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【発明の名称】 キノキサリン−モノアゾ−アセトアリーライド顔料
【発明者】 【氏名】ハンス・ヨアヒム・メッツ

【氏名】ヨアヒム・ヴエーバー

【要約】 【課題】キノキサリン−モノアゾ−アセトアリーライド顔料を提供する。

【解決手段】一般式(I)【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一般式(I)【化1】

(式中、R1およびR2は、同一であるかまたは相違しており、Cl、COO(C1-C4)アルキル、CONH2 、CONCH3、CON(CH3)2 またはSO2NRR' であり、ここでR およびR'は、同一であるかまたは相違しており、水素、C1-C4-アルキルまたはフェニルであり、フェニルはメチル、エチル、メトキシ、エトキシまたはハロゲンによって置換されていてもよく、R3は、水素、メチル、メトキシ、エトキシ、塩素または臭素であり、そしてR4は、水素、C1-C3-アルキル、塩素または臭素である)で表される化合物。
【請求項2】 下記一般式(Ia)、(Ib)または(Ic)【化2】

【化3】

【化4】

(式中、R1およびR2は、COOCH3またはCOOC2H5 であり、R3は、水素、メチル、メトキシまたは塩素であり、そしてR4は、水素またはメチルである)で表される請求項1に記載の化合物。
【請求項3】 一般式(1d)【化5】

で表される化合物。
【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の一般式(I) で表される化合物を製造する方法において、一般式(II)【化6】

(式中、R1、R2およびR4は、一般式(I) と同じである)で表されるアミンをジアゾ化し、そして生成物を一般式(III)【化7】

(式中、R3は、一般式(I) と同じである)で表される化合物で、1:0.9から1.1、好ましくは1:0.95から1.05のモル比でカップリングすることからなる上記方法。
【請求項5】 カップリングに続いて極性非プロトン性溶媒で溶媒仕上げする請求項4に記載の方法。
【請求項6】 極性非プロトン性溶媒が第三酸アミドである請求項5に記載の方法。
【請求項7】 溶媒仕上げが、N-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、テトラメチル尿素、【化8】

、ジメチルスルホキシドまたはスルホラン中で行われる請求項5に記載の方法。
【請求項8】 溶媒仕上げが100 〜170 ℃の温度で行われる請求項5〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】 請求項1〜3のいずれかに記載の一般式(I) で表される化合物を、高分子量有機材料、塗料、その他のコーティング材料、印刷インキ、電子写真トナーおよび現像剤、摩擦電気的または界面動電的に噴霧できる粉末および粉末コーティングおよびインキの着色に使用する方法。
【請求項10】 高分子量有機媒体が水性自動車OEM 仕上げ剤である請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1997年8月1日に出願されたドイツ特許出願第197 33 307.9号に記載されており、これはここに完全に本明細書中に取り込まれる。本発明は、カップリング成分としてアセトアセチルアミノ-2,3- ジオキソ-1,2,3,4- テトラヒドロキノキサリンを用いる新規のモノアゾ顔料に関する。
【0002】
【従来の技術】ドイツ特許出願公開第A1-28 00 765号明細書には、カップリング成分としてアセトアセチルアミノ-2,3- ジオキソ-1,2,3,4- テトラヒドロキノキサリンを用いそしてジアゾ成分としてフェノキシカルボニル置換アニリンを用いるモノアゾ顔料が記載されているが、これらの顔料は光および風化に対する堅牢度に関して欠点を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、現在までに公知の黄色アゾ顔料よりも光および風化堅牢度が優れている、黄色の色調を有する新規のアゾ顔料を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】驚くべきことに下記の一般式(I) で表されるアゾ顔料によってこの課題が解決されることが見出された。本発明は、一般式(I)【0005】
【化9】

(式中、R1およびR2は、同一であるかまたは相違しており、Cl、COO(C1-C4)アルキル、CONH2 、CONCH3、CON(CH3)2 またはSO2NRR' であり、ここでR およびR'は、同一であるかまたは相違しており、水素、C1-C4-アルキル、特にメチルおよびエチルまたはフェニルであり、フェニルはメチル、エチル、メトキシ、エトキシまたはハロゲンによって置換されていてもよく、R3は、水素、メチル、メトキシ、エトキシ、塩素または臭素であり、そしてR4は、水素、C1-C3-アルキル、塩素または臭素である)で表される化合物を提供する。
【0006】好ましい化合物は、下記一般式(Ia)、(Ib)および(Ic)【0007】
【化10】

