量を求めることにより得られる数値である。
【0036】ハンガー1の浮力を上述の好ましい範囲に調整する方法としては、シャフト部3や端部部材4等のハンガー1の構成部材の材料や形状を適宜選択すればよい。例えば、シャフト部3や端部部材4の形状としては、柱状体、中空体、筒状体等とすることができる。また、各構成部材の材料としては、それぞれを単一の材料から構成してもよいが、複数の材料を組み合わせて構成してもよい。したがって、例えば、発泡ポリエチレン、発泡スチロール、発泡ウレタン等の発泡樹脂を芯材とし、塩化ビニル、ポリエチレン等を外皮材としてもよい。
【0037】図1の洗濯ネット用ハンガー1において、筒状スライダー5は、端部部材4のシャフト部3側の端部に嵌合により固定されている。一方、この筒状スライダー5に挿入されるシャフト部3の両端部には、前述のように外径d4のストッパー部6が設けられているが、このストッパー部6の外径d4は筒状スライダー5の内径d3よりも大きくなっている。したがって、ハンガー1を伸長させるにあたり、シャフト部3を端部部材4から引き出す際に不用意に大きい引っ張り力をかけても、シャフト部3が端部部材4から抜けることがない。本発明において、このような筒状スライダー5及びストッパー部6は、シャフト部3が端部部材4から不用意に抜けないようにするため、必要に応じて設けられる。
【0038】この筒状スライダー5は、非発泡樹脂から形成することが好ましく、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂等のシャフト部3と同一素材から形成することが好ましい。
【0039】一方、ストッパー部6は、シャフト部3の特定の両端部形状として、シャフト部3と一体に成形することが好ましい。
【0040】本発明の洗濯ネット用ハンガーは、洗濯ネットにそのハンガーを洗濯ネットに取り付け、あるいは物干し等に吊せるようにするため、必要に応じてクランプ、リング、ひも等のハンガー取り付け具を有することができる。例えば、図4に示したように、図1の洗濯ネット用ハンガー1に対して着脱自在に取り付けられるクランプ30を設けることができる。図5はこのクランプ30の側面図である。
【0041】図4、図5に示したクランプ30は、変形復元可能なリング状部材からなり、ハンガー1のシャフト部3に嵌着するグリップ部31と、洗濯ネットに着脱自在に掛合し、グリップ部31と洗濯ネットとを連結するナスカン32からなっている。
【0042】このクランプ30付きの洗濯ネット用ハンガー1を用いて洗濯物を洗濯する場合、図4(a)に示すように、クランプ30をハンガー1からはずした状態でそのナスカン32を洗濯ネットに設けられている紐15等の掛止部材にかけておき、一方、ハンガー1に洗濯物を掛け、次いで矢印に示すようにクランプ30のグリップ部31を指で押し、同図(b)に示すようにクランプ30をハンガー1のシャフト部3に嵌着すればよい。
【0043】この場合、使用する洗濯ネットとしては、洗濯ネット用ハンガー1を収容できる大きさを有している限り特に制限はなく種々の形態のものを使用することができるが、洗濯ネット用ハンガー1を掛止するための紐等の掛止部材を有するものが好ましい。また、洗濯物を掛けた洗濯ネット用ハンガー1を洗濯ネット内に容易に収容することを可能とするに十分な開口部を有するものが好ましい。
【0044】このような洗濯ネットの好ましい例としては、例えば、図6(同図(a)正面図、同図(b)背面図)に示したように、背面を一枚の略矩形のシート状ネット16から構成し、前面に台形状の2枚のシート状ネット17をその底辺が一部重なり合うように配し、背面のシート状ネット16の外形に沿って、これら背面のシート状ネット16と前面のシート状ネット17とを接合した洗濯ネット10Aをあげることができる。この洗濯ネット10Aには、図示したように洗濯ネットを掛止するための紐15が設けられており、この紐15に図中、点線で示したように、ハンガー1がクランプ30で取り付けられる。
【0045】また、この洗濯ネット10Aには、フックや物干しにこの洗濯ネット10Aを吊すためのつり紐18が洗濯ネットの上辺に設けられている。さらに、底辺にはフック19が設けられており、これにより、洗濯物をかけたハンガー1を竿干にする場合に洗濯物が伸びて形崩れしないように、洗濯ネット10Aを二つおりにしてフック19をクランプ30で止められるようにしている。また、上辺には、ゴム紐20が設けられており、これにより保管時に洗濯ネット10Aを巻いて止められるようにしている。
