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【発明の名称】 ポリスチレンフィルム粘着テープ
【発明者】 【氏名】芝崎 勝彦

【氏名】中村 穎一

【氏名】佐藤 伸司

【要約】 【課題】発泡ポリスチレン製の容器、緩衝材等をd−リモネンに溶解して回収する方法において、使用する包装用ポリスチレン系フィルム又は容器等の端末止め又は封緘に使用する、d−リモネンに溶解するポリスチレン系粘着テープを提供することを目的とする。

【解決手段】厚み30μmのポリスチレンフィルムの一方の面にUV硬化性シリコーン系離型剤を塗布し、もう一方の面にゴム系粘着剤を30μmの厚さで塗布してポリスチレンフィルム粘着テープを得た。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ポリスチレン系フィルムを基材としその少なくとも一方の面に粘着層を形成してなるポリスチレンフィルム粘着テープがd−リモネンに溶解することを特徴とするポリスチレンフィルム粘着テープ。
【請求項2】 粘着層がゴム系粘着剤であることを特徴とする請求項1記載のポリスチレンフィルム粘着テープ。
【請求項3】 ポリスチレン系フィルム基材の他方の面に離型剤層を形成したことを特徴とする請求項1又は2記載のポリスチレンフィルム粘着テープ。
【請求項4】 粘着層の面に剥離材を貼り合わせたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリスチレンフィルム粘着テープ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不要となった発泡ポリスチレンの包装材・緩衝材や容器などの発泡ポリスチレン廃材の減容化及びそのリサイクル処理を可能にする溶剤であるd−リモネンに溶解する粘着テープに関する。
【0002】
【従来の技術】発泡ポリスチレンは、魚箱等の各種の箱体(容器)の材料として、また、食品やトレー等の緩衝材として、或いは家電製品やAV(オーディオ・ビシュアル)機器等の梱包材料として多用されているが、使用後に多量に発生する廃材を如何に処理するかが問題になっている。
【0003】特に最近ではこの廃棄物の処理に関し、そのリサイクル技術が求められている。その処理方法として熱処理(溶融処理)によるリサイクル技術も行われているが、殆んどの廃材は埋め立てるか、焼却処理がなされているのが現状である。
【0004】その理由は、熱処理法では再生されたポリスチレンの物性が加熱により低下するという問題があり、リサイクルという点では難点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】最近、熱処理法に代わる発泡ポリスチレンのリサイクル技術として、ポリスチレンの物性の低下(劣化)が少ない溶媒による溶解法が開発され、この溶剤として柑橘類から抽出される天然系植物油の一種であるd−リモネンが使用されている。
【0006】このd−リモネンを用いて発泡ポリスチレンを回収する方法として、発泡ポリスチレン廃材を、ポリスチレン系袋に入れ、袋に入れたままd−リモネンを入れた溶解槽に投入するか、又はd−リモネンを散布することより発泡ポリスチレン廃材を溶解する際に、端末止めに使用した従来の粘着テープは粘着テープの基材及び/又は粘着剤がd−リモネンに溶解しないため、その後のリサイクル工程で端末止めに使用した粘着テープが種々の悪影響を及ぼす恐れがあり、ポリスチレン系袋から粘着テープをいちいち剥がして除去する必要がある。
【0007】また、魚箱やトレーなどの封緘や端末止め等に使用される粘着テープの場合も、上述と同様に発泡ポリスチレン容器等を廃棄物としてポリスチレンを回収する時点で粘着テープを剥がす必要があった。
【0008】従って、本発明は、ポリスチレン系袋に貼付けた端末止め粘着テープを剥がす必要がなく、また魚箱やトレーの封緘又は端末止めに使用された粘着テープを剥がすことなく、そのまま上記d−リモネン溶剤による溶解法のリサイクル工程にかけることの出来る粘着テープを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリスチレン系フィルムを基材としてこの少なくとも一方の面に粘着剤を積層してなるポリスチレンフィルム粘着テープがd−リモネンに溶解することを特徴とするポリスチレンフィルム粘着テープであって、基材及び粘着剤共にd−リモネンに溶解するので、発泡ポリスチレン廃材の回収用のポリスチレン系袋の端末止め粘着テープとして使用しても該粘着テープを剥がす必要がなく、また魚箱やトレー等の封緘や端末止めに使用し、使用後に該粘着テープを剥がすことなくそのままリモネン溶解法によるリサイクル工程にかけることが出来る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。本発明に使用するポリスチレン系フィルムとしては、厚さが10〜100μ程度で、d−リモネンに溶解するものであれば何れも使用出来る。例えば市販の、セロマー(大倉工業社製)、サントクリア(三菱化学社製)、OPSフィルム(旭化成工業社製)などを使用することが出来る。
【0011】本発明に使用するd−リモネンに溶解する粘着剤としては、以下のゴム系粘着剤やアクリル系粘着剤などを好適に使用出来る。
【0012】ゴム系粘着剤として使用されるベースゴムとしては、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体又はその水添物、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体又はその水添物、再生ゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ポリイソブチレンゴムやイソブチレン・イソプレン共重合ゴムなどが使用できる。これらのゴムはロールによる素練りや素練り促進剤の添加等により可塑度を適宜調節することが出来る。なお、ゴム系粘着剤は、チウラム加硫や樹脂加硫などの通常の架橋方法により凝集力の制御を行うことが出来る。
