| 【発明の名称】 |
珪酸ナトリウムを配合した高硬度表面塗膜材 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐藤 幸雄
【氏名】ハリー・ボエック
【氏名】福士 猷教
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| 【要約】 |
【課題】珪酸ナトリウム配合の塗膜材は、水に弱く塗膜が損傷したり、塗膜下地から剥離する欠点があり、特にピグメントを配合して、その塗膜が耐久性のある、装飾的耐磨耗性を持たせることが出来なかった。また、非常に高硬度の塗膜は、望むべくもなかった。本発明は、これらの弱点を改良することを課題とした。
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 非反応性あるいは不活性フィラーおよび着色用ピグメントを混合した高粘度珪酸ナトリウム溶液を一回目のベースコートとし、一回目コートが指触乾燥後、塩酸に塩化カルシウムを添加した溶液によって構成される硬化剤を二回目コートとすることを特徴とする、コンクリート、あるいはスティールに使用される、珪酸ナトリウムをベースとする装飾的耐磨耗性の高硬度表面塗膜材。 【請求項2】 請求項1の高粘度珪酸ナトリウム溶液は、珪酸ナトリウム溶液100重量部に対し、水5乃至30重量部であることを特徴とする、珪酸ナトリウムをベースとする装飾的耐磨耗性の高硬度表面塗膜材。 【請求項3】 請求項1および請求項2の、非反応性、あるいは不活性フィラーが粉末酸化アルミニュームまたは粉末酸化亜鉛であることを特徴とする、珪酸ナトリウムをベースとする装飾的耐磨耗性の高硬度表面塗膜材。 【請求項4】 請求項1、請求項2および請求項3で使用される硬化剤は、非常に反応性が高いものであることを特徴とする、珪酸ナトリウムをベースとする装飾的耐磨耗性の高硬度表面塗膜材。 【請求項5】 請求項1、請求項2、請求項3および請求項4で使用されるベースコートおよび硬化剤のいずれか、または両方に、塗膜に硬化剤が浸透し易くするために、フッ素系界面活性剤を添加することを特徴とする、珪酸ナトリウムをベースとする装飾的耐磨耗性の高硬度表面塗膜材。 【請求項6】 請求項1、請求項2、請求項3、請求項4および請求項5において、ベースコートが硬化剤と充分反応することを保障するために、最低2回の硬化剤塗布をすることを特徴とする、珪酸ナトリウムをベースとする装飾的耐磨耗性の高硬度表面塗膜材。 【請求項7】 請求項6の硬化剤の1回塗りまたは2回塗りは、ベースコートが指触乾燥後、すなわち最低15分経ってから行うことを特徴とする、珪酸ナトリウムをベースとする装飾的耐磨耗性の高硬度表面塗膜材。 【請求項8】 請求項6または請求項7において、最初のベースコートを適切な方法、たとえばローラー、刷毛あるいはスプレイで行うことを特徴とする、珪酸ナトリウムをベースとする装飾的耐磨耗性の高硬度表面塗膜材。 【請求項9】 請求項6、請求項7および請求項8において、硬化剤の1回塗り、または2回塗りを、湿潤を充分にするため、霧スプレーで行うことを特徴とする、珪酸ナトリウムをベースとする装飾的耐磨耗性の高硬度表面塗膜材。 【請求項10】請求項1から請求項9のどれにも使用するベースコートの成分が、珪酸ナトリウム溶液70〜95重量%および水5〜30重量%からなる水溶液100重量部に対して、フッ素系界面活性剤1%水溶液を1〜3重量部、ピグメント2.5〜6.0重量部および10〜100ミクロンの粉末酸化アルミニューム、または酸化亜鉛20〜60重量部を配合することを特徴とする珪酸ナトリウムをベースとする装飾的耐磨耗性の高硬度表面塗膜材。 【請求項11】請求項1から請求項10のどれにも使用する2次的コートの硬化剤の成分が、37重量%塩酸6〜12重量%、塩化カルシウム3〜10重量%および水78〜91重量%の水溶液100重量部に対して、フッ素系界面活性剤1%水溶液を1〜3重量部配合することを特徴とする、珪酸ナトリウムをベースとする装飾的耐磨耗性の高硬度表面塗膜材。