| 【発明の名称】 |
ポリカーボネート系樹脂発泡体の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】山口 勝己
【氏名】小林 弘典
【氏名】塩山 泰章
|
| 【要約】 |
【課題】本発明は、ポリカーボネート系樹脂発泡体を得るための製造工程を1工程にして、しかも本来ポリカーボネート系樹脂が有する物性的特徴をそのまま維持したまま、発泡特性を改善できる製造方法を提供する。
【解決手段】ポリカーボネート系樹脂に、ポリエステル系樹脂を混合した基材樹脂に、架橋剤と発泡剤とを添加して押出発泡する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ポリカーボネート系樹脂にポリエステル系樹脂を混合した基材樹脂に、架橋剤と発泡剤とを添加して押出発泡することを特徴とするポリカーボネート系樹脂発泡体の製造方法。 【請求項2】 ポリカーボネート系樹脂100重量部に、ポリエステル系樹脂3〜100重量部を混合したことを特徴とする請求項1に記載のポリカーボネート系樹脂発泡体の製造方法。 【請求項3】 架橋剤が1分子中にカルボン酸無水物を2個有する化合物、及び多官能エポキシ化合物から選ばれる少なくとも1種を使用することを特徴とする請求項1、2に記載のポリカーボネート系樹脂発泡体の製造方法。 【請求項4】 基材樹脂に金属、及び金属化合物なる群から選ばれる少なくとも1種を添加することを特徴とする請求項1、2、3に記載のポリカーボネート系樹脂発泡体の製造方法。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電子レンジ等で使用可能な耐熱性食品容器等に熱成形できるポリカーボネート系樹脂発泡体の製造方法に関し、さらに詳細には、押出発泡成形性を改善するとともに、高倍で独立気泡率が高く、外観及び成形性に優れたポリカーボネート系樹脂発泡体の製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術と解決しようとする課題】ポリカーボネート樹脂は、耐熱性、耐老化性、耐水性、電気的及び機械的性質に優れているから、工業資材、建築資材、包装材、各種容器等への用途展開が期待されている。また、耐熱性が要求される電子レンジ用容器やレトルト食品用容器や、耐寒性が要求される冷凍食品用容器として有用である。また、軽量化や断熱性、緩衝性を付加する目的で、各種物性に優れるポリカーボネート樹脂を発泡させる試みが行われてきた。ところが、ポリカーボネート系樹脂を単独で発泡させようとしても、発泡適正温度における樹脂の溶融張力が低いため、通常の押出発泡法で独立気泡率の高い、密度の小さい発泡体を得るのは困難であった。 【0003】また、特開平6−57026号公報では、ポリカーボネート樹脂に1〜40重量%のポリエチレンテレフタレート樹脂を混合、分散してなるポリマーアロイを発泡母材とし、平均気泡径が5μm以下の気泡を含有する熱可塑性樹脂発泡体が開示されている。この熱可塑性樹脂発泡体は、微細気泡を有し、目視による表面凹凸がなく、しかも衝撃強度の大きい発泡体であるとされている。しかしながら、上記したような平均気泡径が5μm以下の気泡を含有する発泡体を製造するには、ポリカーボネート樹脂のペレットとポリエチレンテレフタレート樹脂のペレットをドライブレンドして、押出機に供給し、いったんシート状に成形した後、得られたシートを高圧容器に不連続的あるいは連続的に送り、非反応ガスを30kg/cm2以上の圧力で1時間以上含有させ、前記のガスを含有したシートを熱風循環乾燥機等で加熱して発泡することが必要である。すなわち、特開平6−57026号公報では、いったん非反応ガスを含有した未だ発泡しないシート製造する工程、さらに前記シートを熱風循環乾燥機等で加熱して発泡する工程の2つの工程を必要とするため、製造効率が良くない。さらに、発泡温度を高温側にすると、発泡体の表面の凹凸が大きくなり、実用に耐えなくなるので、発泡倍率はせいぜい2〜3倍程度が限界であった。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は、これらの課題を解決し、すなわち、発泡体を得るための製造工程を1工程にして、しかも本来ポリカーボネート系樹脂が有する物性的特徴をそのまま維持したまま、発泡特性を改善できる製造方法を鋭意研究したものであって、ポリカーボネート系樹脂にポリエステル系樹脂を混合した基材樹脂に、架橋剤と発泡剤とを添加して押出発泡することを特徴とするポリカーボネート系樹脂発泡体の製造方法である。また、本発明は、ポリカーボネート系樹脂100重量部に、ポリエステル系樹脂3〜100重量部を混合した基材樹脂に、架橋剤と発泡剤とを添加して押出発泡することを特徴とするポリカーボネート系樹脂発泡体の製造方法である。