| 【発明の名称】 |
生分解性マルチングフィルム |
| 【発明者】 |
【氏名】森川 陽
【氏名】杉本 真理子
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| 【要約】 |
【課題】使用目的が完了し、自然界に放置されても、自然界の微生物などによって生分解され最終的にはなくなる生分解性を有するマルチングフィルムの提供に関する。
【解決手段】本発明は、脂肪族ポリエステル系重合体50〜97重量%と、3−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキシバリレートの共重合体50〜3重量%を必須成分とする組成物からなる生分解性マルチングフィルムを提供する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 脂肪族ポリエステル系重合体50〜97重量%と、3−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキシバリレートの共重合体50〜3重量%とを必須成分とする組成物からなる生分解性マルチングフィルム。 【請求項2】 脂肪族ポリエステル系重合体が、グリコール類と、脂肪族ジカルボン酸との脱水重縮合にて得られる高分子量ポリエステル系重合体である請求項1に記載の生分解性マルチングフィルム。 【請求項3】 脂肪族ポリエステル系重合体のメルトフローレート(MFR)が1〜40g/10分である請求項1、2のいずれかに記載の生分解性マルチングフィルム。 【請求項4】 脂肪族ポリエステル系重合体と、3−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキシバリレートの共重合体とを必須成分とする組成物からなる層(A)と、上記組成物及び/叉は上記組成物と異なる生分解性重合体からなる層(B)との多層構造である請求項1〜3のいずれかに記載の生分解性マルチングフィルム。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は農業及び園芸分野等で広く用いられているマルチングフィルムに関する。より詳しくは脂肪族ポリエステル系重合体と、3−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキシバリレートの共重合体とを必須成分とする組成物からなる生分解性を有するマルチングフィルムに関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、農業及び園芸分野では、例えば除草、保温保湿、通気性等の目的で、樹木や作物等の幹及び根等の周りや、観葉植物等の植木鉢中にマルチング材等が敷かれている。斯かるマルチング材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール、ナイロン等の汎用プラスチックからなるフィルムが、一般的に広く使用されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、斯かるプラスチックからなるマルチングフィルムは、生分解性を有していないために、その目的が完了した後でも分解せず、また使用中に崩壊した破片や、地中に埋没したもの等は自然界に放置され、自然界の環境汚染や、景観を悪くする等の問題が指摘されている。従って、その目的を完了したマルチングフィルム、使用中に崩壊し飛散した破片及び地中に埋没したマルチングフィルム等を回収する必要がある。 【0004】しかしながら、回収することは物理的に無理であり、また、回収されたものを焼却処理すると、燃焼カロリーが高いので焼却炉を傷める等の問題がある。本発明は、その使用目的を完了し、自然界に放置したままでも、自然界の微生物などによって生分解され最終的には消滅する生分解性マルチングフィルムの提供を目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のような状況に鑑み、鋭意検討を重ねた結課、本発明に到達した。本発明の特徴とする処は、脂肪族ポリエステル系重合体50〜97重量%と、3−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキシバリレートの共重合体50〜3重量%を必須成分とする組成物からなる単層叉は多層構成の生分解性マルチングフィルムを提供する処にある。 【0006】該生分解性マルチングフィルムは、脂肪族ポリエステル系重合体50〜97重量%と、3−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキシバリレートの共重合体50〜3重量%からなる組成物のみから構成されていてもよく、また、生分解性を損なわれない範囲内で他の成分をさらに配合してもよい。