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は表面塗膜材、特に珪酸ナトリウムを配合した表面塗膜材に関するものである。以下の記述は、基本的にコンクリートの表面処理について述べているが、本発明はそれに限定されるものではなく、発明に関する表面塗膜材の施工は、適切な改善をすることにより、この発明が利用出来るいかなる下地をも包含している。 【0002】 【従来の技術】コンクリート硬化材として、珪酸ナトリウム(水ガラス)を使用することは、長い間知られていることであり、例えば、珪酸ナトリウムの低粘度の溶液を使用して、コンクリート表面に浸透させ、コンクリートと反応して不溶解性の珪酸カルシウムを生成させることは、伝統的に行われている。このような処理は、保護機能(例えば耐油、耐酸、耐火)を改善したり、またコンクリート表面の耐磨耗性を改善するために有効であるが、この処理は基本的に透明なものであり、このような低粘度の溶液を使用して、本当の不透明のものにすることは不可能であった。それは、ピグメントの分子が、珪酸ナトリウムの分子より大きいために、珪酸ナトリウムは吸収されるが、ピグメントはコンクリートに吸収されないでコンクリートの表面に残るためである。その結果、コンクリート表面を着色するために使用されるピグメントは、簡単に磨耗したり、またコンクリートとピグメントの間、あるいは中間接着材との間に、効果的な接着が起きていないため、ピグメントが簡単に剥離していた。 【0003】珪酸ナトリウムは前述の特性を持つこと、および比較的に安価なものであるために、珪酸ナトリウム配合の表面塗膜材として多くの試みがなされたが、主として珪酸ナトリウム自身が極めて水に敏感であり、それが前述の珪酸カルシウムに転換されない限りにおいて、基本的に水に曝されて溶出したり劣化するため、処理表面が破壊され、目的を達成することが出来なかった。また、珪酸ナトリウムを硬化させる材料が幾つか知られているが、効果が不充分、特にその反応時間の面で不充分であることが証明されており、そのために、珪酸ナトリウムを表面処理材として使用することに限界があった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、珪酸ナトリウム配合を基にして、前述のコンクリートの伝統的低粘度処理材の持っている欠点を、ある程度或いは完全に克服し、不透明の表面処理材を構成するための効果を改善し、コンクリート、スティールなどに、装飾的耐磨耗性の保護機能を持つ、高硬度表面塗膜材を提供することにある。最少に見ても、本発明はコンクリートあるいは他の表面を保護するための有効な表面塗膜材を提供するものである。また、本発明者らは、すでに平成10年3月26日出願の特許、「珪酸ナトリウムを配合した表面塗膜材」において、これらの課題を克服した技術を発明、提案している。本発明は、その技術をさらに高硬度の塗膜材とすることに成功し、提案するものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、非反応性の不活性フィラーおよびカラーピグメント材を混合した、高粘度の珪酸ナトリウム溶液を一回目のベースコートとし、一回目のベースコートが指触乾燥した後、塩化カルシウムと塩酸溶液を混合した硬化剤を、二回目の硬化コートとして塗布することで、コンクリート、スティールなどの表面に、装飾的耐磨耗性を持つ、珪酸ナトリウムをベースとした高硬度の表面塗膜を提供する。珪酸ナトリウム溶液は、日本工業規格中の1号、2号、3号、4号である。 【0006】 【発明の実施の形態】代表的な珪酸ナトリウムの低粘度溶液は、珪酸ナトリウム溶液1重量部に対し、水4重量部の割合を使用していた。本発明の溶液は、珪酸ナトリウム溶液100重量部に対し、水5〜30重量部の割合を採用することにより、粘度を最大にし、それによって一回目のベースコートのコンクリートあるいは他の下地への浸透を少なくしている。