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【発明の名称】 病理検査方法
【発明者】 【氏名】田村 裕

【氏名】西垣 純爾

【氏名】浜岡 勤

【氏名】立川 哲彦

【氏名】長谷川 郁夫

【氏名】長谷川 紘司

【要約】 【課題】

【解決手段】例えばプロテアーゼなどの酵素測定を目的とする病理検査方法であって、(1) 平均粒径が0.001 μm 〜0.5 μm 程度の例えばコロイド状態の金属及び/又は金属化合物を含む溶液に対して癌組織切片や歯肉溝滲出液などの生体試料を接触させる工程;及び(2) 試料と金属及び/又は金属化合物との相互作用により生じた溶液の変化を例えば色調の変化として検出する工程を含む方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 病理検査方法であって、下記の工程:(1) 金属及び/又は金属化合物を含む溶液に試料を接触させる工程;及び(2) 試料と金属及び/又は金属化合物との相互作用により生じた溶液の変化を検出する工程を含む方法。
【請求項2】 試料がヒトを含む哺乳類から分離・採取された生体試料または培養された細胞である請求項1に記載の方法。
【請求項3】 生体試料が癌組織切片、歯肉溝滲出液、破壊性病変組織切片、又は破壊性病変組織抽出液である請求項2に記載の方法。
【請求項4】 金属及び/又は金属化合物がコロイド状態である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】 金属及び/又は金属化合物のコロイドが元素周期表の第VIII族、第Ib族、及び第IIb 族からなる群から選ばれる金属を含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】 金属及び/又は金属化合物のコロイドの平均粒径が0.001 μm 〜0.5 μm である請求項5に記載の方法。
【請求項7】 金属及び/又は金属化合物のコロイドが金、白金、銀、銅の中から選ばれる金属を含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】 溶液の変化として色の変化を検出する請求項1ないし7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】 酵素の測定を含む病理検査を行うための請求項1ないし8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】 酵素がマトリックス・メタロプロテアーゼである請求項9に記載の方法。
【請求項11】 プロテアーゼが関与する疾患の診断に用いる請求項1ないし10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】 病理検査用の溶液であって、金属及び/又は金属化合物のコロイドを含み、試料と金属及び/又は金属化合物との相互作用により変化を生じることを特徴とする溶液。
【請求項13】 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の方法に使用するための溶液。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酵素などの生体物質の測定に基づいて病理検査を行なう方法に関するものである。より具体的には、本発明は、例えばプロテアーゼなどの存在を簡便に証明することができ、プロテアーゼなどの酵素が関与する各種の疾患の診断、例えば、癌細胞の浸潤活性や転移活性などの癌の悪性度、歯周炎などの歯周病の進行度、リウマチ性関節炎などにおける破壊性病態などの診断を可能にする方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】腫瘍の良性、悪性の相違を規定する因子の一つとして、間質結合組織への浸潤の有無を挙げることができる。この病態を明らかにするためには、腫瘍細胞自体の増殖動態の変化を観察すると同時に、腫瘍細胞と間質結合組織との相互作用に影響を及ぼす要因を検索することが必要である。特に、腫瘍細胞の浸潤や転移にはプロテアーゼが関与することが明らかにされており、プロテアーゼを制御することによって悪性腫瘍細胞の浸潤や転移を抑制できる可能性がある。このようなプロテアーゼ(細胞外マトリックス分解酵素)のうち、特にマトリックス・メタロプロテアーゼ(MMP) が癌細胞の増殖、浸潤、血管新生に重要な役割をはたすことが明らかにされている(鶴尾隆編「癌転移の分子機構」、第8章、宮崎香著「マトリックス・プロテアーゼと癌の浸潤・転移」、pp.92-107 、メジカルビュー社、1993年発行を参照)。
