| 【発明の名称】 |
アスファルト組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】竹本 浩久
【氏名】清水 智信
【氏名】織田 勝
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (イ)一般式;A−B−A′、A−B−A′−B、もしくは(A−B)nX(式中、Xはカップリング剤の残基、nは2〜6の整数、A〜A′は重量平均分子量が0.8万〜2万の芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロック、Bは共役ジエンを主体とする重合体ブロックであり、ブロック共重合体全体の重量平均分子量は10万〜40万、AおよびA′の合計結合含量は20〜45重量%である)で表されるブロック共重合体、またはそれらの混合物、(ロ)ナフテン系および/またはパラフィン系プロセスオイル、ならびに(ハ)針入度40〜200のストレートアスファルトを主成分とし、(イ)成分100重量部に対し(ロ)成分が2〜15重量部、また(イ)成分および(ロ)成分の合計量と(ハ)成分との重量比が2/98〜20/80であることを特徴とするアスファルト組成物。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、アスファルト組成物に関し、さらに詳細にはストレートアスファルトに、芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのブロック共重合体、およびプロセスオイルを配合してなる、アスファルトとの相溶性が改善され、貯蔵安定性に優れるアスファルト組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、アスファルトは、安価で入手が容易であり、道路舗装用、防水シート、防音シート、制振材などの用途に広く用いられている。しかしながら、アスファルトは、軟化点、針入度などが劣るため、これらの特性を改良して、より高度な要求特性に合致させるようにする検討が試みられている。例えば、アスファルトの特性を改良する手段として、種々のポリマーを添加することがことが試みられている。このポリマーの具体例としては、スチレン−ブタジエンランダム共重合体ラテックス(SBRラテックス)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体などが使用されている。 【0003】また、近年、芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのブロック共重合体(SBブロック共重合体)を添加して、アスファルトを改質することが試みられている。例えば、アスファルトの諸物性を改良する目的として、特定の構造を有するブロック共重合体を添加したアスファルト組成物が様々提案されている。すなわち、特公昭47−17319号公報にはA−B−A型線状ブロック共重合体の使用が、特公昭49−17007号公報にはA−B−A−B型線状ブロック共重合体の使用が、特公昭59−36949号公報には(A−B)nX型で表されるラジアルブロック共重合体の使用が、さらに特開平5−279574号公報にはA−B−A型線状ブロック共重合体と(A−B)nX型ラジアルブロック共重合体の併用が開示されている。しかしながら、これらの開示例では、アスファルトの軟化点、タフネス・テナシティといったバインダー物性はかなり改良されるものの、高温時の貯蔵安定性については必ずしも充分ではない。 【0004】このため、一般にはアロマ系オイルの添加、イオウや過酸化物の添加による架橋で、これらの物性を改良することが行われている。例えば、ジャーナル オブインスティテュート オブ ペトロリウム(Journal of Institute of Petroleum)第59巻第566頁(1973)にはアロマ系オイルの使用が、米国特許第3963659号明細書、同第4503176号明細書には過酸化物の使用が、特公昭57−24385号公報にはイオウの使用が、特公平1−13743号公報には特定構造のポリスルフィドの使用が、特公平3−501035号公報にはイオウと加硫剤、イオウ供与体加硫促進剤の併用が開示されている。 【0005】しかしながら、アロマ系オイルの添加においては、高温貯蔵安定性、溶解時間には効果があるものの、施工後の耐流動性、耐摩耗性が低下し、わだち掘れなどの問題が生じる。また、イオウや過酸化物による架橋は、貯蔵安定性には効果があるものの、アスファルト組成物の溶解時間が著しく高くなって加工性が損なわれるという問題が生じる。さらに、上記特許に記載されている特定構造を持ったポリスルフィドは、ジブロック共重合体では架橋による効果として機械的性質と加工性のバランスの取れたものが得られるものの充分ではなく、特異な異臭により実用上問題がある。