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【発明の名称】 ゴム紐とその製造方法並びに衣服
【発明者】 【氏名】水越 賢治
【課題】耐熱性、耐久性の高いゴム紐とその製造方法並びにそのゴム紐を用いた衣服を提供すること。

【解決手段】細い糸ゴム12と細い織糸14,16で織られ、長手方向に伸縮性を有する帯状のゴム紐10で、糸ゴム12がシリコンゴムまたはフッ素ゴム製である。糸ゴム12は、直径0.5mm以上2.0mm以下の丸形断面あるいはその径相当の異形断面である。糸ゴム12には、レーヨン等の糸のカバーリングがなく、ゴム糸の表面に直接織り糸16が接触している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 細い糸ゴムと細い織糸で織られ、長手方向に伸縮性を有する帯状のゴム紐において、上記糸ゴムがシリコンまたはフッ素を含有するゴムにより形成されたゴム糸であることを特徴とするゴム紐。
【請求項2】 上記ゴム糸は、直径0.5mm以上2.0mm以下の断面形状であることを特徴とする請求項1記載のゴム紐。
【請求項3】 上記ゴム糸の表面に直接上記織り糸が接触した状態で織られていることを特徴とする請求項1または2記載のゴム紐。
【請求項4】 シリコンまたはフッ素を含有するゴムで作られた細いゴム糸を、長手方向に適度な引張力を加えて伸ばし、この状態で上記ゴム糸間に平行に細い経糸を複数本配置し、上記ゴム糸と上記経糸に対して細い緯糸を緯入れして織り上げることを特徴とするゴム紐の製造方法。
【請求項5】 シリコンまたはフッ素を含有したゴム糸と細い織り糸で織られ長手方向に伸縮性を有する帯状のゴム紐を備え、このゴム紐を開口部又は生地の途中に設けた衣服。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体、薬品、食料品、生物関係等のクリーンルームで着用する衣服の袖口等の締付部に使用されるゴム紐とその製造方法並びに衣服に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、クリーンルームで使用されるクリーンルーム用衣服は、袖口や裾等の締付部に帯状のゴム紐が挿通され、このゴム紐には、天然ゴム等のゴム糸とレーヨン等の織糸で織られた織りゴムが使用されている。これにより、袖口や裾が伸縮性を有し、身体に密着して動きやすいと同時に、ほこりや細菌が衣服の内側からクリーンルーム内に出ることを防いでいる。そしてこのようなクリーンルーム用衣服は、薬品や食品、微生物等を扱う場合、減菌のため高温によるオートクレーブ処理が行なわれる。このオートクレーブ処理は、通常121℃で30分間処理するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術の場合、クリーンルーム用衣服に使用されているゴム紐は、熱によって劣化しやすい天然ゴムが使用されているため、洗濯の度に繰り返し高温のオートクレーブ処理が行なわれると、弾力性が損なわれ、袖口や裾が伸びきってしまい、身体との間に隙間が生じることがあった。そして、この隙間からほこりや細菌が衣服の内側からクリーンルーム内に出てしまう恐れがあり、衛生上及びクリーン度の維持のためにも好ましくない上、耐久性がないことから衣服の寿命が短いものであった。
【0004】また、耐熱性を有し高い伸縮性を維持するゴム紐としては、耐熱性ゴムであるシリコンゴム等をテープ状に形成したものも考えられるが、帯状シリコンゴムは引き裂き強度が弱く、袖口や裾にあわせてリング状に縫製する際に形成される針穴からそのゴムが容易に裂けてしまうものであった。
【0005】この発明は、上記従来の技術の問題点に鑑みてなされたもので、耐熱性、耐久性の高いゴム紐とその製造方法並びに衣服を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、細い糸ゴムと細い織糸で織られ、長手方向に伸縮性を有する帯状のゴム紐で、上記糸ゴムがシリコンゴム製のシリコンゴム糸が使用されている。上記糸ゴムは、シリコンゴム以外にフッ素ゴム等でもよい。上記シリコンゴム糸またはフッ素ゴム糸は、直径0.5mm以上2.0mm以下の丸形断面あるいはその径相当の異形断面である。そして上記シリコンゴム糸またはフッ素ゴム糸はレーヨン等の糸のカバーリングがなく、ゴム糸の表面に直接上記織り糸が接触した状態で織られている。