本発明では、ポリカーボネート系樹脂に、ポリエステル系樹脂を混合した基材樹脂に、架橋剤と発泡剤とを添加して押出発泡成形するので、溶融時の溶融粘度、溶融張力及び弾性特性を改善することができ、したがって、独立気泡率の高い、低密度なポリカーボネート系樹脂発泡体を容易に製造することができる。 【0005】特に、本発明で使用する架橋剤として、1分子中にカルボン酸無水物を2個有する化合物又は多官能エポキシ化合物を使用したものは、基材樹脂の溶融張力を増大する効果が大きいので、押出発泡をより容易に行うことができる。これは、架橋剤によって基材樹脂中のポリエステル系樹脂が架橋され、基材樹脂全体の溶融張力が増大した結果だと推察される。さらに、ポリカーボネート系樹脂100重量部に、ポリエステル系樹脂3〜100重量部を混合した基材樹脂に金属、金属化合物なる群から選ばれる少なくとも1種を添加することで、上記したような架橋を促進することができるので、基材樹脂全体の溶融張力を増大することができるので、押出発泡をより容易とすることができる。 【0006】上記したように基材樹脂中のポリエステル系樹脂を架橋させることで、基材樹脂全体の溶融張力を増大することができるので、すなわち、発泡温度付近での溶融張力が増大できるので、押出機先端の金型から低圧部に押し出され発泡する際形成される気泡が、発泡圧力に十分耐えることができ、その結果、気泡は破壊されずに形状を維持できる。よって、得られたポリカーボネート系樹脂発泡体を、独立気泡率の高い、密度の小さい発泡体とすることができる。また、本発明の発泡体は、シート状に限らず、板状、円筒状、ブロック状、柱状のものであってもよい。 【0007】本発明では、ポリカーボネート系樹脂100重量部に、ポリエステル系樹脂3〜100重量部を混合した基材樹脂を使用することが好ましい。この理由は、ポリエステル系樹脂が3重量部未満だと、ポリカーボネート系樹脂の発泡成形性を改善できないからで、一方、ポリエステル系樹脂が100重量部を超えると、ポリカーボーネート系樹脂の特性が失われてしまうので好ましくないからである。 【0008】本発明に使用できるポリカーボネート樹脂は、炭酸とグリコール又はビスフェノールから形成されるポリカーボネートである。そして、分子鎖にジフェニルアルカンを有する芳香族ポリカーボネートは、結晶性が高く高融点の上に、耐熱性、耐候性及び耐酸性に優れているから好適である。このようなポリカーボネートとしては、2,2−ビス(4−オキシフェニル)プロパン(別名ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−オキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−オキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−オキシフェニル)イソブタン、1,1−ビス(4−オキシフェニル)エタン等のビスフェノールから誘導されるポリカーボネートが例示できる。芳香族ポリカーボネート成分としてポリ(エステルカーボネート)も例示できる。これらは、線状のポリマー鎖中に繰り返してカーボネート基、カルボキシレート基及び芳香族炭素環式基を有するコポリエステルである。ただし、カルボキシレート基の少なくともいくつかは芳香族炭素環式基の環炭素原子に直接結合している。これら芳香族ポリカーボネートの他に、それらを分岐化させて得られる分岐化ポリカーボネートも例示できる。 【0009】また、本発明で使用できるポリエステル系樹脂は、芳香族ジカルボン酸成分とジオール成分の重縮合体の線状ポリエステルであり、ジカルボン酸成分としてはテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸等であり、又、ジオール成分としてはエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、シクロヘキサンジメチロール、2、2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、4−4’−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ジフェニルスルホン、ジエチレングリコール等である。しかして、用いられるポリエステル系樹脂として好適なものとしてはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンテレフタル酸、ポリブチレンテレフタレートエラストマー、非晶性ポリエチレンテレフタレート等であり、これらの樹脂単独もしくは、これらの樹脂を複数混合しても良く、また、これらの樹脂を50重量%以上含む変性樹脂等が挙げられる。 【0010】本発明で使用できる架橋剤としては、1分子中にカルボン酸無水物を2個有する化合物又は多官能エポキシ化合物が好ましく、これらから選ばれる少なくとも1種を使用することが必要である。