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【発明の名称】 ゴム組成物および加硫ゴム
【発明者】 【氏名】白田 孝

【氏名】細谷 三樹男

【氏名】川崎 雅昭

【氏名】東條 哲夫

【要約】 【課題】離型剤などの揮発しやすい添加剤が配合されている場合でも耐フォギング性に優れているゴム組成物および加硫ゴムを提供する。

【解決手段】(A)天然ゴムおよび合成ゴムからなる群から選ばれる少なくとも1種のゴム100重量部あたり、(B)40℃での動粘度が1〜30mm2/sの軟化剤0.1〜20重量部を含有するゴム組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (A)天然ゴムおよび合成ゴムからなる群から選ばれる少なくとも1種のゴム100重量部あたり、(B)40℃での動粘度が1〜30mm2/sの軟化剤0.1〜20重量部を含有することを特徴とするゴム組成物。
【請求項2】 ゴム(A)がエチレン・α−オレフィン共重合ゴム、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合ゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)およびシリコーンゴムからなる群から選ばれる少なくとも1種のゴムである請求項1記載のゴム組成物。
【請求項3】 軟化剤(B)が炭化水素系合成油である請求項1または2記載のゴム組成物。
【請求項4】 ゴム(A)100重量部あたり、離型剤(C)1〜10重量部を含有する請求項1ないし3のいずれかに記載のゴム組成物。
【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載のゴム組成物からなる加硫ゴム。
【請求項6】 自動車用のランプシールゴム用である請求項5記載の加硫ゴム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軟化剤を配合したゴム組成物および加硫ゴム、特に耐フォギング性および加硫後の金型離型性に優れたゴム組成物および加硫ゴムに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用のヘッドランプやフォグランプなどのランプシールゴムパッキンや窓ガラス周辺で用いられるゴムには、ランプやガラスを曇らせない耐フォギング性に優れていることが望まれている。ランプやガラスなどを曇らせるフォギング現象は、ゴム中に配合された薬品類が揮発してランプやガラスに付着し、光透過率が減少することによって引き起こされる。従って、フォギング現象は雰囲気温度に大きく影響され、高温雰囲気下では促進される。
【0003】特に自動車用ランプは発熱が激しく、ランプ内雰囲気温度は150℃以上になる場合もあることから、フォギング性が促進され、問題となることが多い。さらに最近ではランプの照明性能の向上に伴い、ランプ内の雰囲気温度が上昇する傾向にあり、これまで以上に耐フォギング性に優れたランプシールゴムパッキンおよびゴム組成物が望まれている。
【0004】フォギングの原因となるフォギング物質は、多くの場合内部金型離型剤として配合される脂肪酸などの滑剤であり、その他には加硫剤残渣および活性剤等がある。従って、滑剤を配合しなければフォギング現象は大幅に低減するが、この場合は加硫成形時の金型離型性が悪化するので、生産性が悪化するという不具合がある。
【0005】このような問題点を解決する方法として、滑剤を配合したランプシールゴムパッキンなどの成形品を2次加硫し、フォギングの原因となる滑剤などを発揮させるという方法がある。しかし、この方法では、滑剤などを完全に揮発させるためには高温でしかも長時間の2次加硫が必要であるので、その過程でゴム自体が劣化して物性の低下を引き起こすほか、生産工程が増えることによって生産性が低下するなどの問題点がある。
【0006】また、金型の表面を処理することにより、離型剤を配合しないでゴム組成物の金型離型性を維持しようとする試みもなされている。しかし、この方法は金型離型性が不十分であり、また金型作成コストが上昇することからも不利である。従って、金型離型性はこれまでの水準を維持し、かつ耐フォギング性に優れたゴム組成物および加硫ゴムの出現が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、離型剤などの揮発しやすい添加剤が配合されている場合でも耐フォギング性に優れているゴム組成物、およびこれからなる加硫ゴムを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は次のゴム組成物および加硫ゴムである。
(1) (A)天然ゴムおよび合成ゴムからなる群から選ばれる少なくとも1種のゴム100重量部あたり、(B)40℃での動粘度が1〜30mm2/sの軟化剤0.1〜20重量部を含有することを特徴とするゴム組成物。
(2) ゴム(A)がエチレン・α−オレフィン共重合ゴム、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合ゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)およびシリコーンゴムからなる群から選ばれる少なくとも1種のゴムである上記(1)記載のゴム組成物。
(3) 軟化剤(B)が炭化水素系合成油である上記(1)または(2)記載のゴム組成物。
(4) ゴム(A)100重量部あたり、離型剤(C)1〜10重量部を含有する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のゴム組成物。
(5) 上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のゴム組成物からなる加硫ゴム。
(6) 自動車用のランプシールゴム用である上記(5)記載の加硫ゴム。
【0009】本発明で用いるゴム(A)は特に制限されず、天然ゴムでも合成ゴムでも使用できる。ゴム(A)としては、天然ゴムおよび合成ゴムからなる群から選ばれる少なくとも1種のゴムが使用される。好ましく使用されるゴム(A)としては、エチレン・α−オレフィン共重合ゴム、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合ゴム、NBR、IIR、SBRおよびシリコーンゴムなどがあげられる。
