| 【発明の名称】 |
難燃性ポリエステル成型品 |
| 【発明者】 |
【氏名】葭原 法
【氏名】坂井 智
【氏名】西原 康浩
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| 【要約】 |
【課題】優れた難燃性およびタフネスを有し、ブリードの無いポリエステル成型品を得ること。
【解決手段】リン酸エステルをポリマーの側鎖に含有するポリアルキレンテレフタレート共重合体(A)100重量部、リン酸エステル変性されていないポリアルキレンテレフタレートおよび/またはポリカーボネート(B)0〜150重量部、メラミンシアヌレート(C)0〜75重量部を含有する組成物を射出成型または押出成型して得られることを特徴とする難燃性ポリエステル成型品。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】リン酸エステルをポリマーの側鎖に含有するポリアルキレンテレフタレート共重合体(A)100重量部、リン酸エステル変性されていないポリアルキレンテレフタレートおよび/またはポリカーボネート(B)0〜150重量部、メラミンシアヌレート(C)0〜75重量部を含有する組成物を射出成型または押出成型して得られることを特徴とする難燃性ポリエステル成型品。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明が属する技術分野】本発明は、難燃性ポリエステル成型品に関するものであり、電気部品、電子部品や自動車のエンジンルーム内の電装部品等として使用されるものである。 【0002】 【従来の技術】従来、難燃性を必要とする電気部品としては、ポリアルキレンテレフタレート樹脂に、臭素や塩素のハロゲン系の難燃剤や赤リン系難燃剤を溶融混合した成形材料を、射出成型や押出成型して使用されていた。難燃剤が溶融混合された成型品は、その分散性に課題があり、成形品のタフネスが低下したり、使用時、難燃剤がブリードすることがあった。また難燃剤として配合されるポリリン酸アンモニウムやトリフェニールフォスフェート等の正リン酸エステルは、耐熱性が不足し、成型品の耐加水分解性を低下するので実用的でなかった。また赤リン系難燃剤も高温多湿下では、安定ではなく赤紫色を呈するので一般的用途には使用できなかった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、難燃剤の分散性を上げることによりタフネスを保持し、また使用時難燃剤がブリードアウトしない成形品を得ること、また、使用時や廃棄処理衛生的な難燃性を有する成形品を提供することを課題とするものである。 【0004】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため、本発明者らは鋭意、研究、検討した結果、遂に本発明を完成するに到った。すなわち本発明は、リン酸エステルをポリマーの側鎖に含有するポリアルキレンテレフタレート共重合体(A)100重量部、リン酸エステル変性されていないポリアルキレンテレフタレートおよび/またはポリカーボネート(B)0〜150重量部、メラミンシアヌレート(C)0〜75重量部を含有する組成物を射出成型または押出成型して得られることを特徴とする難燃性ポリエステル成型品である。 【0005】本発明は、ポリマーの耐熱性や耐加水分解性等の特性を保持するために、リン酸エステルを主鎖中でなく、側鎖に導入し、また、通常のポリアルキレンテレフタレート樹脂及び/またはポリカーボネート樹脂に、高濃度のリン酸エステルを側鎖に有するポリアルキレンテレフタレートを配合し、均一化した材料から成型品を得ることができる。また、用途によっては、メラミンシアヌレートを併用し、総合的な要求性能を満たす成型品を得ることができる。 【0006】 【発明の実施の形態】本発明で用いられるリン酸エステルを側鎖として有するポリアルキレンテレフタレート共重合体は、グリコール成分の一部または全部が下記一般式(I)および/または(II)で示されるリン酸エステル置換グリコールと、主たるジカルボン酸成分としてテレフタル酸とから得られる共重合体である。 【0007】 【化1】
【0008】 【化2】
前記一般式(I)、(II)において、R1 は下記(1)〜(3)で示される三価の炭化水素基であり、R2 は下記(4)〜(6)で示される二価の炭化水素基である。またXは下記(7)〜(12)で示されるリン酸エステル残基である。 【0009】 【化3】
【0010】 【化4】
【0011】 【化5】
【0012】 【化6】
【0013】 【化7】
【0014】 【化8】
【0015】 【化9】
【0016】 【化10】
【0017】 【化11】
【0018】 【化12】
【0019】 【化13】
【0020】 【化14】
前記一般式(I)および/または(II)で示される化合物として、具体的にはホスファフェナンスレン置換、クレジルフェニールホスフェート置換、ジクレジルホスフェート置換、ジキシレニルホスフェート置換、オクチルフェニールホスフェート置換したグリコール等が例示される。中でもホスファフェナンスレン置換したグリコールが耐加水分解性が高く好ましい。なおホスファフェナンスレン置換したジカルボン酸とエチレングリコールで予めエステル化したグリコールを使用すると重合上好ましい。 【0021】本発明で用いられるリン酸エステルをポリマーの側鎖に含有するポリアルキレンテレフタレート共重合体(A)において、前記リン酸エステルを置換したグリコールに他のグリコールを0〜98モル%共重合できる。難燃性からは、リン酸エステル置換したグリコールが多い方が好ましいが、融点等の耐熱性が低下し、物性とは背反するので、実用的には、リン酸エステル置換グリコールは、2〜40モル%が好ましく、さらに効果と物性面から、3〜30モル%が好ましい。その他の共重合成分としては、公知のグリコール成分が使用でき、具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ポリテトラメチレングリコール、ポリラクトン、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。