| 【発明の名称】 |
プロピレン系樹脂組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】山口 政之
【氏名】鈴木 謙一
【氏名】宮田 寛
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| 【要約】 |
【課題】ブロー成形、真空成形、圧空成形、フィルム成形、ラミネーション成形、紡糸、発泡成形等の加工に適したプロピレン系樹脂組成物を提供する。
【解決手段】下記(a)および(b)の特性を有するプロピレン系樹脂組成物を用いる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】下記(a)および(b)の特性を有することを特徴とするプロピレン系樹脂組成物。 (a)内径直径Dを有する円形ダイスより押し出した際のストランドの直径dが、d≦0.25×Dとなるように延伸できる。 (b)同一温度、同一ひずみ速度において測定した伸長粘度と剪断粘度の最大値の比が、伸長粘度/剪断粘度≧5である。 【請求項2】下記(c)〜(e)に示す特性を満たすエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体エラストマーの架橋物およびプロピレン系樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載のプロピレン系樹脂組成物。 (c)α−オレフィンの炭素数が4〜20である。 (d)エチレンおよびα−オレフィンに由来する単位の比率が、エチレン/α−オレフィン=35/65〜5/95(重量比)である。 (e)ヨウ素価が0より大きく50以下である。 【請求項3】エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体エラストマーの架橋物のメルトフロレート(MFR1)と架橋前のメルトフローレート(MFR2)との比がMFR2/MFR1>10、またはMFR1が測定不可能であることを特徴とする請求項2に記載のプロピレン系樹脂組成物。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、成形加工性に優れるプロピレン系樹脂組成物に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来より、プロピレン系樹脂は、耐熱性に優れる汎用高分子材料としてよく知られているが、ブロー成形、真空成形、圧空成形、フィルム成形、ラミネーション成形、紡糸、発泡成形に供した際に、偏肉、ネックイン、サージング、レゾナンス、破泡等の問題を生じることが知られている。これら成形不良の問題の多くには伸長粘度が関係しており、一般的には、伸長粘度が同一温度、同一ひずみ速度における剪断粘度よりも十分に大きければ成形性は向上することが知られている(M.Shinohara 日本レオロジー学会誌、Vol.19 p−118(1991))。しかしながら、通常、ポリプロピレン系樹脂の伸長粘度は、同一ひずみ速度における剪断粘度の3倍程度でしかない。 【0003】そこで、ポリプロピレン系樹脂の伸長粘度を増大するために、プロピレン系樹脂の分子量分布を広げたり、分岐型低密度ポリエチレン(LDPE)を添加する方法が行われている。 【0004】さらに、近年は、長鎖分岐を有するポリプロピレンが開発され、市場に供されている(Plastic Engineering p−82 March ´91)。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかし、プロピレン系樹脂の分子量分布を広げたりする方法等により得られるプロピレン系樹脂の同一温度、同一ひずみ速度における伸長粘度/剪断粘度は、伸長粘度/剪断粘度=4程度が限界であり、成形加工性の改良効果は不十分なものである。 【0006】一方、長鎖分岐を有するポリプロピレンは、溶融延伸性に劣るため、成形不良が生じることが多かった。 【0007】そこで、本発明は上記の課題を解決したブロー成形、真空成形、圧空成形、フィルム成形、ラミネーション成形、紡糸、発泡成形等に適したプロピレン系樹脂組成物を提供するものである。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の特性を有するプロピレン系樹脂組成物が優れた加工特性を有することを見いだし、本発明を完成させるに至った。 【0009】即ち、本発明は、下記(a)および(b)の特性を有することを特徴とするプロピレン系樹脂組成物に関するものである。 【0010】(a)内径直径Dを有する円形ダイスより押し出した際のストランドの直径dが、d≦0.25×Dとなるように延伸できる。 【0011】(b)同一温度、同一ひずみ速度において測定した伸長粘度と剪断粘度の最大値の比が、伸長粘度/剪断速度≧5である。 【0012】以下に、本発明を詳細に説明する。 【0013】本発明のプロピレン系樹脂組成物は、溶融延伸性の評価を行った際の円形ダイスより押し出されたストランドの直径dが、円形ダイスの内径直径Dに対してd≦0.25×D、好ましくはd≦0.20×Dとなるように延伸することが可能なものである。ここで、d≦0.25×Dとなるように延伸できない場合、該樹脂組成物は、溶融延伸性に劣るため、成形加工に供した際の成形性に劣り、高度に延伸を行うことが不可能になるため、得られる成形品の外観が悪いものとなる。 