| 【発明の名称】 |
難燃性塩化ビニル樹脂成形体 |
| 【発明者】 |
【氏名】渡辺 健治
【氏名】折谷 宗彦
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| 【要約】 |
【課題】クリーンルーム材料のFM規格をクリアーし、実用強度と耐薬品性、耐食性を備えた難燃性塩化ビニル樹脂成形体の提供。
【解決手段】塩化ビニル樹脂100重量部に、酸化チタンを5〜50重量部含有させた塩化ビニル樹脂成形体。酸化チタン5〜50重量部に加えて、塩素捕獲化合物5〜30重量部、及び/又は、シリカ、アルミナ、珪酸アルミニウム、タルクから選ばれる無機質助剤2〜30重量部を、酸化チタンと塩素捕獲化合物、無機質助剤の合計が60重量部以下となるように含有させることが好ましい。また、基層を上記組成とし、その少なくとも片面に酸化チタン又は酸化チタンと塩素捕獲化合物を特定量含有させた塩化ビニル樹脂の表面層を形成して、耐薬品性、耐食性を有する成形体とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンを5〜50重量部の範囲内で含有せしめたことを特徴とする難燃性塩化ビニル樹脂成形体。 【請求項2】塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンと塩素捕獲化合物との合計含有量が60重量部以下となるように、酸化チタンを5〜50重量部の範囲内、塩素捕獲化合物を5〜30重量部の範囲内で含有せしめたことを特徴とする難燃性塩化ビニル樹脂成形体。 【請求項3】塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンと無機質助剤との合計含有量が60重量部以下となるように、酸化チタンを5〜50重量部の範囲内、無機質助剤としてシリカ、アルミナ、珪酸アルミニウム、タルクのいずれか一種又は二種以上を2〜30重量部の範囲内で含有せしめたことを特徴とする難燃性塩化ビニル樹脂成形体。 【請求項4】塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンと塩素捕獲化合物と無機質助剤との合計含有量が60重量部以下となるように、酸化チタンを5〜50重量部の範囲内、塩素捕獲化合物を5〜30重量部の範囲内、無機質助剤としてシリカ、アルミナ、珪酸アルミニウム、タルクのいずれか一種又は二種以上を2〜30重量部の範囲内で含有せしめたことを特徴とする難燃性塩化ビニル樹脂成形体。 【請求項5】基層の少なくとも片面に表面層を積層一体化した成形体であって、基層は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンを5〜50重量部の範囲内で含有せしめた層であり、表面層は、酸化チタンの含有割合が基層の酸化チタンの含有割合より少なくなるように、塩化ビニル樹脂100重量部に対して酸化チタンを0〜30重量部の範囲内で含有せしめた層であることを特徴とする難燃性塩化ビニル樹脂成形体。 【請求項6】基層の少なくとも片面に表面層を積層一体化した成形体であって、基層は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンと塩素捕獲化合物との合計含有量が60重量部以下となるように、酸化チタンを5〜50重量部の範囲内、塩素捕獲化合物を5〜30重量部の範囲内で含有せしめた層であり、表面層は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して酸化チタンを0〜30重量部の範囲内で含有せしめた層であることを特徴とする難燃性塩化ビニル樹脂成形体。 【請求項7】基層の少なくとも片面に表面層を積層一体化した成形体であって、基層は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンと無機質助剤との合計含有量が60重量部以下となるように、酸化チタンを5〜50重量部の範囲内、無機質助剤としてシリカ、アルミナ、珪酸アルミニウム、タルクのいずれか一種又は二種以上を2〜30重量部の範囲内で含有せしめた層であり、表面層は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して酸化チタンを0〜30重量部の範囲内で含有せしめた層であることを特徴とする難燃性塩化ビニル樹脂成形体。 【請求項8】基層の少なくとも片面に表面層を積層一体化した成形体であって、基層は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンと塩素捕獲化合物と無機質助剤との合計含有量が60重量部以下となるように、酸化チタンを5〜50重量部の範囲内、塩素捕獲化合物を5〜30重量部の範囲内、無機質助剤としてシリカ、アルミナ、珪酸アルミニウム、タルクのいずれか一種又は二種以上を2〜30重量部の範囲内で含有せしめた層であり、表面層は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して酸化チタンを0〜30重量部の範囲内で含有せしめた層であることを特徴とする難燃性塩化ビニル樹脂成形体。 【請求項9】基層の少なくとも片面に表面層を積層一体化した成形体であって、基層は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンを5〜50重量部の範囲内で含有せしめた層であり、表面層は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンと塩素捕獲化合物との合計含有量が40重量部以下となるように、酸化チタンを0〜30重量部の範囲内、塩素捕獲化合物を2〜30重量部の範囲内で含有せしめた層であることを特徴とする難燃性塩化ビニル樹脂成形体。 【請求項10】基層の少なくとも片面に表面層を積層一体化した成形体であって、基層は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンと塩素捕獲化合物との合計含有量が60重量部以下となるように、酸化チタンを5〜50重量部の範囲内、塩素捕獲化合物を5〜30重量部の範囲内で含有せしめた層であり、表面層は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンと塩素捕獲化合物との合計含有量が40重量部以下で、かつ、基層の合計含有量より少なくなるように、酸化チタンを0〜30重量部の範囲内、塩素捕獲化合物を2〜30重量部の範囲内で含有せしめた層であることを特徴とする難燃性塩化ビニル樹脂成形体。 【請求項11】基層の少なくとも片面に表面層を積層一体化した成形体であって、基層は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンと無機質助剤との合計含有量が60重量部以下となるように、酸化チタンを5〜50重量部の範囲内、無機質助剤としてシリカ、アルミナ、珪酸アルミニウム、タルクのいずれか一種又は二種以上を2〜30重量部の範囲内で含有せしめた層であり、表面層は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンと塩素捕獲化合物との合計含有量が40重量部以下となるように、酸化チタンを0〜30重量部の範囲内、塩素捕獲化合物を2〜30重量部の範囲内で含有せしめた層であることを特徴とする難燃性塩化ビニル樹脂成形体。 