| 【発明の名称】 |
化粧用フィルム |
| 【発明者】 |
【氏名】飯田 明
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| 【要約】 |
【課題】塩化ビニル樹脂以外の材料を用いて塩化ビニル樹脂のもつ特性と同等以上の優れた特性を有するとともにエンボス加工性の優れた化粧用フィルムならびに耐熱性の優れた化粧用フィルムを提供すること。
【解決手段】メルトフローレートが0.3〜20g/10分間であるポリプロピレンまたはポリプロピレン100重量部に対して酸化チタンの微粒子を10〜50重量部添加したものを用いる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 木質系ボードもしくは無機系ボードまたは鋼板の表面に接着して使用される化粧用フィルムであって、メルトフローレートが0.3〜20g/10分間であるポリプロピレンからなる化粧用フィルム。 【請求項2】 木質系ボードもしくは無機系ボードまたは鋼板の表面に接着して使用される化粧用フィルムであって、ポリプロピレン100重量部に対して酸化チタンの微粒子を10〜50重量部添加したものからなる化粧用フィルム。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、建築用材料や家具用材料等に使用される木質系ボードもしくは無機系ボードまたは鋼板の表面に貼着して使用される化粧用フィルムに関する。 【0002】 【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来、この種のフィルムに使用される素材としては塩化ビニル樹脂が一般的であり、また、製品に美観を付与するため、フィルム表面に印刷加工やエンボス加工等が行われている。 【0003】しかし、塩化ビニル樹脂は焼却時に有害な塩化水素ガスが発生するという問題がある。また、塩化ビニル樹脂フィルムにエンボス加工を行っても、エンボス加工を行った温度近くになると、エンボスが消えてしまうという欠点がある。例えば、塩化ビニル樹脂フィルムをラミネートした鋼板をレンジ、オーブンなどの厨房製品として使用した場合、エンボス加工温度に近い130℃以上になると、表面エンボスが消えてしまい、美観が損なわれてしまうという問題がある。 【0004】一方、塩化ビニル樹脂は、適度な柔軟性と、耐摩耗性と、表面硬度と、耐薬品性と、耐汚染性等のバランスのとれた優れた特性を有する汎用樹脂として重宝されている。 【0005】しかしながら、上記した塩化ビニル樹脂のもつ特性と同等以上の優れた特性を有し、しかも、エンボス加工性の優れた化粧用フィルムは提供されていない。 【0006】本発明は従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、塩化ビニル樹脂以外の材料を用いて塩化ビニル樹脂のもつ特性と同等以上の優れた特性を有するとともにエンボス加工性の優れた化粧用フィルムならびに耐熱性の優れた化粧用フィルムを提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明の要旨は、メルトフローレートが0.3〜20g/10分間であるポリプロピレン樹脂を化粧用フィルムとして用いることにより、エンボス加工性に優れ、焼却時に有害な塩化水素ガスが発生することはないフィルムを提供できる。しかも、ポリプロピレン樹脂の有する加工性等の特性は塩化ビニル樹脂に匹敵している。 【0008】しかし、ポリプロピレン樹脂の融点は130〜160℃であり、鋼板化粧フィルムとして用いるために鋼板にラミネートするとき、その融点以上の温度がかかると、溶解して収縮するという欠点がある。また、その上に熱いなべを載せたり、レンジ等に使用すると、表面のエンボスが消えてしまう欠点がある。 【0009】そこで、ポリプロピレン樹脂に適量の酸化チタンの微粒子を配合したフィルムを用いることにより、ポリプロピレンフィルムが溶融しても、酸化チタンが溶融時の粘度を増加させるので、フィルムの収縮を抑え、フィルムの形状を保つことができる。 【0010】 【発明の実施の形態】すなわち、本発明は、木質系ボードもしくは無機系ボードまたは鋼板の表面に接着して使用される化粧用フィルムであって、メルトフローレートが0.3〜20g/10分間であるポリプロピレンからなる化粧用フィルムを第一の発明とする。 【0011】塩化ビニル樹脂は非晶質のポリマーで、分子がゴム的な弾性を有している。常温ではガラス転移温度以下であるから、分子運動が小さくてゴム的な弾性挙動は抑えられる。しかし、温度を上げると、ゴム的な弾性が発現されるので、このときエンボス加工されるとフィルムは容易に変形し、その後急冷することによって形状が固定される。その後、エンボス加工した温度に上げると、ゴム的な弾性が発揮されて分子が自由に運動するため、エンボス加工が消えてしまう。ところが、ポリプロピレンは結晶性のポリマーであり、ゴム的な弾性を有しないので、エンボス加工が消えることはない。 【0012】ポリプロピレンのメルトフローレートは、JISK−7210に基づいて、試験温度=230℃、試験荷重=2.16kgにおいて、0.3〜20g/10分間のものが好ましい。メルトフローレートがこの数値未満のものはなく、上限値を超えると、フィルム加工が困難になるからである。 【0013】ポリプロピレンフィルムの厚さは、0.05〜0.4mmのものが好ましく用いられる。上記範囲を外れると、鋼板等への貼合が困難になるからである。 【0014】ポリプロピレンとしては、エチレンをランダムに共重合したものを好適に用いることができる。共重合していないものは、硬すぎて鋼板等への貼合が困難になるからである。 【0015】また、本発明は、木質系ボードもしくは無機系ボードまたは鋼板の表面に接着して使用される化粧用フィルムであって、ポリプロピレン100重量部に対して酸化チタンの微粒子を10〜50重量部添加したものからなる化粧用フィルムを第二の発明とする。 