【0007】また、この発明はシリコンゴムまたはフッ素ゴムで作られた細いゴム糸を、長手方向に適度な引張力を加えて伸ばし、この状態で細い織糸で織り上げるゴム紐の製造方法である。
【0008】また、この発明は細い糸ゴムと細い織り糸で織られ長手方向に伸縮性を有し、上記糸ゴムがシリコンゴムまたはフッ素ゴム製のゴム糸である帯状のゴム紐を備え、このゴム紐を開口部又は生地の途中に設けた衣服である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。図1、図2はこの発明の一実施形態を示すもので、この実施形態のゴム紐10は、長手方向に伸縮性を有する帯状で、長手方向に対して直角な方向の幅は例えば20mmである。そして、長手方向に沿って8本のシリコンゴム糸12が一列に約3.0mmの等間隔に設けられている。そして、シリコンゴム糸12は耐熱性を有するシリコンゴムで作られ、断面形状は直径が例えば1.0mm±0.1mmの円形である。そして一対のシリコンゴム糸12の間には12本のポリエステル製の経糸14がシリコンゴム糸12に沿って一列に設けられ、経糸14とシリコンゴム糸12は、ポリエステル製の緯糸16で織られている。
【0010】経糸14と緯糸16は例えば300デニールで、経糸14は150デニールを2本束ねて使用しても良い。ゴム紐10は、シリコンゴム糸12をレーヨン繊維等のカバーリングなしで用いるため、緯糸16はシリコンゴム糸12の逃げが出ないように、450デニール以下の細いものを使用する。ただし、150デニール以下では、ねじれや波打った状態が発生し、外観不良となる。
【0011】ゴム紐10は、適度な伸縮性を維持するために、例えばゴム紐10の幅が30mmのときシリコンゴム糸12を12本使用し、また15mm幅のとき6本、6mm幅のときは3本使用する。また、20mm幅のときシリコンゴム糸12を10本、12本と増やすと強いゴム紐となり、引張り強さを調節することができる。しかし、20mm幅で6本以下の場合は、紐の伸縮が安定せず、いわゆる糸が笑う現象が起き、平ゴム紐として適当ではない。
【0012】次にこの実施形態のゴム紐10の製造方法について説明する。まず、シリコンゴム糸12に滑剤を塗布し、経糸14、緯糸16との摩擦を少なくし滑りをよくする。次にシリコンゴム糸12を所定長伸ばした状態でシリコンゴム糸12間の経糸14とともに、緯糸16による緯入れが行われ、ゴム紐10が織られる。この後、製品となった状態で、張力が解除され、シリコンゴム糸12を縮める。このとき経糸14は伸縮性を有さないため、細かく波打った状態となるが、外観上は平なゴム紐10となる。そして、ゴム紐10が使用時に長手方向に引っ張られたときにゴム紐10の伸びの支障とならない。
【0013】この実施形態のゴム紐10によれば、シリコンゴム糸12は耐熱性があるため高温の滅菌処理が施されても高い伸縮性が保持される。そしてゴム紐10を袖口や裾に使用したクリーンルーム用衣服は、オートクレーブ処理後も身体に隙間なく着用されほこりや細菌が袖口から出る恐れがなく衛生的である。
【0014】なお、この発明のゴム紐は、上記実施の形態に限定されるものではなく、ゴム糸や織り糸の素材など適宜変更可能で、耐熱性ゴムの素材はシリコンゴム以外にフッ素ゴム等、熱によって伸縮性が損なわれないものであれば良い。このフッ素ゴムはシリコンゴムよりも耐熱性が高いものである。また、ゴム紐の形状は帯状以外に丸紐状等でも良い。
【0015】
【発明の効果】この発明のゴム紐とその製造方法並びに衣服は、加熱後も高い伸縮性を維持することができる。そして、このゴム紐を袖口や裾に使用したクリーンルーム用衣服は、高温によるオートクレープ処理後も袖口や裾が伸縮性を維持し身体に密着し、衛生的である。また、オートクレー部処理に対する耐久性があり、ゴム紐及びそれを用いた衣服も長持ちする。
【出願人】 【識別番号】594058953
【氏名又は名称】株式会社ゴールドウイン
【出願日】 平成9年(1997)11月18日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】廣澤 勲
【公開番号】 特開平11−152639
【公開日】 平成11年(1999)6月8日
【出願番号】 特願平9−333654