1分子中にカルボン酸無水物を2個有する化合物としては、ピロメリット酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコール(アンヒドロトリメリテート)及びグリセロール(アンヒドロトリメリテート)を使用することが好ましく、またピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物が特に好ましい。 【0011】多官能性エポキシ化合物としては、ジグリシジルテレフタレート、ジグリシジルオルトフタレート、ジグリシジルヘキサヒドロフタレート、4官能窒化エポキシ(例えば三菱瓦斯化学社製TETRAD−D)、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレンジグリシジルエーテル、ビスフェノールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、水添BP−Aジグリシジルエーテル、2、2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルを使用することが好ましく、ジグリシジルテレフタレート、ジグリシジルオルトフタレート、ジグリシジルヘキサヒドロフタレート、4官能窒化エポキシが特に好ましい。 【0012】架橋剤として、好ましくは上記の1分子中にカルボン酸無水物を2個有する化合物又は多官能エポキシ化合物を添加することによって、ポリカーボネート樹脂に混合しているポリエステル系樹脂に架橋構造が導入され、これにより溶融時の溶融粘度、溶融張力及び弾性特性が好ましく変化し、その結果ポリカーボネート樹脂が容易に発泡できるようになると考えられる。 【0013】架橋剤の使用量は、押出条件、所望する倍率等によって適宜使用すればよいが、ポリエステル系樹脂100重量部に対して、0.01〜5.0重量部が好ましい。架橋剤の量が0.01重量部よりも少ないと、材料混合物の溶融時の粘弾性的特性が改善されず、微細な気泡が均一に分散した良好な発泡成形体を得ることが困難である。一方、5重量部よりも多いと、材料混合の溶融物がゲル化して、安定した押出発泡成形を行うことが困難になる。 【0014】本発明において、さらに、金属、金属化合物から選ばれる少なくとも1種を添加することにより架橋を促進することができる。このような金属、金属化合物としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム等の炭酸金属塩及びモンタン酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛、パルミチン酸カリウム等の脂肪酸金属塩が挙げられる。このような金属、金属化合物は架橋剤100重量部に対して、1〜100重量部、好ましくは5〜60重量部使用することが好ましい。 【0015】本発明に使用できる発泡剤は、不活性ガス、飽和脂肪族炭化水素、飽和脂環族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル、ケトン等で挙げられる。具体的な例示としては、炭酸ガス、窒素、メタン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ノルマルヘキサン、2−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、メチルシクロプロパン、シクロペンタン、1,1−ジメチルシクロプロパン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、エチルシクロブタン、1,1,2−トリメチルシクロプロパン、ベンゼン、トリクロルモノフルオロメタン、ジクロルフルオロメタン、モノクロルジフルオロメタン、トリクロルトリフルオロエチレン、ジクロルテトラフルオロエチレン、クロルエチル、クロルメチル、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、ジフルオロエタン、1−クロル,1,1−ジフルオロエタン、1,1−ジクロル,2,2,2−トリフルオロエタン、1,1−ジクロル,1−フルオロエタン、ジフルオロメタン、トリフルオロメタン、ペンタフルオロメタン、トリフルオロエタン、ペンタフルオロプロパン、ジメチルエーテル、2−エトキシエタノール、アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトンなどである。また、分解型発泡剤も使用できるが、発泡倍率を上げる観点から、無機発泡剤、揮発性発泡剤を使用することが好ましく、中でも、ペンタン、ブタンが好ましい。発泡剤は、単独又は2種以上混合して使用してもよく、例えば無機発泡剤と揮発性発泡剤のように異なった型の発泡剤の併用も可能である。 【0016】本発明でいう混合とは、ドライブレンド等の一般的ポリマーブレンドをすべて含む。本発明の基材樹脂には、更に安定剤、核剤、顔料、難燃剤、帯電防止剤、粘弾性改質助剤、気泡調整剤その他の添加剤を加えることができる。