【0016】酸化チタンの微粒子は、小さく極性を有するため、樹脂中で規則正しい構造をとり、溶融時の粘度を増加させる。そのため、樹脂が溶融しても、フィルムの収縮を抑えることができるので、フィルムの形状を保つことができる。 【0017】ポリプロピレン樹脂100重量部に対する酸化チタンの微粒子の添加量が10重量部未満では、上記収縮防止効果が期待できず、一方、酸化チタンの微粒子の添加量が50重量部を超えると、流動性がなくなり、フィルム加工が困難になる。 【0018】酸化チタンはルチル型でもアナターゼ型でもよい。 【0019】酸化チタンの微粒子の平均粒子径は、0.15〜0.3μmのものが好ましく用いられる。0.15μm未満では凝集しやすく、分散が困難になるからであり、0.3μmを超えるものは工業的に生産されていないからである。 【0020】 【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。 【0021】(1)第1実施例 ポリプロピレン樹脂100重量部に顔料マスターバッチ10重量部(住化カラー株式会社製の「SPEMー7G009」)を加えて混合した。この混合物を1軸押出機を用いてTダイスより180〜220℃の温度で押し出し、0.2mm厚さのフィルムを作製した。そして、このフィルムを120℃に加熱し、40℃のエンボスロールとゴムロールの間でエンボス加工を施した。エンボスロールの深さは80μm、得られたフィルムのエンボス深さは、50μmであった。このようにして、メルトフローレートが0.5g/10分間のフィルムと6.5g/10分間のフィルムと18g/10分間のフィルムとを得た。 【0022】また、比較例1として、上記実施例と同じ方法でメルトフローレートが22g/10分間のフィルムを得ようとしたが、フィルムに加工できなかった。 【0023】さらに、比較例2として、塩化ビニル樹脂100重量部に、酸化チタン5重量部と、可塑剤30重量部と、エポキシ化大豆油3重量部と、安定剤2重量部を加えて混合し、この混合物を170℃のロールで混練し、厚さ0.2mmのフィルムを作製した。そして、このフィルムを160℃に加熱し、40℃のエンボスロールとゴムロールの間でエンボス加工を施した。エンボスロールの深さは80μm、得られたフィルムのエンボス深さは、50μmであった。 【0024】以上のようにして得た各フィルムについて、加熱後のエンボス高さの変化を調査した。その方法は、フィルムをオーブンに入れて130℃で3分間加熱し、加熱後にエンボス高さに変化が見られなかったものを良、加熱後にエンボス高さが10%以上低下したものを不良とするものである。 【0025】その結果、上記実施例のフィルムはすべてエンボス高さに変化は見られず、良好なエンボス加工性を示した。 【0026】しかし、比較例1のものは、上記したようにフィルムに加工できなかった。また、比較例2のものは、加熱後にエンボス高さが10%以上低下し、エンボス加工性は不良であった。 【0027】(2)第2実施例 ポリプロピレン樹脂100重量部にルチル型の酸化チタン微粒子を13重量部、25重量部もしくは40重量部添加するかまたはアナターゼ型の酸化チタン微粒子を25重量部添加して混合し、この混合物を丸ダイスを取り付けた2軸押出機に投入した。そして、押出機とダイスの温度を180〜220℃に設定し、丸ダイスから押し出されたものを切断してペレットを得た。次いで、このペレットを、Tダイスを取り付けた1軸押出機により180〜220℃の温度で押し出し、厚さ0.2mmのフィルムを得た。 【0028】また、比較例1として、ルチル型の酸化チタン微粒子の添加量を8重量部とした以外は上記実施例と同じ方法で厚さ0.2mmのフィルムを得た。 【0029】さらに、比較例2として、アナターゼ型の酸化チタン微粒子の添加量を55重量部とした以外は上記実施例と同じ方法で厚さ0.2mmのフィルムを得ようとしたが、フィルムに加工できなかった。 【0030】以上のようにして得た各フィルムについて、加熱後の収縮率の変化(厚さの変化)を調査した。その方法は、フィルムをオーブンに入れて150℃で5分間加熱し、加熱後にフィルムの厚さの収縮率が20%以下のものを良好とし、同厚さの収縮率が20%超〜30%以下のものを合格とし、同厚さの収縮率が30%超のものを不良とするものである。 【0031】その結果、上記実施例のフィルムの収縮率は、酸化チタンの添加量が13重量部のものは合格の範囲であり、他の添加量のものはすべて良好の範囲であった。しかし、比較例1のフィルムの収縮率は不良の範囲であった。また、比較例2のものは、上記したようにフィルムに加工できなかった。 【0032】 【発明の効果】本発明によれば、塩化ビニル樹脂以外の材料を用いて塩化ビニル樹脂のもつ特性と同等以上の優れた特性を有するとともにエンボス加工性の優れた化粧用フィルムならびに耐熱性の優れた化粧用フィルムを提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005061 【氏名又は名称】バンドー化学株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)9月16日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】角田 嘉宏 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−80384 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)3月26日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−250914 |
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