【0008】
【化11】

【0009】
【化12】

(式中、R1およびR2は、COOCH3またはCOOC2H5 であり、R3は、水素、メチル、メトキシまたは塩素であり、そしてR4は、水素またはメチルである)で表される化合物である。
【0010】本発明の目的に特に好ましい顔料は、下記一般式(Id)【0011】
【化13】

で表される顔料である。一般式(I) および(Ia)から(Id)は、理想式として理解されるべきであり、そして対応する互変異性化合物を包含し、そして各互変異形態の立体配置異性体も可能である。固体では、上記式で表される化合物は通常ヒドラゾン形態である。従って、これらの式はヒドラゾン形態をも包含する。
【0012】本発明は、一般式(I) で表される新規の化合物を製造する方法において、一般式(II)【0013】
【化14】

(式中、R1、R2およびR4は、一般式(I) と同じである)で表されるアミンをジアゾ化し、そして生成物を一般式(III)【0014】
【化15】

(式中、R3は、一般式(I) と同じである)で表される化合物で、1:0.9から1.1、好ましくは1:0.95から1.05のモル比でカップリングすることからなる上記方法も提供する。
【0015】一般式(III) は理想式として理解されるものであり、対応する互変異性化合物をも包含し、そして各互変異形態の立体配置異性体も可能である。一般式(II)で表されるアミンの好適な例は、ジメチルアミノテレフタレート、ジエチルアミノテレフタレート、ジメチルアミノイソフタレート、アミノテレフタル酸、モノメチルエステルモノ-N- メチルアミド、アミノテレフタル酸モノメチルエステルモノアミドおよび2,5-ジクロロアニリンである。
【0016】このような化合物の製造方法は、文献に記載されており、当業者には公知である。一般式(III) で表されるカップリング成分の好適な例は、N-アセトアセチル-6- メトキシ-7- アミノキノキサリン-2,3- ジオン、N-アセトアセチル-6- メチル-7- アミノキノキサリン-2,3- ジオン、N-アセトアセチル-6- クロロ-7- アミノキノキサリン-2,3- ジオン、N-アセトアセチル-7- アミノキノキサリン-2,3- ジオンおよびN-アセトアセチル-6- エトキシ-7- アミノキノキサリン-2,3- ジオンである。この種の化合物は、例えばヨーロッパ特許出願公開第A-0 010 722 号明細書のような文献に記載されている。
【0017】一般式(I) の新規の化合物は、水性媒体中で曇り点を有していてもよい非イオン性、アニオン性またはカチオン性界面活性剤の存在下または不存在下に、水性媒体中で、ジアゾ化したアミンを定義したカップリング成分でカップリングすることによって製造される。場合によっては、その他の助剤、例えば天然または合成樹脂または樹脂誘導体または通常の塗料、印刷インキまたはポリマー添加剤を使用することも可能である。カップリングは、全体的にまたは部分的に有機溶媒中で行うこともできる。
【0018】このカップリング反応は、水性媒体中で、a)カップリング成分の緩衝懸濁液または分散液にジアゾニウム塩の溶液を添加するか、またはb)緩衝溶液または混合ノズルに、同時にジアゾニウム塩の溶液およびカップリング成分の溶液、懸濁液または分散液を計量添加するか、またはc)ジアゾニウム塩の緩衝溶液にカップリング成分の溶液を添加するか、またはd)ジアゾニウム塩の溶液にカップリング成分の緩衝溶液または分散液を添加することによって行うことができる。
【0019】一般には、このカップリング反応は、0〜40℃の温度で行われる。pHは4〜6であることができる。本発明の方法では、方法(a) が特に有利である。一般式(I) の新規の化合物は、有用な水不溶性着色剤であり、そしてカップリング反応に続いて通常の方法で単離することができる。場合によっては、全色強度(full color strength) および特に好ましい結晶構造を達成するために、カップリング反応の後に得られるアゾ顔料を後処理(仕上げ処理)することが賢明である。この目的のために、例えば湿潤または乾燥顔料を有機溶媒、例えば第三酸アミド、例えばN-メチル-2- ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、尿素誘導体、例えばテトラメチル尿素、【0020】
【化16】