【請求項12】基層の少なくとも片面に表面層を積層一体化した成形体であって、基層は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンと塩素捕獲化合物と無機質助剤との合計含有量が60重量部以下となるように、酸化チタンを5〜50重量部の範囲内、塩素捕獲化合物を5〜30重量部の範囲内、無機質助剤としてシリカ、アルミナ、珪酸アルミニウム、タルクのいずれか一種又は二種以上を2〜30重量部の範囲内で含有せしめた層であり、表面層は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンと塩素捕獲化合物との合計含有量が40重量部以下となるように、酸化チタンを0〜30重量部の範囲内、塩素捕獲化合物を2〜30重量部の範囲内で含有せしめた層であることを特徴とする難燃性塩化ビニル樹脂成形体。 【請求項13】酸化チタンがアルミナで被覆されたものであることを特徴とする請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の難燃性塩化ビニル樹脂成形体。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、熱分解時の塩素ガスや塩化水素の発生量を減少させた難燃性塩化ビニル樹脂成形体に関する。 【0002】 【従来の技術】塩化ビニル樹脂は、成形性が良く、機械的強度が高く、安価であって、耐薬品性も良好であるため、工業用材料、特に耐食工業用材料として半導体製造装置をはじめ、あらゆる分野に広く利用されている。 【0003】しかし、塩化ビニル樹脂は塩素を含有するので、難燃性を有する反面、耐熱性が悪く、200℃以上に長時間接すると熱分解を起こし、有機物による発煙を生じると同時に、塩素ガスや塩化水素ガス等の腐食性ガスが発生する。そのため、この塩化ビニル樹脂を使用している装置に火災が発生すると、該樹脂の分解による煙とガスが発生する。 【0004】これを防止するため、従来からリン系難燃剤やハロゲン系難燃剤等の難燃剤、或いは水酸化マグネシウム等の含水化合物を塩化ビニル樹脂に添加して、その難燃性を向上させていた。しかし、このように難燃性を向上させた塩化ビニル樹脂成形体であっても、半導体製造装置に用いる場合には、発生する煙やガスにより製造施設内の空気が汚れ半導体に付着して不良品を発生させたり、腐食性の塩素ガスや塩化水素ガスにより製造施設内の精密機械や製品を侵して使用不能にする恐れがあった。 【0005】かかる事情から、一般に難燃性を有すると言われている塩化ビニル樹脂であっても、近年、火災時の難燃性と発煙の抑制と腐食性ガス発生の抑制が要求されるようになり、この要求は保険組織で特に強く、北米を根拠地とする産業相互保険組織であるファクトリー・ミューチアル・システムを構成している、ファクトリー・ミューチアル・リサーチ・コーポレーション(Factory Mutual Research Corporation)の定める評価基準が有効に利用されている。 【0006】この評価基準は、Class Number 4910として挙げられているクリーンルーム材料の難燃性テスト(FMRC Clean Room Materials Flammability Test Protocol)(以下、FM規格という)に基づいて得られる燃焼指数FPIが6以下、発煙指数SDIが0.4以下、腐食指数CDIが1.1以下というものであり、これらの基準を同時に満足することが要求されている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】上記の要求に対し、塩化ビニル樹脂成形体の燃焼指数FPIを6以下にすることは、難燃剤の添加により比較的容易に達成できるが、発煙指数SDIと腐食指数CDIをも同時に満足する塩化ビニル樹脂成形体を得ることは容易でなく、現在のところ、本出願人が先に出願した特願平9−365319号に係る難燃性塩化ビニル樹脂成形体など、極く一部の成形体がFPI、SDI、CDIの各基準を同時に満足するに過ぎない。 【0008】そこで、本発明者らは、これらの評価基準を同時に満足する一層好ましい配合組成の難燃性塩化ビニル樹脂成形体を開発することを目的として更に研究を重ねた結果、塩化ビニル樹脂成形体に酸化チタンを多量に含有させると上記の目的を達成できるという事実を見出し、本発明を完成するに至った。 【0009】 【課題を解決するための手段】即ち、本発明の請求項1に係る難燃性塩化ビニル樹脂成形体は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンを5〜50重量部の範囲内で含有せしめたことを特徴とするものである。 【0010】この請求項1の難燃性塩化ビニル樹脂成形体のように酸化チタンを多量に含有させると、何故に難燃性が向上し発煙量や腐食性ガスの発生量が減少するのか、その理由については明らかでないが、■不燃性の無機材料である酸化チタンの多量配合によって有機物である塩化ビニル樹脂の量が大幅に減少すること、■酸化チタンは他の無機材に比べて熱伝導率が高いこと、■酸化チタンは1200〜1300℃まで分解しないで無機粒子として残存すること、■酸化チタンは塩化ビニル樹脂の炭化促進作用があること、等が主な理由であろうと推測される。 【0011】酸化チタンの含有量が5重量部より少なくなると、後述の実験データから判るように、燃焼指数FPIが6以下、発煙指数SDIが0.4以下、腐食指数CDIが1.1以下である難燃性塩化ビニル成形体を得ることが困難となり、逆に、酸化チタンの含有量が50重量部より多くなると、成形性や機械的強度が悪くなり、工業用材料として実用し難くなるので、いずれの場合も本発明の目的を達成することができない。 【0012】また、本発明の請求項2に係る難燃性塩化ビニル樹脂成形体は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンと塩素捕獲化合物との合計含有量が60重量部以下となるように、酸化チタンを5〜50重量部の範囲内、塩素捕獲化合物を5〜30重量部の範囲内で含有せしめたことを特徴とするものである。 【0013】この請求項2の成形体のように、酸化チタンの他に5〜30重量部の塩素捕獲化合物を含有させると、燃焼時に塩素が塩素捕獲化合物によって捕獲され、塩素ガスや塩化水素ガス等の腐食性ガスの発生量が更に減少するため、特に腐食指数CDIの小さい成形体が得られる。しかも、酸化チタンと塩素捕獲化合物の合計含有量が60重量部以下であるため、成形性の低下や成形体の機械的強度の低下を必要限度内に押さえることができる。 【0014】更に、本発明の請求項3に係る難燃性塩化ビニル樹脂成形体は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンと無機質助剤との合計含有量が60重量部以下となるように、酸化チタンを5〜50重量部の範囲内、無機質助剤としてシリカ、アルミナ、珪酸アルミニウム、タルクのいずれか一種又は二種以上を2〜30重量部の範囲内で含有せしめたことを特徴とするものである。 