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【発明の名称】 自動車外板上塗り塗料組成物及び塗装方法
【発明者】 【氏名】本田 康史

【氏名】渡辺 健太郎

【氏名】郷本 佳宏

【要約】 【課題】撥水性、耐酸性、耐擦傷性、耐チッピング性、耐候性および仕上がり外観性等に優れた自動車外板用上塗り塗料組成物を得ることを目的とする。

【解決手段】前記目的を達成するため、本発明の自動車外板用上塗り塗料は、クリヤー塗料とベースコート塗料から構成され、該クリヤー塗料が(A)1分子中に、化学的にブロックされたカルボキシル基を2個以上有するフッ素樹脂 30〜60重量部および(B)1分子中に、エポキシ基を2個以上有するアクリル樹脂40〜70重量部からなり、該ベースコート塗料が、(C)1分子中に、水酸基を2個以上有するアクリル樹脂 15〜55重量部(D)1分子中に、2個以上の水酸基および2個以上のエポキシ基を有するアクリル樹脂 15〜55重量部および(E)水酸基と反応する官能基を有するメラミン樹脂 30〜40重量部から成る。更に、本発明の塗装方法は、被塗物に前記ベースコート塗料を塗装し、次いで該ベースコート塗料上に前記クリヤー塗料をウェット−オン−ウェットで塗装し、次いで加熱硬化して硬化塗膜を得ることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 クリヤー塗料とべースコート塗料からなる、自動車外板上塗り塗料組成物であって、該クリヤー塗料が(A)1分子中に、化学的にブロックされたカルボキシル基を2個以上有するフッ素樹脂 30〜60重量部および(B)1分子中に、エポキシ基を2個以上有するアクリル樹脂 40〜70重量部からなり、該ベースコート塗料が、(C)1分子中に、水酸基を2個以上有するアクリル樹脂 15〜55重量部(D)1分子中に、2個以上の水酸基および2個以上のエポキシ基を有するアクリル樹脂 15〜55重量部および(E)水酸基と反応する官能基を有するメラミン樹脂 30〜40重量部から成ることを特徴とする、前記自動車外板上塗り塗料組成物。
【請求項2】 (A)が、フルオロオレフインとビニルエーテル類、ビニルエステル類、アリルエーテル類、又はクロトン酸エステル類の共重合体であり、1分子中に化学的にブロックされたカルボキシル基を2個以上有する、有機溶剤可溶型フッ素樹脂である、請求項1の自動車外板上塗り塗料組成物。
【請求項3】 (B)の分子量が数平均分子量1,000 〜10,000である請求項1の自動車外板上塗り塗料組成物。
【請求項4】 (B)のエポキシ基当量が200 〜500 である請求項1の自動車外板上塗り塗料組成物。
【請求項5】 (D)のエポキシ基当量が500 〜5,000 である請求項1の自動車外板上塗り塗料組成物。
【請求項6】 (C)と(D)の組成比が、重量比70/30〜30/70である、請求項1の自動車外板上塗り塗料組成物。
【請求項7】 被塗物にベースコート塗料を塗装し、次いで該ベースコート塗料上にクリヤー塗料をウェット−オン−ウェットで塗装し、次いで加熱硬化して硬化塗膜を形成する塗装方法であって、該クリヤー塗料が、(A)1分子中に、化学的にブロックされたカルボキシル基を2個以上有するフッ素樹脂 30〜60重量部および(B)1分子中に、エポキシ基を2個以上有するアクリル樹脂 40〜70重量部からなり、該ベースコート塗料が、(C)1分子中に、水酸基を2個以上有するアクリル樹脂 15〜55重量部(D)1分子中に、2個以上の水酸基および2個以上のエポキシ基を有するアクリル樹脂 15〜55重量部および(E)水酸基と反応する官能基を有するメラミン樹脂 30〜40重量部から成ることを特徴とする、前記塗装方法。
【請求項8】 (A)が、フルオロオレフインとビニルエーテル類、ビニルエステル類、アリルエーテル類、又はクロトン酸エステル類の共重合体であり、1分子中に化学的にブロックされたカルボキシル基を2個以上有する、有機溶剤可溶型フッ素樹脂である、請求項7の塗装方法。
【請求項9】 (B)の分子量が数平均分子量1,000 〜10,000である請求項7の塗装方法。
【請求項10】 (B)のエポキシ基当量が200 〜500 である請求項7の塗装方法。
【請求項11】 (D)のエポキシ基当量が500 〜5,000 である請求項7の塗装方法。
【請求項12】 (C)と(D)の組成比が、重量比70/30〜30/70である、請求項7の塗装方法。