【0003】一方、歯周病では歯肉溝上皮の破壊及びコラーゲンを主体とした結合組織の破壊が初期病変として進行するが、この組織の破壊にもマトリックス・メタロプロテアーゼが関与していることが知られている(歯周組織破壊におけるプロテアーゼの関与、及び病態とプロテアーゼとの相関については、青野正男監修「歯周治療の科学」、白川正治著、第VII 章「歯周組織の病理」、pp.99 〜109 、医歯薬出版、並びに、長谷川ら、「歯周病患者における歯肉溝滲出液(GCF) 中のゲラチナーゼ活性」、演題A-44、日本歯周病学会第37回秋期学術大会などを参照)。
【0004】マトリックス・メタロプロテアーゼはコラーゲン、プロテオグリカン、ラミニン、フィブロネクチン、及びゼラチンなどの細胞外基質を分解する酵素であり、MMP-1, 2, 3, 7, 9 及び10など8種類の存在が明らかにされている。間質型コラーゲナーゼ(MMP-1) は最も古くから知られているマトリックス・メタロプロテアーゼであり、繊維芽細胞や軟骨などに分布しており、間質型のコラーゲンを1/4及び1/3 に切断する。歯周病においては、主として MMP-2(ゼラチナーゼ A)及び MMP-9(ゼラチナーゼ B) が歯周組織の構成成分であるIV型コラーゲン、ラミニン、フィブロネクチン、及びプロテオグリカンなどを破壊する。なお、マトリックス・メタロプロテアーゼの分泌は、細胞増殖因子であるEGF やTGF-βによって強く促進されており、他方、組織内の内在性インヒビターによって分泌や活性発現が制御されている。もっとも、増殖因子が関与した場合にその発現がどのように抑制されるのかは必ずしも明らかではない。
【0005】また、腫瘍細胞の浸潤や転移に関与する他のプロテアーゼとしては、セリンプロテアーゼであるプラスミノーゲン・アクティベーター(PA)を挙げることができる。このプラスミノーゲン・アクティベーターはプラスミノーゲンをプラスミンに変換する酵素であり、プラスミノーゲン・アクティベーターの作用により生成したプラスミンがプロメタロプロテアーゼを活性型メタロプロテアーゼに変換する。従って、マトリックス・メタロプロテアーゼとプラスミノーゲン・アクティベーターとの間で形成されるカスケードによって、癌細胞の浸潤や転移が進行ないしは加速されると考えられる。
【0006】プロテアーゼは、上記の癌細胞の浸潤及び転移、並びに歯周病の進行のほか、歯槽膿漏による骨組織や歯根膜の破壊、リウマチ性関節炎による骨膜や骨組織の破壊などの破壊性病変に関与している可能性がある(リウマチにおけるプロテアーゼの関与に関しては、日本臨床、50(3), pp.463-467, 1992 を参照)。従って、細胞や組織中のプロテアーゼを定量することによって、浸潤活性及び転移活性などからみた癌細胞の悪性度や歯周病の病態、及びリウマチなどの破壊性病変の進行程度を正確に診断することが可能である(癌細胞の浸潤度とプロテアーゼ活性との相関については、例えば、Yamagata, et al., Cancer Lett., 59, 51, 1991; Azzam, et al., J. Natl., Cancer Inst., 85, 1758, 1993; Brown, et al., Clin. Exp. Metastasis, 11, 183, 1993; Davies, et al., Br. J. Cancer, 67, 1126, 1993 などを参照)。
【0007】従来、プロテアーゼの測定方法としては、基質の分解の程度から酵素活性を測定するザイモグラフィー法や各々のプロテアーゼに特異的な抗体を用いたイムノブロティング法などが利用されている。例えば、癌細胞や歯周病化細胞を粉砕した後、抽出液をゼラチン含有SDS-ポリアクリルアミドゲルを用いた電気泳動に付し、電気泳動後のゲルをアミドブラックで染色して、染色されずに白く透明なバンドを与える試料をプロテアーゼ陽性と判定する方法が知られている。しかしながら、この方法では測定毎にSDS-ポリアクリルアミドゲルを作成する必要があり、検出までに約30時間を要するという問題がある。
【0008】また、SDS-PAGEによる電気泳動後にゲルをメンブレンに密着させ、ブロッティング後の酵素をモノクローナル抗体で検出する方法もあるが、電気泳動を利用する点で上記の方法と同様の欠点を有しており、それに加えて、操作に熟練を要することと高価なモノクローナル抗体を用いることも問題である。さらに、これらの方法は個々の細胞のプロテアーゼを測定したものではなく、組織全体のプロテアーゼ総量を検出するものであり、個々の癌細胞の浸潤・転移活性の情報を得ることはできないという問題がある。
