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【発明の名称】 |
園芸植物精油 |
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【氏名】永井 重弘 【氏名】後藤 香苗 【氏名】飯 忠司 【氏名】長谷部 昭雄 |
【課題】精油原料として森林資源を使用せず、計画生産や管理生産ができ、しかも得られる精油の量産化が可能であり、低労力、低コストで製造できる園芸植物精油を提供すること。
【解決手段】本発明の園芸植物精油は、クプレックスス(cupresus)属マクロカルパ(macrocarpa)種に属する園芸植物から得られたことを特徴とし、サビネン(sabinene)、4−テルピネオール(4−terpineol)及びシトロネロール(citronellol)を主成分として含有するゴールドクレスト精油であることが好ましく、精油成分中に、サビネン(sabinene)を15〜30重量%、4−テルピネオール(4−terpineol)を10〜25重量%、シトロネロール(citronellol)を5〜10重量%含有するゴールドクレスト精油であることがより好ましい。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】クプレックスス(cupresus)属マクロカルパ(macrocarpa)種に属する園芸植物から得られたことを特徴とする園芸植物精油。 【請求項2】サビネン(sabinene)、4−テルピネオール(4−terpineol)及びシトロネロール(citronellol)を主成分として含有するゴールドクレスト精油であることを特徴とする請求項1記載の園芸植物精油。 【請求項3】精油成分中に、サビネン(sabinene)を15〜30重量%、4−テルピネオール(4−terpineol)を10〜25重量%、シトロネロール(citronellol)を5〜10重量%含有するゴールドクレスト精油であることを特徴とする請求項2記載の園芸植物精油。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は園芸植物精油に関し、詳しくは、ゴールドクレスト精油のような園芸植物精油に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、農業用のハウス栽培の普及に伴って施設内での害虫の被害が急激に増加している。しかも薬剤抵抗性の害虫の被害が増加していて、農家での実効のある害虫対策が望まれている。 【0003】一方、近年、樹木から得られた精油を害虫忌避剤として利用する技術も進歩しているが、森林資源の中でも、精油成分を含む樹木の種類はごく一部に限られており、特定の樹木に着目して精油を製造しようとすると、瞬時に森林破壊につながる危険性を有している。従って、森林資源に精油を求めるのは地球環境の保全の上から避けねばならない。また森林資源は再生に時間がかかり、計画生産が不可能であり、精油の量産は不可能に近い。更に森林資源は苗から成長までに多大な労力を要し、低コストが望まれる。また精油採取において、純粋精油を得るために植物の汚染防止が必要であり管理栽培が必要だが、森林樹木の汚染防止管理は困難である。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、精油原料として森林資源を使用せず、計画生産や管理生産ができ、しかも得られる精油の量産化が可能であり、低労力、低コストで製造できる園芸植物精油を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、本発明に至ったものであり、請求項1に記載の発明は、クプレックスス(cupresus)属マクロカルパ(macrocarpa)種に属する園芸植物から得られたことを特徴とする園芸植物精油である。 【0006】請求項1記載の発明によれば、クプレックスス(cupresus)属マクロカルパ(macrocarpa)種に属する園芸植物を用いているので、植物精油の製造に際し、精油原料として森林資源を使用せず、計画生産や管理生産ができ、しかも得られる精油の量産化が可能であり、低労力、低コストで製造できる。 【0007】請求項2に記載の発明は、サビネン(sabinene)、4−テルピネオール(4−terpineol)及びシトロネロール(citronellol)を主成分として含有するゴールドクレスト精油であることを特徴とする請求項1記載の園芸植物精油である。 【0008】請求項3記載の発明は、精油成分中に、サビネン(sabinene)を15〜30重量%、4−テルピネオール(4−terpineol)を10〜25重量%、シトロネロール(citronellol)を5〜10重量%含有するゴールドクレスト精油であることを特徴とする請求項2記載の園芸植物精油である。 