| 【発明の名称】 |
熱可塑性ポリウレタンの製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】トーマス、ゼルファイ
【氏名】マルクス、レーバーフィンガー
【氏名】ディーター、ニチュケ
|
| 【要約】 |
【課題】増大された熱変形耐性を有するポリイソシアナート付加重合生成物、ことに熱可塑性ポリイソシアナート付加重合生成物(熱可塑性ポリウレタン、略してTPUとも称される)を製造する方法を開発すること。
【解決手段】(a)イソシアナートと、(b)イソシアナートに対して反応性であり、451から8000の分子量を有する化合物とを、(c)連鎖延長剤、必要に応じてさらに(d)架橋剤、(e)触媒および/または(f)慣用の助剤および/または添加剤の存在下において、反応させること、上記延長剤として、1,3−および/または1,2−プロパンジオールを使用すること、および反応を104またはこれより大きいインデックスで行なうことを特徴とする、ポリイソシアナート重付加生成物の製造方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (a)イソシアナートと、(b)イソシアナートに対して反応性であり、451から8000の分子量を有する化合物とを、(c)連鎖延長剤、必要に応じてさらに(d)架橋剤、(e)触媒および/または(f)慣用の助剤および/または添加剤の存在下において、反応させること、上記延長剤として、1,3−および/または1,2−プロパンジオールを使用すること、および反応を104またはこれより大きいインデックスで行なうことを特徴とする、ポリイソシアナート重付加生成物の製造方法。 【請求項2】 (a)イソシアナートと、(b)イソシアナートに対して反応性であり、451から8000の分子量および1.8から2.6の平均官能性を有する化合物とを、(c)連鎖延長剤、(e)触媒および/または(f)慣用の助剤および/または添加剤の存在下に反応させること、上記延長剤として、1,3−および/または1,2−プロパンジオールを使用すること、および反応を104またはこれより大きいインデックスで行なうことを特徴とする、熱可塑性ポリイソシアナート重付加生成物の製造方法。 【請求項3】 1,3−および/または1,2−プロパンジオールのほかに、さらに芳香族連鎖延長剤を使用することを特徴とする、請求項(1)の方法。 【請求項4】 芳香族連鎖延長剤として、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)ベンゼンを使用することを特徴とする、請求項(3)の方法。 【請求項5】 請求項(1)の方法により製造されたポリイソシアナート重付加生成物。 【請求項6】 請求項(2)の方法により製造された熱可塑性ポリイソシアナート重付加生成物。 【請求項7】 請求項(6)の熱可塑性ポリイソシアナート重付加生成物の、ケーブル外装、ファイバー、各種成形体、自動車内装、填隙材、ケーブルプラグ、ベロー、ホース、フィルム、ローラー、曳船ケーブル、ストラップまたは緩衝部材としての用途。 【請求項8】 請求項(6)の熱可塑性ポリイソシアナート重付加生成物を含有するケーブル外装、ファイバー、各種成形体、自動車内装、填隙材、ケーブルプラグ、ベロー、ホース、フィルム、ローラー、曳船ケーブル、ストラップまたは緩衝部材。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【技術分野】本発明は、(a)イソシアナートと、(b)イソシアナートに対して反応性であり、451から8000の分子量を有する化合物とを、(c)連鎖延長剤、必要に応じてさらに(d)架橋剤、(e)触媒および/または(f)慣用の助剤および/または添加剤の存在下において、反応させることにより、ポリイソシアナート重付加生成物を製造する方法、およびこの方法により得られるポリイソシアナート重付加生成物に関する。本発明は、ことに、(a)イソシアナートと、(b)イソシアナートに対して反応性であり、451から8000の分子量および1.8から2.6の平均官能性を有する化合物とを、(c)連鎖延長剤、(e)触媒および/または(f)慣用の助剤および/または添加剤の存在下に反応させることにより熱可塑性ポリイソシアナート重付加生成物を製造する方法、およびこのようにして得られる熱可塑性生成物に関する。 