【0009】最近、血管組織中のプロテアーゼ活性をザイモグラフィーの原理により測定する方法が提案された (The FASEB Journal, Vol.9, July, pp.974-980, 1995) 。この方法では、蛍光性化合物が結合したカゼイン又はゼラチンをプロテアーゼの基質として用い、この基質を含むアガロースの薄膜をスライドグラス上に形成させた後、その薄膜の表面に固定化されていない組織切片 (6-10μm)をのせて37℃で培養し、基質の消化を蛍光顕微鏡下に観察する工程を含んでいる(第975 頁、右欄第 6〜18行のプロトコールを参照)。この方法は、組織中のプロテアーゼを直接測定できる点では優れているものの、プロテアーゼの基質をスライドグラス上に固定化するためにアガロースを必須成分として用いる必要があり、プロテアーゼによる基質の消化にばらつきが生じてしまい、再現性に乏しいという問題があった。
【0010】本発明者らはこれらの問題を研究するうち、ゼラチンなどのプロテアーゼ基質と硬膜剤とを含む薄膜の表面に癌組織などの組織切片を密着させるか、あるいは歯周病などの病変組織などから採取した滲出液を該薄膜上に滴下すると、試料中に含まれるプロテアーゼが薄膜を消化し薄膜表面に消化痕が形成されることを見いだした。また、連続した組織切片を用いてそれぞれ組織標本と上記の薄膜標本を作成して比較・比較することにより、組織中の個々の細胞内に発現しているプロテアーゼを測定することができることを見いだし、これらの発明について特許出願した(PCT/JP97/0588, 国際公開 WO97/32035)。これらの方法は、アガロースを含む薄膜を用いる方法 (The FASEB Journal, Vol.9, July, pp.974-980, 1995) に比べて非常に再現性に優れており、試料中のプロテアーゼ活性を正確に測定できるという特徴を有している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、プロテアーゼなどの酵素に代表される生体物質を簡便かつ正確に測定することができ、正確な病理検査結果を得ることができる方法を提供することにある。より具体的には、例えば酵素などの測定に基づいて、該酵素が関与する各種の疾患の診断に有用な病理検査結果を簡便かつ正確に入手することができる方法を提供することが本発明の課題である。本発明の具体的課題は、例えば、浸潤や転移活性などの癌細胞の悪性度、歯周病などの病態、及びリウマチなどの破壊性病変の進行度を正確かつ簡便に短時間で判定でき、癌の予後や破壊性病変の進行程度などを正確に予測することができる病理検査方法を提供することにある。さらに本発明の別の課題は、上記の病理検査方法に用いる溶液を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題を解決すべくさらに研究を行った結果、金属及び/又は金属化合物を含む溶液に癌組織などの組織切片を接触させるか、あるいは例えば歯周病等の病変組織から採取した滲出液を滴下すると、組織切片や滲出液に含まれるプロテアーゼなどの酵素に代表される生体物質と金属及び/又は金属化合物との間で相互作用が生じ、その結果として溶液の色調の変化や着色などが生じること、並びに、この変化を例えば分光学的な手段によって検出することにより、試料中の酵素などの生体物質を簡便かつ正確に測定できることを見出した。本発明はこれらの知見を基にして完成されたものである。
【0013】すなわち本発明は、病理検査方法であって、下記の工程:(1) 金属及び/又は金属化合物を含む溶液に試料を接触させる工程;及び(2) 試料と金属及び/又は金属化合物との相互作用により生じた変化を検出する工程を含む方法を提供するものである。
【0014】これらの各発明の好ましい態様として、試料がヒトを含む哺乳類から分離・採取された生体試料または培養された細胞である上記方法;生体試料が癌組織切片、歯肉溝滲出液、破壊性病変組織切片、又は破壊性病変組織抽出液(例えば、リウマチ性病変組織抽出液又は歯槽膿漏組織抽出液)である上記方法;金属及び/又は金属化合物がコロイド状態である上記方法;金属及び/又は金属化合物のコロイドが元素周期表の第VIII族、第Ib族、及び第IIb 族からなる群から選ばれる金属を含む上記方法;金属及び/又は金属化合物のコロイドの平均粒径が0.001μm 〜0.5 μm である上記方法;金属及び/又は金属化合物のコロイドが金、白金、銀、銅の中から選ばれる金属を含む上記方法;溶液の変化として色の変化を検出する上記方法;酵素の測定を含む病理検査を行うための上記方法;酵素がマトリックス・メタロプロテアーゼである上記方法;並びに、プロテアーゼが関与する疾患の診断に用いる上記方法が提供される。
