| 【発明の名称】 |
通信機能付き刺繍ミシン |
| 【発明者】 |
【氏名】大塚 修司
【氏名】葛谷 進
【氏名】安井 邦博
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| 【要約】 |
【課題】刺繍縫製に供する刺繍データを、通信回線を介して外部の通信ネットワークや通信端末機から容易に且つ迅速に取得できること。
【解決手段】通信用モデム176やNCU177を設け、更にはハードディスク167にインターネット接続用の種々のソフトを格納し、「インターネット接続(取り込み)」キーを操作するだけで電話回線178を介してインターネットINに接続でき、そのインターネットIN上のデフォルトのホームページにアクセスされて刺繍データ提供画面が表示され、所望の刺繍模様を選択して「取り込み」キーを操作するだけで、その刺繍模様の刺繍データがデータベースである刺繍データファイルからダウンロードされ、ハードディスク167に記録されるので、世界中から珍しい刺繍模様の刺繍データを容易に且つ迅速に取得することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 縫針と、縫針と協働して縫目を形成する糸輪捕捉用釜と、縫製対象布を直交する2方向へ独立に移動駆動する布移動手段とを備えた刺繍ミシンにおいて、外部の通信回線に接続され、その通信回線を介して外部の通信ネットワークや通信端末機と通信可能な通信手段と、前記通信手段と通信回線を介して外部の刺繍データ供給源から刺繍データを取り込んでメモリに格納可能な刺繍データ取り込み手段と、を備えたことを特徴とする通信機能付き刺繍ミシン。 【請求項2】 前記通信手段と前記通信回線を介して外部の通信ネットワークや通信端末機に刺繍データを送信する刺繍データ送信手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の通信機能付き刺繍ミシン。 【請求項3】 前記通信手段は、インターネットにアクセス可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の通信機能付き刺繍ミシン。 【請求項4】 前記刺繍データ供給源は、インターネット上の特定のホームページにある刺繍データのデータベースであることを特徴とする請求項3に記載の通信機能付き刺繍ミシン。 【請求項5】 前記通信手段は、データ通信機能を介して相手と直接刺繍データを送受信可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の通信機能付き刺繍ミシン。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、通信機能付き刺繍ミシンに関し、特に各種のネットワークや通信端末機に接続することで、そのネットワークや通信端末機から通信回線を介して刺繍データを取得して刺繍縫製できるようにしたものに関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、加工布を保持する刺繍枠をX方向とY方向とに夫々独立に移動させる刺繍枠移動機構を備え、刺繍に供する刺繍糸を取り替えることで、複数色からなるカラフルな刺繍模様を縫製するようにした刺繍ミシンが実用に供されている。例えば、特開平5−49766号公報や特開平5−49767号公報には、刺繍装置を備え、「動物」、「乗り物」、「草花」などの複数の刺繍模様や具象模様をジャンル毎に区別して記憶したROMカードを刺繍ミシンに着脱可能に装着し、刺繍に供する刺繍模様をその装着されたROMカードから選択し、選択した刺繍模様の刺繍データに基づいて刺繍縫製できるようにした刺繍ミシンが記載されている。 【0003】更に、特開平5−76670号公報には、ホストコンピュータ(刺繍処理コントローラ)と複数台の刺繍ミシンとを接続線で接続し、ホストコンピュータのディスプレイに表示された複数の刺繍模様のうちから所望の刺繍模様を選択することで、その選択した刺繍模様の刺繍データがホストコンピュータから模様選択した刺繍ミシンに送信され、その刺繍データに基づいて刺繍縫製できるようにした刺繍ミシンが記載されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述した特開平5−49766号公報や特開平5−49767号公報に記載の刺繍ミシンにおいては、刺繍縫製に供する刺繍データをROMカードから読み出すようになっているので、例えば、子供が要望する刺繍模様を刺繍縫製する為には、その刺繍模様の刺繍データを記憶したROMカードを販売店に注文して郵送してもらうことになる一方、そのROMカードが品切れの際には入荷するまで待つことになり、所望の刺繍模様の刺繍データを迅速に取得できないこと、またROMカードには要望する刺繍模様以外に不必要な複数の刺繍模様が同時に記憶されており、そのROMカードを購入することから、要望する刺繍模様が高価になってしまうこと、更には刺繍データを通信回線を介して他人に提供することができないこと、などの問題がある。 【0005】また、特開平5−76670号公報に記載の刺繍ミシンにおいては、刺繍縫製する毎に、ホストコンピュータにおいて、刺繍縫製に供する刺繍模様を選択し、その選択した刺繍模様の刺繍データをホストコンピュータから刺繍ミシンに送信する複雑な準備作業が必要となること、また刺繍ミシンに刺繍データを提供したり、刺繍データを編集する為だけの目的で高価なホストコンピュータが必要となること、などの問題がある。更に、自作の刺繍データを通信回線等を介して他人に提供してあることができないという問題もある。本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、刺繍縫製に供する刺繍データを、通信回線を介して外部の通信ネットワークや通信端末機から容易に且つ迅速に取得できる通信機能付き刺繍ミシンを提供することを目的としている。