【0002】 【従来技術】ポリイソシアナート重付加生成物およびこれを製造する方法は、一般的に知られており、多くの刊行物に記載されている。このような重付加生成物の下位概念に属する生成物として、一般的に熱可塑性ポリウレタンと称されている熱可塑性ポリイソシアナート重付加生成物が存在する。このようなTPUは、部分的結晶性材料であり、熱可塑性エラストマーの類に属する。これらは、イソシアナートから成る部分的結晶性硬質ブロックと、低分子量の連鎖延長剤と、典型的に、比較的高い分子量を有し、イソシアナートに対して反応性の化合物、通常、ポリエステルジオールおよび/またはポリエーテルオールから成る無定形軟質ブロックとから構成される。TPUの弾性的挙動のためには、これら各相の極めて良好な微小形態学的分離が、必要な前提条件である。硬質ブロックは、その部分的結晶性の故に物理的架橋作用をするが、これは硬質ブロックの融点以上の温度において可逆的に阻害され、従って材料の熱可塑性成形を可能ならしめる。軟質ブロックは、室温において、可塑性もしくは液状状態であって、TPUの易変形性をもたらす。変形後、物理的架橋作用は、原状への弾性的回復を可能ならしめる。TPUは、有利な材料特性、例えば、低摩耗性、良好な対化学品耐性、高い可撓性と共に、高い強度を兼ね備えている。さらにTPUは、連続的にも非連続的にも行なわれ得る、ベルト法、押出法のような廉価な方法で製造されることができ、また簡単な熱塑性処理の点に関しても有利である。 【0003】また、出発材料組成分の多様性の故に、製造されるべき製品に、広い硬さ範囲にわたる広い範囲の特性を持たせ得る。熱変形耐性、従って、ことに80℃以上の温度における材料の使用特性も、硬質ブロックの溶融挙動、すなわち物理的架橋の質によりほぼ決定され得る。 【0004】(a)MDI、(b)ポリエステルジオールおよび/またはポリエーテルジオール、および(c)ブタンジオールを基礎として製造される熱可塑性ポリウレタン(TPU)は、80℃以上において、その熱変形耐性を部分的に失ない、従ってこの成形材料はもはや原形に復帰しない。TPUを、比較的高温で、静態的もしくは動態的負荷下に使用し得るようにするためには、成形用材料の熱変形耐性を、従来のTPUのそれ以上に高めねばならない。 【0005】ことに高温において、TPUの弾性率を改善するために、連鎖延長剤として、1,3−プロパンジオールを使用することは、文献公知である。この場合、TPUは102のインデックスで製造される(フォルシュナーらの“Polyurethane World Congress”1997.371頁参照)。しかしながら、このようにして製造されるTPUの弾性率改善は、依然として不満足なものであり、熱変形改善のためのさらに他の方法を見出すことが依然として必要である。 【0006】高温、負荷下における、TPUの熱変形耐性の改善が、欧州特願公開718335号公報に、TPU繊維の寸法安定性の改善が、イタリー特許733216号公報に記載されている。前者は、この目的を達成するために、炭素原子数4から44のアルカンジオールと組合わせて、芳香族の連鎖延長剤を使用することを開示しており、後者は、98から102のインデックスで、1,3−プロパンジオールと、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)ベンゼンを含む種々の連鎖延長剤を使用することを開示している。しかしながら、これらのいずれの開示も、熱変形耐性を改善はするが、大部分の要求に応えるには不充分なものである。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】そこで、この技術分野における課題ないし本発明の目的は、「技術分野」の項に述べた反応により、改善された、すなわち増大された熱変形耐性を有するポリイソシアナート付加重合生成物、ことに熱可塑性ポリイソシアナート付加重合生成物(熱可塑性ポリウレタン、略してTPUとも称される)を製造する方法を開発することである。 【0008】 【課題を解決するための手段】しかるに、この課題ないし目的は、連鎖延長剤として、1,3−および/または1,2−プロパンジオール、ことに1,3−プロパンジオールを使用し、反応を104またはこれより大きいインデックスで行なうことにより解決ないし達成されることが本発明者らにより見出された。 