| 【発明の名称】 |
針振りミシン |
| 【発明者】 |
【氏名】石井 一明
【氏名】春日 俊明
【氏名】立川 充宏
【氏名】平野 靖明
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| 【要約】 |
【課題】複数の針振り位置に針を位置させて縫い目を形成する針振りミシンにおいて、釜合わせあるいは糸通し等の作業を行うときに、それらの作業を容易にするように針振り位置を規定する。
【解決手段】左右方向に少なくとも三点の左端、中央、右端の針振り位置を有する針振りミシンにおいて、針に連結し電気的に動作して針振り位置を変化させる駆動手段と、操作により少なくとも三点の左端、中央、右端の針振り位置の何れか一つを指定する信号を発生する操作手段148と、その操作により指定する信号に応答して駆動手段を制御する制御手段と、を備え、操作手段の操作に関連して針を少なくとも三点の左端、中央、右端の何れかの位置に振らせる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】左右方向に少なくとも三点の左端、中央、右端の針振り位置を有する針振りミシンにおいて、前記針に連結し電気的に動作して針振り位置を変化させる駆動手段と、操作により前記少なくとも三点の左端、中央、右端の針振り位置の何れか一つを指定する信号を発生する操作手段と、前記操作により指定する信号に応答して前記駆動手段を制御する制御手段と、を備え、前記操作手段の操作に関連して針を前記少なくとも三点の左端、中央、右端の何れかの位置に振らせること、を特徴とする針振りミシン。 【請求項2】針を左右方向に針振り可能とした針振りミシンにおいて、前記針に連結し電気的に動作して針振り位置を変化させる駆動手段と、操作により左端、中央、右端の三点の針振り位置を各別に指定可能とする信号を発生する操作手段と、前記操作により指定する信号に応答して前記駆動手段を制御する制御手段と、を備え、前記操作手段の操作に関連して前記左端、中央、右端の針振り位置のうち指定された針振り位置に針を振らせること、を特徴とする針振りミシン。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、複数の針振り位置に針を位置させて縫い目を形成する針振りミシンに関するものである。 【0002】 【従来の技術】針振りミシンとしては、千鳥縫いミシンのように、三点千鳥とか四点千鳥と呼ばれる縫い形状に応じて三箇所あるいは四箇所の針振り位置を有するもの、または、ボタン穴かがりミシンのように、ボタン穴かがり縫い目の幅等に応じてさらに多くの針振り位置を有するもの、さらには、多数の模様縫いを可能とした家庭用のジグザグミシンのように、さらに多くの針振り位置を有するものが知られている。一方、ミシンにおいては、縫い目を確実に形成するために、上下動する針と回転する釜の剣先との交差タイミングまたは交差時における双方の隙間を正確にする、いわゆる釜合わせ作業を行う必要がある。そして、上述したような針振りミシンにおいては、その釜合わせ作業を行う場合、針がほぼ垂直状態にある針振り位置(針振り範囲に対してほぼ中央位置)において、針を上下動させて釜の剣先との交差タイミングを目視により確認しながら調整し、その後、左右の最大針振り位置において、針と釜剣先との隙間を目視で確認し、もし、最大左右位置での隙間が不適当なときは、再度中心での調整をし直すようにしていた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した針振りミシンでは、多数の針振り位置の中から上記中央位置あるいは最大左右位置へ針を振らせるには、ミシン主軸または基線カム(主カム)を手動で回転する必要があり、作業が繁雑なものとなっていた。また、千鳥縫いミシンや家庭用ミシンでは、下端に押え足を固定した押え棒の直前において、針が上下動しており、また、ボタン穴かがりミシンでは、上下動してボタン穴を形成する布切りメスの直前で針が上下動している。従って、これらのミシンにおいて、針に糸を通す際には、針が針振り中央位置に停止していると、押え棒や布切りメスが針の糸通し穴の近傍に位置するために、作業の邪魔となってしまう。また、これらの針振りミシンの針板は、針振り方向に細長い針穴を有するが、この針穴に対する針位置のずれを確認する際にも、同様に、上述した針振り位置の切替作業が必要となる。さらに、ボタン穴かがりミシンにおいては、布を針板との間で保持して移送する押えの交換作業時に、針振り位置が影響するものとなっていた。 【0004】そこで、本発明の目的は、複数の針振り位置に針を位置させて縫い目を形成する針振りミシンにおいて、釜合わせあるいは糸通し等の作業を行うときに、それらの作業を容易にするように針振り位置を規定することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】以上の課題を解決すべく請求項1記載の発明は、左右方向に少なくとも三点の左端、中央、右端の針振り位置を有する、例えば、ボタン穴かがりミシン等の針振りミシンにおいて、前記針に連結し電気的に動作して針振り位置を変化させる、例えば、パルスモータ及びリンク機構等による駆動手段と、操作により前記少なくとも三点の左端、中央、右端の針振り位置の何れか一つを指定する信号を発生する、例えば、針振り位置指示スイッチ等による操作手段と、前記操作により指定する信号に応答して前記駆動手段を制御する制御手段と、を備え、前記操作手段の操作に関連して針を前記少なくとも三点の左端、中央、右端の何れかの位置に振らせるようにした構成、を特徴としている。 【0006】ここで、針振りミシンとしては、例えば、ボタン穴かがりミシンが挙げられるが、千鳥縫いミシン、家庭用のジクザグ縫いミシン等であっても良い。駆動手段としては、例えば、パルスモータ及びリンク機構が挙げられるが、他のアクチュエータ及び機構を用いたものでも良い。操作手段としては、例えば、針振り位置指示スイッチが挙げられ、その場合、一つの共通スイッチでも、左側、中央、右側の各別の三つのスイッチでも良い。制御手段は、CPUに含まれる。 【0007】以上のように、請求項1記載の発明によれば、針に連結し電気的に動作して針振り位置を変化させる駆動手段を、少なくとも三点の左端、中央、右端の針振り位置の何れか一つを指定する信号を発生する操作手段の操作により指定する信号に応答して、制御手段により制御して、少なくとも三点の左端、中央、右端の何れかの位置に針を振らせる針振りミシンなので、必要に応じて少なくとも三点の左端、中央、右端の何れかの位置に針を振らせた停止状態が得られることから、釜合わせあるいは糸通し等の作業が容易に行える。即ち、例えば、釜合わせ時には、先ず、針を中央に停止させて、釜と針棒のタイミング調整と隙間合わせ調整を行ってから、針を最右端に停止させて、釜剣先と針の隙間当たりチェックを行い、また、針を最左端に停止させて、同様に釜剣先と針の隙間当たりチェックが行える。なお、布保持腕及び布押えの位置と布切りメスとの関係にもよるが、例えば、針を最左端や最右端に停止させることで、布保持腕及び布押えの位置や布切りメスと干渉することなく針に糸を通すための糸通しモードとして使用でき、また、布押えの交換も容易となる。さらに、針を中央停止とすることで、針棒位置をチェックでき、針板の針穴と針との当たり干渉チェックが行える。 【0008】また、請求項2記載の発明は、針を左右方向に針振り可能とした、例えば、ボタン穴かがりミシン等の針振りミシンにおいて、前記針に連結し電気的に動作して針振り位置を変化させる、例えば、パルスモータ及びリンク機構等による駆動手段と、操作により左端、中央、右端の三点の針振り位置を各別に指定可能とする信号を発生する、例えば、針振り位置指示スイッチ等による操作手段と、前記操作により指定する信号に応答して前記駆動手段を制御する制御手段と、を備え、前記操作手段の操作に関連して前記左端、中央、右端の針振り位置のうち指定された針振り位置に針を振らせるようにした構成、を特徴としている。 【0009】ここで、針振りミシンとしては、例えば、ボタン穴かがりミシンが挙げられるが、千鳥縫いミシン、家庭用のジクザグ縫いミシン等であっても良い。駆動手段としては、例えば、パルスモータ及びリンク機構が挙げられるが、他のアクチュエータ及び機構を用いたものでも良い。操作手段としては、例えば、針振り位置指示スイッチが挙げられ、その場合、一つの共通スイッチでも、左側、中央、右側の各別の三つのスイッチでも良い。制御手段は、CPUに含まれる。 