さらに、上記ポリスルフィドをトリブロック共重合体に適用した場合、溶融粘度が著しく高くなって加工性が損なわれるという問題が生じる。このように、特定構造のブロック共重合体および添加剤を使用して、アスファルトを改質しようとする試みも未だに満足できる結果は得られておらず、高温貯蔵安定性、溶解時間、バインダー物性、加工性、施工後の物性のバランスを満足する改質剤もこれまで見出されていないのが現状であり、さらなる改善が望まれている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技術の課題を背景になされたもので、高温での貯蔵安定性が改善され、バインダー物性、加工性、施工後の物性のバランスに優れ、道路舗装用や防水シートなどに使用可能なアスファルト組成物を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は、(イ)一般式;A−B−A′、A−B−A′−B、もしくは(A−B)nX(式中、Xはカップリング剤の残基、nは2〜6の整数、A〜A′は重量平均分子量が0.8万〜2万の芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロック、Bは共役ジエンを主体とする重合体ブロックであり、ブロック共重合体全体の重量平均分子量は10万〜40万、AおよびA′の合計結合含量は20〜45重量%である)で表されるブロック共重合体、またはそれらの混合物、(ロ)ナフテン系および/またはパラフィン系プロセスオイル、ならびに(ハ)針入度40〜200のストレートアスファルトを主成分とし、(イ)成分100重量部に対し(ロ)成分が2〜15重量部、また(イ)成分および(ロ)成分の合計量と(ハ)成分との重量比が2/98〜20/80であることを特徴とするアスファルト組成物を提供するものである。 【0008】 【発明の実施の形態】本発明に使用される(イ)成分は、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックA,A′と、共役ジエンを主体とする重合体ブロックBとが、A−B−A′、A−B−A′−B、もしくは(A−B)nX(式中、Xはカップリング剤の残基、nは2〜6の整数を示す)のように配列されたブロック共重合体、またはそれらの混合物である。A−Bのジブロック共重合型は、カップリング反応の残渣として全ブロック共重合体に含まれていてもよいが、単独の使用では軟化点、タフネス・テナシティの改良効果が低く好ましくない。また、ブロックBは、共役ジエンの単独重合体ブロック、あるいは共役ジエンを50重量%以上含有する共役ジエンと芳香族ビニル化合物との共重合体ブロックである。ブロックBに存在することのある芳香族ビニル化合物は、均一に分布されていても、あるいはテーパー状に分布していてもよい。なお、上記均一に分布した部分および/またはテーパー状に分布した部分は、ブロックBに複数個共存していてもよい。 【0009】ここで、(イ)ブロック共重合体を得るために用いられる芳香族ビニル化合物としては、スチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルピリジンなどが挙げられ、特にスチレン、α−メチルスチレンが好ましい。 【0010】また、(イ)ブロック共重合体を得るために用いられる共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、クロロプレンなどが挙げられるが、好ましくは1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエンであり、特に好ましくは1,3−ブタジエンである。 【0011】(イ)ブロック共重合体中のブロックA,A′は、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックであり、50重量%未満の共役ジエンを共重合したものであってもよい。また、ブロックA,A′は、均等でも、あるいは不均等でも構わない。上記ブロックA,A′の重量平均分子量は、0.8万〜2万、好ましく0.9万〜1.8万である。重量平均分子量が、0.8万未満ではアスファルトへの溶解時間が短く、加工、取り扱いが容易であるが、軟化点、タフネス・テナシティが低下し不充分であり、一方、2万を超えると、軟化点、タフネス・テナシティは充分大きくなるが、溶解時間が著しく長くなり、しかもアスファルト組成物の溶融粘度も上昇し、加工、取り扱いが困難になる。 【0012】また、(イ)ブロック共重合体全体の重量平均分子量は、10万〜40万、好ましく12万〜38万である。重量平均分子量が10万未満では、得られるアスファルト組成物の軟化点、タフネス・テナシティが不充分であり、また耐流動性の低下も大きくなる。