【0014】そして、溶融延伸性の測定方法としては、一般的に知られている方法を用いることができ、例えば、実成形加工機を用いる方法、キャピラリー型レオメーターを用いる方法等が挙げられる。測定温度条件は、プロピレン系樹脂の測定条件として一般的な170〜250℃で行うことが好ましい。また、測定に用いるダイスの内径直径Dと長さLについても特に制限はなく、容易な測定が可能となることから、内径直径D=0.1〜5mm、長さL=0.1〜100mmのダイスを用い、ストランドの押出速度=0.02〜2m/分、滞留時間3〜30分で測定を行うことが好ましく、本発明においては、キャピラリー型レオメーターにて、L/D=2.95/1(mm)のダイスを用い、190℃、シリンダー降下速度10mm/分、滞留時間6分の条件で延伸可能な最大引き取り速度で測定を行った際の引き取られたストランドの直径dを求めた。 【0015】本発明のプロピレン系樹脂組成物は、同一温度、同一ひずみ速度において測定した伸長粘度と剪断粘度の最大値の比が伸長粘度/剪断粘度≧5、好ましくは伸長粘度/剪断粘度≧8である。ここで、伸長粘度/剪断粘度<5である場合、得られるプロピレン系樹脂組成物は成形加工時に偏肉、ネックイン、レゾナンス、サージング等の成形不良を生じやすくなり、成形加工性が劣るものとなる。なお、その測定方法として、測定温度は実成形温度である170〜250℃が好ましく、ひずみ速度は0.01〜1sec-1で行うことが好ましい。そして、剪断粘度の測定に関しては、円錐−円板型粘度計で行うことが好ましく、その測定方法としては、例えば、Ferry著 ‘Viscoelastic Properties of Polymers’ Third Edition,Wiley,New York(1980)に記載されている方法を挙げることができる。また、伸長粘度の測定方法としては、例えば、O.Ishizuka,et.al.,Polymer,Vol.21,p−164(1980)に記載されている方法を挙げることができる。そして、本発明における伸長粘度の測定は、Meissner型の伸長粘度計を用い、190℃、ひずみ速度0.1±0.05sec-1で行った。また、剪断粘度の測定は、円錐−円板型粘度計を用い、190℃で測定を行い、ひずみ速度0.1sec-1における剪断粘度を求めた。 【0016】本発明のプロピレン系樹脂組成物は、特に偏肉を低減し、成形加工性に優れることから、溶融張力が3g以上であることが好ましい。溶融張力の測定条件は、溶融延伸性の測定条件と同じである。 【0017】本発明のプロピレン系樹脂組成物は、特に溶融延伸性などの加工特性に優れる樹脂組成物となることから、流動の活性化エネルギーが35〜45kJ/molであることが好ましい。ここで、流動の活性化エネルギーの測定方法は、例えば、「“講座レオロジー”、レオロジー学会編、高分子刊行会」等に記載されている方法、つまり、170℃以上プロピレン系樹脂組成物の分解温度以下の任意の2つ以上の温度で、本発明のプロピレン系樹脂組成物の動的弾性率を測定することにより求めることができる。 【0018】また、本発明のプロピレン系樹脂組成物の230℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレートが、0.01〜100g/10分の範囲であると良好な加工特性を有することから好ましい。 【0019】本発明のプロピレン系樹脂組成物は、(a)内径直径Dを有する円形ダイスより押し出したストランドの直径dが、d≦0.25×Dとなるように延伸することが可能であり、(b)同一温度、同一ひずみ速度において測定した伸長粘度と剪断粘度の最大値の比が、伸長粘度/剪断粘度≧5となるものであれば、いかなるプロピレン系樹脂組成物でもよく、そのようなプロピレン系樹脂組成物の構成としては、例えば、下記(c)〜(e)に示す特性を満たすエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体エラストマーの架橋物およびプロピレン系樹脂からなるプロピレン系樹脂組成物が例示される。 【0020】(c)α−オレフィンの炭素数が4〜20である。 【0021】(d)エチレンおよびα−オレフィンに由来する単位の比率が、エチレン/α−オレフィン=35/65〜5/95(重量比)である。 【0022】(e)ヨウ素価が0より大きく50以下である。 【0023】特に、プロピレン系樹脂組成物の成形加工時に、ネックイン、レゾナンス、サージング等の問題がなくなることから、架橋物のメルトフローレート(MFR1)と架橋前のメルトフローレート(MFR2)との比がMFR2/MFR1>10、またはMFR1が測定不可能であるものが好ましい。 【0024】本発明のプロピレン系樹脂組成物を構成するプロピレン系樹脂としては、一般的に結晶性プロピレン系樹脂として知られているものならばいずれでもよく、例えば、プロピレンホモポリマー、エチレン含有量0.5〜12重量%のプロピレン−エチレンランダム共重合体、エチレン含有量0.5〜12重量%,1−ブテン等のα−オレフィン含有量0.5〜20重量%のプロピレン・エチレン・α−オレフィン系三元共重合体、エチレン含有量1〜60重量%のハイインパクトポリプロピレン、長鎖分岐が導入されたポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン等が挙げられ、これらの1種または2種以上を併用して用いられる。また、プロピレン系樹脂は、230℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.01〜100g/10分であることが好ましい。 