| 【発明の名称】 |
ガラスとポリアミドとの複合体の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】出村 智
【氏名】原口 和敏
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| 【要約】 |
【課題】本発明が解決しようとする課題は、加熱溶融混練法を用いずに、安価な水ガラスを原料として低アルカリ分のガラスを均一に導入してなる、機械的・熱的特性に優れるガラスとポリアミドとの複合体の製造方法を提供することである。
【解決手段】水、水ガラス、ジアミンモノマーを含む水溶液(A)と、水に可溶な有機溶媒と、アシル化したジカルボン酸モノマーとを含む有機溶液(B)とを混合させることを特徴とするガラスとポリアミドとの複合体の製造方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 水、水ガラス、ジアミンモノマーを含む水溶液(A)と、水に可溶な有機溶媒と、アシル化したジカルボン酸モノマーとを含む有機溶液(B)とを混合させることを特徴とするガラスとポリアミドとの複合体の製造方法。 【請求項2】 水ガラスが、M2O・nSiO2の組成式で表わされ、Mがアルカリ金属で、かつ1.2≦n≦4であることを特徴とする、請求項1に記載のガラスとポリアミドとの複合体の製造方法。 【請求項3】 水溶液(A)中の水ガラスの濃度が、40〜120g/Lであり、−5℃〜90℃の温度で反応を行なうことを特徴とする、請求項1又は2に記載のガラスとポリアミドとの複合体の製造方法。 【請求項4】 ジアミンモノマー成分としてm−フェニレンジアミンを、アシル化したジカルボン酸モノマー成分として塩化イソフタロイルを用いることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載のガラスとポリアミドとの複合体の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はガラスとポリアミドとの複合体の製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】ナイロン6やナイロン66等の溶融可能な脂肪族ポリアミドは汎用プラスチック材料として大量に使用されている。こうした脂肪族ポリアミド成形品の機械的・熱的特性の有効な向上手段としてガラス等の無機フィラーをナイロン中に溶融混練する方法が知られている。 【0003】ポリアミドには、例えば米国特許第3006899号公報、米国特許第3063966号公報、特開昭60−203418号公報、特開昭61−264022号公報、特開昭61−293818号公報等に記載の芳香族ポリアミドがあり、なかでもポリ(m−フェニレンイソフタラミド)は耐熱性等に優れたポリアミドとして広く実用化されている。 【0004】しかしながら、こうした芳香族ポリアミドは溶融せず、例えばポリ(m−フェニレンイソフタラミド)は溶融せずに、約400℃で徐々に分解炭化する。従って、このような溶融性のない芳香族ポリアミドに対しては、従来の加熱溶融混練法によって、ガラスを均一に導入することができず、その機械的・熱的特性の十分な向上は困難であった。 【0005】一方、水ガラスは最も単純な形のガラスとされ、古くは中世期から知られており、資源が豊富で供給不安がない為、洗剤、土壌硬化剤、防火剤、耐火セメント材料の他、シリカゲル製造用の原料としても使用されている。しかしながら、水ガラスを従来の方法でフィラーとして混合しても、アルカリ金属含有率が高いために、アルカリ金属塩としての性格が強く、十分な機械特性や電気絶縁性を与えない不具合を生ずる。さらにガラス組成中にアルカリ金属が存在すると、それが水酸化物もしくは炭酸塩などになり、これらのアルカリがガラスのケイ酸構造を破壊してしまう問題点があった。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようとする課題は、加熱溶融混練法を用いずに、安価な水ガラスを原料として低アルカリ分のガラスを均一に導入してなる、機械的・熱的特性に優れるガラスとポリアミドとの複合体の製造方法を提供することである。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、ジアミンモノマーを含む水溶液とアシル化したジカルボン酸モノマーを含む水に可溶な有機溶液とを混合させることによりモノマー間の重縮合をおこなう際に、水溶液中に水ガラスを共存させることにより上記課題が解決されることを見いだし、本発明を完成するに至った。 