| 【発明の名称】 |
低光沢熱可塑性樹脂組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】ジェイムズ・ミツグ・フクヤマ
【氏名】サティシュ・クマー・ガガー
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| 【要約】 |
【課題】衝撃性に優れた低光沢の熱可塑性樹脂成形品の提供。
【解決手段】熱可塑性樹脂組成物であって、当該樹脂組成物100重量部を基準にして、(a)硬質熱可塑性プラスチック連続相中に分散したエラストマー不連続相を含んでなるゴム改質熱可塑性樹脂で上記硬質熱可塑性プラスチック相の少なくとも一部が上記エラストマー相に化学的にグラフトしたゴム改質熱可塑性樹脂55重量部〜98.5重量部と、(b)硬質ゲル共重合体0.5重量部〜15重量部と、(c)エピハロヒドリン重合体0.5重量部〜15重量部と、(d)(メタ)アクリレート重合体0.5重量部〜15重量部との混合物を含んでなる熱可塑性樹脂組成物。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 熱可塑性樹脂組成物であって、当該樹脂組成物100重量部を基準にして、(a)硬質熱可塑性プラスチック連続相中に分散したエラストマー不連続相を含んでなるゴム改質熱可塑性樹脂で上記硬質熱可塑性プラスチック相の少なくとも一部が上記エラストマー相に化学的にグラフトしたゴム改質熱可塑性樹脂55重量部〜98.5重量部と、(b)硬質ゲル共重合体0.5重量部〜15重量部と、(c)エピハロヒドリン重合体0.5重量部〜15重量部と、(d)(メタ)アクリレート重合体0.5重量部〜15重量部との混合物を含んでなる熱可塑性樹脂組成物。 【請求項2】 前記ゴム改質熱可塑性樹脂が5重量部〜50重量部のエラストマー相と50重量部〜95重量部の硬質熱可塑性プラスチック相を含んでなる、請求項1記載の組成物。 【請求項3】 前記エラストマー相がブタジエン単独重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体又はスチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体を含んでなる、請求項1記載の組成物。 【請求項4】 前記硬質熱可塑性樹脂相が、α−メチルスチレンから誘導される構造単位5重量%〜90重量%、スチレンから誘導される構造単位5重量%〜70重量%及びアクリロニトリルから誘導される構造単位5重量%〜50重量%を含んでなる重合体又は重合体混合物である、請求項1記載の組成物。 【請求項5】 前記ゲル共重合体がスチレン−アクリロニトリル共重合体とポリエポキシド架橋剤との架橋反応生成物を含んでなる、請求項1記載の組成物。 【請求項6】 前記ゲル共重合体がポリカーボネート及びポリスチレン単独重合体から選択される不活性キャリアポリマーをさらに含んでなる、請求項5記載の組成物。 【請求項7】 前記エピハロヒドリン重合体がエピクロロヒドリン単量体とアルキレンオキシド単量体から誘導される共重合体である、請求項1記載の組成物。 【請求項8】 前記(メタ)アクリレート共重合体がメチルメタクリレートから誘導される構造単位を50重量%以上含んでなる、請求項1記載の組成物。 【請求項9】 硬質熱可塑性プラスチック連続相中に分散したエラストマー不連続相を含んでなるゴム改質熱可塑性樹脂で上記硬質熱可塑性プラスチック相の少なくとも一部が上記エラストマー相に化学的にグラフトしたゴム改質熱可塑性樹脂と、硬質ゲル共重合体と、エピハロヒドリン重合体と、(メタ)アクリレート重合体との混合物を含んでなる、熱可塑性樹脂成形品。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性樹脂組成物に関するものであり、より具体的には、耐熱性及び耐衝撃性を示す低光沢熱可塑性樹脂組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂及びゲル共重合体を含んでなり、表面光沢の低減した組成物は公知であり、例えば米国特許第5336701号及び同第5580924号を参照されたい。低い光沢、高い耐熱性及び高い耐衝撃性を与えるABS組成物が望まれている。 【0003】 【発明の概要】第一の態様において、本発明は、熱可塑性樹脂組成物であって、当該樹脂組成物100重量部を基準にして、(a)硬質熱可塑性プラスチック連続相中に分散したエラストマー不連続相を含んでなるゴム改質熱可塑性樹脂で上記硬質熱可塑性プラスチック相の少なくとも一部が上記エラストマー相に化学的にグラフトしたゴム改質熱可塑性樹脂55重量部〜98.5重量部と、(b)ゲル共重合体0.5重量部〜15重量部と、(c)エピハロヒドリン重合体0.5重量部〜15重量部と、(d)(メタ)アクリレート重合体0.5重量部〜15重量部との混合物を含んでなる熱可塑性樹脂組成物に関する。 【0004】本発明の組成物は、ゴム改質熱可塑性樹脂とゲル共重合体は含んでいるが本発明の組成物のエピハロヒドリン重合体成分と(メタ)アクリレート重合体成分を欠く類似組成物と比べると、改善された流動性、すなわち低い粘度を呈する。