【0010】以上のように、請求項2記載の発明によれば、針に連結し電気的に動作して針振り位置を変化させる駆動手段を、左端、中央、右端の三点の針振り位置を各別に指定可能とする信号を発生する操作手段の操作により指定する信号に応答して、制御手段により制御して、左端、中央、右端の針振り位置のうち指定された針振り位置に針を振らせる針振りミシンなので、左端、中央、右端の針振り位置のうち指定した針振り位置に針を振らせた停止状態が得られることから、釜合わせあるいは糸通し等の作業が容易に行える。即ち、例えば、釜合わせ時には、先ず、針を中央に停止させて、釜と針棒のタイミング調整と隙間合わせ調整を行ってから、針を最右端に停止させて、釜剣先と針の隙間当たりチェックを行い、また、針を最左端に停止させて、同様に釜剣先と針の隙間当たりチェックが行える。なお、布保持腕及び布押えの位置と布切りメスとの関係にもよるが、例えば、針を最左端や最右端に停止させることで、布保持腕及び布押えの位置や布切りメスと干渉することなく針に糸を通すための糸通しモードとして使用でき、また、布押えの交換も容易となる。さらに、針を中央停止とすることで、針棒位置をチェックでき、針板の針穴と針との当たり干渉チェックが行える。 【0011】 【発明の実施の形態】以下に、本発明を適用したボタン穴かがりミシンの実施の各形態例を図1から図46に基づいて説明する。始めに、装置の構成例について順次説明してから、制御方式について説明していく。 【0012】先ず、図1は本発明を適用した一例としてのボタン穴かがりミシンの外観を示す斜視図である。また、図2は内部機構の概略斜視図、図3は図2の反対側から見た状態の内部機構の斜視図である。これらの図1から図3において、1はミシンフレーム、5はミシンモータ、6は上軸、7はクランク機構、8は針棒、9は針、10は立軸、11は下軸、12は釜、13はボビンケース、14は布保持板、15は布押え(枠状クランプ体)、16は布切りメス(上下動メス)、17は天秤、18は針棒揺動台、19は糸調子、20は送りモータ(電気的駆動手段:パルスモータ)、21は送り機構(連結手段)、30は布切りメス用エアーシリンダユニット、31はメス取付板、40は基線モータ、41は振り幅モータ、42は針振り機構、60はボイスコイルモータである。図示のように、ミシンフレーム1は、上面に平坦なベッド面を有するベッド2と、このベッド2上の一端部側に起立する縦胴部3と、この縦胴部3上からベッド2とほぼ平行に沿って伸びるアーム4とから構成されて、側面視でほぼコ字状を成している。 【0013】以上のミシンフレーム1において、その縦胴部3側の端部にミシンモータ5が備えられ、このミシンモータ5の駆動により回転する上軸6がアーム4内に配設され、この上軸6の先端部にはクランク機構7を介して針棒8が連結されており、この針棒8の下部に針9が取り付けられている。また、縦胴部3内に立軸10が配設されて、ベッド2内に下軸11が配設されており、この下軸11の先端部の釜12にボビンケース13が装着されている。なお、立軸10は、その上端部が上軸6とベベルギヤ6a,10aを介して連結されて、下端部が下軸11とベベルギヤ10b,11aを介して連結されている。さらに、ベッド2上には、移動可能な布保持板14が配設されて、この布保持板14の上方には、枠状クランプ体による布押え15が配設されるとともに、上下動メスである布切りメス16が配設されている。なお、前記クランク機構7には、アーム4の先端部側面から外部に突出する天秤17が組み込まれている。また、針棒8は、針棒揺動台18に上下摺動自在に組み込まれている。この針棒揺動台18は、上端部を上軸6に平行な揺動支点軸18aを支点として揺動自在となっている。なお、アーム4の先端部側面の下部に糸調子19が備えられており、この糸調子19は、ボイスコイルモータ60により糸張力が可変制御されるものとなっている。 【0014】そして、縦胴部3内には、布保持板14及び布押え15用の電気的駆動手段である送りモータ20が配設されて、この送りモータ20は軸線を垂直方向としたパルスモータであって、その出力軸から布保持板14及び布押え15にかけて送り機構21が構成されている。また、アーム4の先端部上には、メス動作用の電気的駆動手段としての布切りメス用エアーシリンダユニット30が設置されて、この布切りメス用エアーシリンダユニット30の駆動により昇降動作するメス取付板31が、アーム4内に垂直に配設されている。このアーム4から下方に突出するメス取付板31の下端部に、布切りメス16が止めねじ32によって取り付けられている。なお、図10に示されるように、メス取付板31には、上昇復帰用のリターンスプリング33が接続されており、また、メス取付板31の側方には、メス取付板31の被検知部31aを検出する近接式の布切りメス上下位置検出センサ34a、34bが配設されている。さらに、縦胴部3内には、針棒揺動台18の基線位置を決める基線モータ40及び振り幅を決める振り幅モータ41が配設されて、これら基線モータ40及び振り幅モータ41は何れも軸線を上軸6と平行で水平方向としたパルスモータであって、その各々の出力軸から針棒揺動台18にかけて針振り機構42が構成されている。 【0015】先ず、送り機構21は、図2に示すように、軸線を水平方向とした送り軸22、布保持板14用のブラケット23、布押え15用の布保持腕24等から構成されている。こうして、送りモータ20から布保持腕24への連結手段が構成されている。即ち、縦胴部3内において、送りモータ20上の出力軸に設けたピニオン20aに噛み合うラック22aを有する送り軸22を組み込んで、縦胴部3から突出してアーム4の下方に位置する送り軸22中間部分に、布保持板14を下端部に連結支持するブラケット23を上端部で固定している。このブラケット23の下部側面に、先端部に布押え15を連結支持する取付片25を備えた布保持腕24の基端部を、ピン24aを支点として上下揺動自在に結合している。なお、図示しないが、布保持腕24を上昇動作するアクチュエータ(エアーシリンダユニットまたはソレノイド等)及び下降復帰させるリターンスプリング等が設けられている。ただし、布保持腕24の上下動はペダル操作によってもよい。また、送り軸22の位置に基づいてメス先端位置に対応した原点位置を検出する近接式の送り原点検出センサ26が設けられている。以上の送り機構21によって、布保持板14及び布押え15は、パルスモータによる送りモータ20の駆動でピニオン20a及びラック22aの噛み合いにより前進後退動作する送り軸22からブラケット23、布保持腕24を各々介して一体的に、ベッド2上を移動する。以上が布送り用の電気的移動手段である。 【0016】次に、針振り機構42は、図3から図5に示すように、基線用アーム43、基線用レバー44、連結リンク45、針振りカムレバー46、針振りレバー47、連結軸48、針振り腕49、針振りカム54、振り幅用アーム55、振り幅用レバー56等から構成されている。即ち、縦胴部3内において、水平に機枠に支持された支軸43aを中間部の支点とした基線用アーム43の下端部に設けたセクタギヤ43bを、基線モータ40の出力軸に設けたピニオン40aに噛み合わせ、基線用アーム43上部の二股部内に、同じく二股状の基線用レバー44の端部を水平ピン44aで揺動自在に連結している。この基線用レバー44の二股部内において、連結リンク45の一端部を水平ピン44bで揺動自在に連結し、この連結リンク45の他端部に水平ピン45aで針振りカムレバー46を揺動自在に連結している。さらに、この針振りカムレバー46の下端部に水平ピン46aで針振りレバー47の先端部を揺動自在に連結している。この針振りレバー47の基端部は、アーム4内に上軸6に平行に配設した連結軸48の基端部に固定されている。この連結軸48の先端部には、針振り腕49の基端部が固定されており、この針振り腕49の先端部に針棒揺動台18が図示しない角ゴマ等を介して揺動自在に連結されている。 【0017】ここで、針振りカムレバー46は、上部がコ字状に開放されたカム係合凹部46bとなっていて、このカム係合凹部46bに偏心カムによる針振りカム54が係合している。即ち、この針振りカム54は、上軸6から減速ギヤ51,52を介して減速比1/2で回転が伝達される副軸53に備えられている。さらに、縦胴部3内において、水平に機枠に支持された支軸55aを中間部の支点とした振り幅用アーム55の下端部に設けたセクタギヤ55bを、振り幅モータ41上の出力軸に設けたピニオン41aに噛み合わせ、振り幅用アーム55の上端部に、振り幅用レバー56の一端部を水平ピン56aで揺動自在に連結している。この振り幅用レバー56の他端部は、前記水平ピン44bを介して前記連結リンク45に揺動自在に連結されている。なお、基線用アーム43のセクタギヤ43bの側方に、基線位置検出手段としての磁気センサによる基線原点検出センサ57が配設されており、セクタギヤ43bの一端部側に基線検出用の磁石43cが設けられている。