【0008】即ち、本発明は、(イ)水、水ガラス、ジアミンモノマーを含む水溶液(A)と、水に可溶な有機溶媒と、アシル化したジカルボン酸モノマーとを含む有機溶液(B)とを混合させることを特徴とするガラスとポリアミドとの複合体の製造方法、(ロ)水ガラスが、M2O・nSiO2の組成式で表わされ、Mがアルカリ金属で、かつ1.2≦n≦4であることを特徴とする、(イ)に記載のガラスとポリアミドとの複合体の製造方法、【0009】(ハ)水溶液(A)中の水ガラスの濃度が、40〜120g/Lであり、−5℃〜90℃の温度で反応を行なうことを特徴とする、(イ)又は(ロ)に記載のガラスとポリアミドとの複合体の製造方法、及び、(ニ)ジアミンモノマー成分としてm−フェニレンジアミンを、アシル化したジカルボン酸モノマー成分として塩化イソフタロイルを用いることを特徴とする、(イ)〜(ハ)のいずれか一つに記載のガラスとポリアミドとの複合体の製造方法である。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。本発明では、水、水ガラス、ジアミンモノマーを含む水溶液(A)と、水に可溶な有機溶媒と、アシル化したジカルボン酸モノマーとを含む有機溶液(B)とを混合し、それぞれの相中の二官能性モノマーを重縮合させてポリアミドを得る。この反応により、水溶液(A)中のジアミンモノマーと、有機溶液相中(B)のアシル化したジカルボン酸モノマーから、ポリアミドが常温で殆ど瞬時に得られ、両モノマーのモル比の厳密な管理は不要である。 【0011】係るジアミンモノマーの代表例としては、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,5’−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、2,3−ジアミノナフタレン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、及びこれらの芳香族環の一個以上の水素をハロゲン、ニトロ基、またはアルキル基で置換した芳香族ジアミンが挙げられ、これれは単独でも二種以上の混合体としても用いられてよい。 【0012】また、アシル化したジカルボン酸としては、塩化イソフタロイル、塩化テレフタロイル、及び及びこれらの芳香族環の一個以上の水素をハロゲン、ニトロ基、アルキル基、またはフェニル基で置換した芳香族化合物が挙げられ、これれは単独でも二種以上の混合体としても用いられてよい。これら芳香族モノマーの組み合わせとしてはm−フェニレンジアミンと塩化イソフタロイルの組み合わせが好ましい。 【0013】また、本発明の製法によれば、ガラスと脂肪族鎖もしくは脂環族鎖を主鎖に有するポリアミドとの複合体も得られ、例えば、従来の加熱溶融混練法で生じるガラスによる混練機のスクリュー摩耗といった問題もなく、かつガラスを従来法に比し多く(50重量%以上)取り込んだ均一な複合体が得られる。係るポリアミドを得るためには、1,6−ジアミノヘキサン、1,10−ジアミノデカン、または1,12−ジアミノドデカン、ビス−p−(アミノシクロヘキシル)メタン、ビス−p−(アミノシクロヘキシル)プロパン等のジアミンモノマー、塩化アジポイル、塩化アゼラオイル等のアシル化したジカルボン酸モノマーを用いることが出来る。勿論これらは前記の芳香族モノマーと併用されても良い。 【0014】本法では、上記の重縮合反応を行う際に、水溶液(A)に水ガラスを共存させることにより、ポリアミドの生成、水ガラスの縮合、及びこれらの均一な複合化を同時に行なうものである。水ガラスは、アルカリ金属(M)と珪素と酸素を主な構成元素とし、一般にM2O・nSiO2の組成式を有するガラスであり、水に対する大きな溶解度のため普通のガラスと区別される。尚、わが国では上記の水ガラスを水に溶解せしめた溶液を、水ガラスと呼称することが多いが、本発明においては水分を含まないガラス成分自身を水ガラスと定義する。 【0015】係る水ガラスとしては、Mがナトリウムもしくはカリウムといったアルカリ金属であることが好ましく、また水への溶解性に優れる点でnの範囲が1.2≦n≦4であることが好ましい。水ガラスを各種の酸による加水分解や、シリル化といった前処理を一切必要とせずに、直接使用出来ることも本発明の特長の一つである。 【0016】水溶液(A)と有機溶液(B)とは、予め別々に調製される。