【0010】前記エチレン・α−オレフィン共重合ゴムは、エチレンと炭素数3〜20、好ましくは3〜8のα−オレフィンとの共重合ゴムである。上記炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、具体的にはプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセンおよび1−エイコセンなどがあげられる。これらのα−オレフィンは、単独でまたは組合せて用いることができる。これらの中では、特にプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセンおよび1−オクテンなどの炭素数3〜8のα−オレフィンが好ましい。
【0011】エチレン・α−オレフィン共重合ゴムは、エチレンとα−オレフィンとのモル比(エチレン/α−オレフィン)が50/50〜95/5、好ましくは55/45〜90/10、特に好ましくは60/40〜85/15の範囲にあり、135℃のデカヒドロナフタレン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜10dl/g、好ましくは1〜5dl/g、特に好ましくは1.5〜4dl/gの範囲にあるものが望ましい。
【0012】前記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合ゴムは、エチレンと炭素数3〜20、好ましくは3〜8のα−オレフィンと非共役ポリエンとの共重合ゴムである。上記炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、エチレン・α−オレフィン共重合ゴムのα−オレフィンとして例示したものと同じものがあげられる。
【0013】前記非共役ポリエンとしては、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−プロピリデン−5−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネンおよびノルボルナジエンなどの環状ジエン;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,5−ヘプタジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、6−メチル−1,7−オクタジエンおよび7−メチル−1,6−オクタジエンなどの鎖状の非共役ジエン;2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネンおよび4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエンなどのトリエン等があげられる。これらの中では、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエンおよび5−エチリデン−2−ノルボルネンが好ましい。また加硫する際、耐熱老化性に優れるペルオキシド架橋を行う場合は、架橋効率、耐熱老化性に優れる5−ビニル−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネンが好ましい。
【0014】エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合ゴムは、エチレンとα−オレフィンとのモル比(エチレン/α−オレフィン)が50/50〜95/5、好ましくは55/45〜90/10、特に好ましくは60/40〜85/15の範囲にあり、135℃のデカヒドロナフタレン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜10dl/g、好ましくは1〜5dl/g、特に好ましくは1.5〜4dl/gの範囲にあり、ヨウ素価が1〜40、好ましくは1〜30、特に好ましくは2〜20の範囲にあるものが望ましい。
【0015】本発明で用いる軟化剤(B)は、40℃での動粘度が1〜30mm2/s、好ましくは1〜25mm2/s、さらに好ましくは1〜20mm2/sであり、通常ゴムに配合されないほど低粘度な軟化剤である。動粘度が上記範囲にある場合、軟化剤(B)は高温雰囲気において比較的揮発しやすい。例えば、ステアリン酸と同程度の揮発性である。動粘度が30mm2/sを超えると揮発しにくく、優れた耐フォギング性が得られず、1mm2/s未満では加硫ゴムの耐熱老化性が悪化する。上記動粘度は、JIS K−2283に準拠して測定した値である。
【0016】軟化剤(B)の具体的なものとしては、流動パラフィン、プロセスオイル、潤滑油、これらを多く含む油等の炭化水素系合成油などがあげられる。これらの中では、流動パラフィン、プロセスオイル、パラフィン分の多い油が好ましい。軟化剤(B)は市販品を使用することもできる。軟化剤(B)は1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。
【0017】軟化剤(B)の配合量は、ゴム(A)100重量部あたり0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜15重量部、さらに好ましくは0.3〜10重量部である。軟化剤(B)の配合量が20重量部を超えると、成形品から軟化剤(B)が揮発し、ゴム成形品の硬度が上がり、規定の硬度から外れる。一方0.1重量部未満の場合は、優れた耐フォギング性が得られない。
【0018】本発明のゴム組成物には、離型剤(C)を配合するのが好ましい。離型剤(C)としては、通常のゴムの成形加工に使用されるものが使用でき、リシノール酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、上記酸のエステル類など、高級脂肪酸、その塩およびそのエステル類などを例示できる。離型剤(C)の使用量は、ゴム(A)100重量部あたり1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部とするのが望ましい。
【0019】本発明のゴム組成物には、(A)〜(C)成分の他に、本発明の目的を損わない範囲で他の添加剤、例えば(B)成分には属さない軟化剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤、老化防止剤、顔料、補強材、充填材など、通常ゴムの製造に使用される添加剤を配合することができる。
【0020】本発明のゴム組成物はそのまま使用することもできるが、通常加硫(架橋)して、加硫ゴムとして用いられる。架硫に用いる前記加硫剤としては、イオウ系化合物および有機過酸化物などをあげることができる。イオウ系化合物としては、イオウ、塩化イオウ、二塩化イオウ、モルフォリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジチオカルバミン酸セレンなどを例示できる。これらの中ではイオウが好ましい。イオウ系化合物の使用量は、ゴム(A)100重量部に対して、通常0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部とするのが望ましい。