【0015】この請求項3の成形体のように、酸化チタンの他に特定の無機質助剤を2〜30重量部含有させると、有機物である塩化ビニル樹脂量が大幅に減少すると共に、酸化チタンと無機質助剤が相乗的に塩化ビニル樹脂の炭化を促進する作用を発揮するため、特に燃焼指数FPIや発煙指数SDIの小さい成形体が得られる。また、酸化チタンと無機質助剤の合計含有量は60重量部以下であるため、成形性の低下や成形体の機械的強度の低下を必要限度内に押さえることもできる。 【0016】更に、本発明の請求項4に係る難燃性塩化ビニル樹脂成形体は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンと塩素捕獲化合物と無機質助剤との合計含有量が60重量部以下となるように、酸化チタンを5〜50重量部の範囲内、塩素捕獲化合物を5〜30重量部の範囲内、無機質助剤としてシリカ、アルミナ、珪酸アルミニウム、タルクのいずれか一種又は二種以上を2〜30重量部の範囲内で含有せしめたことを特徴とするものである。 【0017】この請求項4の成形体のように、酸化チタンの他に5〜30重量部の塩素捕獲化合物と2〜30重量部の特定の無機質助剤を含有させると、燃焼時に塩素が塩素捕獲化合物によって捕獲されると共に、酸化チタンと無機質助剤によって相乗的に難燃性が高められ、塩化ビニル樹脂の炭化が促進されるので、燃焼指数FPI、発煙指数SDI、腐食指数CDIの全てが小さい成形体を得ることが可能となる。そして、酸化チタンと塩素捕獲化合物と無機質助剤との合計含有量が60重量部以下であるため、成形性の低下や成形体の機械的強度の低下を必要限度内に押さえることもできる。 【0018】次に、本発明の請求項5に係る難燃性塩化ビニル樹脂成形体は、基層の少なくとも片面に表面層を積層一体化した成形体であって、基層は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンを5〜50重量部の範囲内で含有せしめた層であり、表面層は、酸化チタンの含有割合が基層の酸化チタンの含有割合より少なくなるように、塩化ビニル樹脂100重量部に対して酸化チタンを0〜30重量部の範囲内で含有せしめた層であることを特徴とし、本発明の請求項6に係る難燃性塩化ビニル樹脂成形体は、基層の少なくとも片面に表面層を積層一体化した成形体であって、基層は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンと塩素捕獲化合物との合計含有量が60重量部以下となるように、酸化チタンを5〜50重量部の範囲内、塩素捕獲化合物を5〜30重量部の範囲内で含有せしめた層であり、表面層は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して酸化チタンを0〜30重量部の範囲内で含有せしめた層であることを特徴とし、本発明の請求項7に係る難燃性塩化ビニル樹脂成形体は、基層の少なくとも片面に表面層を積層一体化した成形体であって、基層は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンと無機質助剤との合計含有量が60重量部以下となるように、酸化チタンを5〜50重量部の範囲内、無機質助剤としてシリカ、アルミナ、珪酸アルミニウム、タルクのいずれか一種又は二種以上を2〜30重量部の範囲内で含有せしめた層であり、表面層は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して酸化チタンを0〜30重量部の範囲内で含有せしめた層であることを特徴とし、本発明の請求項8に係る難燃性塩化ビニル樹脂成形体は、基層の少なくとも片面に表面層を積層一体化した成形体であって、基層は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンと塩素捕獲化合物と無機質助剤との合計含有量が60重量部以下となるように、酸化チタンを5〜50重量部の範囲内、塩素捕獲化合物を5〜30重量部の範囲内、無機質助剤としてシリカ、アルミナ、珪酸アルミニウム、タルクのいずれか一種又は二種以上を2〜30重量部の範囲内で含有せしめた層であり、表面層は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して酸化チタンを0〜30重量部の範囲内で含有せしめた層であることを特徴とするものである。 【0019】これらの請求項5〜8の成形体はいずれも、表面層の酸化チタン含有量が30重量部以下と少ないので、成形体表面(表面層)が塩化ビニル樹脂本来の良好な耐薬品性及び耐食性を有している。しかも、請求項5〜8の成形体の基層は、前述した請求項1〜4の成形体と同じ組成の層であり、酸化チタンが表面層にも含まれているので、請求項5〜8の成形体は全体的に難燃性が向上すると共に、発煙量や腐食性ガスの発生量が減少し、燃焼指数FPI、発煙指数SDI、腐食指数CDIの各基準を充分に満足するものとなる。 【0020】更に、本発明の請求項9に係る難燃性塩化ビニル樹脂成形体は、基層の少なくとも片面に表面層を積層一体化した成形体であって、基層は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンを5〜50重量部の範囲内で含有せしめた層であり、表面層は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンと塩素捕獲化合物との合計含有量が40重量部以下となるように、酸化チタンを0〜30重量部の範囲内、塩素捕獲化合物を2〜30重量部の範囲内で含有せしめた層であることを特徴とし、本発明の請求項10に係る難燃性塩化ビニル樹脂成形体は、基層の少なくとも片面に表面層を積層一体化した成形体であって、基層は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンと塩素捕獲化合物との合計含有量が60重量部以下となるように、酸化チタンを5〜50重量部の範囲内、塩素捕獲化合物を5〜30重量部の範囲内で含有せしめた層であり、表面層は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンと塩素捕獲化合物との合計含有量が40重量部以下で、かつ、基層の合計含有量より少なくなるように、酸化チタンを0〜30重量部の範囲内、塩素捕獲化合物を2〜30重量部の範囲内で含有せしめた層であることを特徴とし、本発明の請求項11に係る難燃性塩化ビニル樹脂成形体は、基層の少なくとも片面に表面層を積層一体化した成形体であって、基層は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンと無機質助剤との合計含有量が60重量部以下となるように、酸化チタンを5〜50重量部の範囲内、無機質助剤としてシリカ、アルミナ、珪酸アルミニウム、タルクのいずれか一種又は二種以上を2〜30重量部の範囲内で含有せしめた層であり、表面層は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンと塩素捕獲化合物との合計含有量が40重量部以下となるように、酸化チタンを0〜30重量部の範囲内、塩素捕獲化合物を2〜30重量部の範囲内で含有せしめた層であることを特徴とし、本発明の請求項12に係る難燃性塩化ビニル樹脂成形体は、基層の少なくとも片面に表面層を積層一体化した成形体であって、基層は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンと塩素捕獲化合物と無機質助剤との合計含有量が60重量部以下となるように、酸化チタンを5〜50重量部の範囲内、塩素捕獲化合物を5〜30重量部の範囲内、無機質助剤としてシリカ、アルミナ、珪酸アルミニウム、タルクのいずれか一種又は二種以上を2〜30重量部の範囲内で含有せしめた層であり、表面層は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンと塩素捕獲化合物との合計含有量が40重量部以下となるように、酸化チタンを0〜30重量部の範囲内、塩素捕獲化合物を2〜30重量部の範囲内で含有せしめた層であることを特徴とするものである。 