【0015】別の観点からは、病理検査用の溶液であって、金属及び/又は金属化合物のコロイドを含み、試料と金属及び/又は金属化合物との相互作用により変化を生じることを特徴とする溶液;並びに、上記の各方法に使用するための溶液が本発明により提供される。本発明のさらに別の態様によれば、上記の各方法において定義された工程に従って酵素などの生体物質、好ましくはプロテアーゼ、さらに好ましくはマトリックス・メタロプロテアーゼが関与する疾患を診断する方法が提供される。この発明の好ましい態様として、該疾患が癌、リウマチ性疾患、歯周病、及び歯槽膿漏からなる群から選ばれる疾患である上記方法が提供される。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の病理検査方法は、基本的には、生体外に分離又は排泄された生体試料を金属及び/又は金属化合物を含む溶液と接触させる工程(第一工程)と、試料中に含まれるプロテアーゼなどの酵素に代表される生体物質と金属及び/又は金属化合物との相互作用により溶液中に現れる変化を検出する工程(第二工程)を含んでいる。本発明の方法では、酵素などの生体物質を分子レベルで検出するために、通常の分光学的手段によっても高感度に酵素を測定でき、病理検査法として極めて検出精度が高いという特徴がある。
【0017】本明細書において用いられる「病理検査」という用語は、病気の原因を特定ないし推定するために生体試料を用いて行われるあらゆる検査方法を包含しているが、好ましくは、生体外に分離・採取された生体試料又は生体外に排泄された生体試料(例えば、癌組織切片、歯肉溝滲出液、破壊性病変組織切片、又は破壊性病変組織抽出液など)を用いて、生体試料中に含まれる酵素などの生体物質の測定を行うことを意味している。ここで、「測定」という用語は、定性及び定量を含めて、酵素などの生体物質の存在に関する情報を提供できるものをすべて包含するように最も広義に解釈されるべきである。以下、本発明の測定対象となる生体物質として酵素について具体的に説明するが、本発明の方法の測定対象は酵素に限定されることはなく、脂質、糖類、核酸などの生体物質も測定対象となりうる。
【0018】本発明の方法に従って測定を行うと、試料中にプロテアーゼなどの酵素が含まれている場合には、該酵素と溶液中の金属及び/又は金属化合物との間に相互作用が生じ、溶液中に検出可能な変化が惹起される。本明細書において用いられる「相互作用」という用語は、例えば、酵素全体若しくはその部分構造、又は酵素に由来する1又は2以上の官能基( 例えば、チオール基、チオエーテル基、ジスルフィド基、脂肪族又は芳香族アミノ基、ヒドロキシル基、又はカルボキシル基など、好ましくは、チオール基、チオエーテル基、ジスルフィド基、脂肪族又は芳香族アミノ基など)と、金属及び/又は金属化合物との間で生じる種々の物理化学的及び/又は生化学的な相互作用を包含しており、例えば、錯体や塩の形成、酵素の変性、凝集若しくは沈殿、吸着、酵素反応などを含めて最も広義に解釈する必要がある。また、上記の相互作用には、酵素作用により生じる物質、例えばプロテアーゼの作用により生じる基質分解物と金属及び/又は金属化合物との間の相互作用も含まれる。
【0019】溶液中に起こる変化はいかなる種類のものでもよく、例えば、着色、脱色、色調変化などのほか、電気伝導度の変化、磁力の変化などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。このような変化は1種又は2種以上の組み合わせであってもよい。例えば、紫外光、可視光、蛍光の透過濃度測定、吸光度測定、電気伝導度の測定、磁力の測定、音波の測定など、当業者に利用可能な種々の測定方法のいずれか、またはこれらの測定方法の2種以上の組み合わせによって検出可能な変化であればよい。例えば、蛍光測定及び/又は吸光度測定などの手段により検出可能な変化であることが好ましい。
【0020】本発明の病理検査方法では、好ましくは酵素を測定対象とすることができる。測定の対象となる酵素は特に限定されないが、例えば、プロテアーゼは本発明の方法の好適な測定対象である。プロテアーゼとしては、例えば、マトリックス・メタロプロテアーゼ (MMP)及びマトリックス・セリンプロテアーゼ (MSP)を挙げることができ、これらの酵素については、鶴尾隆編「癌転移の分子機構」、pp.92-107 、メジカルビュー社、1993年発行に詳細に説明されている。測定対象として特に好適なプロテアーゼとしては、例えば、間質型コラーゲナーゼ(MMP-1) 、ゼラチナーゼ A (MMP-2)、及びゼラチナーゼ B (MMP-9)などのマトリックス・メタロプロテアーゼ;及びプラスミノーゲン・アクティベーター(PA)などのマトリックスセリンプロテアーゼを挙げることができる。もっとも、本発明の病理検査方法の対象は酵素(例えばプロテアーゼ又は上記の特定のプロテアーゼなど)に限定されることはない。