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1の通信機能付き刺繍ミシンは、縫針と、縫針と協働して縫目を形成する糸輪捕捉用釜と、縫製対象布を直交する2方向へ独立に移動駆動する布移動手段とを備えた刺繍ミシンにおいて、外部の通信回線に接続され、その通信回線を介して外部の通信ネットワークや通信端末機と通信可能な通信手段と、通信手段と通信回線を介して外部の刺繍データ供給源から刺繍データを取り込んでメモリに格納可能な刺繍データ取り込み手段とを備えたものである。 【0007】通信手段は、公衆電話回線やISDN(登録商標)(サービス総合デジタル網)などのデジタル専用回線を介して、LAN(Local Area Network) やWAN(Wide Area Network)、更にはインターネットなどの外部の通信ネットワーク、或いはホストコンピュータなどの通信端末機と通信可能になっているので、刺繍データ取り込み手段は、種々の通信回線を介して通信手段により接続された外部の通信ネットワークや通信端末機に設けられた外部の刺繍データ供給源から、刺繍データを取り込んでメモリに格納する。即ち、所望の刺繍模様の刺繍データを通信手段を介して容易に且つ迅速に取得することができる。 【0008】また、請求項2の通信機能付き刺繍ミシンは、請求項1の発明において、前記通信手段と通信回線を介して外部の通信ネットワークや通信端末機に刺繍データを送信する刺繍データ送信手段を備えたものである。この場合には、刺繍データ送信手段により、外部のLANやWAN、更にはインターネットなどの通信ネットワークや通信端末機に刺繍データが送信され、刺繍データを要求しているユーザーに刺繍データを容易に提供することができる。その他、請求項1と同様の作用を奏する。 【0009】更に、請求項3の通信機能付き刺繍ミシンは、請求項1または2の発明において、前記通信手段は、インターネットにアクセス可能であるものである。この場合には、通信手段はインターネットにアクセス可能であり、そのインターネットは、世界各国のLANやWANを通信線で相互に接続した地球的規模に拡大された通信網なので、そのインターネットを介して世界中から珍しい刺繍模様のデータを簡単に且つ迅速に取得できる一方、自作の刺繍データを世界中の人々に提供してあげることができる。その他、請求項1または2と同様の作用を奏する。 【0010】そして、請求項4の通信機能付き刺繍ミシンは、請求項3の発明において、前記刺繍データ供給源は、インターネット上の特定のホームページにある刺繍データのデータベースであるものである。この場合には、刺繍データ供給源は、インターネット上の特定のホームページにある刺繍データのデータベースなので、その特定のホームページにアクセスするだけで、刺繍データを容易に取り込むことができる。その他、請求項3と同様の作用を奏する。 【0011】また、請求項5の通信機能付き刺繍ミシンは、請求項1または2の発明において、前記通信手段は、データ通信機能を介して相手と直接刺繍データを送受信可能であるものである。この場合には、データ通信機能により、所望の刺繍模様の刺繍データを容易に送信してもらうことができる一方、刺繍データを要求しているユーザーに刺繍データを容易に提供してあげることができる。その他、請求項1または2と同様の作用を奏する。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。本実施形態は、インターネットに直接接続でき、そのインターネットから取り込んだ種々の刺繍データに基づいて、複数色からなるカラーの刺繍模様を縫製可能な刺繍ミシンに本発明を適用した場合のものである。ところで、そのインターネットINは、図1に示すように、世界各国のLAN(Local Area Network) やWAN(Wide Area Network)を通信線で相互に接続した地球的規模に拡大された通信網であり、刺繍ミシン1はそのインターネットINと直接に接続されている。 【0013】即ち、そのインターネットIN上には、複数のパーソナルコンピュータC1,C2,C3・・・が接続された複数のインターネットプロバイダーPV1、PV2、PV3・・・が存在し、刺繍ミシン1はそのうちの1つのプロバイダーPV3に電話回線を介して接続されており、そのプロバイダーPV3により接続サービスを受けてインターネットINに随時接続可能になっている。 【0014】先ず、その刺繍ミシン1の駆動系について、図2〜図10に基づいて説明する。この刺繍ミシン1は、水平なカセット支持体21上に装着された8つの上糸カセット30と、そのカセット支持体21の位置を切換えるカセット切換え機構20と、上糸42の糸引き締めを行う糸取上げ駆動機構44と、供給位置の上糸カセット30からの上糸42を繰り出し又は巻き戻しする糸進退機構60と、針棒上下動機構75と、水平回転釜(以下、水平釜と称す)92を回転駆動する釜駆動機構85と、刺繍する加工布を直交するX方向とY方向とに独立に移動駆動する加工布移動機構120などの全ての駆動系を本体ケース2内に収納したものであり、加工布を刺繍枠121にセットするだけで、その加工布に自動的にカラーの刺繍模様を縫製するようにしたものである。 【0015】前記本体ケース2は、図2及び図3に示すように、ファクシミリ装置やプリンタに似させた形状であり、その本体ケース2の前半部分には、制御ボックス12などの制御系を収容する制御系収容室5が形成され、その本体ケース2の一段高くなった後半部分には、針棒上下動機構75や釜駆動機構85などの駆動系を収容する駆動系収容室6が形成されている。前記制御系収容室5の上部には、刺繍枠121に加工布をセットする為の開口部7が略全幅に亙って形成され、駆動系収容室6の上部には、把っ手4を固着した蓋部材3が開閉可能に枢着され、その蓋部材3の前端部分には幅広の液晶ディスプレイ10が取付けられている。 【0016】また、図2に示すように、制御系収容室5と駆動系収容室6の境界部分には、これら駆動系をリセットするリセットキー、刺繍データを送受信する通信の為の機能キー、刺繍縫製を開始する縫製開始キーなどを含む複数のタッチ式キー、各種の表示ランプなどを設けた操作パネル9が設けられている。更に、本体ケース2の右側面には、後述する釜ユニット86を回動させて外部に引き出す為の開口部8が形成されている。次に、複数の上糸カセット30を装着したカセット支持体21を回動させるカセット切換え機構20と、上糸カセット30とについて、図2〜図8に基づいて説明する。 