【0009】本発明方法は、TPUを製造するために有利に使用される。TPUの製造方法は、一般的に知られており、熱塑性的に処理され得ないポリイソシアナート重付加生成物の製造方法とは相違する。すなわち、主として、生成物中における化学的架橋を著しく回避し、従って平均官能性が1.8から2.6、好ましくは1.9から2.2、ことに2の、イソシアナート反応性化合物(b)を使用し、ことにイソシアナートに対して反応性であり、かつ450またはそれ以下の分子量、3またはそれ以上の官能性を有する連鎖延長剤化合物を全く使用しないことで相違する。 【0010】本発明によれば、連鎖延長剤として、1,3−および/または1,2−プロパンジオール、ことに1,3−プロパンジオールが使用される。 【0011】1,3−および/または1,2−プロパンジオール、ことに1,3−プロパンジオールのほかに、少なくとも一種類の芳香族連鎖延長剤、すなわち、450g/モルまたはこれより小さい分子量、イソシアナートに対して反応性の2個の基および分子中に少なくとも1個の芳香族基を有する、少なくとも一種類の化合物が(c)として使用されるのが好ましい。 【0012】単一または複数の化合物(b)に対する1,3−および/または1,2−プロパンジオールのモル割合は、0.1:1から8:1、ことに1:1から4:1の割合である。 【0013】芳香族連鎖延長剤としては、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)ベンゼン(BHMB)、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)ベンゼン、1,2−ビス(ヒドロキシメチル)ベンゼン、1,2−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン(HQEE)、テレフタル酸と炭素原子数2から4のアルカンジオールとのジエステル、例えば、ビス(エタンジオール)テレフタラート、ビス(1,4−ブタンジオール)テレフタラート、芳香族ジアミン、例えば2,4−および2,6−トリレンジアミン、3,5−ジエタノール−2,4−および−2,6−トリレンジアミン、1級オルト−ジアルキル、−トリアルキル−および/または−テトラアルキル−置換4,4′−ジアミノ−ジフェニルメタン、ピペラジンおよび/または上述芳香族連鎖延長剤の少なくとも二種類を含有する混合物が好ましい。 【0014】芳香族延長剤としては、ことに1,4−ビス(ヒドロキシメチル)ベンゼンを使用するのが好ましい。 【0015】1,3−および/または1,2−プロパンジオールに対する芳香族連鎖延長剤のモル割合は、0.01:1から1:1、ことに0.05:1から0.55:1の範囲である。 【0016】上述した連鎖延長剤のほかに、必要に応じて、さらに以下に例示されるような他の連鎖延長剤を使用することもできる。しかしながら、少なくとも一種類の芳香族延長剤と共に、あるいはこれを使用することなく、専ら1,3−および/または1,2−プロパンジオールを使用するのが好ましい。 【0017】TPUの硬さおよび融点を調節するために、構成材料(b)と(c)のモル割合は広い範囲において種々に変え得るが、(b)の連鎖延長剤(c)合計量に対するモル割合は、一般的に1:0.5から1:12、ことに1:1から1:6.4の範囲であるのが好ましいことが判明している。TPUの硬さおよび融点は、ジオール分が増大するにつれて増大しあるいは高くなる。 【0018】本発明方法によれば、反応は104またはこれより大きいインデックスで、好ましくは104から120、ことに105から110のインデックスで行なわれる。ここでインデックスと称するのは、この分野の技術者には周知のように、イソシアナートに対して反応性の基、すなわち構成分(b)、(c)および場合により架橋剤(d)中の活性水素に対して、使用される構成分(a)の全イソシアナート基の割合として定義される。従ってインデックス100においては、使用材料(b)、(c)および場合によりさらに(d)の、イソシアナート反応性の活性水素原子が、材料(a)のイソシアナート基1個に対して1個存在すること、すなわち1官能性であることを意味する。 