本発明の組成物は、ゴム改質熱可塑性樹脂とゲル共重合体は含んでいるが本発明の組成物のエピハロヒドリン重合体成分と(メタ)アクリレート重合体成分を欠く類似組成物から作った製品に比べ、低い光沢、高い耐熱性及び改善された多軸衝撃性能を呈する熱可塑性製品を作製するための成形コンパウンドとして使用するのに適している。 【0005】第二の態様において、本発明は、硬質熱可塑性プラスチック連続相中に分散したエラストマー不連続相を含んでなるゴム改質熱可塑性樹脂で上記硬質熱可塑性プラスチック相の少なくとも一部が上記エラストマー相に化学的にグラフトしたゴム改質熱可塑性樹脂と、硬質ゲル共重合体と、エピハロヒドリン重合体と、(メタ)アクリレート重合体との混合物を含んでなる、熱可塑性樹脂成形品に関する。 【0006】本発明の成形品は、ゴム改質熱可塑性樹脂とゲル共重合体は含んでいるが本発明の製品のエピハロヒドリン重合体成分と(メタ)アクリレート重合体成分を欠く類似製品に比べ、低い光沢、高い耐熱性及び改善された多軸衝撃性能を呈する。 【0007】 【発明の実施の形態】好ましい実施形態では、本発明の組成物は、60〜98重量部(pbw)、さらに好ましくは70〜96pbwのゴム改質熱可塑性樹脂、1〜10pbw、さらに好ましくは2〜8pbwの硬質アクリロニトリルゲル共重合体、1〜10pbw、さらに好ましくは2〜8pbwのエピハロヒドリン共重合体、及び1〜10pbw、さらに好ましくは1〜6pbwの(メタ)アクリレート重合体を含んでなる。 【0008】ゴム改質熱可塑性樹脂本発明のゴム改質熱可塑性樹脂は硬質熱可塑性プラスチック連続相中に分散したエラストマー不連続相を含んでなり、上記硬質熱可塑性プラスチック相の少なくとも一部は上記エラストマー相に化学的にグラフトしている。好ましい実施形態では、ゴム改質熱可塑性樹脂は5〜50pbw、さらに好ましくは5〜35pbw、さらに一段と好ましくは10〜25pbwのエラストマー相と、50〜95pbw、さらに好ましくは65〜95pbw、さらに一段と好ましくは75〜90pbwの硬質熱可塑性プラスチック相を含んでなる。 【0009】(a)エラストマー相エラストマー相として使用するのに好適な材料はガラス転移温度(Tg)が25℃以下、さらに好ましくは0℃以下、さらに一段と好ましくは−30℃以下の重合体である。本明細書中でいう重合体のTgとは示差走査熱量測定で測定した重合体のTg値(加熱速度20℃/min、Tg値は変曲点で決定)である。 【0010】好ましい実施形態では、エラストマー相は共役ジエン単量体、非共役ジエン単量体及び(C1 〜C12)アルキル(メタ)アクリレート単量体から選択される1種類又はそれ以上のモノエチレン性不飽和単量体から誘導される構造単位を有する重合体を含んでなる。好適な共役ジエン単量体には、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ヘプタジエン、メチル−1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、2−エチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエン、ジクロロブタジエン、ブロモブタジエン及びジブロモブタジエン並びに共役ジエン単量体混合物がある。好ましい実施形態では、共役ジエンは1,3−ブタジエンである。 【0011】好適な非共役ジエンには、例えばエチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、ヘキサジエン及びフェニルノルボルネンがある。本明細書中でいう「(C1 〜C12)アルキル」とは1置換基当たりの炭素原子数が1〜12の線状又は枝分れアルキル置換基であり、例えばメチル、エチル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−プロピル、イソプロピル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル及びドデシルがあり、「(メタ)アクリレート」という用語はアクリレート単量体及びメタクリレート単量体を総称的にさす。好適な(C1 〜C12)アルキル(メタ)アクリレート単量体には、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、イソペンチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートのような(C1 〜C12)アルキルアクリレート、並びにその(C1 〜C12)アルキルメタクリレート類似体、例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、デシルメタクリレートなどがある。 【0012】好ましい実施形態では、エラストマー相は、共役ジエン単量体、非共役ジエン単量体及び(C1 〜C12)アルキル(メタ)アクリレート単量体から選択される1種類又はそれ以上のモノエチレン性不飽和単量体から誘導される第一の構造単位、並びにビニル芳香族単量体、モノエチレン性不飽和ニトリル単量体及び(C2〜C8)オレフィン単量体から選択される1種類又はそれ以上のモノエチレン性不飽和単量体から誘導される第二の構造単位を有する重合体を含んでなる。好適な共役ジエン単量体、非共役ジエン単量体及び(C1 〜C12)アルキル(メタ)アクリレート単量体については上記で述べた。 