複合体中のガラスの含有率は水溶液(A)中の水ガラスの濃度を調製することにより制御することが可能である。該濃度としては4〜350g/L(L=リットル)の範囲が挙げられ、目的とする複合体の組成に応じて変化させて用いられる。例えば、生成複合体のガラス含有率を15重量%以上、かつ含まれるガラス中のアルカリ金属の除去率を90%以上とする場合は40〜120g/Lの範囲が好ましい。 【0017】水溶液(A)中のジアミンモノマーの濃度としては、重縮合反応が十分に進行すれば特に制限されないが、0.01〜5モル/Lの濃度範囲が好ましい。水溶液(A)は、水ガラス及びジアミンモノマーを水に添加して得られ、添加の順序は特に制限されないが、水ガラスの添加に際しては、予め水ガラスを水に溶解せしめた水ガラス溶液を用いることも可能である。 【0018】例えば、日本工業規格(JIS K1408−1950)に記載の水ガラス1号、2号、3号、4号といった予め水に溶解せしめた水ガラス(M2O・nSiO2の組成式において、Mがナトリウムであり、1.2≦n≦4である)を使用することが出来る。 【0019】モノマーの重縮合反応を十分に促進させる目的で、炭酸ナトリウムや水酸化ナトリウム等の酸受容体が添加されてもよい。ただし、水ガラス自身も塩基性であり、酸受容体としての作用も有する為、酸受容体を用いなくともポリアミドの生成は十分に行える場合が多い。各成分の水への溶解は室温にて行える。また得られた水溶液(A)は均一透明であることが好ましい。 【0020】有機溶液(B)に使用する有機溶媒は水に可溶なものであり、例えば、テトラヒドロフラン、アセトン、酢酸エチル、エチルメチルエーテル、アセトニトリルを代表的な例として挙げることが出来、なかでもテトラヒドロフランが好ましい。 有機溶液(B)中のアシル化したジカルボン酸モノマーの濃度としては、重縮合反応が十分に進行すれば特に制限されないが、0.01〜5モル/Lの濃度範囲が好ましい。 【0021】これら各溶液相の調製法は、特に限定されるものではないが、例えば常温で溶媒中に上述の成分を添加、攪拌すれば良い。この際、各成分は予め該溶媒に溶解し溶液状態とした形で添加されても良い。水溶液(A)と有機溶液(B)はともに均一透明であることが好ましい。 【0022】次いで、得られた水溶液(A)と有機溶液(B)を混合して反応を行うが、水溶液を有機溶液に添加しても、逆に、有機溶液に水溶液を添加しても良い。添加は一度に行っても、滴下によっても良い。本発明による製造方法では、有機溶媒が水溶性であるため両者の混合は必ずしも十分な撹拌を伴わなくとも速やかに行える特徴を有する。 【0023】反応温度としては、重縮合反応の速度が極めて速いため、−5〜90℃の範囲で行なうことが可能であり、特に0〜60℃の範囲が好ましい。特に加熱設備を必要とせずに常温で反応させることが可能である。本反応においては反応熱に加えて有機溶媒と水との混合熱による温度上昇が起こり得るため、必要に応じて反応容器に熱交換器を具備させても良い。 【0024】反応時間としては、使用するモノマー種の反応速度にもよるが、通常、水溶液(A)と有機溶液(B)とを混合させると同時に沈殿が生成し、例えば2分以内で反応操作を終了させることができる。ここで反応時間を更に長く設けても特に問題はない。 【0025】本発明の特長の一つは、水ガラスのポリアミドへの複合化に伴い、化1及び化2に示すような、水ガラスの加水分解及び脱水縮合が進行し、アリカリ金属成分含有量の極めて少ない良質のガラスとして複合体中に取り込まれることにある。 【0026】 【化1】
【0027】 【化2】
【0028】目的とする複合体は、反応後の混合液から複合体以外の成分を分離して得られる。分離の代表的方法としては、反応後の混合液を濾別する方法が挙げられる。濾別の後に未反応モノマーや副生成物を完全に除去する目的で、有機溶媒や水で洗浄する工程を導入しても良く、例えば、先ずアセトンで洗浄し、次いで水洗後、濾別してもよい。濾別の後は室温以上の温度で乾燥することが好ましく、乾燥は減圧下で行われても良い。こうして得られた複合体は、通常粉体として得られ、例えば、そのかさ密度(JIS K6911)を0.1〜0.4g/cm3とすることが出来、焼結成形に特に有用である。 【0029】複合体中のガラス含有率の測定は、複合体を空気中で600℃以上の温度で焼成し、ポリアミド成分を除去して灰分を測定することにより行える。焼成後の灰は、焼成前の複合体と同一の形状を保ち、このことは無機成分であるガラスがポリアミドマトリックスに均一に分布していることを示す。