【0021】上記有機過酸化物としてはジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第三ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第三ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、ジ第三ブチルペルオキシド、ジ第三ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、第三ジブチルヒドロペルオキシドなどを例示できる。これらの中ではジクミルペルオキシド、ジ第三ブチルペルオキシド、ジ第三ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンが好ましい。有機過酸化物の使用量は、ゴム(A)100gに対して、通常3×10-3〜5×10-2モル、好ましくは5×10-3〜3×10-2モルとするのが望ましい。
【0022】加硫剤としてイオウ系化合物を使用する場合には、加硫促進剤の併用が好ましい。加硫促進剤としては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N′−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,4−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モルフォリノチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジル−ジスルフィドなどのチアゾール系:ジフェニルグアニジン、トリフェニルグアニジン、ジオルソトリルグアニジンなどのグアニジン系;アセトアルデヒド−アニリン縮合物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物などのアルデヒドアミン系;2−メルカプトイミダゾリンなどのイミダゾリン系;ジエチルチオウレア、ジブチルチオウレアなどのチオウレア系;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィドなどのチウラム系;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸テルルなどのジチオ酸塩系;ジブチルキサントゲン酸亜鉛などのザンテート系;その他亜鉛華などをあげることができる。これらの加硫促進剤の使用量は、ゴム(A)100重量部に対して0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜10重量部とするのが望ましい。
【0023】加硫剤として有機過酸化物を使用するときは、加硫助剤の併用が好ましい。加硫助剤としてはP−キノンジオキシム等のキノンジオキシム系;エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等のアクリル系;ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレート等のアリル系;その他マレイミド系、ジピニルベンゼンなどがあげられる。加硫助剤の使用量は、使用する有機過酸化物1モルに対して0.5〜2モル、好ましくは均等モルとするのが望ましい。
【0024】本発明のゴム組成物および加硫ゴムは、例えば次のような方法で調製することができる。まず(A)および(B)成分、ならびに必要により配合する(C)成分や他の添加剤をバンバリーミキサーなどのミキサー類を用いて約80〜170℃の温度で約3〜10分間混練する。次に、加硫剤、加硫助剤などの添加剤をオープンロールなどのロール類を用いて追加混合し、ロール温度約40〜80℃で約3〜30分間混練して部出し、本発明のゴム組成物からなるリボン状またはシート状の末加硫ゴム配合物を調製する。
【0025】このようにして調製した未加硫ゴム配合物を、押出物、カレンダーロール、プレス、射出成形機、トランスファー成形機などにより所望の形状に成形し、成形と同時にまたはその成形品を加硫槽内で、通常約150〜270℃で約1〜30分間加熱して加硫し、本発明の加硫ゴムを得る。
【0026】本発明のゴム組成物および加硫ゴムは、耐フォギング性が要求される分野で好適に利用することができる。例えば、自動車用のランプシールゴム、自動車用のフロントガラス周辺のシール用ゴム、自動二輪車や自転車のランプシールゴム、建材用ガスケットなどがあげられる。
【0027】本発明のゴム組成物および加硫ゴムが耐フォギング性に優れている理由は明確ではないが、次のように推測される。ゴム用離型剤として最も多く使用されているステアリン酸の融点は約50〜70℃であり、高温(150〜180℃)では揮発してガラスやランプに付着する。付着したステアリン酸がステアリン酸の融点以上の高温雰囲気にある場合は、液状であるためガラスやランプを曇らせることはない。しかし、付着したステアリン酸が融点以下の低温雰囲気にある場合は、析出して固体状態になるため光透過率が悪化し、その結果耐フォギング性は極めて悪くなる。従って、ステアリン酸がガラスやランプに付着しても、析出して固体状態にならなければ、そのゴム組成物または加硫ゴムの耐フォギング性は優れることになる。本発明においては、特定の動粘度を有する軟化剤(B)を配合しているので、この軟化剤(B)がステアリン酸とともにゴム組成物または加硫ゴム中から揮発する。このため、揮発した軟化剤(B)が、ガラスやランプに付着したステアリン酸を低温雰囲気においても溶解して析出させない効果によって耐フォギング性が優れるものと推定される。ステアリン酸以外の添加剤についても、上記と同様の作用機作によるものと推定される。
【0028】
【発明の効果】本発明のゴム組成物は、特定の軟化剤を特定量含有しているので、離型剤などの揮発しやすい添加剤が配合されている場合でも耐フォギング性に優れている。本発明の加硫ゴムは、上記組成物からなっているので、耐フォギング性に優れており、自動車用のランプシールゴムパッキンなどに使用された場合もランプやガラスは曇らない。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の優れた効果を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1表1に示す配合剤を1.7 literバンバリーミキサーを用いて140〜150℃の温度で5分間混練した。このコンパウンドを配合物(1)とする。
【0030】
【表1】