【0025】本発明のプロピレン系樹脂組成物の構成成分の一例として挙げられるエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体エラストマーの架橋物は、下記(c)〜(e)に示す特性を満たすものである。 【0026】(c)α−オレフィンの炭素数が4〜20である。 【0027】(d)エチレンおよびα−オレフィンに由来する単位の比率が、エチレン/α−オレフィン=35/65〜5/95(重量比)である。 【0028】(e)ヨウ素価が0より大きく50以下である。 【0029】ここで、架橋に用いられるエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体エラストマーは、エチレン、α−オレフィンおよび非共役ジエン共重合体よりなり、上記(c)〜(e)に示す特性を満足するものであることが好ましく、炭素数4〜20のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン等が挙げられ、これらの1種または2種以上が用いられ、なかでも入手の容易さから1−ブテン、1−ヘプテン、1−ヘキセン、1−オクテン等が好ましい。また、エチレンとα−オレフィンに由来する単位の割合は、成形加工性に優れるプロピレン系樹脂組成物が得られることから、重量比で35/65〜5/95、特に好ましくは30/70〜5/95の範囲であることが好ましい。 【0030】また、架橋前のエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体エラストマーに用いられる非共役ジエンとしては、例えば、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、2,5−ノルボナジエン、ジシクロペンタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエンなどが挙げられ、これらの1種または2種以上が用いられる。 【0031】ここで、耐寒性に優れるポリプロピレン系樹脂組成物が得られることから、非共役ジエンの共重合量であるヨウ素価は0より大きく50以下であることが好ましい。なお、ヨウ素価は、例えば、“ゴム試験法、p−657、日本ゴム協会編(1963)”に記載されているような方法により測定することが可能である。 【0032】そして、架橋前のエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体エラストマーは、架橋工程時等の取り扱い性に優れることから、100℃におけるムーニー粘度(ML1+4)が5〜400、特に20〜200であることが好ましい。 【0033】このようなエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体エラストマーの製造方法は、一般に知られているものでよく、特に制限されることはない。例えば、上記エチレン、α−オレフィン、非共役ジエンをチタン系触媒、バナジウム系触媒またはメタロセン系触媒等を用いて重合することにより得ることができる。そして、なかでもメタロセン系触媒を用いることにより容易に製造することが可能となる。 【0034】エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体エラストマーを架橋し、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体エラストマーの架橋物を得る方法としては特に制限はなく、例えば、上記のエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体エラストマーを電子線、過酸化物等により架橋する方法が挙げられる。 【0035】そして、電子線により架橋を行う場合は、得られるプロピレン系樹脂組成物の成形性が優れることから、照射量10kGray以上とすることが好ましい。 【0036】また、過酸化物による加熱架橋を行う場合は、過酸化物として、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンなどのパーオキシケタール類;t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジ−イソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、P−メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジ−ハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド類;ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などのジアルキルパーオキサイド類;アセチルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロリィルパーオキサイド、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、サクシン酸パーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド類;ジ−イソプロピルパーオキシカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ジアリルパーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート類;t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキサイドイソプロピルカルボナートなどのパーオキシエステル類等が挙げられ、これらは1種または2種以上を混合して用いることができる。 