本発明の方法においては、用いられる架橋剤、金属化合物及び発泡剤の種類と量、押出機の構造、温度その他の条件を変えることにより、希望する発泡倍率に調節することができる。 【0017】本発明により製造された発泡体はその優れた性質により種々の分野で使用することができ、特に電子レンジ等で使用できる耐熱性食品容器等に熱成形して好適に使用できる。本発明のポリカーボネート系樹脂発泡体を製造するに際して、基材樹脂と架橋剤とは次の手段によって混合することができる。例えば、基材樹脂に粉末状の架橋剤を100℃以下の温度でまぶして混合するとか、あらかじめ架橋剤を熱可塑性樹脂と溶解混合してペレットを造り、このペレットを基材樹脂と混合する。(ここで用いられる熱可塑性樹脂はポリエステル系樹脂と同一でも異なってもよいが、ポリエステル系樹脂と相溶性のよいものが好ましい)。また、あらかじめ基材樹脂を押出発泡成形機のホッパーに供給し、押出発泡成形機のシリンダーに設けられた供給口から架橋剤を供給して混合する方法もある。いずれの方法により混合する場合でも、基材樹脂の含有水分はできるだけ少なくすることが望ましい。 【0018】本発明では、ポリカーボネート系樹脂を円滑に発泡させるために、樹脂と発泡剤との溶融混練物中に必要に応じて気泡調整剤を添加することができる。この場合の気泡調整剤としては、タルク、シリカ、マイカ、雲母等の無機粉末、多価カルボン酸の酸性塩、多価カルボン酸と炭酸ナトリウム又は重炭酸ナトリウムとの混合物等が好ましい。これらの気泡調整剤は1種または2種以上併用して用いてもよい。その添加量は、樹脂100重量部当り0.01〜5.0重量部、好ましくは0.05〜3.0重量部とするのが良い。0.01重量部より少ないと十分な気泡調整効果が得られず、一方5重量部より多いとセル径が小さくなりすぎて得られる発泡成形品の物性、成形性が低下するため好ましくない。 【0019】また、本発明の発泡体には、難燃剤、熱安定剤、耐候性向上剤、着色剤等のように、通常の発泡体に添加される公知の添加剤を添加することができる。以上のように本発明の製造方法で得られたポリカーボネート系樹脂発泡体は、独立気泡率の高く、成形性が良い上に、ポリカーボネート系樹脂が本来有する低温脆性、耐熱性、耐薬品性、耐老化性、耐水性に加え、断熱性、軽量性、緩衝性、柔軟性、耐衝撃性と、美麗な外観とを兼ね備えた押出発泡体である。 【0020】 【発明実施の態様】以下、実施例により更に具体的に本発明を説明する。 実施例1.分子量25000のポリカーボネート樹脂とIV値1.0のポリエチレンテレフタレート樹脂をそれぞれ60重量%と40重量%配合した混合樹脂100重量部に対し、タルク1.2重量部と架橋剤としてピロメリット酸無水物を0.16重量部配合した原料を押出機に供給し加熱溶融させた後、発泡剤としてイソペンタンを0.2モル/kg押出機に圧入することにより得られる溶融混練物を樹脂温度268℃に冷却した後、押出機先端に取り付けたサーキュラー金型(口径80φ、スリット0.5mm)より円筒状に押出し、引き取り機にてラインスピード3.6m/minで引き取りプラグで冷却後切開して幅640mm、厚み1.2mmの発泡シートを得た。この時の押出吐出量は36kg/hrで、押出機ヘッドの圧力は250kg/cm2であった。得られた発泡シートの密度、連続気泡率及び独立気泡率を表1に示した。 【0021】 【表1】
【0022】なお、連続気泡率及び独立気泡率は下記のようにして測定した。 (連続気泡率及び独立気泡率の測定方法)得られたシートサンプルを一辺2.5cmの正方形切片に数枚切り出し、それを重ね合わせて立方体を作りその見かけ体積をノギスを使用して測定する。次に重量を測定し、最後に東京サイエンス社製空気比較式比重計を用いて立方体の真体積を測定する。それぞれ得られた値を、見かけ体積をA、重量をW、真体積をVとすると連続気泡率及び独立気泡率は次式で計算される。 連続気泡率=(A−V)/A×100独立気泡率=(V−W/1.2)/A×100(ただし、1.2はポリカーボネート樹脂の比重) 【0023】実施例2.実施例1と同じ樹脂配合の処方を用い該配合原料を実施例と同様に押出機に供給し加熱溶融させた後、発泡剤としてブタン0.2モル/kgを押出機に圧入する事により得られる溶融混練物を押出機先端に取り付けたサーキュラー金型(口径80φ、スリット0.4mm)より樹脂温度259℃に冷却した後、円筒状に押出し、引き取り機にてラインスピード2.3m/minで引き取りプラグで冷却後切開して幅640mm、厚み2.1mmの発泡シートを得た。この時の押出吐出量は33kg/hrで、押出機ヘッド圧力は170kg/cm2であった。得られた発泡シートの密度、連続気泡率及び独立気泡率を表1に示した。 【0024】実施例3.