【0013】好適なビニル芳香族単量体には、例えばスチレン、並びに芳香環に1又はそれ以上のアルキル、アルコキシ、ヒドロキシもしくはハロ置換基が結合した置換スチレン、例えばα−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン、トリメチルスチレン、ブチルスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、p−ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、並びにビニル置換縮合芳香環構造、例えばビニルナフタレン、ビニルアントラセン、さらにはビニル芳香族単量体の混合物がある。 【0014】本明細書中で用いる用語「モノエチレン性不飽和ニトリル単量体」とは1分子当たり1つのニトリル基と1箇所のエチレン性不飽和部位を有するアクリル系化合物を意味し、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、フマロニトリルなどがある。本明細書中で用いる用語「(C2〜C8)オレフィン単量体」とは1分子当たりの炭素原子数が2〜8で1分子当たり1箇所のエチレン性不飽和部位を有する化合物を意味する。好適な(C2〜C8)オレフィン単量体には、例えばエチレン、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、ヘプテンがある。 【0015】好ましい実施形態では、エラストマー相は1種類又はそれ以上の共役ジエン単量体から誘導される第一の構造単位60〜100重量%(wt%)と、ビニル芳香族単量体及びモノエチレン性不飽和ニトリル単量体から選択される1種類又はそれ以上の単量体から誘導される第二の構造単位0〜40wt%とを含んでなり、例えば、ブタジエン単独重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体又はスチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体などがある。 【0016】別の好ましい実施形態では、エラストマー相は1種類又はそれ以上の(C1 〜C12)アルキルアクリレート単量体から誘導される構造単位を含んでなる。さらに一段と好ましい実施形態では、該ゴム状高分子幹は1種類以上の(C1 〜C12)アルキルアクリレート単量体、さらに好ましくはエチルアクリレート、ブチルアクリレート及びn−ヘキシルアクリレートから選択される1種類又はそれ以上の単量体から誘導される繰返し単位を40〜100wt%含んでなる。 【0017】エラストマー相は、さらに任意成分として、例えばブチレンジアクリレート、ジビニルベンゼン、ブテンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどのようなポリエチレン性不飽和「架橋用」単量体から誘導される構造単位を少量、例えば最高5wt%まで、含んでいてもよい。本明細書中で用いる用語「ポリエチレン性不飽和」とはい1分子当たり2箇所以上のエチレン性不飽和部位を有することを意味する。 【0018】エラストマー相はさらに、特にエラストマー相の構造単位がアルキル(メタ)アクリレート単量体から誘導される実施形態において、ポリエチレン性不飽和「グラフト連結用」単量体から誘導される構造単位を少量、例えば最高5wt%まで、含んでいてもよい。好適なグラフト連結用単量体には、幹又は枝を誘導したモノエチレン性不飽和単量体と同様の反応性をもつ第一のエチレン性不飽和部位と、エラストマー相を誘導したモノエチレン性不飽和単量体とは実質的に異なる相対的反応性をもつ第二のエチレン性不飽和部位とを有していて、エラストマー相の合成時に第一の部位が反応し、第二の部位はその後の異なる反応条件下での反応、例えば硬質熱可塑性プラスチック相の合成時に利用できるようなものがある。好適なグラフト連結用単量体には、例えばアリルメタクリレート、ジアリルマレエート、トリアリルシアヌレートがある。 【0019】好ましい実施形態では、エラストマー相は、ラジカル開始剤(例えばアゾニトリル開始剤、有機ペルオキシド開始剤、過硫酸系開始剤又はレドックス開始剤系など)及び任意成分としての連鎖移動剤(例えばアルキルメルカプタンなど)の存在下で水性エマルジョン重合し、凝固(coagulation) させてエラストマー相物質の粒子を形成することにより製造される。好ましい実施形態では、乳化重合したエラストマー相粒子は光透過率で測定して50〜800ナノメーター(nm)、さらに好ましくは100〜500nmの重量平均粒度を有する。乳化重合エラストマー粒子の大きさは任意には公知技術にしたがって乳化重合粒子を機械的又は化学的に凝集させることにより増大させることができる。 【0020】(b)硬質熱可塑性プラスチック相硬質熱可塑性樹脂相は1種類又はそれ以上の熱可塑性ポリマーを含んでなり、25℃を上回るTg、好ましくは90℃以上、さらに好ましくは100℃以上のTgを有する。好ましい実施形態では、硬質熱可塑性プラスチック相は(C1 〜C12)アルキル(メタ)アクリレート単量体、ビニル芳香族単量体及びモノエチレン性不飽和ニトリル単量体からなる群から選択される1種類又はそれ以上の単量体から誘導される構造単位を有する重合体又はそうした2種類以上の重合体の混合物を含んでなる。好適な(C1 〜C12)アルキル(メタ)アクリレート単量体、ビニル芳香族単量体及びモノエチレン性不飽和ニトリル単量体は、上記のエラストマー相の説明で述べたものである。 