【0019】単にインデックスとしても知られているこのイソシアナートインデックスは、全OH基が完全に反応せしめられるのに理論的に必要なジイソシアナート基全量により、イソシアナート基の実際量を除し、これに100を乗じたものである。 【0020】 【実施の態様】以下において、出発材料および好ましいTPU製造方法を具体的に、しかしながら例示的に示す。 【0021】本発明方法で使用される出発材料(a)、(b)、(c)および(e)および/または(f)は、TPUの製造に慣用されており、または使用され得るものであって、以下に例示的に示される。 【0022】(a)適当な有機シアナートとしては、脂肪族、脂環式の、ことに芳香族のジイソシアナートが好ましい。具体的には、ヘキサメチレン 1,6−ジイソシアナート、2−メチルペンタメチレン 1,5−ジイソシアナート、2−エチルブチレン 1,4−ジイソシアナート、上述したC6 >アルキレン ジイソシアナートの少なくとも二種類の混合物、ペンタメチレン 1,5−ジイソシアナートおよびブチレン 1,4−ジイソシアナートのような脂肪族ジイソシアナート、1−イソシアナート−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナートメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアナート)、1,4−および/または1,3−ビス(イソシアナートメチルシクロヘキサン(HXDI)、シクロヘキサン 1,4−ジイソシアナート、1−メチルシクロヘキサン 2,4−および2,6−ジイソシアナートおよび対応する異性体混合物、ジシクロヘキシルメタン 4,4′−、2,4′−ジイソシアナートおよび対応する異性体混合物のような脂環式ジイソシアナート、および、ことにトリレン 2,4−ジイソシアナート、トリレン 2,4−と2,6−ジイソシアナートの混合物、3,3′−ジメチルビフェニル 4,4′−ジイソシアナート(TODI)、p−フェニレン ジイソシアナート(PDI)、m−、p−キシレン ジイソシアナート(XDI)、ジフェニルメタン 4,4′−、2,4′−および2,2′−ジイソシアナート(MDI)、ジフェニルメタン 2,4′−と4,2′−ジイソシアナートの混合物、ウレタン変性液状ジフェニルメタン 4,4′−および/または2,4′−ジイソシアナート、1,2−ジ(4−イソシアナートフェニル)エタン(EDI)、およびナフチレン 1,5−ジイソシアナートのような芳香族が挙げられる。ヘキサメチレン 1,6−ジイソシアナート、ジフェニルメタン 4,4′−ジイソシアナート、p−フェニレン ジイソシアナート(PDI)、1,2−ジ(4−イソシアナートフェニル)エタン(EDI)、ナフチレン 1,5−ジイソシアナートおよび3,3′−ジメチルフェニル 4,4′−ジイソシアナート(TODI)を使用するのが好ましい。 【0023】(b)イソシアナートに対して反応性の化合物としては、例えば451から8000、好ましくは600から6000、ことに800から4000の分子量、1.8から2.6、好ましくは1.9から2.2、ことに2の官能性を有するポリヒドロキシ化合物を使用できる。(b)としては、ポリエーテルオールおよび/またはポリエステルオール、ことにポリエーテルジオールおよび/またはポリエステルジオールを使用するのが好ましい。 【0024】その他の適当な対イソシアナート反応性化合物(b)としては、ヒドロキシル含有ポリマー、例えばポリメタクリラートジオール、ポリジメチルシロキサンポリオール、ヒドロキシル含有ポリエチレン/ブチレン共重合体、ヒドロキシル含有ポリイソプレン、ポリアセタール、例えばポリオキシメチレンおよび水溶性ホルマール、例えばポリブタンジオールホルマール、ポリヘキサンジオールホルマール、および脂肪族ポリカルボナート、ことにエステル交換により1,6−ヘキサンジオールから製造され、上述分子量を有する脂肪族ポリカルボナートも使用される。上述化合物は単独でも、これらの混合物としても使用され得る。 【0025】TPUを製造するための混合物またはTPU自体は、イソシアナートに対して反応性の、少なくとも優勢的量の二官能性物質を基礎としなければならない。これら混合物を使用して製造されるTPUは、ほとんど非分岐であり、ほとんど架橋されていない。 