【0013】粘着剤は、上記のベースゴムに必要に応じて、天然や合成樹脂、粘着付与樹脂、可塑剤、軟化剤、老化防止剤などを配合して通常の方法により製造することが出来る。
【0014】粘着付与剤の例としては、αピネンやβピネン重合体、テルペン系樹脂、脂肪族や芳香族系石油系樹脂或いは脂肪族・芳香族共重合系石油系樹脂などの石油系樹脂、その他ロジン系樹脂やクマロン・インデン系樹脂などが使用出来る。
【0015】基材のポリスチレン系フィルムに粘着剤層を形成する方法としては、基材のポリスチレン系フィルムに有機溶剤系粘着剤や、水系分散液ないしエマルジョン系粘着剤、或いは熱溶融系粘着剤などを塗工することにより形成することができる。
【0016】粘着テープの具体的な製造方法としては、下記のような通常の方法で製造することが出来る。予め基材のポリスチレン系フィルムの一方の面にシリコーン系離型剤などを塗布乾燥して離型剤層を形成した後、もう一方の面に粘着剤を溶融塗工する方法或いは、水系エマルジョン粘着剤を塗布乾燥する方法などがある。
【0017】また、有機溶剤系粘着剤を直接基材のポリスチレン系フィルムに塗工する際には、ポリスチレン系フィルムにダメージを与えないような溶剤を選択することにより行うことが出来る。また、剥離紙の片面に粘着剤を塗布乾燥し基材のポリスチレン系フィルムに貼り合わせる方法などにより行うことができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を具体的実施例によって説明する。
【0019】実施例1厚み30μmのポリスチレンフィルム(大倉工業社製/セロマーSタイプ)にシリコーン系の離型剤(X−62−2416:信越化学社製)を1μmの厚さで塗布し、さらに表1に示す粘着剤を30μmの厚さで塗布を行いポリスチレンフィルム粘着テープを得た。このテープをガラス瓶に1g採取し、d−リモネン溶液を19g加え溶解性試験を行った。溶解性試験の判定方法は、○:均一に溶解できた。
△:一部膨潤して溶けなかった。
×:膨潤して溶けなかった(ゲル状になった)。
常態粘着力20mmのロールに切断した試験片とポリスチレン系袋を23℃で貼り合わせ、2kgのゴムローラーを300mm/min.の速度で1往復し圧着する。20分間放置後300mm/min.の速度で接着面を180度剥離する力を測定する。
常態保持力保持力はJIS Z0237に準じて行う。25mm×25mmの面積に1kgの荷重をかけて、30分後に落下しない場合は○、30分後に落下する場合は×で判定した。
粘着剤の配合A:SK−1720(綜研化学社製:アクリル系の溶剤型粘着剤)
B:SBR(日本合成ゴム社製:1013N) 100重量部,石油系粘着付与樹脂(日本ゼオン社製:M−100)100重量部をヘキサン溶媒に溶解した固形分20%の溶剤型粘着剤。
C:IIR(日本合成ゴム社製:ブチル365) 100重量部,石油系粘着付与樹脂(日本ゼオン社製:M−100)100重量部をヘキサン溶媒に溶解した固形分20%の溶剤型粘着剤。
D:SIS(シェルジャパン社製;クレイトン D−1107) 100重量部,石油系粘着付与樹脂(日本ゼオン社製:M−100)100重量部をヘキサン溶媒に溶解した固形分20%の溶剤型粘着剤。
E:SBS(シェルジャパン社製;クレイトン D−1101) 100重量部,石油系粘着付与樹脂(日本ゼオン社製:M−100)100重量部をヘキサン溶媒に溶解した固形分20%の溶剤型粘着剤。
F:天然ゴム(ウォーレスの可塑度W=15) 100重量部,石油系粘着付与樹脂(日本ゼオン社製:M−100)100重量部をヘキサン溶媒に溶解した固形分20%の溶剤型粘着剤。
G:PS463−■(ACI JAPAN社製:ホットメルト型粘着剤)をヘキサン溶媒に溶解した固形分20%の溶剤型粘着剤。
H:天然ゴム(ウォーレスの可塑度W=30) 100重量部,石油系粘着付与樹脂(日本ゼオン社製:M−100)100重量部をヘキサン溶媒に溶解した固形分20%の溶剤型粘着剤。
I:X−392−411E(サイデン化学社製:天然ゴム系のエマルジョン型粘着剤)
J:SBSラテックス(日本ゼオン社製:LX−210)100重量部,ロヂン系粘着付与樹脂(ハリマ化成社製:DS−70E)100重量部からなるエマルジョン型粘着剤。
K:SK−1720(綜研化学社製:アクリル系の溶剤型粘着剤)100重量部にイソシアネート硬化剤(L−45)1重量部からなるアクリル系の溶剤型粘着剤。
L:E−03H(綜研化学社製:アクリル系のエマルジョン型粘着剤)
【0020】
【表1】

B〜Gは本発明の実施例であり、H〜L及びAは比較例である。
【0021】
【発明の効果】基材及び粘着剤が共にd−リモネンに溶解するように粘着テープを構成したので、発泡ポリスチレン廃材の回収用のポリスチレン系袋の端末止め粘着テープとして使用しても該粘着テープを剥がす必要がなく、また魚箱やトレー等の封緘や端末止めに使用し使用後に該粘着テープを剥がすことなくそのままリモネン溶解法によるリサイクル工程にかけることが出来る。
【出願人】 【識別番号】000145079
【氏名又は名称】株式会社寺岡製作所
【出願日】 平成10年(1998)5月15日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】吉嶺 桂 (外1名)
【公開番号】 特開平11−323265
【公開日】 平成11年(1999)11月26日
【出願番号】 特願平10−150791