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【発明の名称】 プラスチック光ファイバケーブル
【発明者】 【氏名】豊島 真一

【氏名】須田 義和

【氏名】増渕 徹夫

【要約】 【課題】耐傷つき性、柔軟性にすぐれた被覆材からなるケーブルでポリ塩化ビニル樹脂代替のケーブルを得る【解決手段】 ポリ塩化ビニールに代わる耐傷つき性、柔軟性にすぐれた被覆樹脂として水素添加してなるスチレンと共役ジエン化合物との特定のブロック共重合体と、特定のポリプロピレン混合物、炭化水素油などからなるエラストマーを被覆材としたプラスチック光ファイバケーブル

【解決手段】ポリ塩化ビニールに代わる耐傷つき性、柔軟性にすぐれた被覆樹脂として水素添加してなるスチレンと共役ジエン化合物との特定のブロック共重合体と、特定のポリプロピレン混合物、炭化水素油などからなるエラストマーを被覆材としたプラスチック光ファイバケーブル
【特許請求の範囲】
【請求項1】(a)スチレンを主体とする二つ以上の重合体ブロックAと、共役ジエン化合物を主体とする重合体を水素添加してなる一つ以上の重合体ブロックBとからなり、重合体ブロックAの総量が10〜50重量%を構成する数平均分子量が30000〜400000であるブロック共重合体の一種以上を100重量部(b)ポリプロピレンの単独重合体又は、プロピレンを85重量%以上含むプロピレン−α−オレフィン共重合体、若しくは、プロピレンを85重量%以上含むプロピレン−エチレン共重合体と、プロピレンを75重量%以下含むプロピレン−エチレン共重合体又はプロピレンを75重量%以下含むプロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体からなる混合物であり、この中に占めるエチレン成分の含有量が15〜60重量%であるポリプロピレン樹脂混合物5〜900重量部(c)炭化水素油0〜200重量部(d)(b)以外のポリオレフィン系樹脂0〜150重量部よりなる樹脂組成物からなる被覆層を有するプラスチック光ファイバケーブル。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、パソコンや、オーディオビジュアル機器、交換機、電話、OA機器FA機器などに使用されるプラスチック光ファイバケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のプラスチック光ファイバケーブルの被覆樹脂としては、ポリエチレン樹脂、オレフィン系エラストマー樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステルエラストマー樹脂などがあった。なかでも最も汎用的なものはポリエチレン系樹脂とポリ塩化ビニル樹脂である。そのうちポリ塩化ビニルは、樹脂の本質的な特長として、傷がつきにくいということと、配合によっては非常にソフトタッチの高級感のあるケーブルに加工できること、そして難燃性に優れているという点があり、オーディオ用のケーブルや、OA用のケーブルなど、身近な所に使用されるケーブルとして主流を占めてき【0003】た。
【発明が解決しようとする課題】ところが、環境問題の観点から、ポリ塩化ビニル樹脂が敬遠され始めた。本発明は、従来ケーブルの被覆材として主流として使用されていたポリ塩化ビニルの特長を備えた無害な被覆材からなるプラスチック光ファイバケーブルに関するものである。即ち、本発明は耐傷つき性、柔軟性、耐候性、耐熱性、低温特性、被覆加工性に優れ、そして場合によっては、難燃性に優れた被覆材からなるプラスチック光ファイバケーブルの提供を行うものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、(a)スチレンを主体とする二つ以上の重合体ブロックAと、共役ジエン化合物を主体とする重合体を水素添加してなる一つ以上の重合体ブロックBとからなり、重合体ブロックAの総量が10〜50重量%を構成する数平均分子量が30000〜400000であるブロック共重合体の一種以上を100重量部(b)ポリプロピレンの単独重合体又は、プロピレンを85重量%以上含むプロピレン−α−オレフィン共重合体、若しくは、プロピレンを85重量%以上含むプロピレン−エチレン共重合体と、プロピレンを75重量%以下含むプロピレン−エチレン共重合体又はプロピレンを75重量%以下含むプロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体からなる混合物であり、この中に占めるエチレン成分の含有量が15〜60重量%であるポリプロピレン樹脂混合物5〜900重量部(c)炭化水素油0〜200重量部(d)(b)以外のポリオレフィン系樹脂0〜150重量部よりなる樹脂組成物からなる被覆層を有するプラスチック光ファイバケーブルである。