同様に、振り幅用アーム55のセクタギヤ55bの近傍にも、針振り幅検出手段としての磁気センサによる振り幅原点検出センサ58が配設されており、セクタギヤ55bの一端部側に振り幅検出用の磁石55cが設けられている。また、副軸53側の減速ギヤ52の一側面に、磁気センサによる針振り左右位置検出センサ59(基線側・針振り側検出手段)が配設されており、減速ギヤ52に左右位置検出用の磁石52aが設けられている。ところで、前記減速ギヤ52は、主軸6上の減速ギヤ51の2回転に対して1回転、即ち、針9が2回上下動するのに対して1回転する。前記針振り左右位置検出センサ59は、針9が上停止位置に位置し、かつ、基線側に振られている回転位相において、磁石52aに対向している。 【0018】以上の針振り機構42によって、針棒揺動台18は、駆動手段としてのパルスモータである基線モータ40及び振り幅モータ41の各々の駆動で、基線用アーム43から基線用レバー44を経て、または、振り幅用アーム55から振り幅用レバー56を経て、以降は連結リンク45、針振りカムレバー46、針振りレバー47、連結軸48、針振り腕49及び針振りカム54を介して揺動がそれぞれ伝達されることにより、上端部の揺動支点軸18aを支点として基線の変更と振り幅の変更が行われる。即ち、図4にも示し、図5に模式的に示したように、基線については、パルスモータによる基線モータ40の駆動で基線用アーム43、基線用レバー44、連結リンク45、針振りカムレバー46、針振りレバー47、連結軸48、針振り腕49及び針振りカム54を介して揺動が伝達されて、上端部の揺動支点軸18aを支点として針棒揺動台18が揺動することによって、基線が変更される。これが基線変更機構である。また、振り幅については、パルスモータによる振り幅モータ41の駆動で振り幅用アーム55、振り幅用レバー56、連結リンク45、針振りカムレバー46、針振りレバー47、連結軸48、針振り腕49及び針振りカム54を介して揺動が伝達されて、上端部の揺動支点軸18aを支点として針棒揺動台18が揺動することによって、振り幅が変更される。これが針振り幅変更機構である。 【0019】ここで、針振り機構42は、基線位置を基準として振り幅を左側へ振る(増大する)もので、図6(a)に示すように、針振りカム54のカム頂部が基線側(図示右側)にある時が、基線用アーム43の位置により針落ちが決まるものとなっている。また、図6(b)に示すように、針振りカム54のカム頂部がカム振り幅側(図示左側)にある時が、基線位置に対して振り幅量により針落ちが決まるものとなっている。そして、基線位置の移動は、図7に示すように、基線用アーム43の回動により行われる。また、振り幅の変更は、図8に示すように、振り幅用アーム55の回動により基線用レバー44を介して行われる。そして、縫製の際は、ミシンモータ5の駆動により回転する上軸6から減速ギヤ51,52を介して回転が伝達される副軸53に備えた針振りカム54が減速比1/2で回転し、この針振りカム54がカム係合凹部46bに係合した針振りカムレバー46が往復揺動を行い、その針振りカムレバー46の往復運動が、針振りレバー47、連結軸48、針振り腕49及び針振りカム54を介して針棒揺動台18に伝達される。この結果、前述した基線及び振り幅の変更に基づいて、上端部の揺動支点軸18aを支点として針棒揺動台18が往復揺動して、ボタン穴かがりの平行部(側縫い部)及び閂止め部(閂止め縫い部)の縫い目が形成される。 【0020】次に、図9(a)はボタン穴かがり縫い部分の名称を示したもので、図示のように、ボタン穴の左右が左平行部(左側縫い部)と右平行部(右側縫い部)であって、ボタン穴の前後が第1閂止め部(後閂止め縫い部)と第2閂止め部(前閂止め縫い部)である。このようなボタン穴かがり縫いは、以上の構成によるボタン穴かがりミシンによって、図9(b)に示すように、第2閂止め部(前閂止め縫い部)の左側から縫い始めて左平行部(左側縫い部)、第1閂止め部(後閂止め縫い部)、右平行部(右側縫い部)及び第2閂止め部(前閂止め縫い部)に戻る。 【0021】また、この実施の形態例のボタン穴かがりミシンの場合、図10に示した布切りメス用エアーシリンダユニット30の駆動により布切りメス16を、ボタン穴かがり縫製中に複数回上下動させることによって、ボタン穴を形成するものとなっている。即ち、例えば、図11(a)に示すように、布切りメス16の一回目の下降動作によって布に一旦切り込みを入れた後、図11(b)に示すように、矢印方向に布送りを行って、図11(c)に示すように、再び布切りメス16を下降動作させることで、所定長さのボタン穴を形成するものである。 【0022】次に、制御方式について説明する。 「制御方式」以上のボタン穴かがりミシンは、図12に示した制御ブロック構成図に従って制御される。即ち、図示のように、CPU100には、バスを介して、ROM101、RAM102、Y送りカウンタ103、基線送りカウンタ104、針振り送りカウンタ105、布切りメスカウンタ106、糸切り送りカウンタ107、割込みコントローラ108、I/Oインターフェイス109が接続されている。なお、CPU100には、各種の制御部や演算手段、即ち、ミシン制御手段、ミシン駆動速度決定手段、基線及び針振り幅の変更量補正手段、縫い目形成順序指定手段、縫いデータ読み出し手段部、縫い開始指定手段、メス制御手段、メス下降時期決定手段を含むメス上下動時期決定手段、その上下動時期間隔判断手段、側縫い長さ変更手段、針落ち制御手段、パターン拡大・縮小基準点決定手段、各種駆動制御手段等が含まれている。 【0023】ROM101には、制御のためのプログラム及びデフォルトが格納されており、例えば、縫いモードを記憶する記憶部等が格納されている。RAM102には、制御のための各種変数等が格納されており、例えば、縫いデータ、基線・針振りデータ等が格納されている。Y送りカウンタ103、基線送りカウンタ104、針振り送りカウンタ105、布切りメスカウンタ106、糸切り送りカウンタ107は、各カウント値を書き込み、カウンタ起動コマンドを書き込むことで、カウント値に比例した時間経過後、1パルスのカウント信号を出力し、カウンタ停止コマンドを書き込むまでは、一定周期でカウンタ出力を繰り返すものである。割込みコントローラ108は、各割込み信号入力により各割込み信号に対応した割込み処理を自動的にCPU100が実行するためのものである。I/Oインターフェイス109は、CPU100が外部の入出力装置とのインターフェイスを取るものである。また、Y送りカウンタ103、基線送りカウンタ104、針振り送りカウンタ105、布切りメスカウンタ106、糸切り送りカウンタ107の各カウント出力は、割込みコントローラ108に接続されており、各カウンタのカウント出力で、各カウンタに対応した割込み処理が実行される。 【0024】そして、図12において、操作パネル110は、図13に示すように、表示部と各種キーにより構成され、オペレータが、縫製に必要な各種設定/操作を行うためのものである。Y送りパルスモータドライバ111は、Y送りカウンタ103のY送りカウンタ出力信号とI/Oインターフェイス109からのY送り方向+/−信号とにより、1回のカウンタ出力で1パルス分、Y送り方向の+/−に従いY送りパルスモータ(前記送りモータ)20を回転させる。基線送りパルスモータドライバ112は、基線送りカウンタ104の基線送りカウンタ出力信号とI/Oインターフェイス109からの基線送り方向+/−信号とにより、1回のカウンタ出力で1パルス分、基線送り方向の+/−に従い基線送りパルスモータ(前記基線モータ)40を回転させる。針振り送りパルスモータドライバ113は、針振り送りカウンタ105の針振りカウンタ出力信号とI/Oインターフェイス109からの針振り送り方向+/−信号とにより、1回のカウンタ出力で1パルス分、針振り送り方向の+/−に従い針振り送りパルスモータ(前記振り幅モータ)41を回転させる。 【0025】ミシンモータドライバ115は、I/Oインターフェイス109からのミシン起動/停止信号とミシンスピード信号とにより、ミシン起動時には所定回転数でミシンモータ5を回転させ、ミシン停止時には針上位置センサ116の検出に基づいて周知の定位置停止手段によりミシンモータ5を停止させる。針上位置センサ116は、前記針棒8の上位置を検出するものである。また、前記針上位置センサ116の上位置検知出力は針数カウント入力として使用される。そして、ミシンモータドライバ115は、ミシンが停止か回転中かの状態を、I/Oインターフェイス109にミシンステータス停止/回転中信号として出力し、また、針上位置センサ116からの信号を、割込みコントローラ108に針上位置割込み信号として出力する。