【0046】洗濯ネットとしては、この他、ファスナーで開閉される開口部を有するものも使用することができる。
【0047】なお、洗濯ネットを構成するシート状ネット16、17の素材については特に限定はなく、種々のネット材料を使用することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート等のポリエステル系繊維、ナイロン6,ナイロン66,ナイロン46等のポリアミド繊維、アラミド繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維、ビスコース、アセテート、キュプラ等のレーヨン系繊維、綿、羊毛、麻等の天然繊維、炭素繊維、ガラス、金属等の無機系繊維、又はこれらの混合繊維等を使用することができる。
【0048】本発明の洗濯ネット用ハンガーを用いた衣類の洗濯方法は、従来の洗濯ネット用ハンガーを用いた場合と同様とすることができる。即ち、全自動式、二槽式等の各種洗濯機で自動洗濯する場合や、手洗いで洗濯する場合に使用することができる。
【0049】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
【0050】実施例1図1に示した洗濯ネット用ハンガー1として、シャフト部3及び筒状スライダー5がポリプロピレン樹脂製の筒状体からなり、端部部材4が発泡ポリエチレン樹脂製の筒状体からなるものを作製した。
【0051】この場合、シャフト部3と端部部材4との乾燥時の摺動力が、表1に示すように7〜60Nの7通りの値をとるように、端部部材4の内径をシャフト部3の外径よりも小さくすることにより調整した。なお、摺動力は、島津製作所(株)製の引張試験器であるオートグラフAG−100Aで測定した。
【0052】得られたハンガーに100%ウールのVネックセーターを形を整えて掛け、それを図6と同様の洗濯ネット10Aに取り付け、洗濯機として、松下電器(株)社製NA−F60K1を使用し、その洗濯機に付属の洗濯コースとして手洗いコースを選択し、洗剤として花王(株)製エマールを使用して洗濯を行った。そして、(1)ハンガーに洗濯物をかける際のハンガーの伸縮のさせ易さ、(2)洗濯中のハンガーの縮み、を次のように評価した。この結果を表1に示す。
【0053】(1)ハンガーに洗濯物をかける際のハンガーの伸縮のさせ易さ次の基準に基づき、◎、○、×の3段階に評価した。
【0054】
◎…摩擦力が小さく、ハンガーの伸縮が非常に容易○…摩擦力が中程度で、ハンガーの伸縮が容易×…摩擦力が大きい、ハンガーの伸縮が難い(2)洗濯中のハンガーの縮み洗濯の前後でのハンガーの全長の変化の割合を、ハンガーの最大伸長時の全長と最小収縮時の全長との差に対して求め、次の基準に基づき、◎、○、△、×の4段階に評価した。
【0055】
◎…縮み=0%○…0%<縮み≦10%△…10%<縮み≦20%×…20%<縮み≦100%【0056】
【表1】
実験No. 1 2 3 4 5 6 7 摺動力(N) 7 9 20 30 40 50 60 (1)伸縮のさせ易さ ◎ ◎ ○ ○ △ × × (2)ハンガーの縮み △ ○ ○ ○ ◎ ◎ ◎ 【0057】表1から、シャフト部3と端部部材4との乾燥時の摺動力が、9N以上の実験No.2〜7のハンガーでは洗濯中にハンガーがほとんど縮まず、洗濯物の形崩れを良好に防止できること、及び、シャフト部3と端部部材4との乾燥時の摺動力が40N以下の実験No.1〜5のハンガーでは、容易に手でハンガーを伸縮させられることがわかる。
【0058】
【発明の効果】本発明の洗濯ネット用ハンガーによれば、手でハンガーを自在に伸縮させることができるので、ハンガーへの衣類の着脱が容易となる。また、洗濯時のハンガーと洗濯槽との衝突音も著しく低減させることができる。
【出願人】 【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
【出願日】 平成9年(1997)8月21日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】田治米 登 (外1名)
【公開番号】 特開平11−57278
【公開日】 平成11年(1999)3月2日
【出願番号】 特願平9−225426