前記生分解性マルチングフィルム中の前記組成物と他の成分との配合割合は、マルチングフィルムを構成する組成物が、通常10重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明で用いられる脂肪族ポリエステル系重合体としては、グリコール類と、ジカルボン酸(叉はその酸無水物)との2成分、あるいは必要に応じて、これに第三成分として3官能または4官能の多価アルコール、オキシカルボン酸および多価カルボン酸(またはその酸無水物)からなる群から選ばれる少なくとも1種の多官能成分を加えて脱水重縮合反応して分子末端にヒドロキシ基を有するポリエステルプレポリマーを作り、これをカップリング剤(例えばジイソシアナート)により、高分子量化したものを例示できる。 【0008】該脂肪族ポリエステル系重合体の数平均分子量(Mn)は、10,000以上、好ましくは40,000以上、より好ましくは50,000〜300,000程度を例示できる。数平均分子量(Mn)が10,000未満では、優れた強靱性、強度(引張強伸度、耐衝撃強度、引裂強度等)を有する生分解性マルチングフィルムを成膜できない傾向がある。 【0009】該脂肪族ポリエステル系重合体は、下記一般式で示されるものを例示できる。 【0010】 【化1】
(式中、mは2〜6、好ましくは2〜4の整数、nは2〜6、好ましくは2〜4の整数、Nはポリマーの分子量が1万以上、好ましくは4万以上、より好ましくは5万〜30万程度になる数を示す。) 【0011】具体的な脂肪族ポリエステル系重合体としてはポリエチレンサクシネート(m=2、n=2)、ポリブチレンサクシネート(m=4、n=2)、ポリブチレンサクシネート・アジペート(m=4、n=2、4)を好ましいものとして例示できる。 【0012】本発明に係る脂肪族ポリエステル系重合体を構成するグリコール類としては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオ−ル、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の炭素数1〜10の直鎖または分枝を有する脂肪族または脂環式グリコール等が挙げられる。更に、これらのグリコール類は併用してもよい。就中1,4−ブタンジオールを好ましいものとして挙げることができる。 【0013】上記のグリコール類と反応して脂肪族ポリエステル系重合体を構成するジカルボン酸(酸無水物を含む)としては、コハク酸、アジピン酸、スペリン酸、セバシン酸、ドデカン酸、無水コハク酸、無水アジピン酸等が挙げられ、これらのジカルボン酸は単独でも2種以上を併用してもよい。特に好ましいジカルボン酸としては、コハク酸及びアジピン酸を例示できる。 【0014】上記のジカルボン酸(例えば、コハク酸及びアジピン酸)の他に、必要ならば第三成分として、3または4官能の多価アルコール成分(例えばトリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリット等)、3または4官能の多価オキシカルボン酸(例えばリンゴ酸、クエン酸、酒石酸等)、3または4官能の多価カルボン酸及びその無水物(例えばトリメシン酸、プロパントリカルボン酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフエノンテトラカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸無水物等)から選ばれる少なくとも1種の多価官能成分を添加して脂肪族ポリエステル系重合体を合成してもよい。 【0015】上記の第三成分を加えることにより、分枝に長鎖の枝分かれを生じ、分子量が高くなると共に分子量分布が広くなる傾向があり、生分解性マルチイングフイルムとしての好ましい性質(例えば引張強伸度、耐衝撃強度、引裂強度等)を付与することが期待できる。この際、第三成分の添加量は、ゲルが生じないように脂肪族ジカルボン酸(酸無水物を含む)全体に対し3官能成分では0.1〜5モル%程度、4官能成分では0.1〜3モル%程度を例示できる。 【0016】本発明に係る脂肪族ポリエステル系重合体のメルトフローレート(MFR;190℃、2.16kg)は、1〜40g/10分、好ましくは5〜30g/10分であり、特に8〜20g/10分が好ましい。メルトフローレートが1g/10分未満では、例えば孔をあけて使用する生分解性マルチングフィルムの場合、孔をあける際、裂けやすい傾向があり、40g/10分を超えると成膜が難しい傾向がある。 【0017】本発明で用いられる3−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキシバリレートの共重合体としては、微生物、例えば水素細菌(Alcaligenes eutorophus)によって生合成される、融点が100〜180℃の生分解性を有する脂肪族ポリエステル系樹脂を例示できる。斯かる3−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキシバリレートの共重合体はとしては、加工性を考慮して、3−ヒドロキシバリレートの含有率が1〜20モル%のものが好ましい。