さらに、ミシンモータドライバ115は、送り基準位置センサ117、TG(タコ・ジェネレータ)発生器118からの信号を、割込みコントローラ108に送り基準割り込み、TG割り込みとしてそれぞれ出力する。送り基準位置センサ117は、Y送りモータ/基線送りモータ/針振り送りモータ等の送り制御に使用されるものである。TG発生器118は、ミシンモータ1回転中に24分割の方形波を発生させるものである。なお、ミシンモータエンコーダ119からの信号がフィードバックされる。 【0026】押え上昇ソレノイド駆動回路121は、I/Oインターフェイス109からの押え下降/上昇信号により、押え上昇ソレノイド122を駆動するものである。布切りメス下降シリンダ駆動回路123は、I/Oインターフェイス109からの布切り上昇/下降信号により、布切りメス下降シリンダ(前記布切りメス用エアーシリンダユニット)30を駆動するものである。Y送り原点センサは、Y送りパルスモータ20の原点位置を検出するためのもので、前記送り原点検出センサ26である。基線送り原点センサは、基線送りパルスモータ40の原点位置を検出するためのもので、前記基線原点検出センサ57である。針振り送り原点センサは、針振り送りパルスモータ41の原点位置を検出するためのもので、前記振り幅原点検出センサ58である。押えスイッチ124は、オペレータが、ワークをセット時、前記布押え15を上昇/下降させるための操作スイッチで、ミシンペダルの踏み込み動作に関連するものである。スタートスイッチ125は、オペレータが、ワークをセット時、縫製を開始させるための操作スイッチで、ミシンペダルの踏み込み動作に関連するものである。 【0027】また、針振り左右検知スイッチは、前記針振り左右位置検出センサ59である。針振り位置指示スイッチは、後述する針振り位置操作手段としての針位置設定キー148である。メス上下検知スイッチは、前記布切りメス上下位置検出センサ34a,34bである。そして、操作パネル110は、図13に示すように、各種キー及び表示部を備えている。即ち、縫製キー131と、この縫製キー131が押されて縫製モードであることを点灯により表示するLED表示部132と、選択キー133と、この選択キー133が押される度に順次点灯してパターンNo.、パラメータNo.、スピードの各設定モードを表示するLED表示部134,135,136と、針振り位置の左端、中央、右端の各設定モードを表示するLED表示部137,138,139とを備えている。さらに、2桁のLED7セグメントによるパターン表示部141及び4桁のLED7セグメントによるパラメータ表示部142による数値表示部140と、この数値表示部140の数値の±1ずつの増減を行うマイナスキー143及びプラスキー144と、数値表示部140の数値の所定単位毎の増減を行うダウンキー145及びアップキー146と、セットキー147と、針振り位置操作手段としての針位置設定キー148とを備えている。この針位置設定キー148が押される度に、針振り位置の左端、中央、右端の各設定モードを表示するLED表示部137,138,139が順次点灯する。なお、以上のような各種キーを備えていることから操作パネル110は、ボタン穴・メス刃長さ設定手段、ボタン穴形成幅方向位置設定手段、閂止め縫い部とボタン穴端部との間隔設定手段、パターン拡大・縮小設定手段、針数・ピッチ一定選択手段、針振り位置操作手段等としての機能も具備している。 【0028】次に、図12に示した制御ブロックに基づいて制御を行うゼネラルフローを示した図14に従って具体的な制御について説明する。以下の制御は、前述したように、各種の制御部(ミシン制御手段、ミシン駆動速度決定手段、基線及び針振り幅の変更量補正手段、縫い目形成順序指定手段、縫いデータ読み出し手段、縫い開始位置を設定するための開始指定手段、メス制御手段、メス下降時期決定手段を含むメス上下動時期決定手段、その上下動時期間隔判断手段、側縫い長さ変更手段、針落ち制御手段、パターン拡大・縮小基準点決定手段、各種駆動制御手段等)や演算手段が含まれているCPU100と、例えば、縫いモードを記憶する記憶部等を含む制御のためのプログラム及びデフォルトが格納されているROM101と、例えば、縫いデータ、基線・針振りデータ等を含む制御のための各種変数等が格納されているRAM102との信号の授受をもって行われる。また、CPU100は、前述したように、ボタン穴・メス刃長さ設定手段、ボタン穴形成幅方向位置設定手段、閂止め縫い部とボタン穴端部との間隔設定手段、パターン拡大・縮小設定手段、針数・ピッチ一定選択手段等としての機能も具備している操作パネル110からの信号入力によって所定の制御を行う。 【0029】図14のゼネラルフローに示すように、電源オンにより最初は、ステップS1で、操作パネル設定処理を呼び出し、操作パネル110による各種の設定処理が行われる。この操作パネル110による各種の設定操作は、次のステップS2での縫製キー131のオンまで行われ、縫製キー131のオン後は、次のステップS3で、縫製データ作成処理を呼び出し、縫製データが作成される。なお、前記ステップS2において、縫製キー131がオンでなければ、前記ステップS1へ戻る。縫製データ作成後は、次のステップS4で、布押え15の下降出力を行い、続いて、次のステップS5で、機械原点検索処理を呼び出し、Y送りパルスモータ20/基線送りパルスモータ40/針振り送りパルスモータ41の機械原点検索を行う。続いて、次のステップS6で、縫い始め移動を呼び出し、Y送りパルスモータ20/基線送りパルスモータ40/針振り送りパルスモータ41を縫い始め位置まで駆動した後、次のステップS7で、布押え15の上昇出力を行って、次のステップS8に進む。 【0030】ステップS8では、縫製キー131のチェックを行い、縫製キー131のオン時は、前記ステップS1へ戻って、操作パネル設定処理が再度行われ、また、縫製キー131がオンでなければ、次のステップS9に進む。ステップS9では、押えスイッチ124のチェックを行い、押えスイッチ124のオン時は、次のステップS10に進み、また、押えスイッチ124がオンでなければ、前記ステップS8へ戻る。ステップS10では、布押え15が上昇中であるか否かが判断され、上昇中であれば、次のステップS11で、布押え15の下降出力を行い、また、上昇中でなければ、ステップS12で、布押え15の上昇出力を行って、前記ステップS8へ戻る。布押え下降出力後は、次のステップS13で、押えスイッチ124のチェックを行い、押えスイッチ124のオン時は、前記ステップS12で、布押え15の上昇出力を行って、前記ステップS8へ戻り、また、押えスイッチ124がオンでなければ、次のステップS14に進む。ステップS14では、スタートスイッチ125のチェックを行い、スタートスイッチ125のオン時は、次のステップS15に進み、また、スタートスイッチ125がオンでなければ、前記ステップS13へ戻る。そして、ステップS15では、縫製処理を呼び出し、縫製が開始される。縫製終了後は、次のステップS16で、布押え15の上昇出力が行われ、前記ステップS8へ戻る。 【0031】次に、以上のゼネラルフローにおける操作パネル設定処理(ステップS1)、縫製データ作成(ステップS3)、機械原点検索(ステップS5)、縫製(ステップS15)の各処理について順次詳細に説明する。図15は操作パネル設定処理(ステップS1)のサブルーチンを示したもので、先ず、ステップS101で、選択キー133のチェックを行い、選択キー133のオン時は、次のステップS102で、選択番号に1をインクリメントして、次のステップS103に進み、また、選択キー133がオンでなければ、そのままステップS105へ進む。ステップS103では、選択番号のチェックを行い、選択番号が最大番号「2」を越える時は、次のステップS104で、選択番号に「0」をセットして戻してから、次のステップS105に進み、また、選択番号が最大番号「2」以下であれば、そのままステップS105に進む。ステップS105では、選択番号が「0」であるか否かが判断され、「0」であれば、ステップS106に進んで、パターン変更処理を行った後、ゼネラルフロー(図14)の前記ステップS2に進み、また、「0」でなければ、ステップS107に進む。 【0032】ステップS107では、選択番号が「1」であるか否かが判断され、「1」であれば、ステップS108に進んで、パラメータ変更処理を行った後、ゼネラルフロー(図14)の前記ステップS2に進み、また、「1」でなければ、ステップS109に進む。