【0021】これらの請求項9〜12の成形体はいずれも、表面層における酸化チタンと塩素捕獲化合物の合計含有量が40重量部以下と少ないので、成形体表面(表面層)が塩化ビニル樹脂本来の良好な耐薬品性及び耐食性を有している。しかも、請求項9〜12の成形体の基層は、前述した請求項1〜4の成形体と同じ組成の層であり、表面層には酸化チタンが0〜30重量部、塩素捕獲化合物が2〜30重量部の範囲内で含まれているので、請求項9〜12の成形体は全体的に難燃性が向上すると共に、発煙量や腐食性ガスの発生量が減少し、燃焼指数FPI、発煙指数SDI、腐食指数CDIの各基準を充分に満足するものとなる。 【0022】更に、本発明の請求項13に係る難燃性塩化ビニル樹脂成形体は、上記請求項1〜12の成形体において、酸化チタンがアルミナで被覆されたものであることを特徴とするものである。 【0023】このようにアルミナで被覆された酸化チタンを含有させると、燃焼時に酸化チタンとアルミナによって相乗的に塩化ビニル樹脂の炭化促進作用が高められると共に、アルミナによって煙やガス等が吸着されるため、燃焼指数FPIや発煙指数SDIや腐食指数CDIの小さい成形体が得られる。 【0024】 【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施形態を説明する。 【0025】本発明の難燃性塩化ビニル樹脂成形体は二つの実施形態に大別される。一つの実施形態は全体が同じ組成の単層構造の成形体であり、もう一つの実施形態は組成が異なる基層と表面層を備えた複層構造の成形体である。 【0026】前者の単層構造の難燃性塩化ビニル樹脂成形体は、その組成によって4種類の成形体A,B,C,Dに分けられる。 【0027】成形体Aは、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンを5〜50重量部の範囲内で含有せしめたものであり、この成形体Aには、成形に必要な鉛系又は錫系安定剤、滑剤、加工助剤、着色剤などが適量配合される。 【0028】上記成形体Aのように酸化チタンを多量に含有させると、有機物である塩化ビニル樹脂の量が大幅に減少し、酸化チタンによって塩化ビニル樹脂の炭化促進作用が高められ、酸化チタンが1200〜1300℃まで分解することなく無機材として残るため、成形体Aの難燃性が向上し、発煙量や腐食性ガスの発生量が減少する。また、酸化チタンは他の炭酸カルシウム等の無機材に比べて熱伝導率が100倍ほど高く、早く熱が伝わり炭化作用を促進する。 【0029】酸化チタンの含有量は、上記のように塩化ビニル樹脂100重量部に対して、5〜50重量部の範囲内とする必要があり、5重量部より少なくなると、燃焼指数FPIが6以下、発煙指数SDIが0.4以下、腐食指数CDIが1.1以下である難燃性塩化ビニル成形体Aを得ることが困難になる。一方、酸化チタンの含有量が50重量部より多くなると、成形性や機械的強度が悪くなり、工業用材料として実用的な強度を有する成形体Aを得ることが困難になる。酸化チタンの更に好ましい含有量は8〜30重量部である。 【0030】塩化ビニル樹脂としては、塩素を約56%含む一般の塩化ビニル樹脂の他に、塩素を60〜70%含む後塩素化塩化ビニル樹脂、塩化ビニルと酢酸ビニルやエチレン等との共重合樹脂、塩化ビニル樹脂と酢酸ビニル樹脂やアクリル樹脂等との混合樹脂などが好適に用いられる。 【0031】また、酸化チタンとしては、0.1〜0.5μm程度の平均粒径を有する粉体が好ましく使用される。かかる粒径の酸化チタンの粉体は、塩化ビニル樹脂との混練性が良く、均一な分散状態で含有させることができるからである。特に、表面をアルミナで被覆した酸化チタンの粉体は好適であり、このような被覆粉体を含有させると、燃焼時に酸化チタンとアルミナによって相乗的に塩化ビニル樹脂の炭化促進作用が高められると共に、アルミナによって煙やガス等が吸着されるため、燃焼指数FPIや発煙指数SDIや腐食指数CDIの小さな成形体Aが得られるようになる。 【0032】次に、成形体Bは、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンと塩素捕獲化合物との合計含有量が60重量部以下となるように、酸化チタンを5〜50重量部の範囲内、塩素捕獲化合物を5〜30重量部の範囲内で含有せしめたものである。この成形体Bにも、成形に必要な鉛系又は錫系安定剤、滑剤、加工助剤、着色剤などが適量配合されることは言うまでもない。 【0033】この成形体Bのように酸化チタンの他に塩素捕獲化合物を含有させると、酸化チタンによって難燃性が向上し発煙量が減少することに加えて、燃焼時に塩素が塩素捕獲化合物によって捕獲されるため、塩素ガスや塩化水素ガス等の腐食性ガスの発生量が更に減少して、腐食指数CDIが特に小さい成形体Bとなる。 【0034】酸化チタンと塩素捕獲化合物の含有量については、両者の合計含有量が60重量部以下となるように、酸化チタンを5〜50重量部の範囲内、塩素捕獲化合物を5〜30重量部の範囲内で含有させる必要があり、合計含有量が60重量部を越えると、成形性が悪くなるだけでなく、脆弱化して実用的な強度を有する成形体Bを得ることが困難になる。また、酸化チタンや塩素捕獲化合物の含有量が5重量部未満になると、難燃性が殆ど向上せず、塩素も殆ど捕獲されないので、FPI、SDI、CDIがいずれも基準値より低い成形体Bを得ることが困難となる。酸化チタンの更に好ましい含有量は5〜25重量部、塩素捕獲化合物の更に好ましい含有量は7〜20重量部であり、これらの合計含有量は12〜40重量部であることが好ましい。 【0035】塩素捕獲化合物としては、炭酸塩が好適であり、特に、炭酸カルシウム、炭酸リチウム、炭酸マグネシウムのいずれか単独又はこれらの混合物が好ましく使用される。この中でも、炭酸カルシウムは耐薬品性が他のものに比べて良好であり、特に好ましく用いられる。これらの炭酸塩は、燃焼時に塩化ビニル樹脂から発生する塩素と反応し、塩化カルシウムなどの塩化物として塩素の大部分を捕獲して腐食性ガスの発生量を低減させることができるものであり、特に、平均粒径が0.5μm以下、好ましくは0.1μm以下の炭酸塩の粉体は、比表面積が大きく塩素と反応しやすいので極めて好適に使用される。尚、上記の炭酸塩の他に、錫化合物、ゼオライト、硫酸バリウム、チタン酸カリウム、ナトリウム化合物、マグネシウム化合物、アルミニウム化合物、リチウム化合物なども使用できる。 