【0017】前記駆動系収容室6の内部には、図3に示すように、複数の台座2aにより本体ケース2に取付けられた支持フレーム11が配設され、その支持フレーム11の一部であって、中心部を円形に切り抜いた水平な支持壁部11aには、図4及び図5に示すように、中心部に針棒通過穴21aを形成した水平な円形板からなるカセット支持体21が載置され、しかもカセット支持体21の内周端部の下方に延びた係合縁部21bが支持壁部11aの内周端に係合することで、カセット支持体21は、これら係合縁部21bと支持壁部11aとの係合を介して回転可能に支持壁部11aに支持されている。 【0018】ところで、カセット支持体21の外周部には、図5、図6及び図8に示すように、ギヤ21cが形成され、このギヤ21cには、2つの中間ギヤ22,23を介してカセット切換えモータ24の駆動ギヤ25が噛合されている。即ち、カセット切換えモータ24が正転駆動又は逆転駆動されることにより、中間ギヤ22,23を介してカセット支持体21が平面視にて時計回り方向又は反時計回り方向に回転される。ここで、カセット支持体21上には、8つのカセットホルダー21dが所定角度毎に放射状に配置されており、各カセットホルダー21dに上糸カセット30が着脱自在に装着されており、次にその上糸カセット30について、図6〜図8に基づいて説明する。 【0019】図6及び図8に示すように、上糸カセット30は、幅を約10mmとする合成樹脂製の矩形枠ケース31の左右両側面を1対の側壁29でビス止めしたものである。そして、上糸カセット30をカセット支持体21に取付けるときには、上糸カセット30をカセットホルダー21d内に添わせながら下方へ押し下げて、上糸カセット30に形成した係合爪31aをカセットホルダー21dの係合フック部21eに係合させることで装着される。 【0020】その上糸カセット30の内部には、図6及び図7に示すように、例えば「赤」の上糸42を巻き付けた上糸ボビン32が枢支軸33で回転可能に枢支され、図示外の圧縮コイルバネで弾性付勢された1対の糸調子皿34a,34bからなる糸調子器34が設けられ、更に矩形枠ケース31の側面には略円筒状の糸取上げ体35が回転可能に枢支されている。この糸取上げ体35の外周部の一か所には、上糸42を引っ掛ける引っ掛け爪36が形成されるとともに、上糸42が外れないように、鍔部37が形成されている。 【0021】更に、糸取上げ体35の矩形枠ケース31から外部に突出した部分には、後述する糸取上げ駆動機構44の係合部材46の係合爪48に係脱可能に係合する複数の係合爪38が形成されている。そして、上糸ボビン32から延びる上糸42は、糸調子器34を経て、糸取上げ体35の筒部を経由して引っ掛け爪36に引っ掛けられた後、ガイドローラ39を経由して出口部に回転可能に枢支された遊転ローラ40を経由して外部に繰り出される。 【0022】次に、糸取上げ体35を駆動する糸取上げ駆動機構44について、図3〜図7に基づいて説明する。図3及び図6に示すように、カセット支持体21に装着される8つの上糸カセット30のうち、一番後方の位置を供給位置とするようにして、その供給位置に位置する上糸カセット30(P)の後方の支持フレーム11に前後方向に延びる駆動軸45の後端部が回転可能に枢支され、その駆動軸45の前端部が小径に形成されて円筒状の係合部材46が前後移動可能に支持され且つ抜け止めされ、コイルバネ47により前方に弾性付勢されている。その係合部材46には前方向きの複数の係合爪48が形成されている。 【0023】更に、駆動軸45の後端近傍部には、図5に示すように、環状の係合溝49aを形成した円筒状の切換え部材49が固着され、この係合溝49aには、連結用ソレノイド50のプランジャー51に取付けた作動ピン52の先端部が係合されている。一方、駆動軸45の上側に糸取上げモータ53が固着され、その糸取上げモータ53に固定された駆動ギヤ54が、駆動軸45の後端部に固定された従動ギヤ55に噛合されている。即ち、連結用ソレノイド50が作動されてプランジャー51が後方に突出したときには駆動軸45が後方に移動して、これら両係合爪38,48が相互に離間する。 【0024】ところで、連結用ソレノイド50の作動が停止されたときには、駆動軸45は図示外の付勢バネにより前方に移動し、両係合爪38,48が係合される。このとき、係合爪48はコイルバネ47により他方の係合爪38の方へ弾性付勢され、両係合爪38,48は確実に噛み合っている。そして、後述する水平釜92で形成された糸輪ループが内釜97から外れた糸取上げタイミングのときに、糸取上げモータ53が所定時間だけ駆動され、糸取上げ体35が所定の取上げ方向(図7の矢印Q方向)に回動され、引っ掛け爪36により上糸42が上糸カセット30内に引き込まれることで、縫針15の目孔15aへ延びる上糸42が引き上げられる。 【0025】次に、前記供給位置に位置する上糸カセット30の上糸42を繰り出し又は巻き戻す糸進退機構60について、図6に基づいて説明する。供給位置の上糸カセット30の直ぐ上側に配設された揺動板61は、前記支持フレーム11に枢支ピン62で上下揺動可能に枢支され、その揺動板61には、糸繰り出しモータ63と、その糸繰り出しモータ63の駆動ギヤ64に噛合する2つの中間ギヤ65,66と、その中間ギヤ66と同軸状に連結された駆動ローラ67とが回転自在に枢支されている。また、その揺動板61は、支持フレーム11に取付けた上糸用ソレノイド68のプランジャー69に連結されている。 【0026】即ち、上糸用ソレノイド68が作動されてプランジャー69が退入駆動されたきには、揺動板61は図6に実線で示す糸繰り出し位置に揺動され、駆動ローラ67と遊転ローラ40とが押圧接触される。このとき、糸繰り出しモータ63が駆動されることにより、駆動ギヤ64と両中間ギヤ65,66を介して駆動ローラ67が回転するので、遊転ローラ40が同時に回転され、上糸ボビン32の上糸42が糸調子器34や糸取上げ体35を介して繰り出されたり、或いは上糸カセット30内に巻き戻される。一方、上糸用ソレノイド68の作動が停止されたときには、図示外の付勢バネにより、揺動板61が2点鎖線で示す上側の待機位置まで上昇され、駆動ローラ67は遊転ローラ40から離れる。 