【0005】本発明の被覆樹脂を構成する(a)成分である水添ブロック共重合体を構成するスチレンを主体とする重合体ブロックAは水添ブロック共重合体の10〜50重量%である。10重量%未満では機械的強度と耐熱性が低下するので好ましく無く、50重量%を越えると耐傷つき性と柔軟性が低下するので好ましくない。また共役ジエン化合物としては、例えばブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどの内から1種又は2種以上が選択できる。本発明における水添ブロック共重合体の数平均分子量は30000〜400000である。水添ブロック共重合体の数平均分子量が30000未満では強度と耐熱性が低下して好ましくない。一方400000を越えると成形加工性が低下して使用できない。水添ブロック共重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、標準ポリスチレンを基準にしてGPC分析により求めた値で示したとき5以下、好ましくは2以下、さらに好ましくは1.5以下がよい。5を越えると機械的強度及び耐熱性が十分でなく好ましくない。
【0006】これらのブロック共重合体の製造方法を示せば、例えば特公昭40−23798号公報にに記載された方法により、水素添加前のスチレン−共役ジエン化合物のブロック共重合体を製造することが出来る。水素添加の方法としては、例えば特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報、特開昭60−220147号公報、特開昭61−33132号公報、或は特開昭62−207303号公報などの方法が挙げられる。その際の共役ジエン化合物に由来する脂肪族二重結合は、少なくとも80%、好ましくは90%以上が水素添加され、一方スチレンブロックの20%未満、好ましくは10%未満が水素添加されるように選択される。これらの水素添加ブロック共重合体の水素添加率については赤外線分光分析やNMR分析によって知ることができる。これらの水添ブロック共重合体は複数種類からなっていてもよい。
【0007】本発明の(b)成分であるポリプロピレン樹脂混合物は、ポリプロピレンの単独重合体またはプロピレンを85重量%以上含むプロピレン−α−オレフィン共重合体又はプロピレンを85重量%以上含むプロピレン−エチレン共重合体と、プロピレンを75重量%以下含むプロピレン−エチレン共重合体又はプロピレンを75重量%以下含むプロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体からなる混合物であり、この中に占めるエチレン成分の含有量が15〜60重量%であるポリプロピレン樹脂混合物であって、特に、混合によって形成されるゴム相がポリプロピレンマトリックス中に微細かつ均等に分布するものであることが好ましい。そのような混合物は例えば重合器の中で重合と同時に混合物が形成される方法で製造されたようなものを挙げることができ、そのようなポリプロピレン樹脂混合物は塑弾性を有しており、通常のブレンドによる混合物に比べ、耐傷つき性に一段と優れ、本発明の被覆樹脂組成物の耐傷つき性と柔軟性を保ち、滑らかな成型外観を有するケーブル被覆層を形成する役割を有する。
【0008】このような重合と混合を同時に行う混合物の製造方法のさらに好ましい例を示すと、2段以上の逐次重合により得られるプロピレン共重合体混合物である。第1工程において、プロピレンの単独重合体又はプロピレンを85重量%以上含むプロピレン−α−オレフィンの共重合体若しくはプロピレンを85重量%以上含むプロピレン−エチレンの共重合体を製造し、それを第2の反応機に存在させつつ第2の工程においてプロピレンを75重量%以下含むプロピレン−エチレンの共重合体又は、プロピレンを75重量%以下含むプロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体を生成しながらポリプロピレンの混合体を製造する。第1工程のプロピレンの重合は、得られるポリプロピレンのアイソタクチック指数が80%以上、好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上であるような量のエチレンまたはα−オレフィン、例えばブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン1、ヘキセン1、及びオクテン1またはそれらの組合せの存在下で行うことができる。