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【発明の名称】 反応性可塑剤
【発明者】 【氏名】石川 和憲

【要約】 【課題】ゴムや樹脂などの組成物に配合してそれらの物性の経時的な低下を防止する反応性可塑剤を提供する。

【解決手段】可塑成分としてエステル基含有有機基又は脂肪族もしくは芳香族炭化水素基50重量%以上を、そして反応性基としてアルコキシシリル基及びアシルオキシシリル基の少なくとも一方を、それぞれ1分子中に少なくとも一つ有するシロキサン系反応性可塑剤。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 可塑成分としてエステル基含有有機基又は脂肪族もしくは芳香族炭化水素基50重量%以上を、そして反応性基としてアルコキシシリル基及びアシルオキシシリル基の少なくとも一方を、それぞれ、1分子中に少なくとも一つ有するシロキサン系反応性可塑剤。
【請求項2】 式(I)および式(II):【化1】

(式中、R1 は炭素数1〜6のアルキル基及び/又は炭素数1〜21のアシル基を示し、R2 は炭素数2又は3のアルキレン基を示し、そしてR3 は炭素数5〜21の炭化水素基を示し、R4 は炭素数6〜20の炭化水素基を示す)のシロキサン単位をそれぞれ1分子中に少なくとも一つ有するポリシロキサンである請求項1に記載の反応性可塑剤。
【請求項3】 式(II)のR4 が、1−オクテン、イソオクテン、1−デセン、リモネン、ビニルシクロヘキセン、スチレン、ジビニルベンゼン、α−メチルスチレンおよびα−メチルスチレンダイマー残基から選ばれた基である請求項2に記載の反応性可塑剤。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴム又は樹脂組成物において使用される非移行性の反応性可塑剤に関し、更に詳しくは、シリカ、クレー、マイカ、カオリン、活性白土などのケイ素含有フィラーを含むゴム又は樹脂組成物において使用するのに適したシロキサン系反応性可塑剤に関する。
【0002】
【従来の技術】各種のゴムや樹脂には多くの可塑剤が使用されている。その中で特にエステル系の可塑剤が、ゴムや樹脂との相溶性に優れているため、従来から汎用的に使用されている。しかしながら、これらのエステル化合物はゴムや樹脂、更にはフィラーとは反応せず、時間の経過とともに外部へ移行するため、ゴムや樹脂の物性を経時的に低下させるという問題があった。また、エポキシ樹脂については、反応性可塑剤はよく知られているが、その他の樹脂やゴムに対する反応性可塑剤はほとんど知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的は前述の従来技術の問題点を排除し、ゴムや樹脂の組成物の物性の経時的な低下を防止するための反応性可塑剤を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に従えば、可塑成分としてエステル基含有有機基又は脂肪族もしくは芳香族炭化水素基50重量%以上を、そして反応性基としてアルコキシシリル基及びアシルオキシシリル基の少なくとも一方を、それぞれ1分子中に少なくとも一つ有するシロキサン系反応性可塑剤。
【0005】本発明の好ましい態様に従えば、下記式(I)および式(II):【0006】
【化2】