ステップS109では、選択番号が「2」であるか否かが判断され、「2」であれば、ステップS110に進んで、スピード変更処理を行った後、ゼネラルフロー(図14)の前記ステップS2に進み、また、「2」でなければ、ステップS111に進む。そして、ステップS111において、針振り位置の選択処理を行った後に、ゼネラルフロー(図14)の前記ステップS2に進む。 【0033】次に、以上の操作パネル設定処理(ステップS1)におけるパラメータ変更処理(ステップS108)、針振り位置選択処理(ステップS111)の各処理について順次詳細に説明する。ここで、各処理の説明に先立って、図16に示した設定項目図表及び図17に示した諸元について説明する。図16に示した設定項目図表は、予め諸パラメータが設定済みのパターン番号「1」〜「6」が設けられるとともに、必要に応じてパターンから変更設定するためのパラメータ番号「1」〜「19」に対応した設定項目「布切り長さ」「メス幅」「閂止め長さ」「閂止め幅」「平行部ピッチ」「閂止め部ピッチ」「布切りメス−第1閂止め間 スキマ長さ」「布切りメス−第2閂止め間 スキマ長さ」「メス落ち左右位置」「平行部張力」「閂止め部張力」「縫い始め張力」「縫い終わり張力」「布切りメスサイズ」「押えサイズ」「拡大・縮小率」「拡大・縮小時針数一定」「メス落ちタイミング補正針数」「メス駆動時スピード」が設けられ、前記RAM102に記憶されている。各パターン番号には、前記ROM101に記憶されたデフォルトが格納される。そして、各パラメータ番号及び設定項目に対応して設定範囲とその単位が設けられている。また、図17に示した諸元の通り、ボタン穴かがりに関しては、布切り長さa、メス幅b、閂止め長さc、閂止め幅d、平行部ピッチe、閂止め部ピッチf、メス−第1閂止めスキマg、メス−第2閂止めスキマhを設定して行う。なお、前記RAM102には、各パラメータを設定してパターン番号を登録設定してあり、そのパターン番号に対応して、また、必要に応じてパラメータを変更して使用される。 【0034】図18はパラメータ変更処理(ステップS108)のサブルーチンを示したもので、先ず、ステップS1081で、プラスキー144のチェックを行い、プラスキー144のオン時は、次のステップS1082で、パラメータ番号に1をインクリメントして、次のステップS1083に進み、また、プラスキー144がオンでなければ、そのままステップS1085へ進む。ステップS1083では、パターン番号のチェックを行い、パラメータ番号が最大番号「19」を越える時は、次のステップS1084で、パラメータ番号に「1」をセットしてから、次のステップS1085に進み、また、パラメータ番号が最大番号「19」以下であれば、そのままステップS1085に進む。ステップS1085では、マイナスキー143のチェックを行い、マイナスキー143のオン時は、次のステップS1086で、パラメータ番号に1をデクリメントして、次のステップS1087に進み、また、マイナスキー143がオンでなければ、そのままステップS1089に進む。ステップS1087では、パラメータ番号のチェックを行い、パラメータ番号が最小番号「1」未満の時は、次のステップS1088で、パラメータ番号に最大番号「19」をセットしてから、次のステップS1089に進み、また、パラメータ番号が最小番号「1」未満でなければ、そのままステップS1089に進む。そして、ステップS1089において、パラメータ番号に対応する所望のデータ変更処理を、ダウンキー145またはアップキー146の操作により行ってから、ゼネラルフロー(図14)の前記ステップS2に進む。 【0035】図19は針振り位置選択処理(ステップS111)のサブルーチンを示したもので、先ず、ステップS1111で、針振り位置選択(指示)スイッチ148のチェックを行い、針振り位置選択(指示)スイッチ148のオン時は、次のステップS1112で、針振り位置番号に1をインクリメントして、次のステップS1113に進み、また、針振り位置選択(指示)スイッチ148がオンでなければ、ゼネラルフロー(図14)の前記ステップS2に進む。ステップS1113では、針振り位置番号のチェックを行い、針振り位置番号が「3」であれば、次のステップS1114で針振り位置番号に「0」をセットしてから、次のステップS1115に進み、また、針振り位置番号が「3」でなければ、そのままステップS1115に進む。 【0036】ステップS1115では、針振り位置番号が「0」であるか否かを判断し、「0」であれば、ステップS1116に進んで、左側移動制御処理を行った後、ゼネラルフロー(図14)の前記ステップS2に進み、また、「0」でなければ、ステップS1117に進む。ステップS1117では、針振り位置番号が「1」であるか否かを判断し、「1」であれば、ステップS1118に進んで、中央移動制御処理を行った後、ゼネラルフロー(図14)の前記ステップS2に進み、また、「1」でなければ、ステップS1119に進む。ステップS1119では、針振り位置番号が「2」であるか否かを判断し、「2」であれば、ステップS1120に進んで、右側移動制御処理を行った後、ゼネラルフロー(図14)の前記ステップS2に進み、また、「2」でなければ、そのまま前記ステップS2に進む。 【0037】次に、以上の針振り位置選択処理(ステップS111)における左側移動制御処理(ステップS1116)、右側移動制御処理(ステップS1118)、中央移動制御処理(ステップS1120)の各処理について順次詳細に説明する。図20は左側移動制御処理(ステップS1116)のサブルーチンを示したもので、先ず、ステップS11161で、セットキー147のチェックを行い、セットキー147のオン時は、次のステップS11162に進み、また、セットキー147がオンでなければ、そのままゼネラルフロー(図14)の前記ステップS2に進む。ステップS11162では、振り幅パルスモータ(針振り送りパルスモータ)41の出力は0であるか否かを判断し、0であれば、ステップS11164に進み、また、0でなければ、次のステップS11163で、針振り送りパルスモータドライバ114により振り幅パルスモータ(針振り送りパルスモータ)41を0位置まで駆動してから、次のステップS11164に進む。そして、ステップS11164において、基線送りパルスモータ40の出力は左側最大値であるか否かを判断し、左側最大値でなければ、次のステップS11165で、左側最大となるように基線送りパルスモータドライバ112により基線送りパルスモータ40を駆動してから、ゼネラルフロー(図14)の前記ステップS2に進み、また、左側最大値であれば、そのまま前記ステップS2に進む。 【0038】図21は中央移動制御処理(ステップS1118)のサブルーチンを示したもので、これにより、前記釜12の剣先12aと前記針9の針心との位置を合わせられる。即ち、図23(a)及び(b)に示すように、布切りメス16の前方に位置する針9を針板50の針穴50a中央(メス溝50bの延長線上)に移動して、図23(c)に示すように、針9が釜12の軸心に一致するような針振り位置にするために制御する。そして、図23(c)から図23(d)に示すように、針棒8を停止位置より下降させ、最下点を通過し、若干上昇させた位置(釜合わせタイミング位置)に停止させる。この位置にて釜合わせを行う。この中央移動制御処理においては、図21に示すように、先ず、ステップS11181で、セットキー147のチェックを行い、セットキー147のオン時は、次のステップS11182に進み、また、セットキー147がオンでなければ、そのままゼネラルフロー(図14)の前記ステップS2に進む。ステップS11182では、基線送りパルスモータ40の出力は0であるか否かを判断し、0でなければ、次のステップS11183で、0位置まで基線送りパルスモータドライバ112により基線送りパルスモータ40を駆動し、また、0であれば、そのままステップS11184に進む。 【0039】そして、ステップS11184において、振り幅パルスモータ(針振り送りパルスモータ)41の出力は0であるか否かを判断し、0であれば、そのままゼネラルフロー(図14)の前記ステップS2に進み、また、0でなければ、次のステップS11185で、針振り送りパルスモータドライバ114により振り幅パルスモータ(針振り送りパルスモータ)41を0位置まで駆動してから前記ステップS2に進む。以上により、セットキー147の操作により針は釜12の軸心に対応する針振り位置(針振り範囲の中央)に針振りされ、その後、針心と釜剣先とを調整することにより、釜合わせが行える。なお、後述する他の制御方式において説明するように、主軸の回転位相を検出してミシンの駆動モータの停止制御をすることにより、針振り制御に継続して針の上下動位置制御も自動的に行うことができる。 