第2工程ので使用するモノマーはプロピレン、エチレン、α−オレフィンである。なお、この工程に於いては全モノマーの重量に対し、10重量%以下の範囲でブタジエン、1,4ヘキサジエン、1−5ヘキサジエンなどのジエンの存在下で行う事もできる。そしてこのような製造方法において第1反応工程でのポリプロピレン樹脂の量は10〜60重量%、好ましくは15〜50重量%、第2反応工程でのポリプロピレン樹脂の量は40〜90重量%、好ましくは50〜85重量%である。また成分(b)のポリプロピレン樹脂混合物中に共重合された全エチレン量は15〜65重量%、好ましくは17〜45重量%、さらに好ましくは20〜35重量%である。(b)のポリプロピレン樹脂混合物中に共重合された全α−オレフィンの量は0〜30重量%、好ましくは3〜20重量%、さらに好ましくは5〜10重量%である。ポリプロピレン樹脂混合物(b)は示差走査熱量分析法で測定すると、120℃以上の温度において少なくとも1個の溶融ピークを示す。
【0009】さらに、混合物(b)は曲げ弾性率20〜700MPaであることが好ましい。また、シヨアD硬度は20〜60が好ましく、より好ましくは20〜50である。また混合物(b)のメルトフロレート(ASTM D1238、230℃、2.16Kg荷重)は2〜100g/10分が好ましく、より好ましくは30〜60g/10分である。2g/10分以下では、プラスチック光ファイバに被覆をするとき、滑らかな被覆が困難となる。100g/10分を越えると、機械的強度や耐熱性が低下するので好ましくない。成分(b)のポリプロピレン混合物の重合方法としては例えば特開平3−205439号公報、特開平6−25367号公報、特開平6−25489号公報などが挙げられる。
【0010】このようなポリプロピレン混合物としては、Adflex、Hifax(Montell社製、Catalloy TPOシリーズ)等の名称で市販されており容易に入手することができる。本発明の被覆樹脂の中の成分(b)のポリプロピレン樹脂混合物の配合量は、水添ブロック共重合体(a)100重量部に対し、5〜900重量部である。この量が多くなるにしたがってゴム弾性が低下していく。一方5重量部未満ではケーブルの外観が悪化するので好ましくない。このような観点からプラスチック光ファイバケーブルの被覆樹脂としてより好ましくは5〜100重量部である。
【0011】本発明における成分(c)は炭化水素油であり、得られる組成物の柔軟性、加工性を改良する効果を有しており、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、を使用することができる。炭化水素油の配合量は水素添加ブロック共重合体100重量部に対し、0〜200重量部である。炭化水素油の配合量が多いと耐傷つき性と耐熱性が低下する。より好ましい配合量は10〜60重量部である。
【0012】次に本発明の(d)成分である(b)以外のポリオレフィン系樹脂は、具体的にはポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、であり、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、その他エチレンと炭素数3〜8のαオレフィンとの共重合体などが挙げられる。αオレフィンとしてはプロピレン、ブテン1、イソブテン、ペンテン1、ヘキセン1、4−メチルペンテン1、オクテン1などが挙げられる。ポリプロピレン樹脂としては、プロピレンの単独重合体または、プロピレンと炭素数2〜8のα−オレフィンとの共重合体である。これらのポリオレフィン系樹脂のメルトフローレートは5〜100g/10分である。5g/10分未満では流動性が低く成形外観が良くない。100g/10分上では機械的強度と耐熱性が低下するので好ましくない。本発明において(d)のポリオレフィン系樹脂は被覆樹脂の硬度の調節、及び加工性を改良する効果を有しており、配合量は、(a)の水素添加ブロック共重合体100重量部に対し、20〜150重量部である。20重量部未満では耐熱性と流動性が低下し好ましくなく、150重量部を越えると柔軟性が低下するので好ましくない。さてこれらの(a)、(b)、(c)、(d)からなる基本樹脂組成物に対し、必要に応じて、さらに熱安定剤、光安定剤、難燃剤、着色剤、無機充填剤などの添加物を加え、被覆樹脂とすることができる。
【0013】熱安定剤としてはヒンダートフェノール系酸化防止剤、光安定剤としてはヒンダートアミン系の光安定剤でその分子量が1500以上のものなどがプラスチック光ファイバに着色を与えないので好ましい。特に難燃化をする必要のある場合は難燃剤としてはノンハロゲンの、水酸化マグネシウムと赤燐の添加が非常に有効である。水酸化マグネシウムの添加量は被覆樹脂全体重量に対し40重量%〜60重量%が好ましく赤燐の添加量は0.5〜8重量%程度が好ましい。