【0009】精油の成分の中には害虫忌避性や殺虫性を示すものがあり、そのための成分の分析研究も進められており、例えば森林資源であるヒノキ科の精油のなかでヒバ精油に関して、森林総合研究所の谷田貝氏の報告(aromatopia No.9,1994)がある。その報告では、ヒバの葉油中に10%以上の含有率を示すのはサビネン(sabinene)と、4−テルピネオール(4−terpineol)であり、これら2成分の合計はアスナロで40〜45%、ヒノキアスナロで30〜35%であり、これらの成分が抗菌作用を示すことが報告されている。 【0010】しかし、サビネン(sabinene)と、4−テルピネオール(4−terpineol)のみでは忌避性を示す害虫が制限され、シトロネロール(citronellol)が含まれると、忌避性を示す害虫の種類が広まり、更に園芸植物から得られるので、量的にも大量確保でき、森林資源精油の諸問題を解決できる。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明する。 【0012】本発明において、園芸植物というのは、人工的に創成した品種で鑑賞用あるいは観葉の植物を意味する。従って、鑑賞に供さず、建材やパルプ等の用途に生産される天然の森林資源は除かれる。 【0013】本発明において、「属」と「種」の定義は、株式会社ワールドグリーン出版社発行の「コニファー」(第10作)277頁以降の学名索引の記載に基づく。例えばクプレックスス(cupresus)属マクロカルパ(macrocarpa)種には、ゴールドクレスト(goldcrest)、ウィルマ(wilmar)などが含まれる。中でも好ましいのは、ゴールドクレスト(goldcrest)である。 【0014】ゴールドクレストは、元来、園芸品種のうち、ヨーロッパで作出された鉢植えの観葉植物であり、本品種の幼葉は針がなくてやわらかく、またソフトな黄金色の葉を持つため世界的に流行した。本発明はこのゴールドクレストのような園芸植物を園芸品種として日本を始め世界的に作出し、原料に供するものである。 【0015】本発明の園芸植物精油は、クプレックスス(cupresus)属マクロカルパ(macrocarpa)種の各園芸樹木の葉及び又は枝葉を水蒸気蒸留や溶剤による抽出等の手段により得ることができる。 【0016】得られた精油の中で好ましい精油は、ゴールドクレスト精油であり、サビネン(sabinene)、4−テルピネオール(4−terpineol)及びシトロネロール(citronellol)を主成分として含有している。 【0017】サビネン(sabinene)の構造式:【0018】 【化1】
【0019】4−テルピネオール(4−terpineol)の構造式:【0020】 【化2】
【0021】シトロネロール(citronellol)の構造式:【0022】 【化3】
【0023】本発明のゴールドクレスト精油に含まれる各成分は、サビネン(sabinene)を15〜30重量%、4−テルピネオール(4−terpineol)を10〜25重量%、シトロネロール(citronellol)を5〜10重量%各々含有していることが好ましい。 【0024】上記以外の成分の主なものとしては、Myrcene (ミルセン)、Limonene(リモネン)、γ-Terpinene(テルピネン)、Camphor (カンファー)等がある。 【0025】本発明の精油は、害虫の忌避剤、殺虫剤、ハダニ等の卵孵化防止剤以外に、香料の素材としても使用できる。 【0026】 【実験例】以下、実験例によって、本発明について説明する。 【0027】クプレックスス(cupresus)属マクロカルパ(macrocarpa)種の各園芸樹木の枝葉を原料とし、水蒸気蒸留を行なって精油を得た。 【0028】精油中に若干の水がふくまれているので、前処理としてエーテル抽出を行なって、分析用試料を得た。 【0029】得られた試料について、GC(ガスクロマトグラフィー)分析、GC−MS(ガスクロマトグラフィー マススペクトル)分析を行った。 【0030】G−C分析条件装置:HP 5890シリーズH GC(HP社製) カラム:DB−WAX 0.25mm×60m×0.25μmカラム温度:80℃〜240℃、5℃/min注入口、検出温度:250℃キャリアーガス:He 1.0ml/min検出器:FID(HP社製) GC−MS分析装置:HP 5790A GC−日立 M80B質量分析計イオン化法:EI(70eV) イオン源温度:180℃カラム、カラム温度、注入口、検出温度、キャリアーガス、検出器はGC分析条件と同じ分析結果は以下に示す通りである。 No. 