【0021】非常に好ましい実施形態では、硬質熱可塑性プラスチック相は1種類又はそれ以上のビニル芳香族ポリマーを含んでなる。好適なビニル芳香族ポリマーは1種類又はそれ以上のビニル芳香族単量体から誘導される構造単位を少なくとも50wt%含んでなるものである。好ましい実施形態では、硬質熱可塑性樹脂相は1種類又はそれ以上のビニル芳香族単量体から誘導される第一の構造単位と1種類又はそれ以上のモノエチレン性不飽和ニトリル単量体から誘導される第二の構造単位を有するビニル芳香族ポリマーを含んでなる。 【0022】硬質熱可塑性プラスチック相は例えば塊重合、乳化重合、懸濁重合又はそれらの組合せなど公知の方法で製造されるが、その際、硬質熱可塑性プラスチック相の少なくとも一部がエラストマー相に存在する不飽和部位との反応を介してエラストマー相に化学結合(すなわち「グラフト」)する。エラストマー相における不飽和部位は、例えば非共役ジエン由来の構造単位中の残留不飽和部位によって、或いはグラフト連結用単量体由来の構造単位中の残留不飽和部位によって与えられる。 【0023】好ましい実施形態では、硬質熱可塑性プラスチック相の少なくとも一部はエラストマー相及び重合開始剤系(例えば熱又はレドックス開始剤系)の存在下での水性エマルジョン又は水性懸濁重合反応によって作る。別の好ましい実施形態では、熱可塑性プラスチック相の少なくとも一部は塊重合プロセスで作り、エラストマー相を形成させようとする材料の粒子を硬質熱可塑性プラスチック相を形成させようとする単量体混合物中に溶解し、次いでその混合物の単量体を重合してゴム改質熱可塑性樹脂を形成する。 【0024】硬質熱可塑性プラスチック相とエラストマー相との間で起こるグラフト反応の量はエラストマー相の相対量及び組成によって変わる。好ましい実施形態では、硬質熱可塑性プラスチック相の10〜90wt%、好ましくは25〜60wt%がエラストマー相にグラフトし、硬質熱可塑性プラスチック相の10〜90wt%、好ましくは40〜75wt%は「フリー」な状態、すなわちグラフトせずに残る。 【0025】ゴム改質熱可塑性樹脂の硬質熱可塑性プラスチック相は、エラストマー相の存在下で実施される重合だけでも形成し得るし、或いはエラストマー相の存在下で重合しておいた硬質熱可塑性ポリマーに対して別個に重合した1種類又はそれ以上の硬質熱可塑性ポリマーを添加することによっても形成し得る。好ましい実施形態では、硬質熱可塑性プラスチック相の非グラフト部分は、ポリスチレン標準によるゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定して、10000〜200000の範囲内の重量平均分子量を呈する。 【0026】好ましい実施形態では、ゴム改質熱可塑性樹脂は、1種類又はそれ以上の非共役ジエン単量体から誘導される構造単位を有していて任意にはさらにビニル芳香族単量体及びモノエチレン性不飽和ニトリル単量体から選択される1種類又はそれ以上の単量体から誘導される構造単位を含む重合体を含んでなるエラストマー相と、ビニル芳香族単量体及びモノエチレン性不飽和ニトリル単量体から選択される1種類又はそれ以上の単量体から誘導される構造単位を含む重合体を含んでなる硬質熱可塑性プラスチック相とを含んでなる。 【0027】好ましい実施形態では、硬質熱可塑性樹脂相は、α−メチルスチレンから誘導される構造単位5〜90wt%、スチレンから誘導される構造単位5〜70wt%及びアクリロニトリルから誘導される構造単位5〜50wt%を含んでなる重合体又は重合体混合物である。非常に好ましい実施形態では、硬質熱可塑性樹脂相は、α−メチルスチレンから誘導される構造単位50〜90wt%とアクリロニトリルから誘導される構造単位10〜50wt%とスチレンから誘導される構造単位0〜20wt%とを含んでなる第一の硬質熱可塑性ポリマー20〜95wt%、好ましくは30〜80wt%と、スチレンから誘導される構造単位60〜85wt%とアクリロニトリルから誘導される構造単位15〜40wt%とを含んでなる第二の硬質熱可塑性ポリマー5〜80wt%、好ましくは20〜70wt%との混合物を含んでなる。 【0028】ゴム改質熱可塑性樹脂のエラストマー相及び硬質熱可塑性樹脂相の個々のポリマーは、それぞれの相についてのTg限定条件が満足されるのであれば、任意成分として1種類又はそれ以上の別の共重合性単量体から誘導される第三の構造単位を最高10wt%までさらに含んでいてもよく、かかる共重合性単量体としては、例えばアクリル酸やメタクリル酸やイタコン酸のようなモノエチレン性不飽和カルボン酸、ヒドロキシエチルメタクリレートのようなヒドロキシ(C1 〜C12)アルキル(メタ)アクリレート単量体、シクロヘキシルメタクリレートのような(C4 〜C12)シクロアルキル(メタ)アクリレート単量体、アクリルアミドやメタクリルアミドのような(メタ)アクリルアミド単量体、N−アルキルマレイミドやN−アリールマレイミドのようなマレイミド単量体、無水マレイン酸、酢酸ビニルやプロピオン酸ビニルのようなビニルエステルなどがある。本明細書で用いる用語「(C4 〜C12)シクロアルキル」とは置換基当たりの炭素原子数が4〜12の環状アルキル置換基を意味し、用語「(メタ)アクリルアミド」はアクリルアミド及びメタクリルアミドを総称的にさす。 