【0040】図22は右側移動制御処理(ステップS1120)のサブルーチンを示したもので、ここでは、糸通しの際、図24(a)に示すように、針9とその後ろ側の布切りメス16の位置が接近しているため、図24(b)に示すように、垂直状態の布切りメス16に対し右側に針9を最大に振った状態にして、針穴9aへの糸通しを容易に行わせるための制御として好適なものである。この右側移動制御処理においては、図22に示すように、先ず、ステップS11201で、セットキー147のチェックを行い、セットキー147のオン時は、次のステップS11202に進み、また、セットキー147がオンでなければ、そのままゼネラルフロー(図14)の前記ステップS2に進む。ステップS11202では、基線送りパルスモータ40の出力は右側最大値であるか否かを判断し、右側最大値でなければ、次のステップS11203で、右側最大となるように基線送りパルスモータドライバ112により基線送りパルスモータ40を駆動してからステップS11204に進み、また、右側最大値であれば、そのままステップS11204に進む。 【0041】そして、ステップS11204において、振り幅パルスモータ(針振り送りパルスモータ)41の出力は0であるか、即ち、前記基線上に位置するか否かを判断し、0であれば、そのままゼネラルフロー(図14)の前記ステップS2に進み、また、0でなければ、次のステップS11205で、0位置まで針振り送りパルスモータドライバ114により振り幅パルスモータ(針振り送りパルスモータ)41を駆動してから前記ステップS2に進む。以上により、作業者がパネル上のセットキー147を操作することにより、図24(b)に示したように、垂直状態の布切りメス16に対し右側に針9を最大に振って針穴9aが布切りメス16よりも右にずらした状態にして、針穴9aへの糸通しを容易に行えるものとなり、また、図25に示したように、布切りメス16に対し左側に針落ちした最終針の場合にも、同様に布切りメス16に対し右側に針9を最大に振った状態にして、針穴9aへの糸通しを容易に行えるものとなる。 【0042】以上の通り、左端、中央、右端の何れかの位置に針9を振らせた停止状態が得られるので、釜合わせあるいは糸通し等の作業が容易に行えるものとなる。即ち、釜合わせ時には、先ず、針9を中央に停止させて、釜剣先12a釜9のタイミング調整と隙間合わせ調整を行ってから、針9を最右端に停止させて、釜剣先12aと針9の隙間当たりチェックを行い、また、針9を最左端に停止させて、同様に釜剣先12aと針9の隙間当たりチェックを行うことができる。なお、布保持腕24及び布押え15の位置と布切りメス16との関係にもよるが、実施の形態例では、針9を最右端に停止させることによって、布保持腕24及び布押え15や布切りメス16と干渉するを回避して、針9に糸を通すための糸通しモードとして使用できる。また、布押え15の交換も容易に行える。さらに、針9を中央停止とすることによって、針9の位置をチェックでき、針板50の針穴50aとの当たり干渉チェックを行うことができる。 【0043】図26は針振り位置選択処理(ステップS111)の変更例に係るサブルーチンを示したもので、前記針振り位置操作手段として、前記針位置設定キー148に代えて、左側移動スイッチ、中央移動スイッチ、右側移動スイッチを設けておく。そして、この変更例の針振り位置選択処理においては、図26に示すように、先ず、ステップS11111で、左側移動スイッチがオンか否かを判断し、オンであれば、ステップS1116で、前述した左側移動制御処理を行ってからゼネラルフロー(図14)の前記ステップS2に進み、また、オンでなければ、次のステップS11112に進む。ステップS11112では、中央移動スイッチがオンか否かを判断し、オンであれば、ステップS1118で、前述した中央移動制御処理を行ってから前記ステップS2に進み、また、オンでなければ、次のステップS11113に進む。そして、ステップS11113では、右側移動スイッチがオンか否かを判断し、オンであれば、ステップS1120で、前述した右側移動制御処理を行ってから前記ステップS2に進み、また、オンでなければ、そのまま前記ステップS2に進む。このような針振り位置選択処理であっても勿論良い。なお、針振り位置をさらに細分化して4箇所以上としても良い。 【0044】図27は縫製データ作成(ステップS3)のサブルーチンを示したもので、先ず、ステップS31で、拡大・縮小処理を行い、続いて、次のステップS32で、布押え15と布切りメス16のサイズチェックを行い、続いて、次のステップS33で、サイズエラーをチェックする。そして、布押え15及び布切りメス16の関係がサイズエラーであれば、そのままステップS34に進んで、エラー表示を行ってから、ゼネラルフロー(図14)の前記ステップS4に進み、また、布押え15及び布切りメス16の関係がサイズエラーでなければ、ステップS35に進む。ステップS35では、パターン演算を行い、続いて、ステップS36で、メス駆動タイミング演算を行ってから、ゼネラルフロー(図14)の前記ステップS4に進む。 【0045】次に、以上の縫製データ作成(ステップS3)におけるパターン演算(ステップS35)の処理について詳細に説明する。図28は拡大・縮小処理(ステップS31)のサブルーチンを示したもので、ここでは、ボタン穴かがり縫製の拡大・縮小を行うため、図29(a)に示したように、その拡大・縮小の基準点Pを、布切りメス16の前端部として、図29(b)に示すように、平行部ピッチe及び閂止め部ピッチf、または/及び、布切り長さa、メス幅b、閂止め長さc及び閂止め幅dの各設定値を、拡大・縮小する制御を行う。この縫製データ作成においては、図28に示すように、先ず、ステップS311で、αに拡大・縮小率をセットしてから、次のステップS312で、針数一定か否かを判断し、針数一定ならば、ステップS313に進み、また、針数一定でなければ、ステップS314に進む。ステップS313では、「平行部ピッチe」、「閂止め部ピッチf」の設定値として、図16の図表における平行部ピッチ×α、閂止め部ピッチ×αをそれぞれセットしてから、次のステップS314に進む。そして、ステップS314において、「布切り長さ」、「メス幅」、「閂止め長さ」、「閂止め幅」の各設定値として、図16の図表における布切り長さ×α、メス幅×α、閂止め長さ×α、閂止め幅×α、メス-第一閂止め長さg×α、メス−第二閂止め長さh×αをそれぞれセットした後、図27のフローの前記ステップS32に進む。 【0046】図30はパターン演算(ステップS35)のサブルーチンを示したもので、先ず、ステップS351で、縫い始め位置の演算を行い、続いて、次のステップS352で、左平行部の演算を行い、続いて、次のステップS353で、第1閂止め部の演算を行う。そして、次のステップS354で、右平行部の演算を行い、続いて、次のステップS355で、第2閂止め部の演算を行って、次のステップS356で、縫い終わりの演算を行った後、図27のフローの前記ステップS36に進む。 【0047】次に、以上のパターン演算(ステップS35)における縫い始め位置演算(ステップS351)、左平行部演算(ステップS352)、第1閂止め部演算(ステップS353)、右平行部演算(ステップS354)、第2閂止め部演算(ステップS355)、縫い終わり演算(ステップS356)の各処理について順次詳細に説明する。ここで、各演算処理の説明に先立って、縫製順序及び各諸元について説明する。図31は縫製順序を示したもので、図31■は機械原点から縫い始め位置への移動、図31■はそれに引き続く左平行部の縫製、図31■は第1閂止め部の縫製半ばまで、図31■は第1閂止め部の縫製終了、図31■は右平行部の縫製開始、図31■は右平行部の縫製、図31■は第2閂止め部の縫製開始、図31■は第2閂止め部の縫製半ばまで、図31■は縫い終わり(第2閂止め部の縫製終了)をそれぞれ示している。なお、機械原点への移動は、縫製モードに切り替わったときのみ行われる。そして、図32は縫製データ演算結果を表した図表であり、後述する図33、及び図35乃至図39に示される演算により求められる。この図表において、Nは繰り返し回数(針数)、YはY送り、Kは基線、Hは振り幅、Tは糸張力値をそれぞれ示しており、それぞれの添え字は、図31に示した縫製順序(データポインタ)■、■、■、■、■、■、■、■、■に各々対応している。なお、以下の演算においては、図17に示した諸元に基づく寸法(布切り長さa、メス幅b、閂止め長さc、閂止め幅d、平行部ピッチe、閂止め部ピッチf、メス−第1閂止めスキマg、メス−第2閂止めスキマh)が用いられる。