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【発明の名称】 導電性粘着ゴム材料およびゴムロール
【発明者】 【氏名】白木 好春

【氏名】栗林 秀行

【要約】 【課題】紙、プラスチックおよび金属等の各種フィルム、シートおよび板材等の表面に付着しているゴミや塵埃類を粘着除去できる導電性粘着ゴム材料を提供する。

【解決手段】ブチルゴム60〜80重量部とEPDM40〜20重量部からなるゴム成分100重量部に対し、液状ポリブテン20〜50重量部、導電性無機充填剤10〜40重量部、液状ポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコールから選ばれる導電性可塑剤A10〜35重量部と液状のポリエチレングリコールエステル、ポリプロピレングリコールエステルまたはグリセリンエステルから選ばれる導電性可塑剤B1〜20重量部、シリカ30〜70重量部、他の無機充填剤5〜30重量部およ鉱物油系軟化剤20〜50重量部が配合、加硫し、硬度(JIS−A)が20〜40で、電気抵抗値が105〜108Ω・cmのゴムでロール形状で用いる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ブチルゴム60〜80重量部とEPDM40〜20重量部からなるゴム成分100重量部に対し、平均分子量が400〜800の液状ポリブテン20〜50重量部、粉体抵抗が10〜500Ω・cmの導電性無機充填剤10〜40重量部、平均分子量が200〜500の液状のポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコールから選ばれる導電性可塑剤(A)10〜35重量部と液状のポリエチレングリコールエステル、ポリプロピレングリコールエステルまたはグリセリンエステルから選ばれる導電性可塑剤(B)1〜20重量部、シリカ30〜70重量部、その他の無機充填剤5〜30重量部、および鉱物油系軟化剤20〜50重量部が配合され、加硫されてなり、硬度(JIS−A)が20〜40の範囲であり、電気抵抗値が105〜108Ω・cmの範囲であり、粘着性を有することを特徴とする導電性粘着ゴム材料。
【請求項2】 請求項1記載の導電性粘着ゴム材料を用いたゴムロール。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙、プラスチックおよび金属等の各種フィルム、シートおよび板材等の表面に付着しているゴミや塵埃類を粘着させて除去することができる導電性の粘着ゴム材料に関し、通常ロールの形状で使用される。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来の導電性の粘着ゴム材料としては、導電性のカーボンを用いて製造されていたが、カーボンによる汚染の問題もあり、カーボンを用いない導電性粘着ゴム材料の開発が待たれていた。最近、導電性の無機充填剤の開発が進み、これらを利用して、カーボンを含まない導電性の粘着ゴムの開発が行われてきている(例えば、特開平9−151258号公報)。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、カーボンによる汚染のない導電性の粘着ゴム材料の開発を進めていたところ、特定成分の特定割合による配合により、通常導電性ゴムに要求される105〜108Ω・cm程度の電気抵抗値を有し、硬度が20〜40程度の粘着性のあるゴム材料を安定に製造することができることを見出し、本発明に到達した。
【0004】
【発明の実施の形態】すなわち本発明は、ブチルゴム60〜80重量部とEPDM40〜20重量部からなるゴム成分100重量部に対し、平均分子量が400〜800の液状ポリブテン20〜50重量部、粉体抵抗が10〜500Ω・cmの導電性無機充填剤10〜40重量部、平均分子量が200〜500の液状ポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコールから選ばれる導電性可塑剤(A)10〜35重量部と液状ポリエチレングリコールエステル、ポリプロピレングリコールエステルまたはグリセリンエステルから選ばれる導電性可塑剤(B)1〜20重量部、シリカ30〜70重量部、その他の無機充填剤5〜30重量部、および鉱物油系軟化剤20〜50重量部が配合され、加硫されてなり、硬度(JIS−A)が20〜40の範囲であり、電気抵抗値が105〜108Ω・cmの範囲であり、粘着性を有することを特徴とする導電性粘着ゴム材料および前記導電性粘着ゴム材料を用いたゴムロールに関する。
【0005】本発明による導電性の粘着ゴム材料は、カーボンを含まないため、カーボンによる被処理物の汚染がなく、硬度(JIS−A)が20〜40の範囲であり、電気抵抗値が105〜108Ω・cmの範囲の粘着性のあるゴム材料で、フィルム、シートおよび板材等の被処理物表面に付着したゴムや塵埃類を付着させて除去するのに効果的に利用することができる。
【0006】本発明の導電性粘着ゴム材料の製造原料(以下、単に原料と略す。)として使用されるゴム成分としては、ブチルゴム60〜80重量部とEPDM40〜20重量部(両者の合計は100重量部)からなるが、ブチルゴムが前記上限を越えると粘着が著しく強くなり、未加硫ゴム配合物を調製する際の作業性が悪くなる。一方、EPDMが前記上限より多くなると、得られる製品に十分な粘着性が得られないことによる。ブチルゴム65〜75重量部に対して、EPDM35〜25重量部が最も好ましい割合である。
【0007】本発明では、原料として平均分子量が400〜800の液状ポリブテンが用いられる。平均分子量が400未満のものでは、揮散性が大であり、また800を越えたものを使うと粘着性のよいゴム材料が得られにくくなる。ブチルゴムとEPDMからなるゴム成分100重量部に対する液状ポリブテンの割合としては、20〜50重量部の範囲が適当であり、好ましくは30〜40重量部の範囲である。