一方、40万を超えると、タフネス・テナシティは充分大きくなるが、アスファルトへの相溶性が悪くなり相分離し易くなり、またアスファルト組成物の溶融粘度が高くなり、加工、取り扱い性が困難となる。 【0013】さらに、(イ)ブロック共重合体中のブロックA,A′の合計結合含量は、20〜45重量%、好ましくは23〜40重量%である。この合計結合含量が、20重量%未満では軟化点、タフネス・テナシティが不充分となり、しかも高温における耐流動変形性も不充分となる。一方、45重量%を超えると、アスファルト組成物の針入度が小さく硬くなり、低温可撓性が低下する。 【0014】本発明に使用される(イ)ブロック共重合体は、例えば不活性炭化水素溶媒中において、有機リチウム化合物などの有機アルカリ化合物を重合開始剤に用い、まず芳香族ビニル化合物を重合させ、次いで共役ジエンを重合させたのち、再度、芳香族ビニル化合物を重合させるか、その後再び共役ジエンを反応させるなど、逐次段階的に重合していくか、またはまず芳香族ビニル化合物を重合させ、次いで共役ジエンを重合させたのち、カップリング剤を反応させるか、共役ジエンの後に再度芳香族ビニル化合物を重合させカップリング剤を反応させることなどにより製造することができる。なお、上記一般式において、nは、カップリング剤の官能数により決定されるが、2〜6、好ましくは2〜4の整数であり、nが6を超えるとトリブロックの重量平均分子量が極端に大きくなり、アスファルト組成物の粘度が高くなり好ましくない。また、nが1では、例えばA−Bのジブロック共重合型となり、このブロック共重合体の単独の使用では軟化点、タフネス・テナシティの改良効果が低く好ましくない。 【0015】上記不活性炭化水素溶媒としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、ヘプタン、オクタン、メチルシクロペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、キシレンなどの炭化水素溶媒の1種または2種以上の併用が可能であるが、好ましくはシクロヘキサンである。重合開始剤である有機アルカリ金属化合物としては、有機リチウム化合物が好ましい。この有機リチウム化合物としては、有機モノリチウム化合物、有機ジリチウム化合物、有機ポリリチウム化合物が用いられる。これらの具体例としては、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、イソプレニルジリチウムなどが挙げられ、モノマー100重量部あたり0.02〜0.2重量部の量で用いられる。 【0016】また、この際、ミクロ構造、すなわち共役ジエン部分のビニル結合含量の調節剤(ビニル化剤)として、ルイス塩基、例えばエーテル、アミンなど、具体的にはジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、プロピルエーテル、ブチルエーテル、高級エーテル、またエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテルなどのグリコールのエーテル誘導体、アミンとしてはテトラメチルエチレンジアミン、ピリジン、トリブチルアミンなどの第3級アミンなどが挙げられ、モノマー100重量部当り0.02〜0.2重量部の量で、不活性炭化水素溶媒とともに用いられる。 【0017】重合反応は、通常、20〜120℃、好ましくは30〜100℃で実施される。また、重合は、一定温度にコントロールして実施しても、また熱除去をしないで上昇温度下で実施してもよい。 【0018】このようにして得られるブロック共重合体リビングアニオンに、カップリング剤を添加すると、重合体分子量が延長されたブロック共重合体が得られる。また、(イ)ブロック共重合体製造時に、当量未満のカップリング剤を添加して、カップリングせずに重合体分子鎖が延長されないブロック共重合体と、カップリング反応して重合体分子鎖が延長されたブロック共重合体とが同時に存在する組成物として得ることができるし、それぞれの成分を別途作製し、混合してもよい。 