ガラスは複合体中に均一、かつ微細に分散して含有されており、一般的に直径1μm以下の球状である場合が多い。該ガラス直径は、重縮合反応時の水ガラス濃度やラウリル硫酸ナトリウム等の界面活性剤の共存により制御可能であり、例えば、その直径を10〜300nmの範囲とすることもできる。 【0030】本発明の複合体のガラス中のアルカリ金属の量は、原料水ガラスのそれに比して低減可能であり、具体的には複合体のガラス中のアルカリ金属量が2重量%未満である複合体を得ることが可能である。係るガラス中のアルカリ金属量(重量%)は、誘導結合プラズマ発光分析法等のフレーム分光法にて求まる複合体中のアルカリ金属量と灰分の関係から求めることが出来る。 【0031】本発明によれば、ガラス中のアルカリ金属を90%以上除去することが可能であり、例えば、40〜120g/dLの水ガラスを含む水溶液(A)から、ガラス成分中のアルカリ金属量が2重量%未満の複合体を得ることが可能である。係るアルカリ金属の除去率(R)を式1で定義する。 【0032】 【式1】
【0033】(式中、Wm=複合体中のアルカリ金属の重量%、Wa=灰分の重量%、Mm=水ガラスを構成するアリカリ金属(M)の原子量、Msi=酸化珪素の式量(=60.1)、n=原料水ガラスのSiO2/M2Oのモル比を表す。) 【0034】得られる複合体は、公知慣用の圧縮成形や焼結成形により成形加工することができる。例えば、一般に250℃以上で400℃を超えない温度にて、50MPa以上の圧力下で圧縮成形されても良く、また特開昭60−203418号公報、特開昭60−264022号公報、特開昭50−96655号公報、特開昭58−177329号公報に記載の条件にて焼結成形されても良い。 【0035】得られた複合体は、熱膨張係数が低く、表面硬度値が高く、高弾性率を有し、かつ耐熱性にも優れる。例えばポリ(m−フェニンイソフタラミド)自身はポリアミドのなかでも耐熱性に優れるものであるが、300℃を超えると軟化し容易に変形してしまう。これに対して、本発明による複合体は300℃以上の高温下においても、その形状が保持される高耐熱材料として有用である。 【0036】 【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。実施例はあくまでも本発明の代表的態様を例示するものであり、本発明はこれらに限定されるものではない。 【0037】実施例において評価に用いた分析法は以下の通りである。 (1)かさ密度測定JIS K6911に記載の方法によった。 【0038】(2)灰分測定灰分測定はガラスとポリアミドとの複合体中のガラス含有率の評価に用いた。複合体を空気中で800℃で3時間加熱してポリアミド成分を完全に焼失させ、その重量変化から灰分を重量%として算出した。 【0039】(3)ナトリウムの定量複合体をフッ化水素酸と硝酸との混液に溶解した溶液を、誘導結合プラズマ発光分析法により分析し、灰分に対するナトリウム(Na)量を求め、さらに該量がら前記の式1によりNa除去率を算出した。 【0040】(実施例1)水ガラス溶液(キシダ化学株式会社製、ケイ酸ナトリウム溶液(3号)組成式Na2O・3.1SiO2、水分=60重量%)7.50gと、m−フェニレンジアミン2.16gとに、室温で蒸留水を加えながら撹拌し、均一透明な水ガラス濃度=50g/Lである60mLの水溶液を調製した。また、塩化イソフタロイル4.06gに室温でテトラヒドロフランを加えて撹拌し、均一透明な60mLの有機溶液を調製した。 【0041】次いで1Lの容量のブレンダー瓶(Osterizer製)に水溶液を入れ、付属の撹拌翼を毎分10000回転で撹拌しながら、25℃にて有機溶液相を一度に混合した。溶液から直ちに白色の複合体が分離生成し、2分間撹拌を続けた。得られた複合体を濾別したのち、沸騰アセトン、次いで蒸留水で洗浄し、引き続き減圧下80℃で乾燥し、白色で粉末状のガラスとポリ(m−フェニレンイソフタラミド)との均一な複合体を得た。結果を表1に示す。 【0042】得られた複合体の粉末を2枚の金属板に挟み、350℃、100MPaで1分間圧縮成形して1mm厚の平板を得た。得られた平板の厚み方向の40〜250℃の平均線熱膨張係数をセイコー電子工業製のTMA/SS120Cを用いて空気中で2℃/分の昇温速度にて求めた。また、平板の25℃における表面硬度を島津製作所製のダイナミック超微小硬度計DUH−200を用いて、25℃での試験荷重10gfにおけるダイナミック硬度値として求めた。