【0014】着色剤としてカーボンブラックなどの各種顔料や無機充填剤として炭酸カルシウム、酸化チタン、けい酸などの添加も可能である。さて、以上プラスチック光ファイバの被覆ケーブル樹脂について述べて来たが、プラスチック光ファイバについて説明する。本発明におけるプラスチック光ファイバとは芯と鞘からなるステップインデックス型のプラスチック光ファイバや、多芯プラスチック光ファイバや、或は屈折率分布型のプラスチック光ファイバが対象である。ステップインデックス型のプラスチック光ファイバが汎用的であり、これについて述べると、芯樹脂は例えばメチルメタクリレート単独重合体や、メチルメタクリレートを50重量%以上含んだ共重合体で、共重合可能な成分として、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルなどのアクリル酸エステル類、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸シクロヘキシルなどのメタクリル酸エステル類、イソプロピルマレイミドのようなマレイミド類、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンなどがあり、これらの中から一種以上適宜選択して共重合させることができる。その他好ましい樹脂として、スチレン系樹脂が使用できる。例えばスチレン単独重合体やスチレン−メチルメタクリレート共重合体などである。その他好ましい樹脂として、ポリカーボネート系樹脂が使用できる。ポリカーボネート系樹脂は耐熱性が高いこと、及び吸湿性が低いという特徴を有する。また、アモロファスポレオレフィン樹脂も使用できる。日本ゼオン社製「ゼオネックス」などの商品名の樹脂などである。
【0015】鞘樹脂としては芯樹脂がメチルメタクリレート系樹脂の場合であれば、フルオロアルキルメタクリレ−トを含む樹脂やビニリデンフロライド系樹脂やビニリデンフロライド系樹脂とメタクリレ−ト系樹脂を混合したアロイなどである。特に通信用途ではフルオロアルキルメタクリレ−ト樹脂が結晶性がなく、高温でのロスの変化もなく好ましい。フルオロアルキルメタクリレ−トとしては次式の化合物であり【0016】
【化1】

【0017】n =1,2m=1〜11までの整数X=H,Fこれらで示されるフルオロアルキルメタクリレ−トモノマの1種類以上と、他の共重合可能なフルオロアルキルアクリレ−トやアルキルメタクリレ−トやアルキルアクリレ−トなどとの共重合体である。さらに具体的に例をあげれば、フルオロアルキルメタクリレ−トとしては、トリフロオロエチルメタクリレ−ト、テトラフルオロプロピルメタクリレ−ト、ペンタフルオロプロピルメタクリレ−ト、ヘプタデカフルオロデシルメタクリレ−ト、オクタフルオロプロペンチルメタクリレ−トなどがあり、フッ化アクリレ−トモノマ−としては,トリフルオロエチルアクリレ−ト、テトラフルオロプロピルアクリレ−ト、オクタフルオロペンチルアクリレ−トなどがある。そしてこれらのフッ素系モノマ−の他に、高屈折率成分として、メチルメタクリレ−トやエチルメタクリレ−トなどのメタクリレ−トモノマ−やメチルアクリレ−トやエチルアクリレ−ト、ブチルアクリレ−トなどのアクリレ−トモノマ−などとのいろいろな組合せによる共重合体が挙げられる。
【0018】このようなプラスチック光ファイバの裸線に本発明の被覆樹脂を被覆してプラスチック光ファイバケーブルとするが、例えば芯樹脂がメチルメタクリレート系樹脂の場合には樹脂の熱変形温度が低いのでできるだけプラスチック光ファイバに熱負荷がかからないように被覆してプラスチック光ファイバの伝送損失を増加させない配慮が必要である。しかし本発明の被覆樹脂の成型温度は170℃〜230℃程度までに及ぶため、予めプラスチック光ファイバ裸線に熱負荷の少ない一次被覆を行っておいてからその外により厚い層の被覆を行うこともできる。この内層の被覆はポリエチレン樹脂の被覆でもよいし、あるいは本発明の被覆樹脂でもよいし、或はビニリデンフロライド系樹脂やナイロン12の被覆などでもよい。
【0019】本発明のプラスチック光ファイバケーブルの用途としては、パソコンや、オーディオビジュアル機器、交換機、電話、OA機器、FA機器などのケーブルであり特に柔軟性のある本ケーブルは手触りの感触もよく、身近な家電用途に最適である。そしてカールコードとしても適している。以下実施例によって説明する。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、実施例により、本発明を説明する。