【0026】適当なポリエーテルオールは、公知方法により、好ましくは公知の触媒、例えば水酸化カリウム、ナトリウムのようなアルカリ金属水酸化物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムもしくはカリウムのエトキシド、カリウムイソプロポキシドのようなアルカリ金属アルコキシド、アンチモンペンタクロリド、弗化硼素エーテラート、漂白土のようなルイス酸、セシウムヒドロキドのようなセシウムの塩基性塩、および/またはアルカリ土類金属の塩基性塩および/または水酸化物の存在下に、結合形態で少なくとも二個の反応性水素原子を有する、少なくとも一個の出発分子上にアルキレンオキシドを付加することにより製造され得る。不飽和単位を少量有するポリエーテルポリオールを得るためには、アルコキシル化触媒として、水酸化セシウムおよび/または水酸化カルシウムを使用するのが好ましい。アルキレンオキシドの具体例は、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、1,2−および2,3−ブチレンオキシドである。エチレンオキシドおよび1,2−プロピレンオキシドとエチレンオキシドの混合物を使用するのが好ましい。これらのアルキレンオキシドは、個別的に、または順次に、または混合物として使用され得る。上述の出発分子として適当であるのは、水、アミノアルコール、例えばN−メチルジエタノールアミンのようなN−アルキルジアルカノールアミン、ことにジオール、例えば炭素原子数2から12、ことに2から6のアルカンジオールまたはジアルキレングリコール、例えばエタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオールである。必要に応じて、出発分子の混合物を使用することもできる。さらに他の適当なポリエーテルオールは、テトラヒドロフランのヒドロキシル含有重合生成物(ポリオキシテトラメチレングリコール)である。1,2−プロピレンオキシドとエチレンオキシドを使用して製造され、OH基の50%以上、ことに60から100%が一級ヒドロキシ基であり、エチレンオキシドの少なくとも一部が末端ブロックとして配置されているポリエーテルオールを使用するのが好ましい。ことに好ましいのは、ポリオキシテトラメチレングリコール(ポリテトラヒドロフラン)を使用することである。このようなポリエーテルオールは、例えば、まず1,2−プロピレンオキシドを、出発分子上に重合させ、次いでエチレンオキシド上に重合させることにより、あるいはまずエチレンオキシドの一部と全ての1,2−プロピレンオキシドとの混合物を共重合させ、次いでエチレンオキシドの残部を重合させるか、あるいは段階的に、まずエチレンオキシドの一部を出発分子上に重合させ、次いで1,2−プロピレンオキシドの全部を、次いでエチレンオキシドの残部を重合させることにより得られる。 【0027】出発分子および触媒は、好ましくは存在する水分を除去した後に、慣用の反応器、オートクレーブ、例えば撹拌槽反応器、反応混合物冷却用手段を備えた管状反応器中において、高温、減圧下に、プロピレンオキシド、必要に応じてさらに他のアルキレンオキシドと反応せしめられる。触媒は、一般的に反応混合物中の全反応関与体に対して0から10ppmの割合で使用される。アルコキシル化は、反応混合物中において、70から150℃、ことに80から105℃の温度で行なわれるのが好ましい。反応は一般的に周知の圧力下に行なわれる。アルキレンオキシドは、ポリオールの所望分子量に応じて、4から20時間にわたって、反応混合物に添加され得る。プロピレンオキシドは、反応初期において、反応混合物に添加され、少なくとも700g/モルの分子量を有するポリオキシプロピレン単位ブロックが、出発物質上に付加させるのが好ましい。反応時間は1から8時間であるが、アルキレンオキシドの完全な反応が行なわれるように決定されるべきである。例えばプロピレンオキシドおよびさらに他のアルキレンオキシドの完全な反応後に、エチレンオキシドの添加により、ポリオキシエチレン単位が、ポリオール末端に付加されるのが極めて好ましい。次いで、反応混合物は原則的に、ことに減圧下に冷却され、周知の態様で後処理される。例えば、セシウム触媒は、例えば珪酸塩上の吸着により、ポリオールから除去され、次いで濾過される。