【0029】ゲル共重合体本発明のゲル共重合体は反応性ポリマーと多官能性架橋剤との架橋反応生成物を含んでなる。ゲル共重合体はさらに架橋していない反応性ポリマー並びにその他のポリマーを含み得る。好適な反応性ポリマーは、架橋剤と反応して架橋ゲル共重合体を形成し得る置換基(例えばニトリル基、カルボン酸基、無水物基、エポキシ基、アミノ基など)を1分子当たり1又はそれ以上有するものである。 【0030】好ましい実施形態では、反応性ポリマーは少なくとも1種類のモノエチレン性不飽和ニトリル単量体(好ましくはアクリロニトリル)から誘導される第一の構造単位を含み、さらにアクリロニトリルと共重合可能な1種類又はそれ以上のエチレン性不飽和コモノマーから誘導される第二の構造単位を含んでなる。好適なモノエチレン性不飽和ニトリル単量体及びエチレン性不飽和単量体は上記で開示した通りである。好適なアクリロニトリル共重合体には、例えばスチレン−アクリロニトリル共重合体、α−メチルスチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−スチレン−(メタ)アクリレートグラフト共重合体、アクリロニトリル−エチルアクリレート−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレングラフト共重合体がある。 【0031】好ましい実施形態では、反応性ポリマーはモノエチレン性不飽和ニトリル単量体から誘導される構造単位を5〜40wt%、好ましくは15〜35wt%含んでなる。非常に好ましい実施形態では、反応性ポリマーはスチレン由来の構造単位60〜90wt%とアクリロニトリル由来の構造単位10〜40wt%からなるスチレン−アクリロニトリル共重合体を含んでなる。 【0032】好適な多官能性架橋剤は、反応性ポリマーの官能基と反応して架橋ゲル共重合体を形成し得る官能基(例えばエポキシ基、アミノ基、カルボン酸基など)を1分子当たり2又はそれ以上有する化合物である。好ましい実施形態においては、架橋剤はポリエポキシドである。好適なポリエポキシドには、例えばドデカトリエンジオキシドやジペンテンジオキシドや1,2,7,8−ジエポキシオクタンのような脂肪族ジエポキシド;例えばエピハロヒドリンとジオール又は二酸との重縮合物(ここでジオール/二酸はアジピン酸やフタル酸などのように脂肪族又は芳香族のいずれでもよい)や、1,4−ブタンジオール−ジグリシジルエーテルや、ビスフェノールAのビス−グリシジルエーテルのようなビス(グリシジルエーテル)化合物;例えば3,4−エポキシシクロヘキシルカルボン酸3,4−エポキシシクロヘキシルや、アジピン酸ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)や、ビシクロペンタジエンジエポキシドのような、脂環式ジエポキシド;ビニルシクロブテンジオキシドや、ビニルシクロペンタジエンジオキシドや、ビニルシクロヘキセンジオキシドや、ブテンシクロブテンジオキシドや、ブテンシクロペンテンジオキシドや、ブタジエンシクロブタジエンジオキシドや、ブタジエンシクロペンタジエンジオキシドや、ペンタジエンシクロブタジエンジオキシドのような、脂肪族/脂環式混合ジエポキシド;ノボラックのグリシジルエーテルや、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンのテトラグリシジルエーテルや、1,3,6−トリヒドロキシベンゼンのトリグリシジルエーテルや、トリグリシジルイソシアヌレート(TGIC)のような、トリ及びポリエポキシド;並びに、例えばエポキシ化トール油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化大豆油のような、エポキシ化油がある。 【0033】好ましい実施形態では、ポリエポキシドは脂環式ポリエポキシドである。非常に好ましい実施形態では、ポリエポキシドは、ユニオン・カーバイド(Union Carbide) 社からBakelite(登録商標)ERL4221という商品名で市販されている3,4−エポキシシクロヘキシルカルボン酸3,4−エポキシシクロヘキシルである。 【0034】好ましい実施形態では、ポリエポキシドと反応性ポリマーの比率は反応性ポリマー100pbw当たり0.5〜10pbw、より好ましくは1〜6pbwのポリエポキシドである。反応性ポリマーと架橋剤はゲル共重合体を生じるような反応性条件下で、例えば押出機中で、溶融混合する。 【0035】架橋剤がポリエポキシド化合物を含んでいるような好ましい実施形態においては、反応性ポリマーとポリエポキシド架橋剤はエポキシ開環触媒の存在下で溶融混合する。好適なエポキシ開環触媒には、アミン、イミダゾール、有機酸、例えばカルボン酸及びスルホン酸、鉱酸及びルイス酸がある。好ましい実施形態では、開環触媒は塩化亜鉛、或いは例えばメチルスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸のようなスルホン酸であり、最も好ましくはドデシルベンゼンスルホン酸である。 【0036】好ましい実施形態では、開環触媒の量は反応性ポリマー100万pbw当たり触媒約50〜2000pbwであり、別の言い方をすると、反応性ポリマーの重量を基準にして50〜2000ppmである。好ましい実施形態では、反応性ポリマーとポリエポキシドと開環触媒の各々を押出機のスロートに供給し、ゲル共重合体を生じるような反応性条件下押出機中で溶融混合する。 