【0021】
【実施例1】芯樹脂をポリメチルメタクリレート樹脂、鞘としてフルオロアルキルメタクリレートとメチルメタクリレートの共重合体樹脂を用いて製造したプラスチック光ファイバで芯の直径が980μm,鞘外径が1000μmの裸線に次の被覆樹脂を被覆した。被覆樹脂は次の成分からなる。
水添ブロック共重合体■数平均分子量210000、分子量分布1.2、結合スチレン量35重量%、水素添加前のポリブタジエン部の1,2−ビニル結合量が36重量%、ポリブタジエン部の水素添加率99%のスチレン/ブタジエンブロック共重合体の水素添加ブロック共重合体を特開昭60−220147号公報に記載された方法により合成したもの40重量部。
水添ブロック共重合体■数平均分子量65000、分子量分布1.13、結合スチレン量23重量%、水素添加前のポリブタジエン部の1,2−ビニル結合量が36重量%、ポリブタジエン部の水素添加率99%のスチレン/ブタジエンブロック共重合体の水素添加ブロック共重合体を特開昭60−220147号公報に記載された方法により合成したもの60重量部。
ポリプロピレン樹脂混合物ポリプロピレン混合物としてモンテル社製、キヤタロイAdflex KS−084P、メルトフロインデックス30g/10分 、曲げ弾性率108MPa、シヨアD硬度44なるものを60重量部。
炭化水素油炭化水素油としてバラフィン系オイル出光興産製、ダイアナプロセスオイルPW−380を40重量部。
ポリオレフィン系樹脂ポリオレフィン系樹脂としてJPO製、シヨーアロマーモノ511メルトフロインデックス15g/10分、曲げ弾性率1400MPaを85重量部からなる被覆樹脂でその硬度はJISAで92,引張強さ100Kgf/cm2、伸び760%からなる樹脂。
【0022】これらの配合材料を、配合部数に混合し、ヘンシェルミキサーでブレンドした後、二軸押出機にて220℃の条件で溶融混練し、被覆樹脂ペレットを得た。本ペレットを用いて平滑な平面の平板を成形し、平板を水平に置き、荷重40g/cm2を加えた綿布を置き、200回往復させ、その摩擦面の光沢度をJISK7105の方法で測定し、摩擦前後の光沢度の保持率を求めた。その値は84%であり、耐傷つき性に優れた被覆樹脂であることが確認された。
【0023】被覆樹脂をクロスダイヘッド付きの被覆押出機に導入し、成型温度210℃でプラスチック光ファイバ裸線に0.6mmの厚さの被覆を行い、ケーブルを得た。プラスチック光ファイバケーブルでの伝送損失は650nmの単色光で150dB/kmであった。このケーブルを85℃に1000時間放置した時の伝送損失は155dB/kmで安定していた。
【0024】
【実施例2】芯樹脂をポリメチルメタクリレート樹脂、鞘としてビニリデンフロライド80モル%とテトラフロロエチレン20モル%の共重合体からなるプラスチック光ファイバで芯の直径が980μm,鞘外径が1000μmの裸線を用い、さらにその上にポリエチレンで2.2mmの外径に被覆したケーブルに、次の被覆樹脂を被覆した。すなわち、被覆樹脂として実施例1に示した水添ブロック共重合体■を100重量部、ポリプロピレン混合物を100重量部、炭化水素油100重量部からなる配合材料を配合部数に混合し、ヘンシェルミキサーでブレンドした後、二軸押出機にて220℃の条件で溶融混練し、被覆樹脂ペレットを得た。この樹脂のメルトフロインデックス15g/10分、硬度JISA 42 、引張強さ100Kgf/cm2 、伸び950%であった。
【0025】本被覆樹脂についても、実施例1と同様に摩擦試験を行い、光沢の保持率を調べたところ、82%であり、耐傷付き性にすぐれていた。ケーブル被覆の温度は230℃でおこなった。ケーブルの外観はつやがあって表面が弾力性があるソフトタッチの好感触のケーブルが得られた。このプラスチック光ファイバケーブルの伝送損失は650nmの単色光で140dB/kmであった。このケーブルを70℃で1000時間放置したときの伝送損失は160dB/kmで安定していた。
【0026】
【発明の効果】本発明の被覆材を有する光ファイバケーブルは、耐傷つき性、柔軟性等にすぐれる。
【出願人】 【識別番号】000000033
【氏名又は名称】旭化成工業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)5月11日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−323041
【公開日】 平成11年(1999)11月26日
【出願番号】 特願平10−127531