【0027】ところで、図3〜図6に示すように、放射状に配設された8個の上糸カセット30で囲まれる中央部には、上下方向に延びる側面視略コ字状の針棒支持体13により上下動可能に針棒14が支持されており、次にその針棒14を上下駆動させる針棒上下動機構75について説明する。図5に示すように、前記駆動軸45の上側には前後方向向きの主軸76が配設され、その主軸76は支持フレーム11に複数箇所で回転可能に枢支されている。主軸76の前端部にはクランク77の一端部が固着され、そのクランク77の他端部にクランクピンを介して針棒クランク78が回転自在に連結され、針棒クランク78の下端部が針棒14の中段部に針棒抱き79を介して連結されている。 【0028】一方、主軸76の後端近傍部の支持フレーム11には、ミシンモータ80が取付けられ、そのミシンモータ80の駆動軸に固定された傘歯車81が、主軸76に固着された傘歯車82に噛合されている。刺繍縫製開始に際して、ミシンモータ80が駆動されたときには、主軸76が所定の回転方向に駆動され、針棒クランク78や針棒抱き79を介して針棒14が上下動されるのと同時に、針棒14の下端に取付けられた縫針15も上下動する。ここで、針棒14の下端部に、押え足17の上端部が上下動可能に支持され且つ圧縮コイルバネ18で下方に弾性付勢されており、針棒14が下降したときには、加工布は圧縮コイルバネ18のバネ力により押え足17で押えられるようになっている。 【0029】次に、針棒14の下側に設けられた釜駆動機構85について、図3〜図5、図8に基づいて説明する。前記カセット支持体21の下側から前方に亙って、略箱状の釜ユニット86が配設され、その釜ユニット86の支持板87の前端部が枢支ピン88により、カセット支持体21の下側に位置する作動位置と、本体ケース2の右側方に回動した回動位置とに亙って位置切換え可能に枢支され、その釜ユニット86が作動位置に切換えられたときには、後端部が支持フレーム11に支持されることで、所定の高さ位置に保持されるようになっている。 【0030】前記釜ユニット86の上蓋が針板89として構成され、ユニットケース90にその長さ方向にスライド可能に支持されている。一方、釜ユニット86の内部の略後半部分には、上方を開放した円筒状の釜収納ケース91が取付けられ、その釜収納ケース91の内部には、水平釜(水平回転釜)92が収納されている。即ち、水平釜92の外釜93はその鉛直向きの釜軸94を介して釜収納ケース91に回転可能に枢支され、その釜軸94の下端部には釜駆動ギヤ95が固定されている。 【0031】一方、作動位置のときの釜ユニット86の下側の支持フレーム11には、釜駆動モータ96が取付けられ、その釜駆動モータ96の駆動軸に固着された駆動ギヤが釜駆動ギヤ95に対して左方から噛合可能になっている。そして、回転止めされた内釜97は外釜93に相対回転可能に収容され、その内釜97の内部には下糸を巻き付けた下糸ボビン98が装着されている。ここで、下糸ボビン98を交換する時には、図4に鎖線で示すように、開口部8から指を差し込んで釜ユニット86の後端部を引き出して回動位置に切換え、針板89をスライドさせることで水平釜92が露出するので、下糸ボビン98を取り外すことができる。 【0032】次に、縫製終了時に、上糸42と下糸とを切断する糸切断機構100について、図5及び図8に基づいて説明する。前記針板89の下側には、図8に示すように、可動刃101がピン102で揺動可能に枢支され、その可動刃101と協働で糸切断する固定刃103も針板89の下側に固定されている。一方、可動刃101には、針板89にピン結合された糸切りソレノイド104のプランジャー105が連結されている。そして、糸切りタイミングのときに、糸切りソレノイド104が所定時間だけ駆動されることで、プランジャー105が進出した後に退入するときに、針板89の針穴89aを挿通している上下両糸が可動刃101に係合されているので、これら上下両糸が可動刃101と固定刃103とにより同時に切断される。 【0033】次に、供給位置に位置する上糸カセット30から延びる上糸42を縫針15の目孔15aに通す糸通し機構110について、図6及び図9に基づいて説明する。但し、目孔15aの方向は前後方向向き、つまり供給位置の上糸カセット30(P)方向向きとする。供給位置の上糸カセット30(P)に対向する上糸カセット30に対応する支持壁部11aの下面には、断面を矩形枠状とする偏平で所定長さを有する治具保持部材111が縫針15に向く状態でその基端部において固着されている。ここで、その治具保持部材111の前端は縫針15の近傍に位置している。 【0034】細い弾性材からなり、先端部分が略菱形になるように屈曲形成された糸通し具112が、その菱形を押し延ばしたような形状に拘束されて治具保持部材111の内部に引き込まれて収容されている。一方、その糸通し具112の後端部は、カセット支持体21の下面に固着した糸通しソレノイド113のプランジャー114に連結されている。糸通しに際しては、糸通しソレノイド113が進出駆動されてそのプランジャー114が進出するので、糸通し具112はその先端部から順次治具保持部材111よりも前方に押し出されるので、縫針15の目孔15aを挿通してから形状保持の拘束が解除されて、図9に示すように、略菱形状に開くことになる。このとき、糸進退機構60により上糸42が所定量だけ繰り出され、上糸42の糸端部がその糸通し具112の菱形内部に侵入する。 【0035】その後、糸通しソレノイド113が退入駆動されてプランジャー114が退入するときには、糸通し具112の先端部が目孔15aを抜けて治具保持部材111に収容されるときに、上糸42を目孔15aに通すことができる。次に、加工布を移動駆動する加工布移動機構120について、図2、図4、図5及び図10に基づいて説明する。図4に示すように、カセット支持体21と釜ユニット86との間には、刺繍に供する加工布を装着する刺繍枠121が配設され、その刺繍枠121の左右両側には、前後方向向きの円筒状の支持部材122が夫々固着されている。 【0036】その刺繍枠121は、図10に示すように、Y方向駆動機構125によりY方向(前後方向)に移動されるとともに、X方向駆動機構135によりX方向(左右方向)に移動されるようになっている。