【0037】さらに、過酸化物架橋を行う場合、架橋促進剤や共架橋剤を併用することも可能であり、架橋促進剤としては、例えば、N,N−ジフェニルグアニジン、N,N−ジ−(o−トリル)グアニジン、N,N−o−トリルグアニジンなどのようなグアニジン誘導体;N,N−ジブチルチオ尿素、N,N’−ジエチルチオ尿素、ジラウリルチオ尿素、2−メルカプトイミダゾリン、トリメチルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素などのようなチオ尿素;ジブチルキサントゲン酸亜鉛、イソプロピルキサントゲン酸ナトリウム、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛などのようなキサントゲル酸塩;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸テリリウム、ピペリジニウムペンタメチレンジチオカルバメート、ピペコリンピペリジメチルジチオカルバメート、ジメチルジチオカルバミン酸鉄などのようなジチオカルバミン酸塩;ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒドアニリン、ブチルアルデヒドアニリンなどのようなアルデヒドアンモニア系化合物;メルカプトベンゾチアゾール、メルカプトベンゾチアゾールナトリウム塩、ジベンゾチアジルジスルフィド、2−(4−モルフォリノジチオ)ベンゾチアゾール、2−(2,4−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾールなどのようなチアゾール系化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラエチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ジ−ペンタメチレンチウラムテトラスルフィドなどのようなチウラムサルファイド;メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛などのようなチアゾール系化合物;N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−t−ブチルベンゾチアゾールスルフェンアミドなどのようなスルフェンアミド化合物などが挙げられ、これらの架橋促進剤は1種または2種以上を組み合わせて用いてもよい。 【0038】共架橋剤としては、例えば、P・キノンジオキシム、P・Pジベンゾイルキノンジオキシム、N−メチル−N’−4−ジニトロソアニリン、ジニトロソベンゼン、ラウリルメタアクリレート、エチレングリコールジメタアクリレート、トリエチレングリコールジメタアクリレート、テトラエチレングリコールジメタアクリレート、ポリエチレングリコールジメタアクリレート、トリメチロールプロパントリメタアクリレート、ジアリールフマレート、ジアリールフタレート、テトラアリールオキシエタン、トリアリールシアヌレート、アリールメタアクリレート、マレイミド、フェニールマレイミド、N,N’,m−フェニレンビスマレイミド、無水マレイン酸、イタコン酸、ジビニルベンゼン、ジアリールメラミン、ジフェニルグアニジン、ジビニルアジペート、ビニールトルエン、1,2−ポリブタジエン、液状スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ジペンタメチレンチウラムペンタスルフィド、メルカプトベンズチアゾール、硫黄等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上が混合して使用される。 【0039】また、架橋の際に亜鉛華、活性亜鉛華、表面処理亜鉛華、炭酸亜鉛、リサージ、酸化マグネシウムなどに代表される架橋促進助剤、分散剤等を併用することも可能である。 【0040】本発明のプロピレン系樹脂組成物が、プロピレン系樹脂およびエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体エラストマーの架橋物から構成される場合、そのブレンド割合は特に限定されることはなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて用いることができる。特に成形性、剛性に優れたプロピレン系樹脂組成物が得られることから、プロピレン系樹脂/エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体エラストマーの架橋物(重量比)=99/1〜70/30であることが好ましい。また、該プロピレン系樹脂組成物の製造方法は任意であるが、例えば、プロピレン系樹脂およびエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体エラストマーの架橋物をニーダー、ロール、バンバリーミキサー、一軸押出機、二軸押出機などによりブレンドする方法、プロピレン系樹脂および架橋前のエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体エラストマーをブレンドした後に、溶融混練を行いながら架橋を行う方法などが挙げられる。 