【0036】また、成形体Cは、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンと無機質助剤との合計含有量が60重量部以下となるように、酸化チタンを5〜50重量部の範囲内、無機質助剤を2〜30重量部の範囲内で含有させたものである。無機質助剤としては、酸化チタンと相乗して難燃性を向上させ、炭化促進作用を発揮できるシリカ、アルミナ、珪酸アルミニウム、タルクのいずれか一種又は二種以上が使用される。このうち、アルミナや珪酸アルミニウムは塩素捕獲作用も発揮できるものである。なお、この成形体Cにも成形に必要な鉛系又は錫系安定剤、滑剤、加工助剤、着色剤などが適量配合されることは言うまでもない。 【0037】上記のように酸化チタンと特定の無機質助剤を含有させると、塩化ビニル樹脂の占める割合が大幅に減少し、酸化チタンと無機質助剤によって相乗的に難燃性が高められると共に、塩化ビニル樹脂の炭化が促進されるため、特に燃焼指数FPIや発煙指数SDIの小さい成形体Cが得られる。 【0038】酸化チタンと無機質助剤の含有量については、両者の合計含有量が60重量部以下となるように、酸化チタンを5〜50重量部の範囲内、無機質助剤を2〜30重量部の範囲内で含有させる必要があり、合計含有量が60重量部を越えると、成形性が悪くなるだけでなく、脆弱化して実用的な強度を有する成形体Cを得ることが困難になる。また、酸化チタンの含有量が5重量部未満の場合や、無機質助剤が2重量部未満の場合は、難燃性が殆ど向上せず、酸化チタンと無機質助剤が相乗して塩化ビニル樹脂の炭化を促進する作用も殆ど発揮されないため、FPI、SDI、CDIの全てが基準値よりも低い成形体Cを得ることが困難になる。酸化チタンの更に好ましい含有量は5〜25重量部、無機質助剤の更に好ましい含有量は2〜15重量部であり、これらの合計含有量は7〜40重量部であることが好ましい。 【0039】また、成形体Dは、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンと塩素捕獲化合物と無機質助剤との合計含有量が60重量部以下となるように、酸化チタンを5〜50重量部の範囲内、塩素捕獲化合物を5〜30重量部の範囲内、無機質助剤としてシリカ、アルミナ、珪酸アルミニウム、タルクのいずれか一種又は二種以上を2〜30重量部の範囲内で含有せしめたことを特徴とするものである。塩素捕獲化合物としては、前記と同じものが使用される。なお、この成形体Cにも成形に必要な鉛系又は錫系安定剤、滑剤、加工助剤、着色剤などが適量配合されることは言うまでもない。 【0040】この成形体Dのように、酸化チタンの他に5〜30重量部の塩素捕獲化合物と2〜30重量部の特定の無機質助剤を含有させると、燃焼時に塩素が塩素捕獲化合物によって捕獲されると共に、酸化チタンと無機質助剤によって相乗的に難燃性が高められ、炭化促進作用が発揮されるため、燃焼指数FPI、発煙指数SDI、腐食指数CDIの全てが基準値以下の成形体を得ることができる。しかも、酸化チタンと塩素捕獲化合物と無機質助剤との合計含有量が60重量部以下であるため、成形性の低下や成形体Dの機械的強度の低下を必要限度内に押さえることができる。酸化チタンの好ましい含有量は5〜25重量部、塩素捕獲化合物の好ましい含有量は7〜20重量部、無機質助剤の好ましい含有量は2〜15重量部であり、これらの合計含有量は15〜40重量部であることが好ましい。 【0041】以上のような単層構造の難燃性塩化ビニル樹脂成形体A,B,C,Dは、酸化チタン、塩素捕獲化合物、無機質助剤、その他の添加剤等が配合された塩化ビニル樹脂組成物を、押出し成形、カレンダープレス、射出成形、その他の公知の成形技術によって、平板やパイプや異形品など所望の形状に成形して得られるものであり、難燃性で発煙量や腐食性ガスの発生量が少なく、ファクトリー・ミューチアル・リサーチ・コーポレーションの要求する評価基準を充分に満たすものである。かかる成形体は、そのまま、或は、更に二次加工して容器等を製作し、各種用途、特に半導体製造装置などに好適に用いられる。 【0042】一方、複層構造の成形体は、以下に説明する8種類の成形体E,F,G,H,I,J,K,Lに別れる。 【0043】まず、成形体Eは基層の少なくとも片面に表面層を積層一体化した成形体であって、基層は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンを5〜50重量部の範囲内で含有せしめた層であり、表面層は、酸化チタンの含有割合が基層の酸化チタンの含有割合より少なくなるように、塩化ビニル樹脂100重量部に対して酸化チタンを0〜30重量部の範囲内で含有せしめた層よりなるものである。 【0044】材料の塩化ビニル樹脂や酸化チタンは前記と同じものが使用され、また、基層と表面層には、必要な鉛系又は錫系安定剤、滑剤、加工助剤、着色剤などが適量配合される。 【0045】上記の表面層は、成形体Eの表面の物性、特に耐薬品性や耐食性の低下を抑えるためのものであるから、基層の両面に形成されることが望ましいが、基層の片面にのみ形成されていてもよく、その厚みは0.4〜1.1mm程度あれば充分である。 【0046】このような複層構造の成形体Eは、表面層の酸化チタン含有割合が基層の酸化チタン含有割合より少なく、その含有量が0〜30重量部であるため、成形体表面(表面層)の耐薬品性、耐食性が良好で、表面層が脆弱化することもなく、酸化チタンによって表面層自体の難燃性が高められる。しかも、基層は多量の酸化チタンを含んだ前述の成形体Aと同じ組成の層であるため、この成形体Eは全体として良好な難燃性を有し、発煙量や腐食性ガスの発生量が少なく、燃焼指数FPI、発煙指数SDI、腐食指数CDIの各基準を満足するものとなる。 【0047】なお、表面層の酸化チタン含有量が30重量部を越えると、表面層の難燃性は向上するが、表面層の塩化ビニル樹脂量が少なくなりすぎて、塩化ビニル樹脂本来の良好な耐薬品性、耐食性を維持できなくなり、また、表面層の機械的強度が低下して成形体Eの機械的強度も同時に低下するので、上記のように酸化チタン含有量は30重量部以下とする必要がある。酸化チタンの含有量を零とすることもできるが、このときは表面層の厚みを薄くし且つ基層の酸化チタンの含有量を多くすればよい。表面層に添加する酸化チタンの好ましい含有量は3〜15重量部である。 【0048】また、成形体Fは、基層の少なくとも片面に表面層を積層一体化した成形体であって、基層は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンと塩素捕獲化合物との合計含有量が60重量部以下となるように、酸化チタンを5〜50重量部の範囲内、塩素捕獲化合物を5〜30重量部の範囲内で含有せしめた層であり、表面層は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して酸化チタンを0〜30重量部の範囲内で含有せしめた層よりなるものである。 【0049】塩素捕獲化合物としては前記と同じものが使用され、基層と表面層には必要な鉛系又は錫系安定剤、滑剤、加工助剤、着色剤などが適宜配合される。また、表面層の厚みは、前記成形体Eの表面層の厚みと同様である。 