特にエチレングリコールとブチレングリコールが好ましい。また、酸成分としても、公知の酸成分がテレフタル酸と共重合でき、。えば、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸等が使用される。 【0022】次に場合により、本発明で使用されるリン酸エステルを含まないポリアルキレンテレフタレート(B)としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、及びこれらを80モル%含む共重合体が挙げられる。 【0023】また、場合により、本発明で使用されるポリカーボネート(B)としては、芳香族ポリカーボネートであるジオキシジアリールアルカンからのポリカーボネートやこれらの共重合体が好ましく、特にビスフェノールA型からのポリカーボネート、及びこのノルボルナン環を有するポリカーボネート等の共重合体が特に好ましい。 【0024】前記リン酸エステルを含まないポリアルキレンテレフタレートおよび/またはポリカーボネート(B)の配合量は、共重合体(A)100重量部に対して、0〜150重量部、好ましくは0〜100重量部、特に望ましくは10〜80重量部であり、150重量部を超えると、目標とする難燃性が得にくいので好ましくない。 【0025】本発明において、優れた耐熱性、成形性、強度等を有する成型品としての基本物性と難燃性の要求によっては、メラミンシアヌレート(C)を、共重合体(A)100重量部に対して、0〜75重量部、好ましくは1〜50重量部、さらに望ましくは1〜40部重量含有することが好ましい。側鎖にリン酸エステルを含むポリアルキレンテレフタレート(A)とメラミンシアヌレート(C)との組み合わせは、物性を保持して難燃性を高めるのに有効である。なおその配合量が75重量部を超えるとタフネスが低下するので好ましくない。 【0026】上記難燃ポリエステル成型品には、目的、用途に応じてガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリ等の繊維状強化材、タルク、ワラストナイト、シリカ、クレイ、炭酸カルシウム、ガラスビーズ等の無機充填材、離型剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、結晶化促進剤、カルボン酸金属塩、他のポリマー等を配合してもよい。 【0027】本発明成型品を得る方法としては、特に制限されるものでなく任意の方法で成型される。例えば、全成分を押出機中で溶融混練したペレットを得、このペレットから射出成形や押出成形して得ることができる。また、得られた成型品は、溶着や接着ネジ留め等二次加工しても利用される。 【0028】以上かかる構成よりなる本発明成型品は、難燃性と高い耐薬品性と電気特性がよく、タフネス性を有することから、コイルの絶縁材、コネクター、電線被覆材、ソケット、メーターのハウジングやセンサーケース等電気部品や自動車部品として使用される。 【0029】 【実施例】以下、本発明を実施例を用いて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例中の部及び%は重量基準である。また各物性値は、以下の方法によって測定した。 (1)難燃性試験:UL試験規格UL94により、厚さ1.5mmの試験片について行った。 難燃性高 V0>V2>HB 難燃性低(2)ブリードテスト:厚さ3mm平板を60℃95%RH下で7日間エージングし、成型品表面を観察した。 (3)曲げ試験:ASTMD790により、曲げ破壊ひずみにより評価した。 【0030】実施例1〜10、比較例1〜10表1および表2に示す各成分の所定量を、それぞれ270−275−275℃に設定された二軸押出機で、溶融混練してペレットを得た。次に得られたペレットをそれぞれ、130℃で3時間乾燥した後、樹脂温度280〜285℃、金型温度50℃にて射出成型して評価用テストピースを得た。それぞれの結果を表1および表2に示す。 【0031】 【表1】
【0032】 【表2】
表1および表2における各略語は下記のとおりであり、※は本発明に比べて劣っている物性を示している。 PES−GH:2−(9’,10’−ジヒドロ−9’オキサ−10’オキサイド−10’ホスファフェナンスレン10’イル)メチルコハク酸ビス(2−ヒドロキシエチル)/エチレングリコール/テレフタル酸(反応比(モル%)1.6/98.4/100)からなるポリエステルPES−GK:2−(9’,10’−ジヒドロ−9’オキサ−10’オキサイド−10’ホスファフェナンスレン10’イル)キシリレンコハク酸ビス(2−ヒドロキシエチル)/エチレングリコール/テレフタル酸(反応比(モル%)2/98/100)からなるポリエステルPET:エチレングリコール/テレフタル酸からなるポリエステルPBT:ブチレングリコール/テレフタル酸からなるポリエステルPC:ビスフェノールA型ポリカーボネートMC:メラミンシアヌレートTPP:トリフェニールホスフィンPBS/SbO:ポリブロムスチレン/三酸化アンチモンNRP150:赤リン【0033】 【発明の効果】表1および表2からも明らかなとおり、本発明成型品は、難燃性がV2以上であり、ブリードが無く、曲げ破壊歪みが4%以上であることが判る。以上、本発明成型品は、優れた難燃性とタフネスを有し、ノンブリードであるため、その用途を拡大することができ、産業界に寄与すること大である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003160 【氏名又は名称】東洋紡績株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)9月1日 |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開平11−80519 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)3月26日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−235847 |
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