【0019】この際のカップリング剤としては、例えばジブロモメタン、ジブロモエタン、ジブロモプロパン、メチレンクロライド、ジクロロエタン、ジクロロプロパン、ジクロロブタンなどのジハロゲン化アルカン、クロロホルム、トリクロロエタン、トリクロロプロパン、トリブロモプロパンなどのトリハロゲン化アルカン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、テトラクロロシラン、モノメチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、モノエチルジクロロシラン、ジエチルジクロロシラン、モノブチルジクロロシラン、ジブチルジクロロシラン、モノヘキシルジクロロシラン、ジヘキシルジクロロシラン、ジブロモシラン、モノメチルジブロモシラン、ジメチルジブロモシランなどのハロゲン化ケイ素化合物、テトラクロロスズ、ジクロロスズ、ジブロモスズ、テトラブロモスズなどのハロゲン化スズ、ジメチルジクロロスズ、メチルトリクロロスズ、ブチルトリクロロスズなどのアルキルスズハロゲン化物、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンなどのジビニル芳香族ビニル化合物、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、酢酸フェニル、安息香酸エチル、安息香酸フェニルなどのエステル類が挙げられるが、なかでも好適なのは、ハロゲン化アルカンまたはハロゲン化ケイ素化合物である。これらのカップリング剤の使用量は、有機アルカリ金属化合物(好ましくは有機リチウム化合物)に対して、約0.05〜0.5モル比で用いられる。 【0020】(イ)ブロック共重合体中の芳香族ビニル化合物の結合含量は、各段階における重合時のモノマーの供給量で調節され、必要に応じて調節される共役ジエンのビニル結合含量は、上記ミクロ調節剤の成分を変量することにより調節される。また、(イ)ブロック共重合体の重量平均分子量は、重合開始剤、例えばn−ブチルリチウムの添加量で調節される。なお、本発明においては、(イ)ブロック共重合体の共役ジエン部分の二重結合を、水素添加により飽和してもよい。また、本発明の(イ)ブロック共重合体は、通常、ベール、再乳化ラテックス、他の重合体とのブレンドまたは単独でのペレットやクラム、または粉体などの形状で使用することができる。 【0021】次に、本発明に用いられる(ロ)ナフテン系またはパラフィン系プロセスオイルは、一般的には環分析における芳香族分が30重量%以下のプロセスオイルである。芳香族分が30重量%を超える芳香族系オイルを用いると、アスファルト組成物の相溶性は改善されるものの、軟化点などの物性が低下し好ましくない。 【0022】次に、本発明に用いられる(ハ)ストレートアスファルトは、アスファルト基原油を常圧蒸留および水蒸気または真空蒸留にかけたのち、残留物として得られるものである。ストレートアスファルトは、(イ)ブロック共重合体を溶解させ易いため、加工、取り扱いが容易である。(ハ)ストレートアスファルトは、針入度40〜200である。針入度が40未満では、低温での可撓性が損なわれる傾向にあり、一方、200を超えると、耐摩耗性、耐流動性が低下する傾向にある。 【0023】本発明のアスファルト組成物は、以上の(イ)〜(ハ)成分を主成分とするが、上記(イ)成分100重量部に対し、(ロ)成分の使用量は2〜15重量部、好ましく3〜10重量部である。(ロ)成分の使用量が2重量部未満では、バインダー物性は良好であるが、アスファルトとの相溶性が悪く、貯蔵安定性が損なわれ、一方、15重量部を超えると、軟化点、タフネス・テナシティが低く、針入度が高くなり、バインダー物性が低下する。 【0024】また、上記(イ)成分および(ロ)成分の合計量と(ハ)成分との重量比は、2/98〜20/80、好ましく3/97〜15/85である。上記重量比が、2/98未満では、アスファルトの改質効果がみられず、軟化点が不充分で、しかも針入度、タフネス・テナシティが低く、一方、20/80を超えると、軟化点、タフネス・テナシティは充分であるが、アスファルトへの溶解時間が著しく長くなり、相溶性も悪くなり、しかも組成物の溶融粘度が著しく高くなり、加工、取り扱いが困難になる。 【0025】本発明のアスファルト組成物は、通常、140〜190℃に溶融された攪拌下の(ハ)ストレートアスファルトに、上記(イ)〜(ロ)成分を投入し混合することにより製造される。また、(イ)成分と(ロ)成分は、あらかじめ混練りされて均一な組成物にしてから(ハ)ストレートアスファルトに投入してもよいし、別々に投入してもよい。 【0026】なお、本発明のアスファルト組成物には、必要に応じてシリカ、タルク、炭酸カルシウムなどの充填剤、顔料、老化防止剤、架橋剤、難燃剤などの添加剤を配合することができる。また、アスファルトの硬度調整のために、石油樹脂、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂環族系炭化水素樹脂、クマロン系樹脂、フェノール系樹脂、芳香族炭化水素樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、およびこれらの水添樹脂類を配合することができる。さらに、道路舗装用として使用する場合には、砂利などを添加することも可能である。 