*1 エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合ゴム 商品名:三井EPT 3062E、三井石油化学工業(株)製 *2 エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合ゴム 商品名:三井EPT 3045、三井石油化学工業(株)製 *3 亜鉛華3号、堺化学(株)製 *4 商品名:シーストS、東海カーボン(株)製 *5 日本ミストロン(株)製、ミストロンベーパータルク、商標 *6 出光興産(株)製、ダイアナプロセスオイルPX−8、商標、40℃での動粘度8.8mm2/s *7 出光興産(株)製、ダイアナプロセスオイルPW−380、商標、40℃での動粘度381.6mm2/s *8 商品名:サンダントMB、三新化学(株)製【0031】次に、上記配合物(1)を含むゴム組成物を、8インチオープンロール(日本ロール(株)製)に巻付け、このオープンロール上で表2に示す配合処方になるように配合剤を添加し、5分間混練したのち、厚さ3mmでシート出しした。このときロール表面温度は、前ロール50℃、後ロール60℃であった。
【0032】
【表2】

*9 三井石油化学工業(株)製、三井DCP−40C、商標 *10 三新化学(株)製、サンエステルEG、商標【0033】上記配合物を、プレス成形機(コータキ精機(株)製)を用いて、型温度170℃で6分間加熱し、2mm厚の加硫シートを成形した。この加硫シートについて、下記方法によりモジュラス、引張特性、耐熱老化性、耐フォギング性および金型離型性を測定した。結果を表3に示す。
【0034】《モジュラス》JIS K 6251(1993年)に従って測定した。測定温度25℃、引張速度500mm/分の条件で引張試験を行い、100%、200%または300%伸長したときのモジュラスM100、M200またはM300を測定した。
《引張特性》JIS K 6251(1993年)に従って測定した。測定温度25℃、引張速度500mm/分の条件で引張試験を行い、破断時の伸び(EB)と強度(TB)を測定した。
《硬さ試験》JIS 6253に従って、硬さ(HS(JIS A))を測定した。
《耐熱老化性》JIS K 6257(1993年)に従い、160℃のオーブン中に72時間老化させた後、測定温度25℃、引張速度500mm/分の条件で引張試験を行い、破断時の伸びと強度と硬さとを測定し、引張強さ変化率AC(TB)、伸び変化率AC(EB)および硬さ変化(CH)を算出した。
【0035】《耐フォギング性》2mmの加硫シートを直径80mmにカットし、直径84mm×高さ200mmのビーカーに入れる。直径40mmの丸穴のあいたシリコーンパッキンをビーカーの上に載せ、その上に125mm×125mm×3mmのガラス板(ヘイズ:0.2%、60°鏡面光沢度:110%)を置き、丸穴を塞ぐ。ビーカーを160℃に調整されたシリコーンオイルバスに入れ、ビーカーを60mm浸漬した状態で24時間加熱する。加熱終了後に室温中(25℃)で1時間経ってから、丸穴を塞いだ部分のガラスの曇り価(ヘイズ値)をJIS K6714に準拠して測定する。
試験機:ヘイズメーターNDH−20D、日本電色工業(株)、商標温度:23±2℃測定回数:3回【0036】《金型離型性》配合物を、プレス成形機(コータキ精機(株)製)を用いて、型温度170℃で6分間加熱し、2mm厚の加硫シートを成形した。このシートを金型から取り出す時の離形性を、下記基準で評価した。
1:金型から非常に剥がれにくく、金型を開けるのに非常に大きな応力が必要。
2:金型から剥がれにくく、金型を開けるのに大きな応力が必要。
3:金型からやや剥がれにくく、金型を開けるのに応力が必要。
4:金型からスムーズに取り出せるものの、金型を開けるのに多少の応力が必要。
5:金型からスムーズに取り出せ、金型がすんなり開く。
【0037】実施例2実施例1において、PX−8の配合量を3重量部から10重量部、PW−380の配合量を17重量部から10重量部に変更した以外は実施例1と同様に行った。結果を表3に示す。
【0038】実施例3実施例2において、PX−8を流動パラフィン(広島和光純薬(株)製、試薬特級、40℃での動粘度12mm2/s、以下流動パラフィンaという)に変更した以外は実施例2と同様に行った。結果を表3に示す。
【0039】実施例4実施例2において、PX−8を流動パラフィン(商品名:MT−60、松村石油(株)製、40℃での動粘度9.2mm2/s、以下流動パラフィンbという)に変更した以外は実施例2と同様に行った。結果を表3に示す。
【0040】実施例5実施例2において、合成ゴムEPTをSBR 1502(JSR(株)製、商標、ムーニー粘度〔ML1+4(100℃)〕:52、結合スチレン(%):23.5)に変更し、加硫剤をDCP−40C(7重量部)およびサンエステルEG(2重量部)からイオウ(1.75重量部)およびN−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルヘンアミド(1.5重量部)(商品名サンセラーCM、三新化学(株)製)に変更した以外は実施例2と同様に行った。結果を表3に示す。
【0041】比較例1実施例1において、PX−8を配合せず、PW−380の配合量を17重量部から20重量部に変更した以外は実施例1と同様に行った。結果を表4に示す。
【0042】比較例2実施例1において、PX−8の配合量を3重量部から21重量部に変更し、PW−380を配合しなかった以外は実施例1と同様に行った。結果を表4に示す。
【0043】比較例3比較例1において、PW−380をダイアナプロセスオイルPW−32(出光興産(株)製、商標、40℃での動粘度30.9mm2/s)に変更した以外は実施例1と同様に行った。結果を表4に示す。
【0044】
【表3】