【0050】かかる複層構造の成形体Fも、表面層の酸化チタンの含有量が30重量部以下であるため、成形体表面(表面層)の耐薬品性、耐食性が良好で、表面層が脆弱化することもなく、酸化チタンによって表面層自体の難燃性が高められる。酸化チタンの含有量は、基層における酸化チタンと塩素捕獲化合物との合計含有量より少なくすることが耐薬品性等を向上させるうえで好ましい。より好ましい含有量は、3〜15重量部である。そして、基層が多量の酸化チタンと塩素捕獲化合物を含んだ前述の成形体Bと同じ組成の層であるため、この成形体Fも全体として難燃性が向上し、特に塩素捕獲化合物によって腐食性ガスの発生量が減少するので、腐食指数CDIの小さな成形体となる。また、基層における酸化チタンと塩素捕獲化合物の合計含有量は60重量部以下であるから、基層の強度低下が少なく、成形体全体として実用に充分耐え得る強度を備えたものとなる。 【0051】次に、成形体Gは基層の少なくとも片面に表面層を積層一体化した成形体であって、基層は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンと無機質助剤との合計含有量が60重量部以下となるように、酸化チタンを5〜50重量部の範囲内、無機質助剤としてシリカ、アルミナ、珪酸アルミニウム、タルクのいずれか一種又は二種以上を2〜30重量部の範囲内で含有せしめた層であり、表面層は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して酸化チタンを0〜30重量部の範囲内で含有せしめた層よりなるものである。 【0052】この成形体Gも、表面層の酸化チタン含有量が30重量部以下と少ないため、成形体表面(表面層)の耐薬品性、耐食性が良好で、表面層が脆弱化することもなく、酸化チタンによって表面層自体の難燃性が高められる。酸化チタンの含有量は、基層における酸化チタンと無機質助剤との合計含有量より少なくすることが、耐薬品性等を向上させるうえで好ましい。酸化チタンのより好ましい含有量は3〜15重量部である。そして、基層は酸化チタンと無機質助剤を含有させた前述の成形体Cと同じ組成の層であり、酸化チタンと無機質助剤によって相乗的に難燃性及び炭化促進作用が高められるため、この成形体Gも全体として優れた難燃性を発揮し、特に燃焼指数FPIや発煙指数SDIの小さな成形体となる。また、基層における酸化チタンと無機質助剤の合計含有量が60重量部以下であるから、基層の強度低下が少なく成形体全体として実用に充分耐え得る強度を備えたものとなる。 【0053】次に、成形体Hは、基層の少なくとも片面に表面層を積層一体化した成形体であって、基層は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンと塩素捕獲化合物と無機質助剤との合計含有量が60重量部以下となるように、酸化チタンを5〜50重量部の範囲内、塩素捕獲化合物を5〜30重量部の範囲内、無機質助剤としてシリカ、アルミナ、珪酸アルミニウム、タルクのいずれか一種又は二種以上を2〜30重量部の範囲内で含有せしめた層であり、表面層は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して酸化チタンを0〜30重量部の範囲内で含有せしめた層よりなるものである。 【0054】この成形体Hも、表面層の酸化チタン含有量が30重量部以下と少ないため、成形体表面(表面層)の耐薬品性、耐食性が良好で、表面層が脆弱化することもなく、酸化チタンによって表面層自体の難燃性が高められる。酸化チタンの含有量は、基層における酸化チタンと塩素捕獲化合物と無機質助剤との合計含有量より少なくすることが、耐薬品性等を向上させるうえで好ましい。より好ましい含有量は3〜15重量部である。そして、基層が酸化チタンと塩素捕獲化合物と特定の無機質助剤を含有させた前述の成形体Dと同じ組成の層であって、燃焼時に塩素が捕獲され、塩化ビニル樹脂の炭化が促進されるため、この成形体Hも全体として難燃性が向上し、燃焼指数FPI、発煙指数SDI、腐食指数CDIが総合的に小さい成形体となる、また、基層における酸化チタンと塩素捕獲化合物と無機質助剤の合計含有量が60重量部以下であるため、基層の強度低下が少なく成形体全体として実用に充分耐え得る強度を備えたものとなる。 【0055】以上の成形体E,F,G,Hはいずれも、酸化チタンを0〜30重量部含んだ表面層を積層したものであるが、次に説明する成形体I,J,K,Lのように、酸化チタンと塩素捕獲化合物の双方を含んだ表面層を積層してもよい。 【0056】即ち、成形体Iは基層の少なくとも片面に表面層を積層一体化した成形体であって、基層は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンを5〜50重量部の範囲内で含有せしめた層であり、表面層は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンと塩素捕獲化合物との合計含有量が40重量部以下となるように、酸化チタンを0〜30重量部の範囲内、塩素捕獲化合物を2〜30重量部の範囲内で含有せしめた層よりなるものである。 【0057】表面層における酸化チタンと塩素捕獲化合物の合計含有量は上記のように40重量部以下とすることが必要であり、40重量部を越えると、表面層の塩化ビニル樹脂の占める割合が少なくなりすぎて、塩化ビニル樹脂本来の良好な耐薬品性、耐食性を維持することが困難になり、表面層が脆弱化する恐れも生じる。また表面層における酸化チタンの含有量は0〜30重量部、塩素捕獲化合物の含有量は2〜25重量部の範囲にする必要があり、これらの含有量より少なくなると、表面層に難燃性を付与することが困難になり、表面層からの発煙量や耐食性ガスの発生量を減少させることが困難になるので、成形体全体に難燃性を付与することが困難となる。尚、表面層における酸化チタンと塩素捕獲化合物の合計含有量は、基層の酸化チタンの含有量より少なくしておくことが、耐薬品性等を向上させるうえで好ましい。表面層の酸化チタンの好ましい含有量は3〜15重量部、塩素捕獲化合物の好ましい含有量は3〜15重量部であり、これらの合計含有量は6〜30重量部が好ましい。 【0058】かかる複層構造の成形体Iは、表面層における酸化チタンと塩素捕獲化合物の合計含有量が40重量部以下と少ないので、成形体表面(表面層)が塩化ビニル樹脂本来の良好な耐薬品性、耐食性を維持しており、表面層が脆弱化することもなく、酸化チタンによって表面層の難燃性が高められ、塩素捕獲化合物によって表面層からの腐食性ガスの発生量が低減されている。しかも、基層は多量の酸化チタンを含んだ前述の成形体Aと同じ組成の層であるから、この成形体Iは全体として良好な難燃性を有し、発煙量や腐食性ガスの発生量が少なく、燃焼指数FPI、発煙指数SDI、腐食指数CDIの各基準をクリアーするものとなる。 【0059】また、成形体Jは基層の少なくとも片面に表面層を積層一体化した成形体であって、基層は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンと塩素捕獲化合物との合計含有量が60重量部以下となるように、酸化チタンを5〜50重量部の範囲内、塩素捕獲化合物を5〜30重量部の範囲内で含有せしめた層であり、表面層は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンと塩素捕獲化合物との合計含有量が40重量部以下で、かつ、基層の合計含有量より少なくなるように、酸化チタンを0〜30重量部の範囲内、塩素捕獲化合物を2〜30重量部の範囲内で含有せしめた層よりなるものである。