【0007】(式中、R1 は炭素数1〜6のアルキル基及び/又は炭素数1〜21のアシル基を示し、R2 は炭素数2又は3のアルキレン基を示し、そしてR3 は炭素数5〜21の炭化水素基を示し、R4 は炭素数6〜20の炭化水素基を示す)のシロキサン単位をそれぞれ1分子中に少なくとも1つ有するポリシロキサンであるシロキサン系反応性可塑剤が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成及び作用効果について説明する。本発明の反応性可塑剤の可塑成分であるエステル基含有有機基又は炭化水素基は、例えば、カルボン酸のアリルエステルもしくはビニルエステルを、又は1−オクテン、イソオクテン、1−デセン、リモネン、ビニルシクロヘキセン、スチレン、ジビニルベンゼン、α−メチルスチレンもしくはα−メチルスチレンダイマーを、白金、ルテニウム、ロジウムなどのVIII族の遷移金属触媒を用い、反応性基であるアルコキシシリル基及び/又はアシルオキシシリル基を構成するメチルハイドロジェンポリシロキサン、Si−H末端ポリジメチルシロキサンなどのSi−H基含有ポリシロキサンと反応させるか、又はトリメトキシシランもしくはメチルジメトキシシランに前記カルボン酸エステルを、又は1−オクテン、イソオクテン、リモネン、ビニルシクロヘキセン、スチレン、ジビニルベンゼン、α−メチルスチレンもしくはα−メチルスチレンダイマーと反応させ、これらを加水分解縮合させることによりエステル基含有ポリシロキサンを得ることができる。
【0009】上記カルボン酸としては特に限定はないが、例えば、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸などのジカルボン酸、オレイン酸、リノレイン酸、リノール酸、2−エチルヘキサン酸、安息香酸などのモノカルボン酸が好適に例示される。
【0010】上記有機基としては、1−オクテン、イソオクテン、1−デセン、リモネン、ビニルシクロヘキセン、スチレン、ジビニルベンゼン、α−メチルスチレン、α−メチルスチレンダイマー残基を例示することができる。
【0011】本発明の反応性可塑剤の反応性基を構成するアルコキシシリル基としては、メトキシシリル、エトキシシリル、プロポキシシリル、ブトキシシリル基が例示されるが、特に反応性の点でメトキシシリル、エトキシシリル基が好ましい。一方、アシルオキシシリル基としては、具体的には酢酸、2−エチルヘキサン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等のシリルエステルが例示されるが、特に臭気の点で炭素数が6以上のアシルオキシシリル基の使用が好ましい。
【0012】本発明の反応性可塑剤の反応性基を構成するアルコキシシリル基およびアシルオキシシリル基は、アルコールまたはカルボン酸の金属塩(例えばソジウムエトキサイド、オレイン酸ナトリウム)とクロロシリル基を反応させるか、アルコールまたはカルボン酸をSi−H基を有する化合物と白金などの遷移金属触媒存在下で反応させることにより導入することができる。
【0013】本発明の反応性可塑剤として、具体的には例えば下記の化合物A〜Eを例示することができる。
【0014】
【化3】

【0015】
【化4】

【0016】本発明の反応性可塑剤を配合するゴムとしては、例えば、従来から各種ゴム組成物として使用されている天然ゴム(NR)、ポリイソプレン(IR)、各種ポリブタジエン(BR)、各種スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPR,EPDM)などをあげることができ、また樹脂としては、塩化ビニル、ウレタン、アクリル、スチレン樹脂等をあげることができる。
【0017】本発明の反応性可塑剤を配合するゴムや樹脂の組成物には、更に各種充填剤(カーボンブラック及びシリカ、クレー、マイカ、カオリン、活性白土などのケイ素含有フィラー、炭酸カルシウム)、加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤、オイル、酸化防止剤、紫外線防止剤などを配合することができ、その使用量も、本発明の目的を損わない限り、従前通りとすることができる。
【0018】
【実施例】以下、実施例及び比較例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するものでないことは言うまでもない。
【0019】実施例1〜11及び比較例1〜2表Iに示す配合(重量部)の各成分を実施例1,2及び比較例1は、新定量のフィラーに反応性可塑剤を室温で5分間撹拌混合し、実施例4〜11はウレタン主剤に炭酸カルシウム及び反応性可塑剤を添加し、万能撹拌機で5分混練後、硬化剤を添加して組成物を得た。但し、実施例3及び比較例2では硫黄及び加硫促進剤を除いて、1.8リットルの密閉型ミキサーで3〜5分間混練し、165±5℃に達したときに放出したマスターバッチに硫黄と加硫促進剤を8インチのオープンロールで混練し、ゴム組成物を得た。
【0020】このようにして得られたゴム組成物又は樹脂組成物を表Iに示す処理条件で処理した。得られた各組成物についてアセトン抽出量を求めた。結果を表Iに示す。
【0021】
【表1】

【0022】
【表2】

【0023】表Iの結果から明らかなように、本発明の反応性可塑剤A〜Hはシリカ、タルク、カーボンブラック、炭酸カルシウムと反応するため、あるいは自己反応のためアセトン抽出量が極めて少ないのに対し、比較例1及び2では反応が起らず、容易にアセトン抽出される。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の反応性可塑剤はエステル系であるため、ゴムや樹脂等への広範囲の使用が可能であり、特にシリカ配合系では非ブリード性である。また、他のフィラー(カーボンブラック、炭酸カルシウム)においても反応し、非ブリード性が達成された。
【出願人】 【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
【出願日】 平成9年(1997)10月6日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬 (外2名)
【公開番号】 特開平11−80551
【公開日】 平成11年(1999)3月26日
【出願番号】 特願平9−272826