保持時間 推定成分 面積比(%) 1 4.590 solvent 4.16 2 6.230 Tricyclene 0.608 3 6.340 α-Pinene 3.70 4 6.860 Camphene 0.700 5 7.382 β-Pinene 0.122 6 7.480 Sabinene 22.0 7 7.845 Myrcene 5.00 8 8.106 α-Phellandrene 0.350 9 8.322 α-Terpinene 4.03 10 8.653 Limonene 5.20 11 8.867 β-Phellandrene 0.556 12 9.434 γ-Terpinene 7.00 13 9.903 Cymene 0.977 14 10.159 Terpinolene 2.69 15 11.958 (Z)-3-Hexenol 0.0527 16 12.183 2-Nonanone 0.154 17 14.170 Citronellal 3.03 18 15.435 Linallol 1.06 19 15.583 Camphor 7.38 20 16.145 (E)-2-P-Menthen-1-ol 0.529 21 16.477 Isopulegol 0.302 22 16.848 2-Undecanone 0.342 23 17.115 4-Terpineol 15.1 24 17.241 Caryophyllene 0.059 25 17.578 (Z)-2-P-Menthen-1-ol 0.397 26 18.040 セスキテルペン炭化水素 0.171 27 18.599 Isoborneol 0.0828 28 18.886 Limonen-4-ol 0.0676 29 19.098 α-Terpineol 1.18 30 19.336 Borneol 0.150 31 19.413 セスキテルペン炭化水素 0.160 32 20.378 Citronellol 7.07 33 20.554 δ-Cadinene 0.0615 34 21.409 2-Tridecanone 0.422 35 22.116 Geraniol 0.0633 36 22.271 P-Cymen-8-ol 0.0480 37 25.927 (Z)-Nerolidol 0.162 38 29.450 α-Bisabolol 0.170 39 29.995 Citronellic acid 0.535 40 30.745 ジテルペン炭化水素 0.0994 41 31.761 Farnesol 1.95 【0031】ゴールドクレスト精油がナミハダニの卵の孵化に及ぼす影響活発に産卵しているナミハダニ雌成虫10頭を、9cmのプラスチックシャーレ内に作ったインゲンマメのリーフディスク上で24時間産卵させた。24時間が経過した後に雌成虫を除去し、そのリーフディスクを容積が2760cm3(30×23×4cm)で蓋が閉められる2つのプラスチック容器内にそれぞれ2〜4シャーレずつ配置した。2つの容器の内、片方の中央にゴールドクレスト精油の粒剤を1粒入れたシャーレを配置した。 【0032】リーフディスクは24時間毎に観察し、孵化率、孵化した幼若虫ステージの発育期間および死亡発育ステージを記録した。 【0033】その結果を表1に示す。 【0034】 【表1】
【0035】 【発明の効果】本発明によれば、クプレックスス(cupresus)属マクロカルパ(macrocarpa)種に属する園芸植物を原料とするため、精油原料として森林資源を使用せず、計画生産や管理生産ができ、しかも得られる精油の量産化が可能であり、低労力、低コストで製造できる園芸植物精油を提供することができる。 【0036】またサビネン(sabinene)、4−テルピネオール(4−terpineol)及びシトロネロール(citronellol)を主成分として含有するゴールドクレスト精油は、害虫忌避効果やハダニ等の卵孵化防止効果がある。 【0037】これらの効果はサビネン(sabinene)を15〜30重量%、4−テルピネオール(4−terpineol)を10〜25重量%、シトロネロール(citronellol)を5〜10重量%含有する場合に顕著である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】394021409 【氏名又は名称】樹木生理機能性物質技術研究組合
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)3月30日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】丸山 英一
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| 【公開番号】 |
特開平11−279583 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)10月12日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−102208 |
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