表面層における酸化チタンの好ましい含有量は3〜15重量部、塩素捕獲化合物の好ましい含有量は3〜15重量部であり、これらの合計含有量は6〜30重量部が好ましい。 【0060】かかる複層構造の成形体Jも、表面層の組成が上記成形体Iの表面層の組成と同一で、かつ、酸化チタンと塩素捕獲化合物との合計含有量が基層より少ないため、成形体表面(表面層)の耐薬品性、耐食性が良好で、脆弱化することがなく、表面層の難燃性が高められ、表面層からの腐食性ガスの発生量が低減されている。しかも、基層が多量の酸化チタンと塩素捕獲化合物を含んだ前述の成形体Bと同じ組成の層であるため、この成形体Jも全体として難燃性が向上し、腐食性ガスの発生量が少なく、腐食指数CDIの小さな成形体となる。また、基層における酸化チタンと塩素捕獲化合物の合計含有量が60重量部以下であるから、基層の強度低下も少なく、成形体全体として実用に充分耐え得る強度を備えたものとなる。 【0061】次に、成形体Kは基層の少なくとも片面に表面層を積層一体化した成形体であって、基層は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンと無機質助剤との合計含有量が60重量部以下となるように、酸化チタンを5〜50重量部の範囲内、無機質助剤としてシリカ、アルミナ、珪酸アルミニウム、タルクのいずれか一種又は二種以上を2〜30重量部の範囲内で含有せしめた層であり、表面層は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンと塩素捕獲化合物との合計含有量が40重量部以下となるように、酸化チタンを0〜30重量部の範囲内、塩素捕獲化合物を2〜30重量部の範囲内で含有せしめた層よりなるものである。 【0062】かかる複層構造の成形体Kも、表面層の組成が上記成形体Iの表面層の組成と同一であるため、成形体表面(表面層)の耐薬品性、耐食性が良好で、脆弱化することがなく、表面層の難燃性が高められ、表面層からの煙や腐食性ガスの発生量が減少する。しかも、基層は酸化チタンと無機質助剤を含有させた前述の成形体Cと同じ組成の層であり、酸化チタンと無機質助剤によって相乗的に難燃性及び炭化促進作用が高められるため、この成形体Kも全体として優れた難燃性を発揮し、特に燃焼指数FPIや発煙指数SDIの小さな成形体となる、また、基層における酸化チタンと無機質助剤の合計含有量が60重量部以下であるから、基層の強度低下が少なく、成形体全体として実用に充分耐え得る強度を備える。なお、表面層における酸化チタンと塩素捕獲化合物との合計含有量を、基層における酸化チタンと無機質助剤との合計含有量より少なくしておくことが、耐薬品性等の向上のために好ましい。 【0063】次に、成形体Lは基層の少なくとも片面に表面層を積層一体化した成形体であって、基層は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンと塩素捕獲化合物と無機質助剤との合計含有量が60重量部以下となるように、酸化チタンを5〜50重量部の範囲内、塩素捕獲化合物を5〜30重量部の範囲内、無機質助剤としてシリカ、アルミナ、珪酸アルミニウム、タルクのいずれか一種又は二種以上を2〜30重量部の範囲内で含有せしめた層であり、表面層は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンと塩素捕獲化合物との合計含有量が40重量部以下となるように、酸化チタンを0〜30重量部の範囲内、塩素捕獲化合物を2〜30重量部の範囲内で含有せしめた層よりなるものである。 【0064】かかる複層構造の成形体Lも、表面層の組成が上記成形体Iの表面層の組成と同一であるから、成形体表面(表面層)の耐薬品性、耐食性が良好で、脆弱化することがなく、表面層の難燃性が高められ、表面層からの煙や腐食性ガスの発生量が減少する。しかも、基層が酸化チタンと塩素捕獲化合物と特定の無機質助剤を含有させた前述の成形体Dと同じ組成の層であって、燃焼時に塩素が捕獲され、塩化ビニル樹脂の炭化が促進されるため、この成形体Lも全体として難燃性が向上し、燃焼指数FPI、発煙指数SDI、腐食指数CDIが総合的に小さい成形体となる。また、基層における酸化チタンと塩素捕獲化合物と無機質助剤の合計含有量が60重量部以下であるため、基層の強度低下が少なく、成形体全体として実用に充分耐え得る強度を有する。また、表面層における酸化チタンと塩素捕獲化合物との合計含有量を、基層における酸化チタンと塩素捕獲化合物と無機質助剤との合計含有量より少なくしておくことが、耐薬品性等の向上のために好ましい。 【0065】なお、上記の成形体I,J,K,Lにおいても、表面層の厚さは、前記成形体E,F,G,Hの表面層と同様に0.4〜1.1mm程度に設定するのが良く、また、表面層や基層には必要な鉛系又は錫系安定剤、滑剤、加工助剤、着色剤などが適量配合されることは言うまでもない。 【0066】以上のような複層構造の難燃性塩化ビニル樹脂成形体E,F,G,H,I,J,K,Lは、酸化チタン、塩素捕獲化合物、無機質助剤、その他の添加剤等を配合した基層成形用の塩化ビニル樹脂組成物と、表面層成形用の塩化ビニル樹脂組成物を調製し、これらの組成物を多層押出し成形、カレンダープレス、ラミネートその他の手段により、所望の形状に積層成形して製造されるものであり、FPI、SDI、CDIの各基準を同時に満足するだけでなく、表面の耐薬品性、耐食性が良好であるため、表面の耐薬品性等が要求される用途、例えば半導体製造装置の一部である洗浄槽などの材料として好適に用いられる。 【0067】なお、上記複層構造の難燃性塩化ビニル樹脂成形体は、表面層に酸化チタンを含有させた実施形態と、酸化チタン及び塩素捕獲化合物を含有させた実施形態であるが、この他に、表面層に酸化チタンと無機質助剤とを含有させた実施形態、或は、表面層に酸化チタンと塩素捕獲化合物と無機質助剤とを含有させた実施形態とすることもできる。 【0068】次に、本発明の更に具体的な実施例を挙げる。 【0069】[実施例1〜3]市販の塩化ビニル樹脂100重量部に対して、鉛安定剤4重量部、滑剤2重量部、加工助剤4重量部を添加し、均一に混合して基本配合組成物を調製した。この基本組成物110重量部に対し、表面がアルミナで被覆された酸化チタン(平均粒径:略0.2μm以下)を表1に示すように15重量部(実施例1)、25重量部(実施例2)、35重量部(実施例3)の含有量でそれぞれ均一に含有させ、カレンダーシートを作製した後にプレスすることによって、酸化チタンの含有量が互いに異なる3種類の単層構造の難燃性塩化ビニル樹脂板(厚さ5mm)を得た。 【0070】これら実施例1〜3の各樹脂板について、FPI、SDI、CDIを測定すると共に、その機械的強度と耐薬品性を調べ、その結果を表1に併せて示した。なお、機械的強度は夫々JIS K6745に基づいて測定したものであり、耐薬品性は各薬液に23℃で7日間浸漬後の外観変色を観察し、◎を変色なし、○を僅かに変色あり、△を変色あり、×を著しい変色あり、として表示したものである。 【0071】[実施例4]実施例1〜3で調製した基本配合組成物110重量部に対して、実施例1〜3で用いた酸化チタンを15重量部と、塩素捕獲化合物として炭酸カルシウムを20重量部配合し、実施例1〜3と同様にカレンダーシートを作製した後にプレスすることによって、単層構造の難燃性塩化ビニル樹脂板(厚さ5mm)を得た。 【0072】そして、この樹脂板について実施例1〜3と同様にFPI、SDI、CDIを測定すると共に、その機械的強度と耐薬品性を調べた。その結果を表1に示す。 【0073】[比較例1〜2]酸化チタンの含有量を4重量部(比較例1)と55重量部(比較例2)に変更した以外は実施例1〜3と同様にして、2種類の塩化ビニル樹脂板を作製し、これらの樹脂板について実施例1〜3と同様にFPI、SDI、CDIを測定すると共に、その機械的強度と耐薬品性を調べた。その結果を表1に併記する。 【0074】 【表1】