【0027】また、本発明のアスファルト組成物には、他の熱可塑性エラストマーや熱可塑性樹脂、例えばスチレン−ブタジエンゴムラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、アタクチックポリプロピレン、1,2−ポリブタジエン、あるいはエチレン−プロピレンゴムなどの他の重合体を併用することが可能である。この場合、あらかじめ本発明の(イ)成分および/または(ロ)成分と上記他の重合体(熱可塑性エラストマーおよび/または熱可塑性樹脂)とを、任意の割合で混練りしたのち、ペレット化して使用することもできる。 【0028】 【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中、部および%は、特に断らない限り重量基準である。また、実施例中の各種評価は、次のようにして求めたものである。 【0029】ブロック共重合体の特性■重量平均分子量(Mw) GPC装置〔東ソー(株)製、HLC−8020型を使用し、カラムはデュポン社製のZORBAX 1000Sを3本使用〕で測定し、標準ポリスチレンで換算した重量平均分子量である。 ■結合スチレン含量赤外分光分析装置(パーキンエルマー1600型)を用い、690cm-1の吸収強度より求めた。 【0030】アスファルト組成物の特性■溶解時間溶解時間は、アスファルト組成物の調製の際、混合中に内容物を少量採取し、ポリエステル(テトロン)シート上に塗布して観察し、ブロック共重合体の固形粒が認められなくなるまでの時間とした。 ■タフネス・テナシティ「舗装試験法便覧」(昭和63年11月、社団法人日本道路協会刊行)3−5−17 タフネス・テナシティ試験方法に準じた。 ■針入度、伸度、軟化点JIS K2207に準拠して測定した。 ■溶融粘度B型粘度計により、140℃で測定した。 ■相分離性300ccのアルミ缶で作製した円柱容器に、調製したアスファルト組成物を流し込み、オーブン中で180℃、72時間、窒素雰囲気下で静置後、室温で冷却し、アルミ缶を真中で上下に分け、再度、オーブンにて溶解、攪拌し、上下の軟化点、針入度、溶融粘度を比較した。 【0031】実施例1ブロック共重合体の調製ジャケットと攪拌機の付いた内容積100リットルのステンレス製重合容器を充分に窒素ガスで置換したのち、シクロヘキサン50kg、スチレン3.0kgを仕込み、ジャケットに温水を通して内容物を40℃とした。次いで、sec−ブチルリチウム16.0gを添加して重合を開始した。スチレンの重合完了後、内容物温度が80℃になるようにジャケットに冷水を通しながら、1,3−ブタジエン7.0kgをゆっくりと添加した。1,3−ブタジエンの重合が完了したのち、カップリング剤としてジメチルジクロロシラン4.4gを添加し、30分間攪拌した。反応後、メタノール1mlを添加して、10分間攪拌したのち、内容物を重合容器から取り出し、酸化防止剤である2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)を50g添加し、さらにパラフィン系プロセスオイル〔出光興産(株)製、PS−32〕を500g添加した。この重合溶液を、スチームストリッピングし、得られた含水ポリマーをクラッシャーにてクラム状に粉砕してから、80℃で熱風乾燥して、スチレン−ブタジエンブロック共重合体を得た。 【0032】アスファルト組成物の調製針入度=70のストレートアスファルト〔共同石油(株)製、60/80〕を570gと、上記スチレン−ブタジエンブロック共重合体30gとを、180℃で加熱しながら攪拌機〔特殊機化工業(株)製、TKホモミキサー、10,000rpm〕で混合し、アスファルト組成物を調製した。表1に、各特性の評価結果を示す。 【0033】実施例2〜4、比較例1〜7実施例2〜3および比較例1〜6は、スチレン、1,3−ブタジエン、sec−ブチルリチウム、ジメチルジクロロシランの仕込み量およびプロセスオイルの種類および仕込み量を変更する以外は、実施例1と同様にして、また実施例4は、スチレン、1,3−ブタジエン、sec−ブチルリチウム、プロセスオイルの種類と仕込み量、およびカップリング剤を1,2−ジブロモエタンに変更する以外は、実施例1と同様にしてブロック共重合体を得て、実施例1と同様にしてアスファルト組成物を調製し、その性能を評価した。また、比較例7は、実施例1のオイルを芳香族系オイルに変えた以外は、実施例1と同様にしてアスファルト組成物を調製し、その性能を評価した。結果を表1〜2に示す。 【0034】実施例5ジャケットと攪拌機の付いた内容積100リットルのステンレス製重合容器を充分に窒素ガスで置換したのち、シクロヘキサン50kg、スチレン1.5kgを仕込み、ジャケットに温水を通して内容物を40℃とした。次いで、sec−ブチルリチウム8.2gを添加して重合を開始した。スチレンの重合完了後、内容物温度が80℃になるようにジャケットに冷水を通しながら、1,3−ブタジエン7.0kgをゆっくりと添加した。