この際、3−ヒドロキシバリレートが1モル%未満になると、結晶性が高いために硬く脆くなり、また融点が高いために、成膜加工時に熱劣化し易い傾向があり、20モル%を超えると結晶性及び融点が低下し軟化し過ぎるため、マルチングフィルムとして好ましくない傾向があるが、前記範囲は特に制限はない。 【0018】本発明に係る生分解性マルチングフィルムは、前記に記載した脂肪族ポリエステル系重合体50〜97重量%と、3−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキシバリレートの共重合体50〜3重量%とを必須成分とする組成物から成膜される。 斯かる組成物の配合比率は、脂肪族ポリエステル系重合体が50重量%未満(3−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキシバリレートの共重合体が50重量%以上)であると生分解性マルチングフィルムの生分解速度が速すぎ、使用目的が完了する前に生分解される傾向があり、マルチングフィルムとしては実用上好ましくなく用途が制限される。脂肪族ポリエステル系重合体が97重量%を超える(3−ヒドロキシブチレートと3ヒドロキシバリレートの共重合体が3重量%以下)と、粘着性が強くなり、成形時にロール離れが悪くなり成形速度が低下する傾向がある。更に、生分解速度が遅くなり、次の作付けの際、マルチングフィルムが生分解されず残留しており、それを取り除かなければならないと云う問題がある。 【0019】本発明の生分解性マルチングフィルムを構成する組成物の調製方法は、特に制限はなく、従来のポリオレフィン系樹脂等の組成物の製法で慣用されている方法、例えばリボンブレンダー、ヘンセルミキサー等でブレンドする方法、ニーダー、バンバリーミキサー、ロール等の混練機を用いる方法、1軸または2軸押出機等を用いて加熱溶融混練し、ペレット等に造粒する方法等が挙げられる。 【0020】本発明に係る組成物は、必要に応じて、本発明に係る生分解性マルチングフィルムの特性、例えば強度、生分解性等を阻害しない範囲内で、他の合成樹脂、各種の添加剤、充填剤、例えば耐熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、滑剤、抗菌剤、顔料または染料、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム、シリカ、タルク等を添加しても差し支えない。 【0021】他の合成樹脂としては、特に制限はないが、例えばその他の生分解性樹脂を挙げることができ、例えばポリ−3−ヒドロキシブチレート、ポリ−3−ヒドロキシバリレート、3−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキシプロピオネートの共重合体、3−ヒドロキシブチレートと4−ヒドロキシブチレートの共重合体、ポリ−3−ヒドロキシアルカノエート、ポリカプロラクトン、乳酸含有ポリマー等を必要に応じて配合することができる。 【0022】該生分解性マルチングフィルムの製造方法は、従来公知の方法であれば特に限定されない。例えばTダイから溶融押出してフラットなフィルム成形するTダイ法、円形ダイから溶融押出すると同時に例えば、圧搾空気等の気体を吹き込み、チューブ状のフィルムを成形するインフレーション法等によって成膜すればよい。 更に必要ならば、1軸または2軸に延伸してもよく、その後熱固定してもよく、特に制限はない。 【0023】具体的には、例えば脂肪族ポリエステル系重合体と、3−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキシバリレートの共重合体を必須成分とする組成物(ペレット状が好ましい)を、シリンダー温度150〜200℃、Tダイ温度160〜200℃に設定されたTダイを装着した押出機に投入し、溶融、混練して押出し、冷却ロールまたは水や空気等で冷却して、フラット状フィルムを成膜する。更に必要に応じて、成膜に引き続き、例えば縦方向に延伸温度35〜100℃のロールで3〜15倍延伸後、テンターを用いて、横方向に延伸温度60〜100℃で3〜15倍延伸する逐次2軸延伸法で延伸できる。必要ならば、延伸後、連続して例えば70〜100℃で熱固定して、強靱性、強度などを向上させた生分解性マルチングフィルムを成膜する方法を例示でき、特に制限はない。 【0024】更に、本発明に係る生分解性マルチングフィルムは、脂肪族ポリエステル系重合体と、3−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキシバリレートの共重合体を必須成分とする組成物からなる層(A)と、上記組成物と同種及び/叉は異種の前記に記載したその他の生分解性樹脂からなる層(B)との少なくとも2層である多層構成でもよい。多層構成の生分解性マルチングフィルムの製造方法は、従来公知の方法であれば特に限定されず、例えば共押出法、溶融押出ラミネート法、ドライラミネート法、熱圧着法及びホットメルトラミネート法等で積層し多層構成にする方法を挙げることができる。 