先ず、Y方向駆動機構125について説明すると、本体ケース2の左右両端側には、前後方向に延びるガイド軸126が配設され、各ガイド軸126にはYキャリッジ127が前後移動可能に夫々支持され、これら両Yキャリッジ127は連結板128で一体的に連結されている。 【0037】左側のガイド軸126の下側には、前後2つのプーリ129,130が左右方向向きの水平軸で回転可能に支持され、これら両プーリ129,130に亙ってタイミングベルト131が掛け渡され、後側のプーリ130はY軸駆動モータ132で駆動されるようになっており、タイミングベルト131の一端部がYキャリッジ127に連結されている。X方向駆動機構135について説明すると、前記Yキャリッジ127から一体的に後方に延びる拡張支持板136に、左右方向向きのガイド軸137の左右両端部が固定され、そのガイド軸137にはXキャリッジ138が左右移動可能に支持されている。 【0038】更に、そのガイド軸137の下側には、左右2つのプーリ139,140が前後方向向きの水平軸回りに回転可能に支持され、これら両プーリ139,140に亙ってタイミングベルト141が掛け渡され、左側のプーリ139はX軸駆動モータ142(図11参照)で駆動されるようになっている。一方、前記Xキャリッジ138の前端部には、左右1対の保持軸143aを有する平面視略コ字状の保持枠143が固着され、これら1対の保持軸143aを、刺繍枠121の左右1対の円筒状の支持部材122に夫々対応させて挿入させることで、刺繍枠121がXキャリッジ138に連結される。 【0039】ここで、その刺繍枠121は、図示外のロック機構により1対の保持軸143aに確実に保持される一方、手動でそのロック機構を解除することで、刺繍枠121を保持軸143aから簡単に取り外すことができる。その刺繍枠121は加工布を装着する為に、図示していないが、外枠と内枠とから構成されている。これにより、Y軸駆動モータ132が駆動されることで、タイミングベルト131やYキャリッジ127を介して刺繍枠121がY方向に移動される一方、X軸駆動モータ142が駆動されることで、タイミングベルト141やXキャリッジ138を介して刺繍枠121がX方向に移動される。そして、刺繍枠121が図2に示すように(図10に鎖線で示すように)、制御系収容室5の上側の開口部7に移動したときに、加工布の取付け又は取り外しが可能になる。 【0040】次に、前記制御ボックス12内に設けられた刺繍ミシン1の制御系について、図11に基づいて簡単に説明する。制御ユニット150は、CPU152とROM153とRAM154とDMAC(ダイレクト・メモリ・アクセス・コントローラ)155などからなるマイクロコンピュータ151と、駆動回路156と、入出力インターフェース(図示略)等で構成され、刺繍ミシン1のセンサ・スイッチ類やアクチュエータ類はこれらマイクロコンピュータ151と駆動回路156に接続されている。 【0041】また、マイクロコンピュータ151には、ハードディスクドライブ装置(HDD)166を駆動するハードディスクコントローラ(HDC)165と、座標入力装置(所謂、マウス)168と、液晶ディスプレイ(LCD)10の為のディスプレイコントローラ(DC)169と、スピーカ175を鳴動させる音声増幅器(AMP)174と、音声などのサウンドデータにも対応可能な通信用モデム176と、パーソナルハンディホン(PHS(登録商標))180と携帯電話機181を択一的に接続可能なPHS/携帯電話用アダプタ179とが夫々接続されている。 【0042】更に、マイクロコンピュータ151には、コネクタ170,172を介して刺繍模様カード171やデジタルカメラカード173が接続可能になっている。ここで、刺繍模様カード171は、比較的使用頻度の高い複数の刺繍模様の模様データを格納した不揮発性メモリカードであり、デジタルカメラカード173は、図示外のデジタルカメラで撮影された写真データ(画像データ)を複数枚分記録した不揮発性メモリカードである。前記通信用モデム176には、電話回線178に接続されたNCU(ネットワーク・コントロール・ユニット)177が接続されている。 【0043】次に、刺繍ミシン1のセンサ・スイッチ類やアクチュエータ類を含む制御系について、図12に基づいて説明すると、前記マイクロコンピュータ151には、操作パネル9と、特定の色(例えば、「赤」)の上糸カセット30が供給位置に位置したことを検出するカセット位置検出スイッチ157と、ミシンモータ80に設けた第1ロータリエンコーダ158と、釜駆動モータ96に設けた第2ロータリエンコーダ159と、主軸原点センサ160と、釜軸原点センサ161などから各種の信号が入力される。一方、制御ユニット150からは駆動回路156を介して、ミシンモータ80や釜駆動モータ96や各種モータ53,24,63,142,132と、連結用ソレノイド50や各種ソレノイド104,113,68に駆動信号や制御信号が出力される。 【0044】次に、このように構成された刺繍ミシン1の作動について説明する。先ず、図3に示すように、把っ手4を持って蓋部材3を開ける。そして、カセット支持体21の各カセットホルダー21dには、図8に示すように、「赤」、「青」、「黄」・・・などの糸色が夫々指定されているので、これら「赤」や「青」などの上糸を有する上糸カセット30を同色のカセットホルダー21dに装着する。 【0045】この際、各上糸カセット30の上糸42を、図6に示すように、遊転ローラ40から所定長さ分だけ繰り出しておく。その後、蓋部材3を閉じる。このとき、カセット切換えモータ24によりカセット支持体21が初期化処理、つまり1番目の、例えば「赤」の上糸カセット30が供給位置となるように、カセット支持体21の位置が切換えられる。更に、Y軸駆動モータ132の駆動により刺繍枠121が図2に示すように、制御系収容室5の上側の開口部7に移動するので、その刺繍枠121に加工布を取付ける。 【0046】そして、操作パネル9の縫製開始キーが操作されたときには、そのデータに含まれる糸色データに基づいて、その糸色の上糸カセット30が供給位置に位置するように、カセット支持体21が回転される。その後、連結用ソレノイド50の作動が停止されて、両係合爪38,48が係合される。