【0041】本発明のプロピレン系樹脂組成物には必要に応じて、例えば、炭酸カルシウム、マイカ、タルク、シリカ、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、カオリン、クレー、パイロフェライト、ベントナイト、セリサナイト、ゼオライト、ネフェリンシナイト、アタパルジャイト、ウォラストナイト、フェライト、ケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、三酸化アンチモン、酸化チタン、酸化鉄、二硫化モリブデン、黒鉛、石こう、ガラスビーズ、ガラスパウダー、ガラスバルーン、ガラスファイバー、石英、石英ガラスなどの無機充填剤や有機,無機顔料を配合することもできる。また、結晶核剤、透明化剤、アンチブロッキング剤、離型剤、帯電防止剤、スリップ剤、防曇剤、滑剤、耐熱安定剤、紫外線安定剤、耐光安定剤、耐候性安定剤、発泡剤、防黴剤、防錆剤、イオントラップ剤、難燃剤、難燃助剤等を必要に応じて添加してもよい。 【0042】さらに、本発明のプロピレン系樹脂組成物には、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて他の樹脂やゴムをブレンドすることも可能である。この場合、さらなる成分として相溶化剤を必要に応じて添加してもよい。このような樹脂としては、例えば、線状高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、分岐型低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・エチルアクリレート共重合体、ポリ(1−ブテン)、ポリアミド、ポリエステル、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、スチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。また、ゴムとしては、例えば、天然ゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、シリコーンゴム、ポリノルボルネンゴム、ポリヘキセンゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエンランダム共重合体ゴム、クロロプレンゴムが挙げられる。さらに、相溶化剤としては、例えば、酸変性ポリオレフィン、ケン化EVAなどの接着性ポリマー;ポリオレフィン−ポリアミドグラフトまたはブロック共重合体などに代表されるブロックまたはグラフト共重合体が挙げられる。 【0043】本発明のプロピレン系樹脂組成物は、フィルム成形法、真空成形法、圧空成形法、ブロー成形法、カレンダー成形法、異形押出成形法、紡糸、発泡成形法など任意の成形法によって各種成形品に成形される。 【0044】 【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を説明するが、これらは例示的なものであって、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。 【0045】実施例および比較例中の各種測定を以下に示す。 【0046】〜エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体エラストマーのエチレンおよびα−オレフィン含量の測定〜o−ジクロロベンゼンを溶媒として用い、100MHz、13C−NMRスペクトル(日本電子(株)製、商品名JNM GX400)測定により算出した。 〜ムーニー粘度の測定〜JIS K6300に準拠し、ムーニー粘度計(島津製作所製)を用いて、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体エラストマーの100℃のムーニー粘度を測定した。ローターはL型、予熱時間は1分、ローターの作動時間は4分とした。 【0047】〜伸長粘度の測定〜MELTEN Rheometer(東洋精機製作所製)を用いて、ひずみ速度0.1sec-1で伸長粘度の経時変化を測定した。測定温度は190℃とした。 【0048】〜剪断粘度の測定〜円錐−円板粘度計(レオロジ社製、商品名MR−500)を用いて、ひずみ速度0.1sec-1で剪断粘度の経時変化を測定した。測定温度は190℃とした。 【0049】〜流動の活性化エネルギーの測定〜円錐−円板粘度計(レオロジ社製、商品名MR−500)を用いて、190℃、230℃の温度において動的粘弾性測定を行い、流動の活性化エネルギーを求めた。 【0050】〜溶融延伸性の測定〜溶融延伸性はキャピラリーレオメーター(東洋精機製作所製、商品名キャピログラフ)にて評価した。バレル温度は190℃、バレル内径は9.55mm、ダイスのL/Dは2.95/1(mm)とし、シリンダーの降下速度10mm/分の条件で、延伸可能な最大の引き取り速度の測定を行った。引き取られたストランドの直径を測定し、ダイス直径で除して溶融延伸性の目安とした。 【0051】〜溶融張力の測定〜溶融延伸性の測定において、引き取り速度が10m/分の際の溶融張力を測定した。 【0052】〜MFRの測定〜JIS K6758に準拠し、温度230℃、荷重2.16kgの条件で測定を行った。 【0053】〜ブロー成形性の評価〜プラコー製単層ブロー成形機を用いて、厚み1.5mm、容器容量500mlの容器を成形した。