【0025】具体的には、例えば共押出用Tダイに連結された少なくとも2台の押出機の1台に、生分解性を有する高分子量の脂肪族ポリエステル系重合体と、3−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキシバリレートの共重合体を必須成分とする組成物からなるペレット(A)を、他の1台の押出機に、前記に記載した他の生分解性を有する樹脂、例えば乳酸含有ポリマー(B)を供給する。次いで、例えばシリンダー温度180℃、ダイ温度170℃で溶融、混練して押出し冷却ロール、叉は水冷で冷却固化して、(A)/(B)叉は(A)/(B)/(A)の多層構成の生分解性マルチングフィルムを成膜する方法を例示できる。更に必要ならば、単層フィルムと同様にして逐次2軸延伸、熱固定してもよく、特に制限はないい。 【0026】上記の生分解性マルチングフィルムの厚さは、用途、目的、収穫するまでの期間、鋤込んだ後、次の作付けまでの期間等によって、適宜に設定すればよいが、例えば、除草用等には10〜100μm、保温、保湿用途等には10〜100μm、通気性用途(有孔フィルムを含む)には10〜30μmを例示でき、特に制限はない。 【0027】 【実施例】以下、実施例に基づき、本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例及び比較例によって限定されない【0028】尚、下記実施例、比較例における各評価は下記の方法によって測定した。 【0029】[生分解性試験]:厚さ20μm×長さ10cm×幅10cmの試験片を、浄化センター(滋賀県下水道公社湖南中部事務所内)で採取、処理される返送汚泥中に25℃の条件下で浸漬し、30日後の重量減少率及び試験片の生分解状態を目視評価した。 【0030】[引張強度]:JIS K−6782に順じて測定した。 【0031】[引張伸度]:JIS K−6782に準じて測定した【0032】[耐衝撃強度]:JIS P−8134に準じて測定した。 【0033】[直角引裂強度]:JIS K−6732に準じて測定した。 【0034】実施例1コハク酸及びアジピン酸と、1,4−ブタンジオールを脱水重縮合し、カップリング剤により高分子量化して得られる数平均分子量(Mn)=92,000、メルトフローレート(MFR)10g/10分(190℃、荷重2.16kg)のポリブチレンサクシネート・アジペート共重合体(PBSA)95重量%と、3−ヒドロキシバリレートの含有率が8モル%の3−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキシバリレートの共重合体5重量%とをブレンドした組成物を、シリンダー温度180℃、ダイス温度170℃に設定したTダイ押出機を用いて溶融混練後、表面温度約20℃の冷却ロール上に押出し冷却固化して、厚さ20μmの生分解性マルチングフィルムを得た。該生分解性マルチングフイルムの引張強度、引張伸度、耐衝撃強度、直角引裂強度を表1に示した。また、生分解性の尺度として、該生分解性マルチングフィルムからなる所定面積のフィルムを活性汚泥に25℃の条件下で30日間浸漬後の重量減少率を測定し、生分解状態を目視評価した。その結果、重量減少率は約80%以上であり、マルチングフィルムの形状が認められない程度分解しており、生分解性マルチングフィルムとして使用できる。 【0035】実施例2ポリブチレンサクシネート・アジペート(PBSA)に代えて、コハク酸と、1,4−ブタンジオールを脱水重縮合しカップリング剤により高分子量化して得られる数平均分子量(Mn)=85,000、メルトフローレート(MFR)10g/10分(190℃、荷重2.16kg)のポリブチレンサクシネート(PBS)50重量%及びコハク酸とアジピン酸と1,4−ブタンジオールとを脱水重縮合し、カップリング剤により高分子量化して得られる数平均分子量(Mn)=92,000、メルトフローレート(MFR)10g/10分(190℃、荷重2. 16kg)のポリブチレンサクシネート・アジペート(PBSA)45重量%を用いる以外は以外は実施例1と同様にして生分解性マルチングフィルムを得た。該生分解性マルチングフィルムの引張強度、引張伸度、耐衝撃強度、直角引裂強度を表1に示した。また、生分解性については、実施例1と同様にして、重量減少率の測定及び生分解状態を目視評価した。その結果、重量減少率は約40%以上であり、マルチンググフィルムの形状が認められない程度に生分解した。生分解性マルチングフィルムとして好適に使用できる。 【0036】実施例3コハク酸及びアジピン酸と、1,4−ブタンジオールを脱水重縮合し、カップリング剤により高分子量化して得られる数平均分子量(Mn)=92,000、メルトフローレート(MFR)10g/10分(190℃、荷重2.16kg)のポリブチレンサクシネート・アジペート(PBSA)90重量%と、3−ヒドロキシバリレート含有率8モル%の3−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキシバリレートの共重合体10重量%をブレンドした組成物を、シリンダー温度180℃、ダイス温度170℃に設定したTダイ押出機を用いて溶融混練後、表面温度約20℃の冷却ロール上に押出し、厚さ240μmのシートを得た。