中でまたは極性非プロトン性溶媒、例えばジメチルスルホキシドまたはスルホラン中で、特定の時間、例えば30分から3時間、大気圧下または昇圧下に、好ましくは40〜250℃、特に好ましくは100〜170℃に加熱することができる。
【0021】一般式(I) の新規の化合物は、高分子量有機材料を着色するのに特に好適である。高分子量有機材料の例は、それぞれ単独または混合物でのセルロースエーテルおよびセルロースエステル、例えばエチルセルロース、ニトロセルロース、セルロースアセテート、セルロースブチレート、天然樹脂または合成樹脂、例えば付加重合樹脂または縮合樹脂、例えばアミノ樹脂、特に尿素−およびメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリビニル化合物、特にポリ塩化ビニルまたはポリビニルアセテート、ポリオレフィン、特にポリエチレンおよびポリプロピレン、ポリアクリル化合物、特にポリアクリロニトリルおよびポリアクリレート、ポリエステル、ゴム、カゼイン、シリコーンおよびシリコーン樹脂である。ポリオレフィン、例えばポリエチレンおよびポリプロピレンが媒体として特に好ましい。
【0022】ここで、上記の高分子量有機化合物がプラスチック塊または溶融物の形態であるか、または紡糸溶液の形態であるか、または塗料、その他のコーティング材料または印刷インキに含有されるかは重要ではない。用途に応じて、トナーとしてまたは調製物または分散液の形態で本発明により得られる顔料を使用することが有利である。着色する高分子量有機材料を基準として、新規の顔料は0.1〜10重量%の量で使用することが好ましい。
【0023】一般式(I) の新規の化合物は、特に良好な温度安定性、分散性および着色強度で優れており、特に光および風化堅牢度および水性ベースコートのオーバーペイントに対する堅牢度において優れている。この理由のために、これらは水性自動車OEM 仕上げ剤(automotive OEM finishes) を着色するのに特に好適である。本発明により製造される一般式(I) の水不溶性化合物は、電子写真用トナーおよび現像剤、例えば一または二成分粉末トナー(一または二成分現像剤とも言われる)、磁気トナー、液体トナー、重合トナーおよび特殊トナー中の着色剤として使用するのに好適である(文献:L.B. Schein, "Electrophotography and Development Physics"; Springer Series in Electrophysics 14, Springer Verlag, 第二版、1992)。
【0024】代表的なトナーバインダーは、それぞれ単独または混合物での付加重合、重付加および重縮合樹脂、例えばスチレン、スチレンアクリレート、スチレン−ブタジエン、アクリレート、ポリエステル、フェノールおよびエポキシ樹脂、ポリスルホン、ポリウレタンであり、そしてポリエチレンおよびポリプロピレンであってもよく、これはその他の成分、例えば荷電制御剤、ワックスまたは流動助剤を含有してもよいかまたは引き続いてそれで変性されていてもよい。
【0025】さらに、本発明により製造される一般式(I) の水不溶性化合物は、粉末および粉末コーティング、特に例えば金属、木材、プラスチック、ガラス、セラミック、コンクリート、紡織材料、紙またはゴムから製造された物品の表面をコーティングするために使用される摩擦電気的または界面動電的に噴霧できる粉末コーティングの着色剤として使用するのに好適である(J.F. Hughes, "ElectrostaticsPowder Coating" Research Studies, John Wiley & Sons, 1984)。
【0026】使用される粉末コーティング樹脂は、代表的にはエポキシ樹脂、カルボキシル−およびヒドロキシル−含有ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂およびアクリル樹脂と通常の硬化剤である。樹脂を組み合わせて使用することも可能である。例えば、エポキシ樹脂は、カルボキシル−およびヒドロキシル−含有ポリエステル樹脂と組み合わせて頻繁に使用される。代表的な硬化成分は、(樹脂系に応じて)例えば酸無水物、イミダゾール類およびジシアンジアミドおよびその誘導体、ブロックイソシアネート、ビスアシルウレタン、フェノール樹脂およびメラミン樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、オキサゾリンおよびジカルボン酸である。
【0027】本発明により製造される一般式(I) の水不溶性化合物は、水性および非水性の両方のインクジェットインキの着色剤およびホットメルト技術により操作されるインキの着色剤としても好適である。本発明により製造される顔料のコーティング分野における特性を評価するために、多数の公知のコーティング材料から芳香族成分を含有し、中油非乾燥アルキド樹脂を基材とするアルキドメラミン樹脂ラッカー(AM)を選択した。
【0028】本発明により製造される顔料のプラスチック分野における特性を評価するために、多数の公知のプラスチックから柔軟性ポリ塩化ビニルおよびポリエチレンを選択した。本発明により製造される顔料の印刷分野における特性を評価するために、多数の公知の印刷系からアルキド樹脂を基材としたオフセット印刷系を選択した。
【0029】本発明により製造される顔料のトナー分野における特性を評価するために、多数の公知のトナー系からポリエステル樹脂を基材とするトナー系を選択した。
【0030】
【実施例】以下の実施例では部および百分率は重量に基づく。
例1ジメチル2-[2- オキソ-1-(1,2,3,4-テトラヒドロ-2,3- ジオキソ-6- メトキシキノキサリン-7- イルカルバモイル) プロピルアゾ] テレフタレート亜硝酸ナトリウムを用いて0〜10℃で0.1 モルのジメチルアミノテレフタレートヒドロクロライドをジアゾ化する。界面活性剤、例えばLutensol AT 25(登録商標)の存在下に、清澄化したジアゾニウム塩溶液を室温で1時間かけて0.1 モルのN-アセトアセチル-6- メトキシ-7- アミノキノキサリン-2,3- ジオンのアセテート−緩衝懸濁液に滴下して加える。カップリングが終了した後に混合物を96℃に加熱し、そして生成物を濾過し、洗浄して塩を取り除く。湿潤したプレスケーキをN-メチルピロリドンに懸濁させ、蒸留して水を取り除き、引き続いて生成物を100 〜170 ℃に加熱する。次いで70℃に冷却し、濾過し、乾燥し、そして粉砕する。これにより51g の黄色顔料が得られる。
例2〜14例2〜14の化合物(表1、2および3)を同様に製造する。