シリンダー温度はC1:180℃、C2:190℃、C3:200℃、ヘッド:190℃とした。 【0054】以下に、実施例および比較例で用いたエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体エラストマーの合成例を示す。 【0055】合成例15lのオートクレーブに、トルエン2000ml、1−ヘキセン 600mlおよび5−エチリデン−2−ノルボルネン 10mlを加え、撹拌させながら内温を80℃に昇温した。さらに、全圧が0.4MPaになるようにエチレンを導入した。次に、別の反応容器にトルエン10ml、公知の方法により合成したジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロライド5μmol、トリイソブチルアルミニウム2.5mmol、ジメチルアニリニウムペンタフルオロフェニルボレート6μmolを加え、この混合溶液を20分間撹拌した後、オートクレーブに導入し、重合を開始した。この重合は、エチレンを連続的に導入することで全圧を0.4MPaに保ち、80℃で10分間行った。 【0056】重合終了後、多量のエタノールにより洗浄を行い、80℃で12時間減圧乾燥することによりエチレン・1−ヘキセン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体エラストマー 52gを得た。 【0057】得られたエチレン・1−ヘキセン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体エラストマーは、エチレン/1−ヘキセンの重量比が15/85、ヨウ素価6、100℃におけるムーニー粘度(ML1+4(100℃))は27であった。 【0058】合成例25lのオートクレーブに、トルエン1000ml、1−ヘキセン 1600mlを加え、40℃に昇温した。さらに、全圧が0.4MPaになるようにエチレンを導入した。次に、別の反応容器にトルエン10ml、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド5μmol、メチルアルミノキサン5mmolを加え、この混合溶液を20分間撹拌した後、オートクレーブに導入し、重合を開始した。この重合は、エチレンを連続的に導入することで全圧を0.4MPaに保ち、40℃で60分間行った。 【0059】重合終了後、多量のエタノールにより洗浄を行い、80℃で12時間減圧乾燥することによりエチレン・1−ヘキセン共重合体エラストマーを95g得た。 【0060】得られたエチレン・1−ヘキセン共重合体エラストマーは、エチレン/1−ヘキセンの重量比が16/84、100℃におけるムーニー粘度(ML1+4(100℃))は20であった。 【0061】合成例35lのオートクレーブに、トルエン2200ml、1−ヘキセン 600mlおよび5−エチリデン−2−ノルボルネン 20mlを加え、撹拌させながら内温を80℃に昇温した。さらに、全圧が0.78MPaになるようにエチレンを導入した。次に、別の反応容器にトルエン10ml、公知の方法により合成した(第3級ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランチタンジクロライド5μmol、メチルアルミノキサン15mmolを加え、この混合溶液を20分間撹拌した後、オートクレーブに導入し、重合を開始した。この重合は、エチレンを連続的に導入することで全圧を0.78MPaに保ち、80℃で60分間行った。 【0062】重合終了後、多量のエタノールにより洗浄を行い、80℃で12時間減圧乾燥することによりエチレン・1−ヘキセン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体エラストマーを102g得た。 【0063】得られたエチレン・1−ヘキセン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体エラストマーは、エチレン/1−ヘキセンの重量比が39/61、ヨウ素価9、100℃におけるムーニー粘度(ML1+4(100℃))は24であった。 【0064】実施例1合成例1で得たエチレン・1−ヘキセン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体エラストマーに、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン(日本油脂製、商品名パーブチルP)2500ppm、架橋助剤としてトリアリールイソシアヌレート(日本化成製、商品名TAIC)1500ppmを加えて、180℃で30分間、インターナルミキサー(東洋精機製作所製、商品名ラボプラストミル)で混練を行うことにより加熱架橋した。 【0065】得られた架橋エチレン・1−ヘキセン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体エラストマーは完全に架橋されており、メルトフローレート(以下、MFRという。)を測定することはできなかった。 【0066】得られた架橋エチレン・1−ヘキセン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体エラストマーとプロピレンホモポリマー(チッソ製、商品名チッソポリプロHT1050、MFR:0.45g/10分)を1:9の重量比で、180℃に設定したロール混練機で溶融混練した。