【請求項13】 被塗物にベースコート塗料を塗装し、次いで該ベースコート塗料上にクリヤー塗料をウェット−オン−ウェットで塗装し、次いで加熱硬化せしめてなる自動車外板用上塗り塗膜であって、前記クリヤー塗料が(A)1分子中に、化学的にブロックされたカルボキシル基を2個以上有するフッ素樹脂 30〜60重量部および(B)1分子中に、エポキシ基を2個以上有するアクリル樹脂 40〜70重量部からなり、該ベースコート塗料が、(C)1分子中に、水酸基を2個以上有するアクリル樹脂 15〜55重量部(D)1分子中に、2個以上の水酸基および2個以上のエポキシ基を有するアクリル樹脂 15〜55重量部および(E)水酸基と反応する官能基を有するメラミン樹脂 30〜40重量部から成ることを特徴とする、前記自動車外板用上塗り塗膜。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車外板上塗り塗膜組成物およびその塗料組成物を用いた塗装方法に関し、詳しくは、撥水性、耐酸性、耐擦傷性、耐チッピング性、耐候性および仕上がり外観性等に優れた自動車外板用上塗塗膜を得るための塗料組成物、該塗料組成物を用いた塗装方法および該塗装方法により得られる硬化塗膜に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車外板に硬化塗膜を形成する手法として、一般に、下塗り塗面または中塗塗面上に、顔料や光輝材を含むベースコート塗料と、クリヤー塗料を塗り重ね、焼き付けることにより上塗塗膜を得る方法が用いられている。これらの上塗塗料としては、従来より、水酸基含有アクリル樹脂およびメラミン樹脂を主成分とする熱硬化性の焼付塗料が使用されているが、この塗料系は耐酸性が充分ではなく、酸性雨により浸食され塗膜に欠陥を生じるといった問題点があった。
【0003】耐酸性を向上する手段としては、クリヤー塗料として水酸基含有アクリル樹脂とメラミン樹脂に加えて、カルボキシル基含有化合物およびエポキシ基含有アクリル樹脂を併用した塗料を使用する塗装工法、あるいは、クリヤー塗料としてカルボキシル基含有化合物およびエポキシ基含有アクリル樹脂を主成分とし、メラミン樹脂を含まない塗料を使用する塗装工法が提案されているが、これらの塗装工法では耐酸性に優れるものの、前述の水酸基含有アクリル樹脂およびメラミン樹脂を主成分とするベースコート塗料との組み合わせでは、密着性、耐チッピング性、耐候性が低下する等の欠点を有しており、また塗料の安定性に劣り、増粘しやすい欠点もあった。
【0004】また、クリヤー塗料として、撥水性を示すフッ素樹脂およびメラミン樹脂を主成分とする塗料を使用する塗装工法が提案されているが、メラミン樹脂を架橋剤として使用するため、充分な耐酸性の向上を達成することができなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記の間題点を解決するため、撥水性、耐酸性、耐擦傷性、耐チッピング性、耐候性および仕上がり外観性等に優れた自動車外板用上塗塗料組成物、該塗料組成物を用いた塗装方法、および該塗装方法により得られる自動車外板用上塗り塗膜を提供することにある。
【0006】
【課題を解決させるための手段】上記問題点を解決するために、種々の検討を重ねた結果、クリヤー塗料成分として、カルボン酸基と同クリヤー塗料成分としてのアクリル樹脂中のエポキシ基の反応により硬化塗膜を形成するフッ素樹脂クリヤーを使用し、べースコート塗料成分に、エポキシ基と水酸基を持つアクリル樹脂を配合したべースコート塗料を使用することにより、撥水性、耐酸性に優れ、且つ、密着性、耐チッピング性、耐候性にも優れる硬化塗膜を得ることができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、クリヤー塗料とべースコート塗料からなる、自動車外板上塗り塗料組成物であって、該クリヤー塗料が(A)1分子中に、化学的にブロックされたカルボキシル基を2個以上有するフッ素樹脂 30〜60重量部および(B)1分子中に、エポキシ基を2個以上有するアクリル樹脂 40〜70重量部からなり、該ベースコート塗料が、(C)1分子中に、水酸基を2個以上有するアクリル樹脂 15〜55重量部(D)1分子中に、2個以上の水酸基および2個以上のエポキシ基を有するアクリル樹脂 15〜55重量部および(E)水酸基と反応する官能基を有するメラミン樹脂 30〜40重量部から成ることを特徴とする。
【0008】更に、本発明の塗装方法は、被塗物に前記ベースコート塗料を塗装し、次いで該ベースコート塗料上に前記クリヤー塗料をウェット−オン−ウェットで塗装し、次いで加熱硬化して硬化塗膜を形成することを特徴とする。
【0009】更に、本発明の自動車外板上塗り塗膜は、被塗物に前記ベースコート塗料を塗装し、次いで該ベースコート塗料上に前記クリヤー塗料をウェット−オン−ウェットで塗装し、次いで加熱硬化せしめてなる。