【0075】この表1を見れば、酸化チタンをそれぞれ15重量部、25重量部、35重量部含有させた実施例1〜3の単層構造の難燃性塩化ビニル樹脂板は、いずれもFPIが6以下、SDIが0.4以下、CDIが1.1以下で、FM規格を満たしており、酸化チタンの含有量が増えるほど、FPI,SDI,CDIが低下することが判る。また、酸化チタンを15重量部、塩素捕獲化合物を20重量部含有させた実施例4の単層構造の難燃性塩化ビニル樹脂板も、FM規格を満たしており、塩素捕獲化合物を含んでいるため、特にCDIが0.6と低くなっていることが判る。 【0076】これに対し、酸化チタンの含有量が少ない比較例1の塩化ビニル樹脂板は、実施例1〜4の難燃性塩化ビニル樹脂板に比べて耐薬品性が良好であるが、FPIとCDIが基準値を越えており、FM規格に不合格であることが判る。また、酸化チタンを過剰に含有させた比較例2の塩化ビニル樹脂板は、FM規格を充分にクリアーする難燃性を有するが、実施例1〜4の樹脂板に比べると、衝撃強度、伸び、耐薬品性が明らかに劣っており、加工性が悪く、実用に供し難いものであることが判る。 【0077】[実施例5]実施例1〜3で調製した基本配合組成物110重量部に対し、酸化チタンを15重量部と、塩素捕獲化合物として炭酸カルシウムを20重量部配合して、基層用組成物を調製した。また、実施例1〜3で調製した基本配合組成物110重量部に対し、酸化チタンを4重量部配合して、表面層用組成物を調製した。 【0078】これらの基層用組成物及び表面層用組成物のカレンダーシートをそれぞれ作製し、重ね合わせてプレスすることにより、厚さ4mmの基層の両面に厚さ0.5mmの表面層を有する三層構造の難燃性塩化ビニル樹脂板(全体の厚さ5mm)を得た。 【0079】この難燃性塩化ビニル樹脂板について、実施例1〜3と同様にFPI、SDI、CDIを測定すると共に、その機械的強度と耐薬品性を調べた。その結果を表2に示す。 【0080】[実施例6]実施例1〜3で調製した基本配合組成物110重量部に対し、酸化チタンを25重量部配合して、基層用組成物を調製した。また、実施例1〜3で調製した基本配合組成物110重量部に対し、酸化チタンを15重量部配合して、表面層用組成物を調製した。 【0081】これらの基層用組成物及び表面層用組成物のカレンダーシートをそれぞれ作製し、重ね合わせてプレスすることにより、厚さ4mmの基層の両面に厚さ0.5mmの表面層を有する三層構造の難燃性塩化ビニル樹脂板(全体の厚さ5mm)を得た。 【0082】この難燃性塩化ビニル樹脂板について、実施例1〜3と同様にFPI、SDI、CDIを測定すると共に、その機械的強度と耐薬品性を調べた。その結果を表2に示す。 【0083】[実施例7]実施例1〜3で調製した基本配合組成物110重量部に対し、酸化チタンを25重量部配合して、基層用組成物を調製した。また、実施例1〜3で調製した基本配合組成物110重量部に対し、酸化チタンを8重量部、塩素捕獲化合物として炭酸カルシウムを8重量部配合して、表面層用組成物を調製した。 【0084】これらの基層用組成物及び表面層用組成物のカレンダーシートをそれぞれ作製し、重ね合わせてプレスすることにより、厚さ4mmの基層の両面に厚さ0.5mmの表面層を有する三層構造の難燃性塩化ビニル樹脂板(全体の厚さ5mm)を得た。 【0085】この難燃性塩化ビニル樹脂板について、実施例1〜3と同様にFPI、SDI、CDIを測定すると共に、その機械的強度と耐薬品性を調べた。その結果を表2に示す。 【0086】[比較例3]実施例1〜3で調製した基本配合組成物110重量部に対し、酸化チタンを4重量部配合して、基層用組成物を調製した。この基層用組成物のカレンダーシートと、実施例1〜3で調製した基本配合組成物のカレンダーシートを作製し、重ね合わせてプレスすることにより、厚さ4mmの基層の両面に酸化チタンを含まない厚さ0.5mmの表面層を有する三層構造の塩化ビニル樹脂板(全体の厚さ5mm)を得た。 【0087】この塩化ビニル樹脂板について、実施例1〜3と同様にFPI、SDI、CDIを測定すると共に、その機械的強度と耐薬品性を調べた。その結果を表2に併記する。 【0088】 【表2】
【0089】この表2を見れば、表面層を形成した実施例5〜7の難燃性塩化ビニル樹脂板は、いずれもFM規格を満足し、しかも、表面層によって耐薬品性が顕著に向上していることが判る。これに対し、酸化チタンの含有量が不足する基層の両面に表面層を形成した比較例3の樹脂板は、耐薬品性に優れているが、FPI、SDI、CDIがいずれも基準値を大きく上回り、FM規格には全く合格できないものであることが判る。 【0090】 【発明の効果】本発明の難燃性塩化ビニル樹脂成形体は単層構造のものも複層構造のものも、難燃性が大幅に向上し発煙量及び腐食性ガスの発生量が減少するため、ファクトリー・ミューチアル・リサーチィ・コーポレーションの要求するFPI、SDI、CDIの数値が評価基準以下となり、しかも、極端に脆弱化することがないので充分な実用強度を備え、耐薬品性や耐食性もそれほど低下することがなく、特に複層構造のものは成形体表面が塩化ビニル樹脂本来の良好な耐薬品性、耐食性を殆ど低下させることなく維持するため、耐薬品性等が要求される工業用材料、特に半導体製造装置用の材料として好適に使用できるといった、多くの顕著な効果を奏する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000108719 【氏名又は名称】タキロン株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)5月11日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】河▲崎▼ 眞樹
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| 【公開番号】 |
特開平11−323051 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)11月26日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−146507 |
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