【0037】好ましい実施形態では、溶融混合は、温度150℃〜360℃、好ましくは220℃〜350℃、さらに好ましくは220℃〜330℃、滞留時間10〜600秒で運転した一軸又は二軸スクリュー押出機で実施される。好適なゲル共重合体及びそうしたゲル共重合体の製造方法は、「Reduced Gloss Thermoplastic Compositions and Processes For Making Thereof」と題する米国特許第5580924号(R.Wildi他、1996年12月3日発行)に開示されており、その開示内容は文献の援用によって本明細書の内容の一部をなす。 【0038】好ましい実施形態では、溶融混合は「Process Improvement For Improved Color Reduced Gloss Thermoplastic Compositions」と題する米国特許第5336701号(R.Wildi他、1994年8月9日発行)に開示されているように、反応性ポリマー100pbw当たり0.05〜1pbwの水の存在下で実施される。この米国特許の開示内容は文献の援用によって本明細書の内容の一部をなす。 【0039】非常に好ましい実施形態では、ゲル共重合体は反応性ポリマーと架橋剤を反応性条件下、不活性キャリアポリマーの存在下で溶融混合して、ゲル共重合体と不活性キャリアポリマーの混合物を生じさせることによって作られる。好適なゲル共重合体は「Production Of Low Gloss Additives For Thermoplastic Resins」と題する米国特許第5530062号(R.Bradkte他、1996年6月25日発行)に開示されており、その米国特許の開示内容は文献の援用によって本明細書の内容の一部をなす。 【0040】好適な不活性キャリアポリマーは、反応性押出条件下で反応性ポリマーとも架橋剤とも反応しないようなポリマーである。好適な不活性キャリアポリマーには、例えばビスフェノールAポリカーボネート樹脂のようなポリカーボネート樹脂、ポリエチレンのようなポリオレフィン樹脂、並びにポリスチレンのようなビニル芳香族樹脂がある。 【0041】好ましい実施形態では、不活性キャリアポリマーはポリスチレン重合体又はポリカーボネート樹脂を含んでなる。非常に好ましい実施形態では、不活性キャリアポリマーは、ポリスチレン標準によるゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定して、10000〜100000の範囲内の重量平均分子量を有するビスフェノールAカルボン酸樹脂を含んでなる。 【0042】好ましい実施形態では、1〜80pbw、さらに好ましくは30〜70pbwの反応性ポリマーを、20〜99pbw、好ましくは30〜70pbwの不活性キャリアポリマーの存在下、架橋剤と反応性条件下において溶融混合する。本発明の組成物はゲル共重合体を、当該組成物の成形品の表面光沢を低減して成形品の艶消仕上げを高めるのに十分な量で含んでいるのが好ましい。 【0043】エピハロヒドリン重合体エピハロヒドリン重合体は、エピハロヒドリン単量体から誘導される構造単位を含んでなる。好適なエピハロヒドリン単量体は下記の構造式(2)を有するものである。 【0044】 【化1】
【0045】式中、Xは塩素、臭素、ヨウ素又はフッ素である。好ましい実施形態では、Xは塩素又は臭素である。最も好ましくはXは塩素である。好適なエピハロヒドリン単量体には、例えばエピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨードヒドリン及びエピフルオロヒドリンがある。好ましい実施形態では、エピハロヒドリン単量体はエピクロロヒドリンである。 【0046】エピハロヒドリン重合体はエピハロヒドリン単独重合体でもエピハロヒドリン共重合体でもよい。エピクロロヒドリン単独重合体の合成方法は公知であり、例えば米国特許第3850856号及び同第3850857号に記載されている。エピハロヒドリン単量体は別の共重合性コモノマーと共重合してもよい。好適な共重合性コモノマーにはオキシラン含有単量体があり、具体的には、グリシジルエーテル類、例えばグリシジルエーテル、イソプロペニルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテルなど;ジエン類及びポリエン類のモノエポキシド、例えばブタジエンモノオキシド、クロロプレンモノオキシド、3,4−エポキシ−1−ペンテンなど;グリシジルエステル類、例えばグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、1,2−エポキシ−3,3,3−トリクロロプロパンなど;並びにアルキレンオキシド類、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、トリクロロブチレンオキシドなどである。エピハロヒドリン共重合体の合成方法は公知であり、例えば米国特許第4251648号に記載されている。 【0047】好ましい実施形態では、エピハロヒドリン重合体はエピクロロヒドリンとアルキレンオキシドの共重合体である。さらに好ましくは、エピクロロヒドリン重合体はエピクロロヒドリンとエチレングリコール又はプロピレングリコールの共重合体である。