これらの結果を表2に示す。 【0043】(実施例2)実施例1の水ガラス溶液7.50gを水ガラス溶液15.0gに代えて、均一透明な水ガラス濃度=100g/Lである60mLの水溶液を調製して用いた以外は実施例1と全く同様の操作を行い、白色粉末状のガラスとポリ(m−フェニレンイソフタラミド)との複合体を得て、特性評価を行った。結果を表1及び2に示す。 【0044】得られた複合体の粉末を幅3mm長さ7mmの長方形の金属型に配し25℃、100MPaで5分間予備成形し、次いで320℃、10MPaで5分間焼結することにより、厚み0.5mmの平板を得た。得られた平板をセイコー電子工業製DMS200を用いゲージ長15mm、1Hzの引張りモード、窒素雰囲気下で5℃/分で昇温しながら25℃、150℃、260℃での貯蔵弾性率を各々求めた。結果を表3に示す。 【0045】(実施例3)実施例1の水ガラス溶液7.50gを水ガラス溶液15.0gに、m−フェニレンジアミン2.16gを1,6−ジアミノヘキサン2.32gに、塩化イソフタロイル4.06gを塩化アジポイル3.66gに各々代えて均一透明な水ガラス濃度=100g/Lである60mLの水溶液を用いた以外は実施例1と全く同様の操作を行い、白色粉末状のガラスとナイロン66との複合体を得た。結果を表1に示す。 【0046】得られた複合体の粉末を、2枚の金属板に挟み、290℃、10MPaで1分間圧縮成形して1mm厚の平板とした。得られた平板の厚み方向の−30〜30℃の平均線熱膨張係数をセイコー電子工業製のTMA/SS120Cを用いて空気中で2℃/分の昇温速度にて求めた。また、得られた複合体の粉末を幅3cm長さ7cmの長方形の金属型に配し25℃、100MPaで5分間予備成形し、次いで290℃、3MPaで60分間焼結することにより、厚み0.5mmの平板を得た。得られた平板をセイコー電子工業製DMS200を用いゲージ長15mm、1Hzの引張りモード、窒素雰囲気下で5℃/分で昇温しながら25℃、100℃、200℃での貯蔵弾性率を各々求めた。結果を表5に示す。 【0047】 【表1】
【0048】 【表2】
【0049】 【表3】
【0050】 【表4】
【0051】 【表5】
【0052】(比較例1)帝人株式会社製のポリ(m−フェニレンイソフタラミド)粉末を実施例1と全く同様の方法で圧縮成形して厚み1mmの平板を得、実施例1と同様の方法にて線熱膨張係数及び表面硬度を測定した。結果を表2に示す。また、該粉末を実施例2と全く同様の方法で焼結し、厚み0.5mmの平板を得て、実施例2と同様にして動的機械特性を求めた。結果を表3に示す。表2と表3から本発明の複合体は熱膨張率が低く、表面硬度に優れ、高温においても高弾性率が維持されることがわかる。 【0053】(比較例2)宇部興産株式会社製ナイロン66ペレットを、2枚の金属板にはさみ実施例3と全く同様の方法で圧縮成形して1mm厚のナイロン66の平板を得、実施例1と同様の方法にて線熱膨張係数を測定した。結果を表4に示す。また、日本テストパネル工業株式会社製の0.5mm厚のナイロン66平板の動的機械特性を実施例3と全く同様の方法にて評価した。結果を表5に示す。表4と表5から複合体は熱膨張率が低く、高温においても高弾性率が維持されることがわかる。 【0054】 【発明の効果】本発明は、加熱溶融混練法を用いずに、安価な水ガラスを原料として、低アルカリ分のガラスを均一に導入してなる、機械的・熱的特性に優れるガラスとポリアミドとの複合体の製造方法を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002886 【氏名又は名称】大日本インキ化学工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)9月10日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】高橋 勝利
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| 【公開番号】 |
特開平11−80541 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)3月26日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−245281 |
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