引き続いて、該シートを45℃に加熱されたロールを用いて縦方向(押出方向)に、3倍延伸後、テンターを用い、雰囲気温度50℃の条件下で、横方向(押出方向に対し直角方向)に4倍延伸した。その後、更にテンター後室で温度80℃の条件で熱固定して、厚さ20μmの生分解性マルチングフィルムを得た。該生分解性マルチングフィルムの引張強度、引張伸度、耐衝撃強度、直角引裂強度を表1に示した。また、生分解性については、実施例1と同様にして重量減少率の測定及び生分解状態の目視評価をした。その結果、重量減少率は約60%以上であり、マルチイングフィルムの形状は認められない程度分解していた。生分解性マルチングフィルムとして好適に使用できる。 【0037】実施例4実施例2に用いた組成物を実施例1と同様にして、厚さ240μmの生分解性シートを得た。該シートを用いて、45℃に加熱されたロールで縦方向(押出方向)に3倍縦延伸後、テンターを用いて雰囲気温度50℃の条件下で横方向(押出方向に対して直角方向)に4倍横延伸を行い、次いで該テンターの後室で、80℃の条件で熱固定を行い、厚さ20μmの生分解性マルチングフィルムを得た。該生分解性マルチングフィルムの引張強度、引張伸度、耐衝撃強度、直角引裂強度を表1に示した。また、生分解性については、実施例1と同様にして重量減少率の測定及び生分解状態を目視で評価した。その結果、重量減少率は約40%以上であり、マルチングフィルムの形状は認められない程度まで生分解した。生分解性マルチイングフィルムとして好適に使用できる。 【0038】実施例5共押出用Tダイに連結された3台の押出機の2台に、コハク酸とアジピン酸及び1,4−ブタンジオールを脱水重縮合し、カップリング剤により高分子量化して得られる数平均分子量(Mn)85,000、メルトフローレート(MFR)10g/10分(190℃、荷重2.16kg)のポリブチレンサクシネート・アジペート(PBSA)95重量%と、3−ヒドロキシバリレート含有率8モル%の3−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキシバリレートの共重合体5重量%とからなる組成物(A)を、他の1台の押出機に、L−乳酸のラクチドを開環重合して得られる重合体である平均分子量(Mn)80,000のポリ乳酸(B)を供給した。次いで、押出機のシリンダー温度180℃、ダイ温度180℃に加熱して上記のポリブチレンサクシネート・アジペート(PBSA)と、3−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキシバリレートの共重合体からなる組成物(A)及びポリ乳酸(B)を溶融、混練し、表面温度約20℃の冷却ロール上に押出し厚さ(A)/(B)/(A)=20/10/20=50μmの2種3層構成の生分解性マルチングフィルムを得た。該3層構成の生分解性マルチングフィルムの引張強度、引張伸度、耐衝撃強度、直角引裂強度を表1に示した。また、生分解性については、実施例1と同様にして重量減少率の測定及び生分解状態を目視評価した。その結果、重量減少率は約70%以上であり、生分解性マルチングフィルムは穴があいた形状まで生分解した。生分解性マルチングフィルムとして好適に使用できる。 【0039】比較例1ポリエチレンを、シリンダー温度180℃、ダイス温度170℃に設定されたTダイ押出機に投入し溶融混練後、表面温度20℃のロール上に押出し冷却固化して厚さ20μmのフィルムを成膜した。該フィルムの引張強度、引張伸度、耐衝撃強度、直角引裂強度を表1に示した。また、該フィルムを実施例1と同様にして生分解試験を行ったが、該フィルムはまったく分解せず、生分解性マルチングフィルムとしては不適当であった。 【0040】 【発明の効果】本発明に係る生分解性マルチングフィルムは、自然界に放置されたままでも、自然界の微生物等によって分解され最終的には殆ど消滅するので、環境汚染等が発生しないものである。 【表1】
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001339 【氏名又は名称】グンゼ株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)9月10日 |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開平11−80524 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)3月26日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−264834 |
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