好ましい実施形態では、エピハロヒドリン重合体は、1種類又はそれ以上のエピハロヒドリン単量体由来の第一の構造単位5〜95wt%と、1種類又はそれ以上の共重合性コモノマー由来の第二の構造単位5〜95wt%とを含んでなる。 【0048】(メタ)アクリレート重合体(メタ)アクリレート重合体は1種類又はそれ以上の(C1 〜C12)アルキル(メタ)アクリレート単量体から誘導される構造単位を含んでなり、任意には別の共重合性モノエチレン性不飽和コモノマーから誘導される構造単位を最高10wt%まで含む重合体である。好適な(C1 〜C12)アルキル(メタ)アクリレート単量体及びコモノマーについては上記で開示した通りである。 【0049】好ましい実施形態では、このアクリレート重合体はメチルメタクリレートから誘導される構造単位を50重量%以上含んでなる共重合体である。 添加剤本発明の熱可塑性樹脂組成物は、任意成分として、例えば以下に挙げるような各種の添加剤を含んでいてもよい。 【0050】(1)酸化防止剤。例を挙げると、有機ホスファイト、例えばトリス(ノニル−フェニル)ホスファイト、(2,4,6−トリ−t−ブチルフェニル)(2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリトリトールジホスファイトなど、並びにアルキル化モノフェノール、ポリフェノール、ポリフェノールとジエンのアルキル化反応生成物、例えばp−クレゾールとジシクロペンタジエンのブチル化反応生成物、アルキル化ヒドロキノン、ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、アルキリデン−ビスフェノール、ベンジル化合物、アシルアミノフェノール、β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオン酸と一価又は多価アルコールとのエステル、β−(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−3メチルフェニル)プロピオン酸と一価又は多価アルコールとのエステル、β−(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸と一価又は多価アルコールとのエステル、チオアルキル又はチオアリール化合物、例えばジステアリルチオプロピオネート、ジラウリルチオプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート、β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオン酸のアミドなど。 【0051】(2)UV吸収剤及び光安定剤。例えば(i)2−(2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−ベンゾフェノン;(ii)置換及び非置換安息香酸のエステル;(iii) アクリレート類;(iv)ニッケル化合物など。 (3)金属奪活剤。例えば、N,N′−ジフェニルシュウ酸ジアミド、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾールなど。 【0052】(4)ペルオキシドスカベンジャー。例えば、β−チオジプロピオン酸の(C10〜C20)アルキルエステル、メルカプトベンズイミダゾールなど。 (5)ポリアミド安定剤。 (6)塩基性補助安定剤。例えば、メラミン、ポリビニルピロリドン、トリアリルシアヌレート、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン、ポリアミド、ポリウレタンなど。 【0053】(7)立体障害性アミン。例えば、トリイソプロパノールアミン、1,6−ジアミン,N,N′−ビス(2,2,4,6−テトラメチル−4−ピペリデニル)ヘキサンのポリマーと2,4−ジクロロ−6−(4−モルホリニル)−1,3,5−トリアジンとの反応生成物など。 (8)中和剤。例えば、ステアリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ハイドロタルサイトなど。 【0054】(9)充填剤及び強化材。例えばシリケート、TiO2 、ガラス繊維、炭素繊維、グラファイト、炭酸カルシウム、タルク、マイカなど。 (10)滑剤のようなその他の添加剤。例えば、ペンタエリトリトールテトラステアレート、EBSワックス、シリコーン流体、可塑剤、蛍光増白剤、顔料、染料、着色剤、防炎剤、帯電防止剤、発泡剤など。 【0055】(11)難燃剤。例えば含ハロゲン有機難燃剤化合物、有機リン酸系難燃剤化合物、及びホウ酸系難燃剤化合物など。本発明の熱可塑性樹脂組成物は、例えば成分を二本ロールミル、バンバリーミキサー又は一軸もしくは二軸スクリュー押出機などで溶融混合して、実質的に均一な組成物を生じるように成分を混合することによって製造され、任意にはこうして得られた組成物を例えばペレット化又は粉砕によって粒状形にしてもよい。 【0056】本発明の組成物は、射出成形、押出、回転成形、ブロー成形及び熱成形などの様々な手段によって例えば自動車内装部品などの有用な製品に成形することができる。 【0057】 【実施例】 比較例C1及びC2並びに実施例1及び2比較例C1及びC2並びに実施例1及び2の組成物を、表1に示す成分をバンバリーミキサー中で表1に示す相対量で混ぜ合わせることにより製造した。