次に、糸通しソレノイド113が駆動され、糸通し具112が前方に押し出されるので、縫針15の目孔15aを挿通してから略菱形状に開く。 【0047】そして、上糸用ソレノイド68が作動され、駆動ローラ67と遊転ローラ40とが押圧接触された状態で糸繰り出しモータ63が駆動されることで、図9に示すように、上糸ボビン32の上糸42が繰り出されるので、繰り出された上糸42の糸端部がその菱形状に開いた糸通し具112の内部に上方から侵入する。次に、糸通しソレノイド113が退入駆動され、糸通し具112の先端部が目孔15aを抜けて治具保持部材111に収容されるときに、上糸42を目孔15aに通すことができる。ここで、上糸42の端部が糸通し具112から抜けていないときには、ミシンモータ80の駆動で縫針15を上昇させることで、上糸42の端部を糸通し具112から確実に抜くことができる。 【0048】続いて、上糸用ソレノイド68の作動停止により、駆動ローラ67は遊転ローラ40から離れる一方、Y軸駆動モータ132が駆動されて、刺繍枠121が図5に示す所定の縫製開始位置に移動される。そして、縫製開始の為の準備が完了したことにより、ミシンモータ80や釜駆動モータ96、更にはX軸駆動モータ142やY軸駆動モータ132が駆動され、縫製データに基づいて刺繍縫製が開始される。このとき、各ロータリエンコーダ158,159からのパルス信号に基づいて、ミシンモータ80と釜駆動モータ96とが同期するように駆動されるとともに、縫針15の上下動と調時して、これらモータ53,142,132が同期するように駆動される。即ち、縫針15が上昇する糸取上げタイミングのときには、糸取上げモータ53で糸取上げ体35が所定の取上げ方向に回動され、縫針15の目孔15aへ延びる上糸42が引き上げられる。 【0049】ところで、縫製途中における糸替えのときには、各モータ80,96,53,142,132の駆動が停止される一方、糸進退機構60により上糸42が巻き戻されて縫針15の目孔15aから引き抜かれ、糸進退機構60が上方に退避した後に、カセット切換え機構20により次に使用する色の上糸42を有する上糸カセット30が供給位置に切換えられ、以下同様にして、繰り出された上糸42の糸通しが実行されてから、縫製が再開される。そして、刺繍縫製が終了したときには、糸切りソレノイド104の駆動により可動刃101が往復駆動され、針板89の針穴89aを挿通している上糸42と下糸とが同時に切断される。 【0050】ところで、前記ROM153には、一般のホストコンピュータと同様に、電源ON時に刺繍ミシン1を立ち上げる為の起動プログラムが格納されている。そして、前記ハードディスク167には、図13に示すように、刺繍ミシン1をパーソナルコンピュータと同様に機能させる為に、MS−DOS(登録商標)やWindows (登録商標)システム等の各種のOS(オペレーティング・システム)が格納されている。 【0051】更に、ハードディスク167には、前記インターネットINに接続する為のプログラムとして、例えば「Chameleon(カメレオン(登録商標)) 」のように、電子メール機能の為のメールリーダ(MIME規格(Multipurpose Internet Mail Extentions )に対応) などの各種のアプリケーションソフトを揃えたパッケージソフト、インターネットINに対して通信を行うのに必要なTCP/IPプロトコル(通信プロトコル)を扱うTCP/IPドライバソフト、その他、クライアントアプリケーションソフトとして、WWW(World Wide Web) の情報をホームページという形で閲覧するNetscapeなどのブラウザ、動画データなども扱えるヘルパーアプリケーションソフトなどが通信制御プログラムとして格納されている。 【0052】更に、ハードディスク167には、データ通信を行うときの通信プログラム(通信用アプリケーションソフト)、デジタルカメラやビデオカメラで撮影されたカラー画像データに含まれる原色信号(R,G,B)に関する加色法による色情報を、カラー刺繍に用いる8色分の糸色に変換する色情報変換プログラム、各種の色情報を含む画像データに基づいて色別刺繍領域を決定し且つ各色別刺繍領域毎に針落ちデータを演算することで、刺繍模様の刺繍データを作成する刺繍データ作成プログラム、2つの刺繍データを合成して1つの刺繍データを作成する合成制御プログラム、作成された刺繍データに基づいて駆動系を駆動することで刺繍縫製する縫製制御プログラムに加えて、各種の編集用プログラムなどが格納されている。 【0053】ここで、この刺繍ミシン1の保有者は、プロバイダーPV3に加入しており、プロバイダーPV3の「電話番号」、割当られた「ユーザー名」や「パスワード」などは、インターネット接続用のアプリケーションソフトに対して予め登録されているものとする。ここで、インターネット通信機能、電子メール機能、データ通信機能に関する一般的な通信機能について簡単に説明しておく。 【0054】先ず、インターネット通信機能について説明すると、アイコン(アイ・コンタクト)形式で表示された初期メニューから項目「インターネット接続」をマウスで指示することで、ダイアルアップIP接続機能によりプロバイダーPV3に電話接続されることで、インターネット接続が開始され、プロバイダーPV3との接続が成功したときには、デフォルトのホームページが表示される。そして、そのホームページのファイルデータに基づいて、所望のデータを取り込むことができる。 【0055】次に、電子メール機能について説明すると、項目「電子メール」をマウスで指示し、「ユーザー名」や「パスワード」を入力してログインする。その結果、契約しているプロバイダーのメールサーバーに設けられたメールスプールにユーザー宛の電子メールが届いているときには、その電子メールの一覧表がディスプレイに表示されるとともに、その電子メールの情報がダウンロードされて来る。次に、データ通信機能について説明すると、例えば、この刺繍ミシンにパソコン通信ホスト局用ソフトを作動させておくことで、または、ファクシミリ通信方式のBFT(Binary File Transfer) 手順を用いることで、ユーザーの端末機と友人の端末機とを電話回線を介して接続し、これら2台の端末機間でデータ通信を行うことができる。 