【0045】
【表4】

【0046】表3および表4の注*1 エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合ゴム商品名:三井EPT 3062、三井石油化学工業(株)製*2 エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合ゴム商品名:三井EPT 3045、三井石油化学工業(株)製*3 JSR(株)製、商標*4 出光興産(株)製、ダイアナプロセスオイルPW−8、40℃での動粘度8.8mm2/s*5 広島和光純薬(株)製、試薬特級、40℃での動粘度12mm2/s*6 商品名:MT−60、松村石油(株)製、40℃での動粘度9.2mm2/s*7 出光興産(株)製、ダイアナプロセスオイルPW−380、商標、40℃での動粘度381.6mm2/s*8 有機過酸化物、三井石油化学工業(株)製、三井DCP−40C、商標*9 架橋助剤、三新化学(株)製、サンエステルEG、商標*10 架橋助剤、商品名サンセラーCM、三新化学(株)製*11 出光興産(株)製、ダイアナプロセスオイルPW−32、商標、40℃での動粘度30.9mm2/s【0047】表3の結果からわかるように、各実施例の加硫シートは物性、耐熱老化性、金型離形性および耐フォギング性に優れている。表4の結果からわかるように、比較例1および3の加硫シートは、フォギング性試験において15%以上になっており、耐フォギング性に劣っている。また比較例2の加硫シートは、耐熱老化性試験において硬さ変化(CH)が大きく、耐熱老化性に劣っている。
【出願人】 【識別番号】000005887
【氏名又は名称】三井化学株式会社
【出願日】 平成9年(1997)8月22日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】柳原 成
【公開番号】 特開平11−60824
【公開日】 平成11年(1999)3月5日
【出願番号】 特願平9−226846