【0010】即ち、本発明の塗装方法は、クリヤー塗料成分の、撥水性を有するフッ素樹脂中の、ブロック酸基とクリヤー塗料成分アクリル樹脂中のエポキシ基との反応により硬化させることによって、良好な耐酸性および耐擦り傷性を得、またべースコート塗料中に、エポキシ基と水酸基を併せ持つアクリル樹脂を配合することによって、べースコート塗料中のエポキシ基とクリヤー塗料中のブロック酸基との架橋を形成させ、該架橋によって、密着性、耐チッピング性に優れた塗膜を形成させる、塗装工法である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の自動車外板上塗り塗料組成物は、前記のように2つの成分から成るクリヤー塗料と3つの成分から成るベースコート塗料から構成される。
【0012】このクリヤー塗料は、前記のように(A)1分子中に、化学的にブロックされたカルボキシル基を2個以上有するフッ素樹脂30〜60重量部と、(B)1分子中に、エポキシ基を2個以上有するアクリル樹脂40〜70重量部から成る。
【0013】以下、更に説明する。1分子中に、化学的にブロックされたカルボキシル基を2個以上有するフッ素樹脂(A成分)としては、フルオロオレフインとカルボン酸を含有するビニルエーテル類、ビニルエステル類、アリルエーテル類、又はクロトン酸エステル類との共重合体である有機溶剤可溶型フッ素樹脂を用いることができる。すなわち、カルボン酸を含有するビニルエーテル類、ビニルエステル類、アリルエーテル類、クロトン酸エステル類およびクロトン酸モノマーを共重合モノマー成分として共重合反応において使用することによりカルボン酸基を前記フッ素樹脂に導入する。このカルボン酸基含有フッ素樹脂をビニルエーテル化合物等のブロック剤(例えば、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等)と反応させることにより、ブロックカルボン酸基含有フッ素樹脂を得る。
【0014】このブロックカルボン酸基含有フッ素樹脂の配合量は、30〜60重量部の範囲である。配合量が30重量部未満では充分な撥水性が得られず、また配合量が60重量部を越える場合には、架橋が不十分となり塗膜性能が低下する。ブロックカルボン酸基フッ素樹脂の分子量は、数平均分子量1,000 〜10,000の範囲が望ましい。
【0015】1分子中に、エポキシ基を2個以上有するアクリル樹脂は、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリレートモノマーを単独重合することにより、又は前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートモノマーおよび、アルキル(メタ)アクリレート類、スチレン等のモノマーを共重合することにより得ることができる。
【0016】このエポキシ基含有アクリル樹脂の分子量は、数平均分子量1,000 〜10,000の範囲が望ましい。数平均分子量が1,000 未満の場合には充分な塗膜性能が得られず、数平均分子量が10,000を超える場合には、塗料の安定性が低下し、激しい増粘を起こす。尚、本発明での数平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフイーにより測定されたポリスチレン換算での数平均分子量を指す。
【0017】また、このエポキシ基含有アクリル樹脂のエポキシ基含有量は、エポキシ基当量で200 〜500 の範囲であることが望ましい。エポキシ当量が200 未満である場合には、過度に架橋を形成するため経時的に塗膜の割れを生じる。一方、エポキシ当量が500 を超える場合には架橋が不足するため充分な塗膜性能を得られない。
【0018】1分子中に、エポキシ基を2個以上有するアクリル樹脂は、クリヤー塗料中に40〜70重量部配合される。40重量部未満の場合、充分な架橋を形成することができず、ピッチングによる塗膜の剥がれ等の性能低下を招くため不都合である。一方、70重量部を超えると塗膜の撥水性が低下する。
【0019】本発明に使用されるベースコート塗料の、1分子中に、水酸基を2個以上有するアクリル樹脂は、2−ヒドキシ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロビル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレートモノマーを単独重合することにより、又は前記水酸基含有(メタ)アクリレートモノマーとアルキル(メタ)アクリレート類、スチレン等のモノマーを共重合することにより得ることができる。