あるいは、塩基性触媒、例えば上述の水酸化物は、燐酸のような適当な酸で中性化され、ポリオール中に残存放置され得る。次いで、公知の安定剤、例えば酸化防止剤が、ポリオールに添加され得る。 【0028】ポリエーテルオールは、0.07meq/gより少ない、ことに0.001から0.05meq/g、なかんずく0.001から0.01meq/gの不飽和分を有するのが好ましい。一般的にポリエーテルアルコール1gに対してmeqで与えられる不飽和分は、一般的に公知の各種の方法、例えば二重結合を臭素化し、次いで沃素による滴定を行なうカウフマン法により測定され得る。このmeq/g単位は、一般的にポリエーテルポリアルコール1gに対する二重結合量(ミリモル)に対応する。 【0029】適当なポリエステルオールは、例えば炭素原子数2から12、ことに4から8のジカルボン酸と、多価アルコールから製造され得る。適当なジカルボン酸は、こはく酸、グルタル酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ことにアジピン酸のような脂肪族ジカルボン酸、およびフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸のような芳香族ジカルボン酸である。これらのジカルボン酸は、個別的にまたは混合物、例えばこはく酸/グルタル酸/アジピン酸混合物として使用され得る。同様にして、脂肪族および芳香族カルボン酸の混合物も使用され得る。ポリエステルオールを製造するために、ジカルボン酸の代わりに、対応するジカルボン酸誘導体、例えばアルコール基中の炭素原子数が1から4のジカルボン酸エステル、ジカルボン酸無水物またはジカルボン酸クロリドを使用することもできる。多価アルコールの例としては、炭素原子数2から10、ことに2から6のアルカンジオール、ことにエタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、3,3−ジメチルペンタン−1,5−ジオール、1,2−プロパンジオール、およびジアルキレンエーテルグリコール、ことにジエチレングリコール、ジプロピレングリコールが挙げられる。所望の特性に応じて、多価アルコールは単独で、または混合物として使用され得る。 【0030】さらに他の適当なポリエステルオールは、カルボン酸と上述の、ことに炭素原子数4から6のジオールとのエステル、例えば1,4−ブタンジオールおよび/または1,6−ヘキサンジオール、ω−ヒドロキシカルボン酸、例えばω−ヒドロキシカプロン酸の縮合生成物、ことにラクトン、例えば置換もしくは非置換ω−カプロラクトンの重合生成物である。 【0031】有利に使用され得るポリエステルオールは、アルキレン基中に2から4個の炭素原子を有するアルカンジオール ポリアジパート、例えばエタンジオール ポリアジパート、1,4−ブタンジオール ポリアジパート、エタンジオール−1,4−ブタンジオール ポリアジパート、1,6−ヘキサンジオール−(ネオペンチルグリコール) ポリアジパート、3,3−ジメチル−1,5−ペンタンジオール ポリアジパート、ポリ(ε−カプロラクトン)、ことに1,6−ヘキサンジオール−1,4−ブタンジオール ポリアジパートである。 【0032】(c)本発明方法により使用される連鎖延長剤に追加して使用され得る連鎖延長剤(c)としては、通常450g/モルまたはこれより小さい分子量、ことに60から300g/モルの分子量を有する連鎖延長剤であって、ことに炭素原子数2から12の、ことに2、4、6または8のアルカンジオール、例えばエタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンジオール、イソソルビド(1,4:3,6−ジアンヒドリド−D−ソルビトール)、3−(ヒドロキシメチル)−5−ニトロベンジルアルコール、ピリジンジメタノール、ことに1,4−ブタンジオールおよびジアルキレンエーテルグリコール、例えばジエチレングリコール、ジプロピレングリコールが好ましい。しかしながら、他の適当な連鎖延長剤として、アジピン酸、マロン酸、オクタンジオン酸、テレフタル酸のようなジカルボン酸、ピペラジン、4,4′−ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジシクロヘキシルメタン、1−アミノ−3,3,5−トリメチル−5−アミノメチルシクロヘキサン、エチレンジアミン、1,2−または1,3−プロピレンジアミン、N−メチルプロピレン−1,3−ジアミンおよび/またはN,N′−ジメチルエチレンジアミンも使用され得る。 