【0021】本発明の方法で用いられる金属及び/又は金属化合物は特に限定されず、いかなるものを用いてもよい。金属化合物としては、無機金属化合物又は有機金属化合物のいずれを用いてもよく、例えば、酸化物、塩化物,臭化物、有機化合物を配位子とする錯体などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。例えば、金属及び/又は金属化合物が、元素周期表の第3周期、第4周期、第5周期、第6周期、及び第7周期からなる群から選ばれる金属を含むことが好ましく、元素周期表の第IIIb族、第IVb 族、第Vb族、第VIb 族、第VIIb族、第VIII族、第Ib族、第IIb 族、第IIIa族、第IVa 族、第Va族、第VIa 族、及び第VIIa族からなる群から選ばれる金属を含むことがより好ましい。これらのうち、第4周期、第5周期、又は第6周期の金属であって、第VIII族、第Ib族、または第IIb族のものがさらに好ましく、金、銀、銅、白金、パラジウム、水銀、カドミウムが最も好ましい。その中でも金、銀、銅が好ましく、とりわけ銀が好ましい。さらに銀でもコロイド銀が最も好ましい。金属及び/又は金属化合物を2種以上組み合わせて用いてもよく、合金として用いることも可能である。
【0022】より具体的には、亜鉛、コロイド亜鉛、酸化亜鉛、塩化亜鉛;アルミニウム、酸化アルミニウム、塩化アルミニウム;アンチモン、酸化アンチモン、塩化アンチモン;イッテルビウム、酸化イッテルビウム、塩化イッテルビウム;イットリウム、酸化イットリウム、塩化イットリリウム;イリジウム、酸化イリジウム、塩化イリジウム;インジウム、酸化インジウム、塩化インジウム;エルビウム、酸化エルビウム、塩化エルビウム;オスミウム、酸化オスミウム;カドミウム、コロイドカドミウム、酸化カドミウム、塩化カドミウム;ガドリニウム、酸化ガドリニウム、塩化ガドリニウム;ガリウム、酸化ガリウム、塩化ガリウム;カルシウム、酸化カルシウム、塩化カルシウム;銀、コロイド銀(平均粒径 0.01 μm 、 0.03 μm 、 0.05 μm )、酸化銀、塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀、酢酸銀、アルギン酸銀、ベヘン酸銀;金、コロイド金、塩化金;クロム、酸化クロム、塩化クロム;ゲルマニウム、酸化ゲルマニウム、塩化ゲルマニウム;コバルト、酸化コバルト、塩化コバルト;サマリウム、酸化サマリウム、塩化サマリウム;ジスプロシウム、酸化ジスプロシウム、塩化ジスプロシウム;ジルコニウム、酸化ジルコニウム、塩化酸化ジルコニウム;水銀、コロイド水銀、酸化水銀、塩化水銀;スカンジウム、酸化スカンジウム;錫、酸化錫、塩化錫;ストロンチウム、塩化ストロンチウム;セリウム、酸化セリウム、塩化セリウム;タリウム、酸化タリウム、塩化タリウム;タングステン、酸化タングステン、塩化タングステン;タンタル、酸化タンタル、塩化タンタル;チタン、酸化チタン、塩化チタン;ツリウム、酸化ツリウム;鉄、酸化鉄、塩化鉄;テルビウム、酸化テルビウム、塩化テルビウム;テルル、塩化テルル;銅、コロイド銅、酸化銅、塩化銅;トリウム、酸化トリウム;鉛、酸化鉛、塩化鉛;ニオブ、酸化ニオブ;ニッケル、コロイドニッケル、酸化ニッケル、塩化ニッケル;ネオジム、酸化ネオジム、塩化ネオジム;白金、コロイド白金、酸化白金、塩化白金;バナジウム、酸化バナジウム、塩化バナジウム;ハフニウム、酸化ハフニウム、塩化ハフニウム;パラジウム、酸化パラジウム、塩化パラジウム;バリウム、酸化バリウム、塩化バリウム;ビスマス、酸化ビスマス、塩化ビスマス;プラセオジム、酸化プラセオジム;ホルミウム、酸化ホルミウム、塩化ホルミウム;マグネシウム、酸化マグネシウム、塩化マグネシウム;マンガン、酸化マンガン、塩化マンガン;モリブデン、酸化モリブデン、塩化モリブデン;ユウロピウム、酸化ユウロピウム、塩化ユウロピウム;ランタン、酸化ランタン、塩化ランタン;ルテニウム、酸化ルテニウム、塩化ルテニウム;及び、ロジウム、酸化ロジウム、塩化ロジウムからなる群から選ばれる1種又は2種以上の金属及び/又は金属化合物を挙げることができる。
【0023】金属及び/又は金属化合物は溶液中に存在していればよく、存在状態は特に限定されないが、コロイド状態であることが好ましい。コロイド状態の場合には、例えば実質的に球形の微粒子状態で分散されていることが好ましい。微粒子の粒径は特に限定されないが、例えば、平均粒径0.001 μm 以上、0.1 μm 以下、より好ましくは平均粒径0.05μm 以下、特に好ましくは0.03μm 以下である。
【0024】本発明の方法で用いられる溶液には、金属及び/又は金属化合物以外の成分として、親水性高分子、酵素インヒビター、酵素基質などを適宜配合してもよい。親水性高分子としては、水に溶解でき、希薄状態において実質的に溶液状態を維持できるものであればいかなるものを用いてもよい。例えば、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン、フィブロネクチン、ラミニン、エラスチンなどのタンパク質及びタンパク質由来の物質;セルロース、デンプン、アガロース、カラギーナン、デキストラン、デキストリン、キチン、キトサン、ペクチン、マンナンなどの多糖類及び多糖類由来の物質などの天然高分子;ポバール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルアミンなどの合成高分子;またはこれらに由来するゲルなどを用いることができる。