混練中に熱安定剤としてヒンダードフェノール系安定剤(チバ・ガイギー社製、商品名イルガノックス1010)、リン系安定剤(チバ・ガイギー社製、商品名イルガフォス168)をそれぞれ3000ppm、滑剤としてステアリン酸カルシウム5000ppmを添加し、プロピレン樹脂組成物を得た。 【0067】得られたプロピレン樹脂組成物の剪断粘度と伸長粘度の最大比、溶融延伸性、溶融張力、流動の活性化エネルギーを測定し、成形性の評価を行った。その結果を表1に示す。 【0068】実施例2トリアリールイソシアヌレートを用いない以外は、実施例1と同様の手法で架橋エチレン・1−ヘキセン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体エラストマーを得た。 【0069】架橋後のエチレン・1−ヘキセン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体エラストマーのMFRは架橋前の1/80であった。 【0070】得られた架橋エチレン・1−ヘキセン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体エラストマーを用いて実施例1と同じ方法で目的の樹脂組成物を得、成形性の評価を行った。その結果を表1に示す。 【0071】実施例3プロピレンホモポリマーの代わりにプロピレンホモポリマー(チッソ(株)製、商品名チッソポリプロK1014、MFR:4g/10分)と長鎖分岐導入ポリプロピレン(モンテル社製、商品名PF−814、MFR:3g/10分)を8:2の重量分率でブレンドしたものを使用した以外は実施例1と同様の方法で目的の樹脂組成物を得、成形性の評価を行った。その結果を表1に示す。 【0072】実施例4長鎖分岐導入ポリプロピレンの代わりに高圧法低密度ポリエチレン(東ソー製、商品名ペトロセン360、MFR:1.6g/10分、190℃、2.16kg荷重)を用いた以外は、実施例3と同様の方法で目的の樹脂組成物を得、成形性の評価を行った。その結果を表1に示す。 【0073】比較例1実施例1において用いたプロピレンホモポリマーを用いて成形性の評価を行った。その結果を表1に示す。 【0074】比較例2実施例3で用いたポリプロピレン系樹脂のブレンド物を用いて成形性の評価を行った。その結果を表1に示す。 【0075】比較例3架橋エチレン・1−ヘキセン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体エラストマーの代わりに分岐型低密度ポリエチレン(東ソー製、商品名ペトロセン286、MFR:1.5g/10分、190℃、2.16kg荷重)を添加した以外は、実施例1と同様の方法で組成物を得、成形性の評価を行った。その結果を表1に示す。 【0076】比較例4合成例2で得たエチレン・1−ヘキセン共重合体エラストマーを用い、架橋剤としてジクミルパーオキサイド5000ppmを用いた以外は、実施例2と同様の手法で架橋エチレン・1−ヘキセン共重合体エラストマーを得た。架橋後のエチレン・1−ヘキセン共重合体エラストマーのMFRは架橋前の1/2.95であった。 【0077】架橋エチレン・1−ヘキセン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体エラストマーの代わりに得られた架橋エチレン・1−ヘキセン共重合体エラストマーを用いて実施例1と同じ方法で樹脂組成物を得、成形性の評価を行った。その結果を表1に示す。 【0078】比較例5合成例3で得たエチレン・1−ヘキセン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体エラストマーを用いた以外は、実施例1と同様の手法で架橋エチレン・1−ヘキセン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体エラストマーを得た。得られた架橋エチレン・1−ヘキセン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体エラストマーは完全に架橋されており、MFRを測定することはできなかった。 【0079】得られた架橋エチレン・1−ヘキセン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体エラストマーを用いて実施例1と同じ方法で樹脂組成物を得、成形性の評価を行った。その結果を表1に示す。 【0080】比較例6長鎖分岐導入ポリプロピレン(モンテル社製、商品名PF−814、MFR:3g/10分)を用いて成形性の評価を行った。その結果を表1に示す。 【0081】 【表1】
【0082】 【発明の効果】本発明によれば、成形加工性に優れるプロピレン系樹脂組成物が得られる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003300 【氏名又は名称】東ソー株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)8月8日 |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開平11−60834 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)3月5日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−215050 |
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