1,3−ブタジエンの重合が完了したのち、1.5kgの2回目のスチレンを添加した。反応終了後、メタノール1mlを添加して10分間攪拌したのち、内容物を重合容器から取り出し、酸化防止剤である2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)を50g添加し、さらにパラフィン系プロセスオイル〔出光興産(株)製、PS−32〕を500g添加した。この重合溶液をスチームストリッピングし、得られた含水ポリマーをクラッシャーにてクラム状に粉砕してから、80℃で熱風乾燥して、スチレン−ブタジエンブロック共重合体を得た。次いで、実施例1と同様にして、アスファルト組成物を調製し、各特性を評価した。結果を表1に示す。 【0035】実施例6本実施例6は、実施例5において、2回目のスチレンの反応終了後に、さらに1,3−ブタジエンを添加し、スチレン、1,3−ブタジエン、sec−ブチルリチウムの仕込み量を変更する以外は、実施例5と同様にしてブロック共重合体を得て、実施例1と同様にしてアスファルト組成物を調製し、その性能を評価した。結果を表1に示す。 【0036】表1から、本発明のアスファルト組成物(実施例1〜6)は、高温貯蔵時の相分離が改善され、しかも良好なバインダー物性を示すことが分かる。これに対し、比較例1は、ポリスチレンブロックの重量平均分子量および結合スチレン含量が下限を下回る例であり、バインダー物性に劣る。比較例2は、ポリスチレンブロックの重量平均分子量が上限を上回る例であり、溶解時間が著しく長くなり、相分離性が悪くなる。比較例3は、ポリスチレンブロックおよび(イ)成分の重量平均分子量が下限を下回る例であり、相分離性は改善されるものの、バインダー物性が劣る。比較例4は、結合スチレン含量が上限を上回る例であり、バインダー物性が劣る。比較例5は、(イ)成分に対する(ロ)成分の重量比が上限を上回る例であり、相分離性が悪くなる。比較例6は、(イ)成分に対する(ロ)成分の重量比が下限を下回る例であり、バインダー物性が劣る。比較例7は、使用するオイルが芳香族系のもので軟化点が低く、バインダー物性が低下することが分かる。 【0037】実施例7〜8、比較例8sec−ブチルリチウムの仕込み量およびカップリング剤をテトラクロロシランに変更する以外は、実施例1と同様にしてブロック共重合体を得て、実施例1と同様にしてアスファルト組成物を調製し、その性能を評価した。結果を表3に示す。実施例7〜8は、4官能カップリング剤を使用した例であり、相溶性が改善される。これに対し、比較例8は、4官能カップリング剤を使用し、(イ)成分の重量平均分子量が上限を上回る例であり、溶解時間が著しく長くなり、相分離性も悪くなっている。 【0038】比較例9〜10実施例1のブロック共重合体を用い、アスファルトへの添加量を変更する以外は、実施例1と同様の方法でアスファルトを調製し、その性能を評価した。結果を表3に示す。表3から明らかなように、ブロック共重合体の添加量が本発明で規定する範囲より少ないと(比較例8)、バインダー物性が劣り、一方、多すぎると(比較例9)、物性は良好なものの、溶解に時間がかかり、相分離性が悪くなる。 【0039】なお、表1〜3中、使用したオイルは、次のとおりである。 P(パラフィン系);出光興産(株)製、PS−32N(ナフテン系) ;シェルジャパン(株)製、シェルフレックス 371JYA(芳香族系) ;シェルジャパン(株)製、デュートレックス 729UK【0040】 【表1】
【0041】 【表2】
【0042】 【表3】
【0043】 【発明の効果】本発明のアスファルト組成物は、高温貯蔵安定性に優れ、しかもバインダー物性とのバランスのとれたものであり、道路用途、防水シートなどに好適に用いることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】594042044 【氏名又は名称】ジェイエスアール シェル エラストマー株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)9月11日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】白井 重隆
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| 【公開番号】 |
特開平11−80554 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)3月26日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−262949 |
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