【0025】また、酵素インヒビター、例えば、プロテアーゼ・インヒビターを用いることにより、インヒビターに関連する酵素の同定や、プロテアーゼなどの酵素の特性の判定が容易になり、病理検査の制度を高めることができる場合がある。例えば、本発明の病理検査方法においてプロテアーゼを測定対象とする場合には、プロテアーゼ・インヒビターとして、例えば、ティッシュ・インヒビター・オブ・メタプロテアーゼ1 (TIMP1)、ティッシュ・インヒビター・オブ・メタプロテアーゼ2 (TIMP2)、ラージ・インヒビター・オブ・メタロプロテアーゼ (LIMP) 、チッキン・インヒビター・オブ・メタロプロテアーゼ (ChIMP)、オポスタチン、血小板第IV因子 (PF-4) 、α2 マクログロブリン、EDTA、1,10- フェナントロリン、BB94、ミノサイクリン、マトリスタチン、SC-44463、又は、ジチオスレイトール (DTT)などを用いることができる。
【0026】例えば、生体試料から抽出した液のうちの一つを酵素インヒビターを含有しない溶液に接触させ、残りの切片を酵素インヒビターを含む溶液に接触させた後、それぞれの溶液に形成された変化を対比する方法を採用することができる。2種以上の酵素インヒビターを適宜組み合わせて溶液に配合して用いてもよい。また、測定の対象となる酵素により分解される物質(酵素基質)を含有する溶液を製造して、生体試料中の抽出液のうちの一つを酵素基質を含む溶液に接触させ、残りの液を金属及び/又は金属化合物を含む本発明の溶液に接触させてもよい。本発明の溶液には変化が惹起されるので酵素の存在を証明することができ、一方、酵素基質を含む溶液では酵素反応の結果物が蓄積されるので、酵素活性の存在を証明することができる。従って、それぞれの結果を対比することによって測定対象の酵素の存在を確実に証明することできる。このような酵素基質を用いる方法を酵素インヒビターを用いる上記の方法を組み合わせてもよい。
【0027】酵素としてプロテアーゼを測定対象とする場合には、酵素基質としてプロテアーゼにより分解される高分子化合物(プロテアーゼ基質)を用いることができる。プロテアーゼ基質は特に限定されないが、例えば、コラーゲン、ゼラチン、プロテオグリカン、フィブロネクチン、ラミニン、エラスチン、又はカゼインなどを用いることができる。好ましくは、コラーゲン、ゼラチン、フィブロネクチン、エラスチン、又はカゼインを用いることができ、より好ましくはゼラチン、フィブロネクチン、又はカゼインを用いることができる。ゼラチンを用いる場合には、ゼラチンの種類は特に限定されず、例えば、牛骨アルカリ処理ゼラチン、豚皮膚アルカリ処理ゼラチン、牛骨酸処理ゼラチン、牛骨フタル化処理ゼラチン、豚皮膚酸処理ゼラチンなどを用いることができる。なお、プロテアーゼ基質は上記の物質の1種を用いてもよいが、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0028】本発明の方法に用いる試料は特に限定されないが、例えば、ヒトを含む哺乳類動物から分離・採取した生体試料、又はヒトを含む哺乳類動物から排泄された生体試料などを用いることができる。例えば、組織又は組織滲出液などを用いることができる。より具体的には、肺癌、胃癌、食道癌、乳癌、脳腫瘍などの固形癌組織から手術や組織検査などにより分離・採取した癌組織、リウマチ性関節炎の滑膜や骨組織、及び歯槽膿漏の歯根膜や骨組織などの破壊性病変組織や滲出液、並びに歯周病の歯肉溝滲出液などを用いることができる。また、培養した細胞や組織などを用いてもよい。
【0029】試料が組織の場合には、例えば、液体窒素で急速凍結した試料から凍結切片作成装置を用いて厚さ 1〜10μm 、好ましくは 5μm 程度の切片を調製し、この切片を溶液に浸漬することによって試料と溶液とを接触させることができる。また、リウマチ性関節炎の患者から採取した滑膜液を試料として用いる場合には、滑膜液約 5〜50μl 、好ましくは20μl 程度を溶液(約 1 ml)に滴下すればよい。歯周病の歯肉溝滲出液を試料として用いる場合には、歯肉溝内に濾紙を挿入して約 5〜10μl 程度の歯肉溝滲出液を採取し、該濾紙を溶液に浸漬する方法を採用することができる。歯肉溝滲出液の採取後、必要に応じて蒸留水や適宜の緩衝液(例えば、50 mM Tris-HCl, pH 7.5, 10 mM CaCl2, 0.2 M NaCl など) を用いて濾紙から歯肉溝滲出液を抽出し、抽出液を溶液内に滴下してもよい。