表3:
例1590.5g の亜硝酸ナトリウム溶液(40%)を用いて0〜10℃で400mL の水および150mL の31重量%濃度のHCl 中の0.5 モルのジメチルアミノテレフタレートをジアゾ化し、次いでこの混合物を1時間撹拌する。スルファミン酸を用いて過剰な亜硝酸塩を取り除く。界面活性剤、例えばGenapol T 250 (登録商標)の存在下に清澄化したジアゾニウム塩溶液を室温で30分かけて、0.5 モルのN-アセトアセチル-6- エトキシ-7- アミノキノキサリン-2,3- ジオンのアセテート−緩衝懸濁液に滴下して加える。カップリングが終了した後に生成物を96℃に加熱し、濾過し、洗浄して塩を取り除く。
【0031】湿潤プレスケーキをN-メチルピロリドンに懸濁させ、蒸留して水を取り除き、そして生成物を160 に2時間加熱する。次いで、これを70℃で濾過し、乾燥し、そして粉砕する。これにより下記一般式で表される黄色顔料が得られる。
【0032】
【化17】

例1〜15で得られる顔料は、通常の方法で水性ベースコートに分散され、そして白色塗料を使用してオーバープリントに対する堅牢度を測定するための通常の試験が行われる。ラッカーコーティングはオーバープリントに対して優れた堅牢度を示す。
【出願人】 【識別番号】597109656
【氏名又は名称】クラリアント・ゲゼルシヤフト・ミト・ベシユレンクテル・ハフツング
【出願日】 平成10年(1998)7月29日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史 (外3名)
【公開番号】 特開平11−100519
【公開日】 平成11年(1999)4月13日
【出願番号】 特願平10−214551