以上の縫製データ演算結果は前記RAM102に格納される。 【0048】図33は縫い始め位置演算(ステップS351)のサブルーチンを示したもので、先ず、ステップS3511で、Y1=c/2を演算し、続いて、次のステップS3512で、K1=b/2を演算し、続いて、次のステップS3513で、H1=(d−b)/2を演算し、続いて、次のステップS3514で、T1=「縫い始め張力」をセットする。そして、次のステップS3515で、「メス落ち左右位置」のパネル設定値は0かを判断し、0であれば、図30のフローの前記ステップS352に進み、また、0でなければ、次のステップS3516で、K1=K1+「メス落ち左右位置」をセットした後、前記ステップS352に進む。このような「メス落ち左右位置」の設定値に基づく縫い始め位置(K1)の設定により、「メス落ち位置」を中心としたメス幅位置調整機能を持たせて、図34に示されるように、縫目形状の左右方向中心位置がメス落ち位置となるようにする。 【0049】図35は左平行部演算(ステップS352)のサブルーチンを示したもので、先ず、ステップS3521で、Y2=eをセットし、続いて、次のステップS3522で、N2={a+h+g+(c/2)}÷eを演算する。この演算式において、aを変えずにhとgとを変更することにより、閂止め縫い部とボタン穴端部のと間隔を補正できる。そして、次のステップS3523で、K2=0をセットし、続いて、次のステップS3524で、H2=0をセットし、続いて、次のステップS3525で、T2=「平行部張力」をセットした後、図30のフローの前記ステップS353に進む。 【0050】図36は第1閂止め部演算(ステップS353)のサブルーチンを示したもので、先ず、ステップS3531で、Y3=fをセットし、続いて、次のステップS3532で、N3=c÷fを演算し、続いて、次のステップS3533で、K3={(b+d)/2}÷N3を演算し、続いて、次のステップS3534で、H3={(d+b)/2}÷N3を演算する。続いて、次のステップS3535で、T3=「閂止め部張力」をセットしてから、次のステップS3536で、Y4=fをセットし、続いて、次のステップS3537で、N4=c÷fを演算する。そして、次のステップS3538で、K4=0をセットし、続いて、次のステップS3539で、H4=0をセットし、続いて、次のステップS3540で、T4=「閂止め部張力」をセットした後、図30のフローの前記ステップS354に進む。 【0051】図37は右平行部演算(ステップS354)のサブルーチンを示したもので、先ず、ステップS3541で、N5=1をセットし、続いて、次のステップS3542で、Y5=0をセットし、続いて、次のステップS3543で、K5=0をセットする。続いて、次のステップS3544で、H5=(d+b)/2を演算し、続いて、次のステップS3545で、T5=「平行部張力」をセットする。そして、次のステップS3546で、Y6=eをセットし、続いて、次のステップS3547で、N6=(a+h+g)÷eを演算する。続いて、次のステップS3548で、K6=0をセットし、続いて、次のステップS3549で、H6=0をセットし、続いて、次のステップS3550で、T6=「平行部張力」をセットした後、図30のフローの前記ステップS355に進む。 【0052】図38は第2閂止め部演算(ステップS355)のサブルーチンを示したもので、先ず、ステップS3551で、N7=1をセットし、続いて、次のステップS3552で、Y7=0をセットし、続いて、次のステップS3553で、K7=0をセットする。続いて、次のステップS3554で、H7=(d+b)/2を演算し、続いて、次のステップS3555で、T7=「閂止め部張力」をセットする。そして、次のステップS3556で、Y8=fをセットし、続いて、次のステップS3557で、N8=c÷fを演算する。続いて、次のステップS3558で、K8=0をセットし、続いて、次のステップS3559で、H8=0をセットし、続いて、次のステップS3560で、T8=「閂止め部張力」をセットした後、図30のフローの前記ステップS356に進む。 【0053】図39は縫い終わり演算(ステップS356)のサブルーチンを示したもので、先ず、ステップS3561で、Y9=fをセットし、続いて、次のステップS3562で、N9=(c/2)÷fを演算し、続いて、次のステップS3563で、K9=(b+d)/2÷N9を演算する。そして、次のステップS3564で、H9=(d+b)/2÷N9を演算し、続いて、次のステップS3565で、T9=「縫い終わり張力」をセットし、続いて、次のステップS3566で、総針数N=9Σn=2Nnを演算した後、図27のフローの前記ステップS36に進む。 【0054】次に、図40は機械原点検索(ステップS5)のサブルーチンを示したもので、先ず、ステップS51で、Y送りパルスモータ20を、Y送り原点センサ26をチェックしながら駆動して、Y送りパルスモータ20の原点位置の検索を行う。Y送りパルスモータ20の原点検索後、次のステップS52で、Y送り位置に0をセットする。続いて、次のステップS53で、基線送りパルスモータ40を、基線送り原点センサ57をチェックしながら駆動して、基線送りパルスモータ40の原点位置の検索を行った後、次のステップS54で、基線送り位置に0をセットする。そして、次のステップS55で、針振り送りパルスモータ41を、針振り原点センサ58をチェックしながら駆動して、針振り送りパルスモータ41の原点位置の検索を行ってから、次のステップS56で、針振り位置に0をセットした後、ゼネラルフロー(図14)の前記ステップS6に進む。 【0055】次に、図41は縫製(ステップS15)のサブルーチンを示したもので、先ず、ステップS151で、残り針数として総針数がセットされ、続いて、次のステップS152で、針振り左右検知センサ59をチェックしながら現在の針振り位置は右側(基線側)か否かを判断し、右側であれば、次のステップS153で、ミシン起動出力を行ってから、次のステップS155に進む。また、現在の針振り位置が右側でなければ、ステップS154に進んで、ミシン起動出力を行ってから、次のステップS156に進む。ステップS155では、ミシンモータエンコーダ119からのパルスにより、ミシンステータスは回転中か否かを判断し、回転中であれば、次のステップS158に進み、また、回転中でなければ、ステップS155へ戻る。また、ステップS156でも、ミシンモータエンコーダ119からのパルスにより、ミシンステータスは回転中か否かを判断し、回転中であれば、次のステップS157に進み、また、回転中でなければ、ステップS156へ戻る。続いて、ステップS157では、針上位置センサ116をチェックしながら割込みコントローラ108に針上位置割込要求有りか否かを判断し、有りであれば、次のステップS158に進み、また、針上位置割込要求がなければ、ステップS157へ戻る。 【0056】そして、ステップS158において、ミシンモータエンコーダ119からのパルスにより、ミシンステータスは回転か否かを判断し、回転であれば、次のステップS159に進み、また、回転でなければ、ゼネラルフロー(図14)の前記ステップS16に進む。ステップS159では、TG発生器118をチェックしながら割込みコントローラ108にTG割込要求有りか否かを判断し、有りであれば、ステップS160で、TG割込み処理を行ってから、次のステップS161に進み、また、TG割込要求がなければ、そのままステップS161に進む。ステップS161では、割込みコントローラ108に針上位置割込要求有りか否かを判断し、有りであれば、ステップS162で針上位置割込み処理を行ってから、次のステップS163に進み、また、針上位置割込要求がなければ、そのままステップS163に進む。ステップS163では、送り基準位置センサ117をチェックしながら割込みコントローラ108に送り基準割込要求有りか否かを判断し、有りであれば、ステップS164で、送り基準割込み処理を行ってから、次のステップS165に進み、また、送り基準割込要求がなければ、そのままステップS165に進む。続いて、ステップS165において、布切りメスカウンタ割込み処理を行ってから、前記ステップS158へ戻る。 【0057】次に、図42は送り基準割込み処理(ステップS164)のサブルーチンを示したもので、先ず、ステップS1641で、Y送りパルスモータ20の回転方向の設定を行ってから、次のステップS1642で、Y送りパルスモータ20のパルス数の設定を行う。続いて、次のステップS1643で、基線送りパルスモータ40の回転方向の設定を行ってから、次のステップS1644で、基線送りパルスモータ40のパルス数の設定を行う。