水の比率は、使用する珪酸ナトリウム溶液粘度が高い、1号珪酸ナトリウム溶液の場合には、粘度が低い3号珪酸ナトリウム溶液を使用する場合に較べて、高くする必要があること、また使用するフィラーの量により、塗布性を調節することも必要であり、上記の範囲が好ましい。水の比率が硬化塗膜に与える影響として、上記の範囲より大きいと、硬化塗膜の性能、すなわち硬度や耐水性が悪くなり、またその比率が小さいと粘度が高すぎて、均一の塗布が難しくなる。また、珪酸ナトリウム溶液に替えて、珪酸カリウム溶液を使用することが出来るが、価格が高く経済的メリットがない。非反応性の不活性フィラーの例として、適切なピグメントが使用出来る粉末酸化アルミニューム、または酸化亜鉛を使用することが好ましい。先の出願では、本発明者らは、粉末クォーツを提案した。これは塗膜の硬度、耐磨耗性、耐水性を高めたものであり、優れた技術であることは確かである。本発明は、さらに塗膜の硬度を高めることに留意して鋭意検討を重ねた結果、粉末クォーツよりさらに微粉末であり、それ自身硬度の高い粉末酸化アルミニュームの使用により、珪酸ナトリウム水溶液との共存下で、液粘度の増大もなく、塗膜の硬度を著しく高めることが確認された。粉末酸化アルミニュームの使用量は、主として液粘度によって制約されるが、塗膜の硬度、耐磨耗性の要求度合いにより適宜の量を選択することが出来る。また、粉末酸化アルミニュームに次いで、粉末酸化亜鉛の使用も推奨出来る。 【0007】本発明の硬化剤は、先の出願におけると同様のものが使用される。すなわち、塩化カルシウムと塩酸溶液を混合した硬化剤であり、前述の粉末酸化アルミニュームを使用したベースコートが指触乾燥後、これを塗布することにより、何らの障害もなく使用出来る。また、硬化剤の塗布を二回行い、塗膜の硬化反応を充分行わせることが好ましい。さらに、出来得れば、二回のコートのうち、どちらかあるいは両方に、最初のベースコート塗膜に硬化剤が浸透するのを助けるために、フッ素系界面活性剤の使用が非常に有効である。またベースコートにも、フッ素系界面活性剤を使用することも非常に有効である。 【0008】ベースコートの粘度を高くしたために、ベースコートがコンクリートに吸収されてしまうことを防ぎ、ベースコート底面の珪酸ナトリウムが、コンクリートと反応して、水に不溶解の珪酸塩となり、残りの珪酸ナトリウムは、硬化剤と充分反応して比較的厚い表面塗膜を形成し、その中にピグメントを封入、接着させる。 【0009】最初のベースコートは、最少約10〜15分で指触乾燥し、硬化剤の二回目コートは、その後いつでも塗布することが出来る。この時ベースコートは、養生されるまでは、水や磨耗による損傷の危険があることに注意する必要がある。一回目のベースコートは適切な方法、例えばローラー、刷毛、スプレーで塗布することが出来る。二回目の硬化剤コートは、どんな適切な方法でも施工出来るが、霧スプレーを使用して湿潤状態にすることが良い。 【0010】また、硬化剤の組成は、37重量%の塩酸を6〜12重量%、塩化カルシウム3〜10重量%、および残りを水としたものが好ましい。塩酸、塩化カルシウムがこれより多いと、硬化ムラが発生しやすくなり、少ない場合は硬化が不充分となり易い。このように、本発明は最初のベースコートの指触乾燥後に、硬化剤を適用することにより、高速の硬化反応を起こし、非常に堅牢な耐久性のある、装飾的な高硬度の塗膜を生成せさることが出来る。 【0011】 【実施例1】ベースコートおよび硬化剤の配合として、以下のものを使用した。 ベースコートの配合 3号珪酸ナトリウム溶液 920g 水 80g フッ素系界面活性剤1%溶液 10g 粉末酸化アルミニューム(平均43ミクロン) 450g ピグメント(ベンガラ系) 50g 硬化剤(二回目コート) 塩酸(37重量%) 10g 塩化カルシウム 5g 水 83g フッ素系界面活性剤1%溶液 2g先ず、上記ベースコートを、20cm×40cm、厚さ3cmのコンクリート試験片の表面に刷毛を用いて厚みが約2mmとなるように均等に塗布した。約30分後、この一回目コートが指触乾燥となった後、上記硬化剤(二回目コート)を刷毛塗りした。さらに約30分後、もう一回上記硬化剤を刷毛により塗布した。