【0020】この1分子中に水酸基を2個以上有するアクリル樹脂は、ベースコート塗料中に15〜55重量部配合される。15重量部未満の場合塗料の経時安定性が低下するため不都合であり、一方、55重量部を超えると、密着性が低下するため不都合である。
【0021】1分子中に、2個以上の水酸基および2個以上のエポキシ基を有するアクリル樹脂は、好ましくはグリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリレートモノマーと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレートモノマーを共重合させることにより又は前記二成分にアルキル(メタ)アクリレート類、スチレン等のモノマーを加え三元重合させることにより得ることができる。
【0022】この水酸基とエポキシ基を併せ持つアクリル樹脂のエポキシ基含有量は、エポキシ当量で500 〜5,000 の範囲であることが望ましく、エポキシ基当量が500 未満では、塗料の経時安定性が低下し激しい増粘を起こす。一方エポキシ基当量が5,000 を超える場合にはべースコート塗料とクリヤー塗料間での架橋の形成が不十分となり、密着性の低下や耐チッピング性の低下が起こる。
【0023】1分子中に、2個以上の水酸基および2個以上のエポキシ基を有するアクリル樹脂は、ベースコート塗料中に15〜55重量部配合される。前記アクリル樹脂の配合割合が15重量部未満の場合、密着性が低下するため不都合である。一方その配合割合が55重量部を超えると、塗料の経時安定性が低下するため不都合である。
【0024】水酸基と反応する官能基を有するメラミン樹脂としては、典型的にはメラミン(2,4,6,−トリアミノ−1,3,5−トリアジン)のアミノ基の一部にホルムアルデヒドを反応させてメチロール化し、ついで該メチロール基の一部をアルコールでアルキルエーテル化することにより得られる、塗料用メラミン樹脂を用いる。
【0025】水酸基と反応する官能基を有するメラミン樹脂のベースコート中の配合量は、30〜40重量部である。該メラミン樹脂の配合量が30重量部未満の場合、密着性、耐候性が低下するため、不都合である。一方40重量部を超えた場合、ピッチングによる剥がれ等の塗膜性能の低下を招くため、不都合である。
【0026】ベースコート塗料には、上記の樹脂成分以外に、着色顔料として、酸化チタン、亜鉛華、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、カーボンブラック等の無機系着色顔料、フタロシアニンブルー、スレンブルー、フタロシアニングリーン、不溶性アゾ、溶性アゾ、ペリレン、キナクリドンレッド、チオインジゴレッド、ジオキサジンバイオレット、アンスラピリミジンイエロー、キノフタロンイエロー、ベンジジンイエロー等の有機系着色顔料、光輝材としてアルミニウム粉、ニッケル粉、パールマイカ等を配合することができる。
【0027】
【実施例および比較例】次に、本発明を実施例および比較例によりさらに具体的に説明する。なお、実施例および比較例において用いた化合物A、B、C、DおよびEに示すものである。
【0028】(化合物A)カルボキシル基を含有するフッ素樹脂(クロロトリフルオロエチレン/エチルビニルエテル/シクロヘキシルビニルエーテル/クロトン酸=50/15/20/15モル%の共重合体)のカルボキシル基をカルボキシル基と同量のイソブチルビニルエーテルで化学的にブロックしたフッ素樹脂のキシレン溶液(固形分60%、樹脂成分のブロック酸基当量630 、数平均分子量2,5OO)
【0029】(化合物B)グリシジルメタクリレート/スチレン/メチルメタクリレート/ブチルメタクリレート/ブチルアクリレート=30/25/10/15/20モル%の共重合体のキシレン溶液(固形分60%、樹脂成分のエポキシ基当量420 、数平均分子4,OOO)【0030】(化合物C)2−ヒドロキシエチルメタクリレート/スチレン/メチルメタクリレート/ブチルメタクリレート/ブチルアクリレート=10/35/10/15/30モル%の共重合体のキシレン溶液(固形分50%、樹脂成分の水酸基当量1190、数平均分子量7,OOO)【0031】(化合物D)グリシジルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/スチレン/メチルメタクリレート/ブチルメタクリレート/ブチルアクリレート=5/10/35/10/15/25モル%の共重合体のキシレン溶液(固形分50%、樹脂成分のエポキシ基当量2,4OO 、樹脂成分の水酸基当量1,2OO 、数平均分子量7,OOO)【0032】(化合物E)n−ブチル化メラミン樹脂(ユーバン20SE−60)(商品名、三井化学株式会社製)