【0033】ことに有利に使用され得る追加的連鎖延長剤は、アルキレン基中に2から10個の炭素原子を有するアルカンジオール、ことに1,4−ブタンジオールおよび/または炭素原子数4から8のジアルキレングリコールである。 【0034】(e)ことにジイソシアナート(a)のNCO基と、形成的構成分(b)、(c)のヒドロキシル基の間の反応を促進するための適当な触媒は、従来技術において周知慣用の触媒、例えばトリエチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N−メチルモルホリン、N,N′−ジメチルピペリジン、2−(ジメチルアミノエトキシ)エタノール、ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンなどのような3級アミン、ことにチタン酸エステルのような有機金属化合物、アセチルアセトン酸鉄(III)のような鉄化合物、ジ酢酸錫、ジオクタン酸錫、ジラウリル酸錫、脂肪族カルボン酸のジアルキル錫塩、例えばジ酢酸ジブチル錫、ジラウリル酸ジブチル錫のような錫化合物である。触媒は、通常、ポリヒドロキシル化合物(b)の100重量部に対して、0.0001部から0.1部の量で使用される。 【0035】(f)触媒のほかに、形成的構成分(a)から(d)に対して慣用の助剤および/または添加剤(e)を添加することもできる。その例としては、表面活性剤、気泡安定剤、気胞制御剤、難燃化剤、核発生剤、酸化防止剤、安定剤、滑剤、離型剤、染料、顔料、禁止剤、対加水分解、光、熱、変褪色安定剤、微生物による劣化防止剤、無機および/または有機充填剤、補強剤、可塑剤などが挙げられる。 【0036】上述の助剤、添加剤の詳細については、この分野の専門文献に記載されている。 【0037】TPUは、ベルト装置もしくは反応押出機を使用して連続的に、もしくはカスティング法または公知のプレポリマー法によりバッチ式に、ワンショット法で製造され得る。これらの方法において、反応せしめられる構成分(a)、(b)および場合により(c)は、反応開始と同時に、相次いで、あるいは同時に混合され得る。反応はワンショット法、すなわち一般法で行なわれるのが好ましい。 【0038】すでに述べたように、上記(a)、(b)、(c)および必要に応じてさらに(e)および/または(f)を含有する反応混合物は、押出機法またはことにベルト法により、反応せしめられ得る。ことに、ベルト法は以下のようにして行なわれる。すなわち、形成構成分(a)から(e)および場合によりさらに(e)および/または(f)は、ミキシングヘッドにより、(a)から(c)の融点以上の温度において、連続的に混合され得る。反応混合物は、次いでコンベアベルトに給送され、加熱圏中を搬送される。上記加熱圏中の反応温度は60から200℃、ことに100から180℃、滞留時間は0.05から0.5時間、ことに0.1から0.3時間である。反応が完結してから、TPUは放冷され、次いで粉砕ないし顆粒化される。 【0039】押出機法においては、形成的構成分(a)から(e)および必要に応じてさらに(e)、(f)は、個別的に、または混合物として押出機中に給送され、例えば100から250℃、ことに140から220℃で反応せしめられ、得られたTPUは押出され、冷却され、顆粒化される。 【0040】本発明方法により得られる、通常、粉末もしくは顆粒状のTPUは、慣用の方法、例えば射出成形法、押出成形法により処理され、所望のケーブル外装、ファイバー、各種成形体、自動車内装、填隙材、ケーブルプラグ、ベロー、ホース、フィルム、ローラー、曳船ケーブル、ストラップ、緩衝材などに形成される。 【0041】架橋ポリイソシアナート重付加生成物、例えば、可撓性、半硬質または硬質の、無気胞または発泡、例えば微小気胞ポリウレタンおよび/またはポリイソシアヌラートを本発明方法により製造する場合には、2から6の官能性を有する化合物(f)、3から6の官能性と、450またはこれより小さい、好ましくは60から300の分子量を有する架橋剤、発泡ポリウレタンおよび/またはポリイソシアヌラート生成物の場合には、さらに一般的に公知の発泡剤、例えば水、弗化炭化水素および/または通常、1013ミリバールで50℃以下の沸点を有する(シクロ)アルカンを使用するのが好ましい。