【0056】次に、これらの通信機能を用いて刺繍データを取り込む、刺繍データ取り込み機能について説明する。この刺繍データ取り込み機能としては、インターネットINによる取り込み機能と、電子メールによる取り込み機能と、データ通信による取り込み機能と、刺繍模様カード171からの取り込み機能とが設けられている。 1) 先ず最初のインターネットINによる取り込み機能は、非常に簡単な操作により所望の刺繍データをインターネットINを介して取り込めるようになっている。 【0057】即ち、操作パネル9の「インターネット接続(取り込み)」キーを操作することで、ダイアルアップIP接続機能により通信用モデム176やNCU177に接続指令が出力されてプロバイダーPV3に電話接続され、更にインターネット上のデフォルトのホームページにアクセスされてそのホームページのファイルデータが液晶ディスプレイ10に表示される。ここで、例えば、特定メーカーに専属の刺繍データ提供業者が設けている刺繍データ提供用のホームページ(これが、刺繍データ供給源に相当する)のアドレスをデフォルトとして登録しておくことにより、その刺繍データ提供用のホームページに刺繍データのデータベースとして記憶されているファイルデータを液晶ディスプレイ10に直ぐに表示させることができる。 【0058】その刺繍データ提供画面においては、複数の刺繍模様が一覧表のように表示され、各刺繍模様の刺繍データを刺繍模様一覧表ファイルにリンクさせた別の刺繍データファイルに格納しておくことで、ユーザーはマウス168を操作してそのマーカーで所望の刺繍模様を指示してクリックし、操作パネル9の「取り込み」キーを操作するだけで、その刺繍模様の刺繍データが刺繍データファイルからダウンロードされ、ハードディスク167のワーク領域に記録される。 【0059】ここで、その取得した刺繍データを刺繍縫製するときの説明情報(ガイダンス)が欲しいときには、その説明情報を提供するホームページから説明情報をダウンロードしてもらったり、また刺繍模様の編集処理に必要なエディタソフトをダウンロードしてもらうようにしてもよい。 2) 次に、電子メールによる取り込み機能について説明する。操作パネル9の「電子メール受信」キーを操作するだけで、予め登録した「ユーザー名」や「パスワード」によりログインして、電子メールの受信が指示される。 【0060】即ち、刺繍データ提供業者に新作の刺繍データを送信して貰うように契約しておくことで、プロバイダーPV3のメールサーバーに設けられたメールスプールに、刺繍データ提供業者からユーザー宛に刺繍データの電子メールが届いているときには、その電子メールの一覧表が液晶ディスプレイ10に表示されるとともに、その電子メールの情報、つまり添付された刺繍データがダウンロードされてハードディスク167のワーク領域に記録される。 【0061】3) 次に、データ通信による取り込み機能について説明すると、操作パネル9の「データ通信」キーを操作するだけで、ユーザーの刺繍ミシンと予め設定した特定の友人の刺繍ミシンとが電話回線を介して接続され、友人の刺繍ミシンに有する刺繍データを取り込んでハードディスク167に記録する。また、その逆に、ユーザーの刺繍ミシンに有する刺繍データを友人の刺繍ミシンに送信してあげる事もできる。 【0062】4) 次に、刺繍模様カード170からの取り込み機能について説明すると、操作パネル9の「刺繍模様カード」キーを操作することで、その刺繍模様カードに記憶されている複数の刺繍模様を順次液晶ディスプレイ10に表示させながら所望の刺繍模様をマーカーで指示して選択することで、その選択した刺繍模様の刺繍データを取り込むことができる。 【0063】次に、刺繍データを外部に出力する外部出力機能について説明する。 1) 操作パネル9の「インターネット接続(書き込み)」キーを操作したときには、ダイアルアップIP接続機能によりプロバイダーPV3に電話接続され、更にインターネットIN上の予め設定した自分のホームページ、又は刺繍データ提供業者のホームページにアクセスされ、予め送信出力するように設定しておいた刺繍データが送信出力され、そのホームページに書き込まれる。 2) 一方、前述したように、操作パネル9の「データ通信」を操作して、刺繍データを要望している不特定多数の人に対して、データ通信により刺繍データを送信して提供してあげることができる。 【0064】次に、刺繍データ作成・編集機能について説明する。先ず、デジタルカメラカード173から、デジタルカメラで撮影して記録した画像データを読み込んで、色情報変換プログラムにより、画像データに含まれる輝度信号と色差信号とに基づいて、加色法による原色信号(R,G,B)に関する色情報を、カラー刺繍に用いる8色分の糸色に変換処理する一方、画像の輪郭を色別刺繍領域毎に求めて、各色別刺繍領域における針落ち位置データを演算で求めることで刺繍データを作成するようにしてもよい。また、このように作成した刺繍データと刺繍模様カード171の刺繍データとを合成するなどして、種々の模様編集処理を施して、新規の刺繍データを作成できる。 【0065】次に、刺繍縫製機能について説明する。ユーザーは、このようにして、インターネットINやデータ通信により、外部のパソコンや刺繍ミシンから受信してハードディスク167に記録された各種の刺繍データのうちから、所望の刺繍データを読み出して、刺繍ミシン1により刺繍縫製することができる。このとき、音声や表示による説明情報を予め受信してあるときには、その説明情報を液晶ディスプレイ10に表示させたり、又はスピーカ175により説明を聞きながら刺繍縫製することが可能である。 【0066】ここで、通信用モデム176、NCU177、インターネット接続用やデータ通信用の各種の通信ソフトやマイクロコンピュータ151などで通信手段が構成され、「インターネット接続(取り込み)」キーや刺繍データ取り込み機能を実現する為の種々のソフトやマイクロコンピュータ151などで刺繍データ取り込み手段が構成され、刺繍データ出力機能を実現する為の種々のソフトやマイクロコンピュータ151などで刺繍データ送信手段が構成されている。 