実施例1のポリカーボネート樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂の混合割合をそれぞれ85重量%と15重量%にした以外は実施例1と同じ方法で樹脂温度250℃に冷却した後、押出機先端に取り付けたサーキュラー金型(口径80φ、スリット0.5mm)より円筒状に押出し、引き取り機にてラインスピード3.6m/minで引き取りプラグで冷却後切開して、幅640mm、厚み1.3mmの発泡シートを得た。この時の押出吐出量は33kg/hrで、押出機ヘッド圧力は185kg/cm2であった。得られた発泡シートの密度、連続気泡率及び独立気泡率を表1に示した。 【0025】実施例4.分子量25000のポリカーボネート樹脂とIV値0.88のポリエチレンテレフタレート樹脂をそれぞれ60重量%と40重量%配合した混合樹脂100重量部に対し、タルク1.2重量部とピロメリット酸無水物を0.16重量部、そして架橋助剤として炭酸ナトリウム0.01重量部配合した原料を押出機に供給し加熱溶融させた後、発泡剤としてブタンを0.2モル/kg押出機に圧入することにより得られる溶融混練物を樹脂温度266℃に冷却した後、押出機先端に取り付けたサーキュラー金型(口径80φ、スリット0.4mm)より円筒状に押出し、引き取り機にてラインスピード2.3m/minで引き取りプラグで冷却後切開して幅640mm、厚み2.1mmの発泡シートを得た。この時の押出吐出量は33kg/hrで、押出機ヘッド圧力は235kg/cm2であった。得られた発泡シートの密度、連続気泡率及び独立気泡率を表1に示した。 【0026】実施例5.分子量25000のポリカーボネート樹脂とIV値1.0のポリエチレンテレフタレート樹脂をそれぞれ50重量%と50重量%配合した混合樹脂100重量部に対し、タルク1.2重量部と架橋剤としてピロメリット酸無水物を0.16重量部配合した原料を押出機に供給し加熱溶融させた後、発泡剤としてブタンを0.2モル/kg押出機に圧入することにより得られる溶融混練物を樹脂温度265℃に冷却した後、押出機先端に取り付けたサーキュラー金型(口径80φ、スリット0.5mm)より円筒状に押出し、引き取り機にてラインスピード3.6m/minで引き取りプラグで冷却後切開して幅640mm、厚み1.4mmの発泡シートを得た。この時の押出吐出量は36kg/hrで、押出機ヘッド圧力は250kg/cm2であった。得られた発泡シートの密度、連続気泡率及び独立気泡率を表1に示した。 【0027】比較例1.分子量25000のポリカーボネート樹脂100重量部に対し、タルク1.2重量部を配合した原料を押出機に供給し加熱溶融させた後、発泡剤としてイソペンタンを0.2モル/kg押出機に圧入することにより得られる溶融混練物を樹脂温度240℃に冷却した後、押出機先端に取り付けたサーキュラー金型(口径80φ、スリット0.5mm)より円筒状に押出し、引き取ろうとしたが張力が弱く引き取りができなかった。この時の押出吐出量は33kg/hrで、押出機ヘッド圧力は60kg/cm2であった。 【0028】比較例2.ピロメリット酸無水物を添加しないこと以外は実施例1と同じ処方で、樹脂温度を256℃に冷却した後、押出機先端に取り付けたサーキュラー金型(口径80φ、スリット0.5mm)より円筒状に押出し、引き取り機にてラインスピード4.0m/minで引き取りプラグで冷却後切開して幅640mm、厚み0.7mmの発泡シートを得た。この時の押出吐出量は36kg/hrで、押出機ヘッド圧力は87kg/cm2であった。得られた発泡シートの密度、連続気泡率及び独立気泡率を表2に示した。 【0029】 【表2】
【0030】 【発明の効果】本発明のポリカーボネート系樹脂発泡体の製造方法によれば、ポリカーボネート系樹脂にポリエステル系樹脂を混合した基材樹脂に、架橋剤を混合することによって、ポリカーボネート系樹脂の耐熱性、機械的性質など優れた特性を維持したままで、溶融粘度、溶融張力等の押出発泡性において、驚くべき樹脂の改質が可能となり、ポリカーボネート系樹脂の押出発泡成形が容易となる。その結果、押出発泡性が大幅に改善され、倍率の高い外観が極めて良好な発泡体を得ることができる。また、ポリカーボネート系樹脂が本来有する低温脆性、耐熱性、耐薬品性に加え、断熱性、軽量性、緩衝性及び柔軟性に優れるポリカーボネート系樹脂発泡体を得ることができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000002440 【氏名又は名称】積水化成品工業株式会社
|
| 【出願日】 |
平成9年(1997)8月29日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】田中 宏 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開平11−80411 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)3月26日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−234975 |
|