【0008】導電性無機充填剤としては、例えば導電性の酸化亜鉛および酸化チタン等が挙げられ、粉体抵抗が10〜500Ω・cmのものが適当で、一般に市場にて販売されているものを使うことができる。例えば、この種のものが白水化学工業(株)、本荘ケミカル(株)、石原産業(株)等から販売されている。粉体抵抗が10Ω・cm未満のものは、極めて高価で、本発明の用途には不向きである。一方、500Ω・cmを越えるものでは、本発明の抵抗値が105〜108Ω・cm程度の物性の粘着性ゴム材料が得られにくくなる。導電性無機充填剤の配合量としては、目的とする粘着性ゴム材料の抵抗値にもよるが、前記ゴム成分100重量部に対して10〜40重量部の範囲で使用される。好ましくは、ゴム物性に悪影響を及ぼさない15〜30重量部の範囲で使用する。
【0009】導電性可塑剤としては、前記ゴム成分100重量部に対し、平均分子量が200〜500の液状のポリエチレングリコールあるいはポリプロピレングリコールから選ばれる導電性可塑剤(A)10〜35重量部と液状のポリエチレングリコールエステル、ポリプロピレングリコールエステルまたはグリセリンエステルから選ばれる導電性可塑剤(B)1〜20重量部が使用される。導電性可塑剤(A)として平均分子量が200未満のものでは、揮散性が大であり、また500を越えるものでは、導電性への寄与が悪くなる。好ましくは約300〜400の範囲である。導電性可塑剤(B)としては、通常、導電性可塑剤として市販されているものが使用可能である。導電性可塑剤(A)と(B)は、各々単品で用いるより、本発明のように併用する方が望ましい導電性が得られやすい。
【0010】本発明では、前記ゴム成分100重量部に対しシリカが30〜70重量部の範囲で用いられるが、特にアルカリ処理したシリカと酸性のシリカを混合して用いることにより、目的とする抵抗値の粘着ゴム材料を得ることが容易となるので好ましい。
【0011】その他の無機充填剤としては、通常ゴムの配合剤として使用されるリトポン、炭酸カルシウム、クレー、タルク等が使用でき、前記ゴム成分100重量部に対し目的の硬度に合わせて5〜30重量部の範囲で使用できる。
【0012】また、鉱物油系軟化剤も目的の硬度に合わせて、前記ゴム成分100重量部に対し20〜50重量部の範囲で使用することができる。
【0013】更にこれらの配合物に通常ブチルゴムおよびEPDMに使用される硫黄および硫黄化合物等の加硫剤、ジチオカルバメート系、チアゾール系、チウラム系およびスルフェンアミド系等の加硫促進剤および亜鉛華、ステアリン酸等の加硫助剤が配合される。更に、着色剤、安定剤等を混合して用いることも可能である。
【0014】本発明の導電性粘着ゴム材料は、前記配合物をロール状やシート状等の目的とする形状に成形したのち、常法により加硫して得られる。こうして得られる導電性粘着ゴム材料は、硬度(JIS−A)が20〜40、電気抵抗値が105〜108Ω・cmの範囲にあり、粘着性を有するものであるが、粘着力としては5g/cm2以上の粘着性を有し、好ましくは粘着力が10〜80g/cm2程度の粘着性を有するものが本発明の目的の用途には適当である。
【0015】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0016】(実施例)ブチルゴム70重量部、EPDM30重量部、液状ポリブテン(平均分子量500)35重量部、導電性無機充填剤(導電性酸化亜鉛、粉体抵抗約300Ω・cm、白水工業(株)製、23−K)20重量部、導電性可塑剤として液状ポリエチレングリコール(平均分子量400)25重量部、液状ポリエチレングリコールエステル((独)シルウントザイラッハ社製、「ストラクトールAW1」)3重量部、酸性シリカ(pH5.8)23重量部、アルカリ性シリカ(pH10.6)35重量部、リトポン10重量部、鉱物油系軟化剤40重量部、加硫剤(硫黄系)7重量部、加硫助剤(亜鉛華およびステアリン酸等)が13重量部、加硫促進剤(ジチオカルバメート系)が2重量部によって構成されるゴム配合物を調製し、接着性処理した鉄芯に巻き付け成形した後、150℃で加硫を行い、次いで表面を研磨して粘着ロールを得た。このロールは、硬度(JIS−A)が25、抵抗値は5×107Ω・cmで、粘着力は40g/cm2であった。また、このロールによる紙シートの紙粉の除去能を調べたところ、紙面の汚染もなく、極めて有効に除去できることが確認された。
【0017】(比較例)実施例で、導電性可塑剤として液状ポリエチレングリコールエステルを用いずに、液状ポリエチレングリコール(平均分子量400)を28重量部とし、またシリカとしては酸性シリカを用いずにアルカリ性シリカ(PH10.6)を58重量部としたほかは、実施例に準拠してロールを製造した。このロールは硬度(JIS−A)が26で、粘着性はあるが、抵抗値が測定器の最高目盛りの1×109Ω・cmをこえ、目的とする105〜108Ω・cm程度の粘着ロールは得られなかった。
【0018】
【発明の効果】本発明に従った導電性粘着ゴム材料では、硬度(JIS−A)が20〜40で、粘着性があり、電気抵抗値が105〜108Ω・cm程度のロールを得ることが可能で、紙、プラスチックおよび金属などの各種フィルム、シートおよび板材等の表面に付着しているゴムや塵埃類を材料表面を汚染することなしに、効果的に粘着させて除去することが可能である。特に材料表面のゴミや塵埃を嫌う印刷業では、好ましく利用することができる。
【出願人】 【識別番号】390015152
【氏名又は名称】明和ゴム工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)8月20日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 良和
【公開番号】 特開平11−60849
【公開日】 平成11年(1999)3月5日
【出願番号】 特願平9−238918