【0030】本発明の溶液の溶媒は特に限定されないが、例えば、水、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ジオキサン、N-メチルピロリドン、ジメチルスホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド若しくはそれらの混合溶媒などを用いることができる。また、金属及び/又は金属化合物をコロイド状態で使用するときの調製方法は特に限定はないが、例えば写真用フイルムの技術分野などにおいて汎用されている分散方法などを適宜採用することが可能である。
【0031】金属及び/又は金属化合物としてコロイド銀を用いる場合について説明すると、例えば、ハロゲン化銀カラー写真感光材料の分野において、コロイド銀は通常イエローフィルター用としての黄色コロイド銀とアンチハレーション用の黒色コロイド銀が一般的に用いられているので、本発明にはこれらのコロイド銀を用いることができる。また、これらに加えて、橙褐色や褐灰色のコロイド銀であってもよい。これらのうち、最大吸収波長が400nm から500nm の黄色のコロイド銀を用いることが特に好ましい。
【0032】その調製方法としては、従来から知られている方法、例えば、米国特許第2,688,601 号明細書に開示されたゼラチン溶液中で可溶性銀塩をハイドロキノンによって還元する方法、ドイツ特許第1,096,193 号明細書に記載されている難溶性銀塩をヒドラジンによって還元する方法、米国特許第2,921,914 号明細書に記載されているようにタンニン酸により銀に還元する方法、特開平5-134358号公報に記載されているように無電解メッキによって銀粒子を形成する方法などを用いることができる。また、Wiley & Sons, New York, 1933年発行、Weiser著の Colloidal Elements に記載されたCarey Leのデキストリン還元法による黄色コロイド銀の調製方法を用いてもよい。
【0033】本発明の溶液を製造する際に、上記に説明した成分に加えて、染料、顔料、防腐剤、安定化剤などの成分を適宜配合してもよい。このような成分は、生体試料中に含まれる酵素などの測定対象と金属及び/又は金属化合物との相互作用に実質的に影響を与えないものであれば特に限定されず、適宜のものを選択して用いることが可能である。染料としては、例えば、特開平6-102624号公報に記載された染料(第9頁 I-1より第47頁63までの化学構造式により具体的に示された染料)を用いることができ、染料の添加方法は、例えば、特開平5-313307号公報に記載された方法(第11頁段落番号[0037]から第12頁段落番号[0044]までに具体的に説明された方法)を採用することができる。
【0034】また、本発明の溶液の保存については特に限定はないが、5 〜15℃で保存されることが好ましい。保存容器についても特に限定はなく、試料検査試薬用の密封容器又は密閉容器、あるいは写真用乳剤及び処理剤用の容器、遮光容器などを好ましく使用できる。
【0035】本発明の方法の実施の形態は特に限定されないが、例えば、本発明の溶液と試料とを接触させた後、好ましくは37℃の湿潤箱内で、組織切片については例えば1分間〜24時間、好ましくは 5分間〜3 時間、さらに好ましくは 10 分間〜1 時間程度インキュベートすればよい。試料中にプロテアーゼなどの測定対象物質が含まれる場合には、溶液の金属及び/又は金属化合物と測定対象物質との間で相互作用が生じ、溶液内に着色、脱色、色調変化、電気伝導度の変化、磁力の変化などの変化が惹起される。また、酵素基質を含む溶液を用いる場合には、酵素作用による消化分解物が同時に検出される場合もある。必要に応じて消化分解物の量を測定し本発明の方法と比較してして評価を行ってもよい。
【0036】本発明の方法をプロテアーゼの測定方法として用いる場合、組織中に存在する個々の癌細胞の悪性度(浸潤活性及び転移活性など)を正確に判定することが可能であり、癌疾患の予後についての的確な判定が可能になる。また、リウマチ性関節炎の関節液や歯肉溝滲出液などの試料中のプロテアーゼを定量することにより、これらの疾患の病態や進行程度を正確に判定することができるが、試料中のプロテアーゼ定量のためには、予め作成した標準溶液を用いて検量線を作成することが好ましい。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されることはない。
例1:病理検査用溶液の製造(a) コロイド銀乳剤の作成pHを11.0に調整したデキストリンを18 g含む水溶液 700 ml に硝酸銀 17 g を含む水溶液を添加し、ゼラチンを添加して30℃で公知のフローキュレーション法により水洗し、さらにゼラチンを加えて60℃に加熱することにより作成した。得られたコロイド銀乳剤は溶液状態で黄色であった。乳剤は冷蔵保存した。
(b) 検査用溶液:試料101 の作成コロイド銀乳剤 1 gを純水 1 lに40℃で溶解し溶液を得た。この溶液の銀濃度は 0.19 mmol/lであった。なお、必要に応じて界面活性剤を使用した。