このような生成物の製造方法は一般的に公知である。 【0042】本発明方法により製造され得るポリイソシアナート生成物、ことに熱可塑性ポリウレタン(TPU)は、好ましい増大された熱変形耐性を有する。 【0043】 【実験例】以下の実験例により、本発明の利点を実証する。 【0044】(TPUの製造)下表1に示される出発材料をそれぞれ使用してTPUを製造した。まず、対イソシアナート反応性化合物を、液状において100℃で、BHMBの場合は110℃で反応器に装填し、50℃に予備加熱したイソシアナートをこれに添加し、撹拌によりこれらを緊密に混合した。温度が115℃に達したならば、この発熱性反応混合物を容器中に注下し、120℃で20分間硬化させた。100℃でさらに24時間加熱した後、この成形用材料を顆粒化し、210℃で、BHMBを使用した場合には230℃で射出成形して、テスト試料を成形調製した。 【0045】 【表1】
Elastostab(登録商標)=カルボジイミドを基礎とする対加水分解安定剤(エラストグラン社) 【0046】実験例4および5が本発明実験例、すなわち実施例であり、その他の実験例は対比例である。これらの実験例で製造されたTPUをテストして、それぞれの特性、ことに熱変形耐性を求めた。これらを下表2に示す。 【0047】 【表2】
【0048】本発明による実験例4および5(実施例)の著しく改善された熱変形耐性は、ことにビカー温度(単一図面、図1をも参照)により明らかである。このビカー温度は、120℃/hで加熱された被験試料中に、10Nの重錘で負荷された針が1mm2 の接触面積で、深さ1mmまで進入(針入度)した場合の温度(軟化点)である。この測定はDIN EN ISO 306により行なわれる。 【0049】本発明によるTPU(実験例4および5)およびその他の実験例(対比例)によるTPUの諸特性が、上記表2に示されているが、これらのデータは、本明細書冒頭(【従来技術】の項)に記載された従来技術の欠点を実証し、併わせて本発明によるTPUのみが、各種の用途における要望に対応し得る熱変形耐性を有することを実証している。対比例との比較により、その改善の結果は明白である。さらに、本発明実施例(実験例4、5)は、ことに、もっぱら芳香族連鎖延長剤のみを使用した対比例(実験例6、7)と比較して、生成物の摩耗性および引裂伝播耐性に関する数値が著しく改善されている。また、周知の低いインデックスにおけるTPUの製造は、熱変形耐性、引張強さおよび破断時伸びの劣化をもたらす(実験例2、3)。ことに、1,4−ブタンジオールのみを連鎖延長剤として使用した場合、得られるTPUは、熱変形耐性が悪く、摩耗性が増大する。 【0050】連鎖延長剤として1,3−プロパンジオールを使用し、比較的高いインデックスを採用してTPUを製造した場合の、熱変形耐性の著しい改善は、またビカー(Vicat)曲線(添附の単一図面、図1)からも認められる。 【0051】上述したところから、この分野の技術的課題ないし本発明の目的、すなわち改善された諸特性、ことに改善された熱変形耐性を有するポリイソシアナート重付加生成物、ことにTPUを提供することは、本発明方法の技術的特徴により達成され得ることが実証された。本発明方法により得られるTPUは、その他の諸特性に関しても著しく改善されていることも明らかである。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】590001212 【氏名又は名称】ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト
|
| 【出願日】 |
平成11年(1999)4月15日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】田代 烝治 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開平11−322887 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)11月26日 |
| 【出願番号】 |
特願平11−108062 |
|