1日後、塗膜は非常に固くなっており、艶のある美観の良い褐色の塗膜となっていた。この塗膜に、90〜100psiの水圧を持つ高圧水を当てたが、30分後もなお塗膜は堅牢であり、水に侵食されず、何らの変化も観察されなかった。また、この塗膜を、ワイヤーブラシでこすったが、いささかの擦過傷も発生せず、また塗膜がコンクリート試験片から剥離することもなかった。この場合、ワイヤーブラシのワイヤーが磨耗され、金属微粉が生成していることが確認された。また、前記ベースコート配合物は、3ケ月常温で放置しても、粘度の変化が無く安定であり、さらにピグメントとして、黄色、青色など金属酸化物系のものは、いずれも安定しており、使用できることが確認された。 【0012】 【実施例2】ベースコートの配合として、以下のものを使用し、実施例1と同様の硬化剤を使用し、同様の方法で、コンクリート試験片に、塗膜を生成させた。 1号珪酸ナトリウム溶液 750g 水 250g フッ素系界面活性剤1%溶液 10g 粉末酸化アルミニューム(平均43ミクロン) 450g ピグメント(ベンガラ系) 50g1日後、塗膜は非常に固くなり、艶のある美観の良い褐色の塗膜となった。実施例1と同様の水圧テスト、ワイヤーブラシテストにおいて、塗膜に何らの侵食や、擦過傷の発生も認められなかった。また、ワイヤーブラシのワイヤーが磨耗され、金属微粉が生成していることが確認された。 【0013】 【実施例3】ベースコートの配合として、実施例1の3号珪酸ナトリウム溶液を4号珪酸ナトリウム溶液950gにかえた以外は、実施例1と全く同様の配合、同様の硬化剤、同様の方法で、コンクリート試験片に、塗膜を生成させた。1日後、塗膜は非常に固くなり、艶のある美観の良い褐色の塗膜となった。実施例1と同様の水圧テスト、ワイヤーブラシテストにおいて、塗膜に何らの侵食や、擦過傷の発生も認められなかった。また、ワイヤーブラシのワイヤーが磨耗され、金属微粉が生成していることが確認された。 【0014】 【実施例4】ベースコートの配合として、実施例1の粉末酸化アルミニュームを、粉末酸化亜鉛(平均50ミクロン)にかえた以外は、実施例1と全く同様の配合、同様の硬化剤、同様の方法で、コンクリート試験片に、塗膜を生成させた。1日後、塗膜は非常に固くなり、艶のある美観の良い褐色の塗膜となった。実施例1と同様の水圧テスト、ワイヤーブラシテストにおいて、塗膜に何らの侵食や、擦過傷の発生も認められなかった。また、ワイヤーブラシのワイヤーが磨耗され、金属微粉が生成していることが確認された。 【0015】 【発明の効果】記述した珪酸ナトリウム配合を使用する本発明の効果は、以下の通りである。 (1)着色した堅牢な耐水性の表面塗膜が得られる。 (2)硬化塗膜は、非常に高硬度であり、ワイヤーブラシのワイヤーを磨耗させる。 (3)硬化剤は、非常に早くベースコートを固化させ、完全な塗膜を作る。 (4)さらに、フッ素系界面活性剤の添加は、水相の表面張力を減少させ、珪酸ナトリウムと硬化剤の接触を非常に良く馴染ませる働きを持つ。 以上、本発明の幾つかの具体的なものだけを述べたが、本発明の展望よりして、熟練した改良も加えることが出来る。
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| 【出願人】 |
【識別番号】593154849 【氏名又は名称】佐藤 幸雄
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)6月10日 |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開平11−349852 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)12月21日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−197917 |
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