【0038】(c) 検査用溶液:試料 102〜130 の作成金属及び/または金属化合物、添加剤を表1のように変更および追加して、試料 101と同様にして試料 102〜130 を作成した。
【0039】
【表1】

【0040】例2:検査用溶液を用いたプロテアーゼ活性測定(a) 溶液試料の測定(測定方法A)
プロテアーゼ液体試料として、マトリックス・メタロプロテアーゼ (MMP)-1、MMP-2 及び MMP-9(ヤガイ社製)をそれぞれ 2 pg/mlから 200 ng/mlの濃度で含む溶液を用いた。また、生体試料としては、歯周病患者から採取した歯肉、歯肉溝滲出液(GCF: Gingival Crevicular Fluid)、及び歯周病原菌 (P. gingivalis#381株; A. actinomycetemcomitans Y4 株;及び P. intermedia ATCC 25611 株)を培養した上清を用いた。例1で得たそれぞれの溶液 1mlに液体試料約10μlを滴下した。この混合物を湿潤箱内に入れて37℃で 10 〜60分インキュベートした後、それぞれの試料に対して■目視による判定、■分光光度計による微小部分各々の最大吸収波長に応じた分光吸収の測定による判定を行い、プロテアーゼの活性を評価した。結果を表2に示す。
【0041】
【表2】

【0042】いずれのサンプルについても着色変化が現れた。特に、コロイド銀含有溶液は、液体試料及び組織切片に対して強い赤色の着色を与えた。MMP-1 、MMP-2 及びMMP-9 について、10分後に 200 ng/ml、30分後に20 ng/ml、60分後に 20-200 pg/ml の濃度範囲でプロテアーゼ活性が認められた。歯肉溝滲出液の多くはプロテアーゼ活性を認めるまでに約30〜60分を要し、プロテアーゼの量が 2 pg/mlから20 ng/mlの範囲であることが示唆された。また、いずれの溶液についても1ヶ月経時しても変色状態に変化はなかった。
【0043】(b) 検量線を用いた溶液試料の測定(測定方法B)
プロテアーゼ液体試料として、マトリックス・メタロプロテアーゼ(MMP)-1をそれぞれ 2 pg/mlから200 ng/ml の濃度で含む溶液を用いて、試料 101 1mlに対して上記方法Aと同様にして測定を行って検量線を作成した。生体試料としては上記の測定方法Aで用いたものと同じ試料(歯周病患者から採取した歯肉、歯肉溝滲出液、及び歯周病原菌を培養した上清)を用いた。結果を表3に示す。検量線より、生体試料に含まれるMMP-1 の量は40 pg/mlであることが推察された。
【0044】
【表3】
────────────────MMP 添加量 変色 吸光度────────────────10-7 (g/ml) あり 0.2010-8 あり 0.2010-9 あり 0.2010-10 あり 0.2010-11 あり 0.0510-12 微かにあり 0.02無添加 なし 0.00────────────────【0045】(c) 口腔上顎歯肉癌のプロテアーゼ活性測定標本中の癌細胞は胞巣構造を形成する低分化型扁平上皮癌で、骨組織を破壊して強い浸潤を示していた。この癌細胞を含む組織を切除して本発明の試料 101 1mlに直接投入したところ赤色変化が認められた。赤色変化の程度は癌の進行度と対応していた。一方、周辺の正常な部位の組織を同様に処置したところ溶液の変化は認められなかった。また、この赤色変化は免疫染色で現れた変化の程度に対応した。
【0046】(d) リウマチ患者の滑膜液のプロテアーゼ活性測定リウマチ患者の滑膜液約20μl を溶液 1mlに滴下し、37℃の湿潤箱内で 10 〜60分インキュベートしたところ、溶液に着色が認められた。特に、コロイド銀溶液を用いた場合にはプロテアーゼによる顕著な着色が観察できた。
【0047】
【発明の効果】本発明の方法は、組織中のプロテアーゼなどの酵素を測定対象とすることにより、正確かつ簡便に病理検査結果を得ることができ、従来の方法に比べて短時間に判定できるという特徴がある。例えば、本発明の方法をプロテアーゼの測定に用いると、浸潤や転移活性などの癌細胞の悪性度、歯周炎などの歯周病の進行度、リウマチや歯槽膿漏などの破壊性病態などを正確に把握できるので、疾患の診断が容易になる。また、本発明の方法に従えば、極めて微量の試料からプロテアーゼなどの酵素活性を測定することが可能である。
【出願人】 【識別番号】000005201
【氏名又は名称】富士写真フイルム株式会社
【出願日】 平成9年(1997)10月2日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】今村 正純 (外1名)
【公開番号】 特開平11−103891
【公開日】 平成11年(1999)4月20日
【出願番号】 特願平9−269861