【0067】このように、通信用モデム176やNCU177を設け、更にはハードディスク167にインターネット接続用の種々のソフトを格納し、「インターネット接続(取り込み)」キーを操作するだけで電話回線178を介してインターネットINに接続でき、そのインターネットIN上のデフォルトのホームページにアクセスされて刺繍データ提供画面が表示され、所望の刺繍模様を選択して「取り込み」キーを操作するだけで、その刺繍模様の刺繍データがデータベースである刺繍データファイルからダウンロードされ、ハードディスク167のワーク領域に記録されるので、世界中から珍しい刺繍模様の刺繍データを容易に且つ迅速に取得することができる。 【0068】また、所望の刺繍データだけを安価に購入できる。また、所望の刺繍データを予め取り込んでハードディスク167に記憶しておくので、複雑な準備作業をすることなく刺繍縫製ができ、縫製作業の能率化を図ることができる。更に、高価なコンピュータを設けることなく刺繍データを簡単に取り込むことができる。また、刺繍データ出力機能を設け、インターネットIN上の予め設定した自分のホームページ、又は刺繍データ提供業者のホームページにアクセスして、予め送信出力するように設定しておいた刺繍データがそのホームページに書き込むことができる一方、「データ通信」キーを操作して、刺繍データを要望している不特定多数の人に対して、データ通信により刺繍データを送信して提供してあげることができる。 【0069】前記実施形態の変更形態として、次のように構成してもよい。 1) ユーザーが合成処理するなどして作成した新規の刺繍データを刺繍データ提供業者のホームページに書込んだときには、その提供業者がその刺繍データを受け取って見栄えのする配色となるように色指定する等のアドバイスをしてもらうことができ、しかも、色毎の必要糸量を教えてもらうことができる。更に、不足している糸を注文することができる。 2) 刺繍データ提供用のホームページが、アドレスを異ならせて複数設けられているときには、それらのURL(Uniform Resource Locator) をブックマークアドレスとして登録しておくことで、ブックマーク機能を用いて、所望の刺繍データ提供用のホームページを効率良く切換えながら簡単にアクセスすることができる。 【0070】3) また、ビデオテープをビデオデッキで再生することで、ビデオカメラで撮影して記録した画像データを取り込んで、色情報変換プログラムにより色情報変換処理して刺繍データを作成するようにしてもよい。 4) 刺繍ミシン1を、ISDN(サービス総合デジタル網)や専用回線を介して種々の通信ネットワークに接続するようにしてもよい。 5) PHS/携帯電話用アダプタ179を介して、友人や刺繍データ提供業者から送信してもらった刺繍データをパーソナルハンディホン(PHS)180や携帯電話機181で受信するようにしてもよい。 【0071】6) 通信機能を備えていない従来の刺繍ミシンに、モデムやNCUに加えて、通信用ソフトやインターネット接続用ソフトを備えた通信用アダプタを接続することで、インターネットINに接続可能に構成してもよい。 7) 前記実施形態に関し、既存の技術や当業者に自明の技術に基づいて種々の変更を加えることもあり得る。更に、主軸76や水平釜92をミシンモータで駆動するように構成された刺繍ミシン等、インターネットINや各種のネットワークに接続可能な種々の刺繍ミシンに本発明を適用し得ることは勿論である。 【0072】 【発明の効果】以上詳述したように、請求項1の発明によれば、縫針と、縫針と協働して縫目を形成する糸輪捕捉用釜と、縫製対象布を直交する2方向へ独立に移動駆動する布移動手段とを備えた刺繍ミシンにおいて、通信手段と、刺繍データ取り込み手段とを備えたので、所望の刺繍模様の刺繍データを通信手段を介して容易に且つ迅速に取得することができる。また、所望の刺繍データだけを安価に購入できる。また、所望の刺繍データを予め取り込んでメモリに記憶しておくので、複雑な準備作業をすることなく刺繍縫製ができ、縫製作業の能率化を図ることができる。更に、高価なコンピュータを設けることなく刺繍データを簡単に取り込むことができる。 【0073】また、請求項2の発明によれば、請求項1と同様の効果を奏するが、前記通信手段と通信回線を介して外部の通信ネットワークや通信端末機に刺繍データを送信する刺繍データ送信手段を備えたので、通信回線を介して刺繍データを要求しているユーザーに刺繍データを容易に提供することができる。更に、請求項3の発明によれば、請求項1または2と同様の効果を奏するが、前記通信手段は、インターネットにアクセス可能であるので、そのインターネットを介して世界中から珍しい刺繍模様のデータを簡単に且つ迅速に取得できる一方、自作の刺繍データを世界中の人々に提供してあげることができる。 【0074】そして、請求項4の発明によれば、請求項3と同様の効果を奏するが、前記刺繍データ供給源は、インターネット上の特定のホームページにある刺繍データのデータベースであるので、その特定のホームページにアクセスするだけで、刺繍データを容易に取り込むことができる。また、請求項5の発明によれば、請求項1または2と同様の効果を奏するが、前記通信手段は、データ通信機能を介して相手と直接刺繍データを送受信可能であるので、データ通信機能により、所望の刺繍模様の刺繍データを容易に受け取ることができる一方、刺繍データを要求しているユーザーに刺繍データを容易に提供してあげることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005267 【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)9月8日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】岡村 俊雄
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| 【公開番号】 |
特開平11−76663 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)3月23日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−260968 |
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