比較例C1は対照であり、比較例C2はゲル共重合体は含んでいるが本発明の組成物のエピハロヒドリン重合体成分と(メタ)アクリレート重合体成分は含んでおらず、実施例1及び2は本願発明の実施例である。以下の成分を使用して比較例C1及びC2並びに実施例1及び2の組成物を製造した。 【0058】ABS1:50pbwのゴム(15スチレン/85ブタジエン,平均粒度85nm)と50pbwのSAN共重合体(75スチレン/25アクリロニトリル)からなるABSグラフト共重合体; ABS2:50pbwのゴム(15スチレン/85ブタジエン,平均粒度300nm)と50pbwのSAN共重合体(75スチレン/25アクリロニトリル)からなるABSグラフト共重合体; AMSAN:AMSAN共重合体(70α−メチルスチレン/30アクリロニトリル); SAN:SAN共重合体(75スチレン/25アクリロニトリル); EHH:エピハロヒドリン重合体(Hydrin 2000,ニッポン・ゼオン・ケミカルズ社(Nippon Zeon Chemicals,Inc.)); PMMA:ポリ(メチルメタクリレート)(V920,ローム・アンド・ハース社 (Rohm and Haas Company)); ゲル1:50pbwのビスフェノールAポリカーボネート樹脂及びSAN共重合体の重量を基準にして1200ppmのドデシルベンゼンスルホン酸の存在下溶融押出条件下において3.5pbwの3,4−エポキシシクロヘキシル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート(Bakelite(登録商標)ERL4221,ユニオン・カーバイド社)で架橋した100pbwのSAN共重合体(75スチレン/25アクリロニトリル); ゲル2:SAN共重合体の重量を基準にして950ppmのドデシルベンゼンスルホン酸の存在下溶融押出条件下において4pbwの3,4−エポキシシクロヘキシル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート(Bakelite(登録商標)ERL4221,ユニオン・カーバイド社)で架橋した100pbwのSAN共重合体(75スチレン/25アクリロニトリル); 滑剤1:酸化マグネシウム; 滑剤2:EBSワックス; 滑剤3:プロピレンオキシドとエチレンオキシドのブロック共重合体(Pluronic F88,BASF社)。 【0059】組成物を次に粉砕機で粉砕し、粉砕した各々の組成物を150°Fの金型に射出速度0.8インチ/秒で500°Fで射出成形して試験用サンプルを作った。サンプルを以下の方法で試験した。粘度は毛管レオメーターを用いて測定し、ノッチ付アイゾット衝撃性能はASTM D256にしたがって測定し、ダート衝撃性は1/2インチ径のダートでの計装衝撃装置(Dynatup)を用いて測定し、引張強さ及び伸びはASTM D638にしたがって測定し、加熱撓み温度は1/8インチ厚の射出成形試料を用いて66ポンド/平方インチ(psi)においてASTM D648−82にしたがって測定し、曲げ強さ及び弾性率はASTM D790にしたがって測定し、光沢はASTM D523にしたがって測定した。結果を表1に示す。表中、粘度は剪断速度100s-1、500s-1及び1000s-1、温度500°Fにおけるポアズ(P)単位であり、ノッチ付アイゾット衝撃強さはフィート・ポンド/インチ(ft−lb/in)単位であり、ダート落下破壊エネルギー及び全エネルギーはフィート・ポンド(ft−lb)単位で標準偏差と共に示してあり、加熱撓み温度はHDT(°F)であり、引張強さ、曲げ強さ及び曲げ弾性率はポンド/平方インチ(psi)単位であり、引張伸びは初期長さの%であり、光沢は60°及び85°における値である。 【0060】 【表1】
【0061】アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂組成物に光沢低下用添加剤としてゲル共重合体を使用すると光沢は低下するが、その代わり衝撃特性がひどく低下する(比較例C2と比較例C1とを対比されたい)。本発明の組成物は意外にもさらに低い光沢を示す(実施例1及び2と比較例C1及びC2とを対比されたい)とともに、意外にも耐衝撃性が劇的に改善されていて(実施例1及び2と比較例C2とを対比されたい)対照組成物にほぼ匹敵する(実施例1及び2と比較例C1とを対比されたい)。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390041542 【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)5月28日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】生沼 徳二
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| 【公開番号】 |
特開平11−60883 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)3月5日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−146446 |
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