【0033】(実施例1〜4、比較例1〜3)容器に、表1に示すクリヤー塗料配合欄に記載の組成材料を秤量し、ホモディスバーで20分間攪拌して、クリヤー塗料を得た。同様に、容器に表1に示すべ一スコート塗料配合欄に記載の組成材料を秤量し、ホモディスバーで20分間攪拌して、ベースコート塗料を得た。
【0034】化成処理されたダル鋼板に、カチオン電着塗料アクアNo.42OO(商品名、日本油脂製)を20μm 塗装し、17O ℃で20分間焼き付けた後、中塗塗料としてハイエピーNo.5OO (商品名、日本油脂製)を乾燥塗膜で35μm になるように塗装し、140 ℃で20分間焼き付けて被塗物とした。次いで、上記の方法で作成したベースコート塗料にシンナー(キシレン/酢酸ブチル=8/2重量化)を加え、塗料温度20℃下でフォードカップNo.4、13秒の粘度となるように調整した。これらのベースコート塗料を上記被塗物上に乾燥膜厚が13μm となるようにエアスプレー塗装した。3分間常温で放置した後、上記の方法で作成したクリヤー塗料を乾燥膜厚が35μm となるようにエアスプレー塗装した。この塗装鋼板を常温で10分間放置した後、15O ℃で20分間焼き付けて硬化塗膜を得た。得られた硬化塗膜について以下に述べる塗膜性能試験を行ない、評価した。結果を表1および表2に示す。
【0035】(塗膜性能試験および評価方法)
塗膜硬度:JlS K54OO 8.4.1試験機法により塗膜硬度を測定し、塗膜のすり場による評価を行った。
耐湿性:JIS K54OO 9.2.2回転式法で120 時間の試験を行い、試験終了後、目視で塗膜の状態を観察した。
撥水性:協和界面科学製接触角計(CA−Z型)を用いて、水の接触角を測定し、接触角85度以上を合格、85度に達しないものを不合格とした。
密着性:JlS K54OO 8.5.2碁盤目テープ法により、付着性の試験を行い、評価点6点以上を合格、評価点6点に達しないもの以下を不合格とした。
耐酸性:40重量%硫酸2mlを試験板上にスポット上に乗せ、60℃で30分間放置後、塗膜の異常を目視で判定した。
耐擦り傷性:関東ローム層土(試験用ダスト8種JIS Z8901 )の20%水懸濁液1mlを、2×2cmのネル布に塗布したものを摩擦試験機(太佑機械製)の摺動へッド部に装着し、硬化塗膜上で荷重5Og下で20往復させて塗膜に擦り傷を発生させた後、色差計(SM−7型、スガ試験機製)により明度L*値を測定し、初期との明度差△L*値を算出した。この色差△L*が15以下の場合を合格、15を超えた場合を不合格とした。
耐チッピング性:ASTM−D−3170に準拠した以下の方法により、耐チッピング性の試験および評価を行った。試験機Q−G−Rグラベロメーター(Q−PaneI社製)の試験板ホルダーに、硬化塗膜面の中央部4O×40mmを残して周囲をガムテープで被覆した試験板を取り付け、試験温度20℃下で、チップ材(直径10〜15mmの大理石粒、約250 個)を吹き付けエアー圧約4.8kg /cm2 により噴射し、衝突によって生じた傷の平均剥離面積を測定した。この平均剥離面積がO.3mm2下を合格、O.3mm2越える場合を不合格とした。
耐候性JIS DO205 2.2.1促進耐候性試験(3)紫外線蛍光灯式耐候性試験機を使用し、試験時間2OOO時間後の塗膜の割れの有無を観察した仕上がり外観性目視により塗膜外観性を評価した【0036】
【表1】

【0037】
【表2】

【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の自動車外板上塗り塗料は、クリヤー塗料とベースコート塗料から成り、そしてクリヤー塗料が所定配合量の特定のフッ素樹脂とアクリル樹脂から構成され、そしてベースコート塗料が所定配合量の特定のアクリル樹脂(2種類)とメラミン樹脂から構成されるものであるから、撥水正、耐酸性、耐擦傷性、耐ピッチング性、耐候性および仕上がり外観性等に優れた、自動車外板用上塗り塗膜を形成することができるという顕著な効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】000004341
【氏名又は名称】日本油脂株式会社
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
【出願日】 平成10年(1998)5月12日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 暁秀 (外8名)
【公開番号】 特開平11−323242
【公開日】 平成11年(1999)11月26日
【出願番号】 特願平10−128802