続いて、次のステップS1645で、針振り送りパルスモータ41の回転方向の設定を行ってから、次のステップS1646で、針振り送りパルスモータ41のパルス数の設定を行う。そして、次のステップS1648で、繰り返し回数から1をデクリメントする。続いて、次のステップS1649で、繰り返し回数が0であるか否かをチェックし、0であれば、次のステップS1700で、データポインタに1をインクリメントしてから、次のステップS1701で、データポインタに対する繰り返し回数をセットした後、図41のフローの前記ステップS165に進む。なお、前記ステップS1649において、繰り返し回数が0でなければ、そのまま前記ステップS165に進む。 【0058】以上のような制御方式を持つ本実施の形態例のボタン穴かがりミシンにおいて、図31に示した縫製順序(データポインタ)■乃至■のボタン穴かがり縫いに基づいて説明すると、作業者が操作パネル110上での各数値設定を行った後、ステップS6による縫い始め移動により図31の縫い始め位置の点P1に位置して、布押え15を下降した状態で停止している。作業者によりスタートスイッチが操作されるとステップS15による「縫製」が始まる。この縫製サブルーチンにより、データポインタ■に対応する左側縫い(左平行部)が開始され、TG割り込み処理S160によるタイミングで送り基準割り込み処理S164による各パルス設定に基づく各パルスモータの動作が行われ、同送り基準割り込み処理における繰り返し回数が0の判別(ステップS1649)が有ったとき、即ち針数(縫目数)が所定値に達したとき、データポインタを■とし(ステップS1700)、同様にTG割り込み処理、送り割り込み処理により縫目を形成する。以下同様にしてデータポインタ■、■を行い第1閂止縫いを形成する。データポインタ■のとき、即ち右側縫い(右平行部縫い)中に、針上位置割り込み処理(ステップS161)のメス駆動処理ルーチンにおいて、針数カウント値に応じて、カウント値が演算設定値Mnとなったときに布切りメス下降サブルーチンの処理により布切りメス16が下降される。この時ステップS16261のRの設定値(予め設定されている)により布切りメス16が下降する数針前或いは下降するときにミシンスピードを前記メス駆動スピードに減速させる。そしてこの動作は、前記演算された数値nによる回数繰り返される(S16265)。またこの布切りメスの下降の繰り返し間隔が判別され、その判別結果に応じてミシンスピードが設定される(ステップS16251乃至S16260)。データポインタ■における針上位置割込処理において、P9即ち縫い始め位置P1において残針数が0となると、即ちボタン穴かがり縫いが完了すると、ミシン停止出力が出されて従来周知の定位置停止手段によりミシンを針上位置に停止させる。 【0059】次に、中央移動制御処理の他の実施の形態例として、図43は図21の中央移動制御処理(ステップS1118)のステップS11185の後に、ミシン主軸角度合わせ(ステップS11186)、モータ電源OFF(ステップS11187)、セットキーONか否かの判断(ステップS11188)、モータ電源ON(ステップS11189)の処理を順に行うようにしたものである。即ち、ステップS11185において、針振り送りパルスモータドライバ114により振り幅パルスモータ(針振り送りパルスモータ)41を駆動してから、次のステップS11186で、ミシン主軸角度合わせを行い、続くステップS11187で、モータ電源をオフし、この後に作業者は釜合わせ作業を行う。その後、次のステップS11188で、セットキー147のチェックを行い、セットキー147のオン時は、次のステップS11189に進み、また、セットキー147がオンでなければ、再びステップS11188へ戻る。ステップS11189では、電源リレーをオンにした後、ゼネラルフロー(図14)の前記ステップS2に進む。 【0060】<他の実施の形態例>なお、図44の例に示したように、ステップS11185において、針振り送りパルスモータドライバ114により振り幅パルスモータ(針振り送りパルスモータ)41を駆動してから、次のステップS11186で、ミシン主軸角度合わせを行い、続くステップS11190で、主電源をオフにし、作業者が釜合わせ作業を行なう。 【0061】図45はミシン主軸角度合わせ(ステップS11186)のサブルーチンを示したもので、先ず、ステップS111861で、ミシン起動を出力し、続くステップS111862で、針上位置検知をチェックし、針上位置検知はずれであれば、次のステップS111863に進み、また、針上位置検知はずれでない場合は、再びステップS111862へ戻る。ステップS111863では、TGカウントに0をセットして、続くステップS111864で、TG割込要求有りかをチェックし、有りであれば、次のステップS111865で、TGカウントに1をインクリメントして、次のステップS111866に進み、また、TG割込要求無しであれば、再びステップS111864へ戻る。ステップS111866では、TGカウントをチェックし、そのTGカウントがP2(釜合わせ主軸角度)でなければ、再びステップS111864へ戻り、また、TGカウントがP2(釜合わせ主軸角度)であれば、次のステップS111867に進んで、ミシン停止を出力した後、図43または図44のフローの前記ステップS11187または前記ステップS11190に進む。 【0062】なお、図46の例はミシン主軸に釜合わせ位置を検出するセンサ等を設けることで釜合わせ位置にミシンを停止させるようにしたもので、先ず、ステップS111861で、ミシン起動を出力し、続くステップS111868で、釜合わせ位置センサをチェックし、オンであれば、次のステップS111869に進み、また、オンでない場合は、再びステップS111868へ戻る。ステップS111869では、ミシン停止を出力した後、図43または図44のフローの前記ステップS11187または前記ステップS11190に進む。ここで、ステップS111869でのミシン停止の出力は、主軸に設けた位置検出手段からの信号で停止するように、定位置停止動作により行われる。以上、中心針落ち位置への停止について説明したが、左右対置への停止についても同様の処理に基づいて行われる。 【0063】なお、以上の実施の各形態例においては、ボタン穴かがりミシンとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の針振りミシンであっても良い。また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。例えば、針上位置検知に代えて針下位置検知或いは他の位相検知でもよい。さらに、本実施の形態例のおいては、各パラメータを演算設定してメス駆動タイミング或いはボタン穴形状の各寸法等を設定するものを示したが、予めプログラム設定され記憶されたデータを選択的に読み出すものにおいて実施しても同様の効果が得られる。また、一旦演算設定されたものを記憶しておき、これを選択的に読み出すようにしてもよい。さらに、ミシンの上下軸を別個のモータにより各別に回転制御させるようにしたものでもよい。 【0064】 【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明に係る針振りミシンによれば、必要に応じて少なくとも三点の左端、中央、右端の何れかの位置に針を振らせた停止状態が得られるため、釜合わせあるいは糸通し等の作業を容易に行うことができる。 【0065】また、請求項2記載の発明に係る針振りミシンによれば、左端、中央、右端の針振り位置のうち指定した針振り位置に針を振らせた停止状態が得られるため、釜合わせあるいは糸通し等の作業を容易に行うことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003399 【氏名又は名称】ジューキ株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)8月13日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】荒船 博司 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−57255 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)3月2日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−218665 |
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