| 【発明の名称】 |
気相重合方法および気相重合装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】土 居 賢 治
【氏名】大 谷 悟
【氏名】山 本 良 一
【氏名】菊 池 義 明
【氏名】服 部 典 夫
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| 【要約】 |
【課題】気相重合過程で形成される小塊の検出を迅速に行ない、重合反応環境の制御を行ないながら気相重合を行なう。
【解決手段】本発明に係る気相重合装置は、分散板11の上方に配設され、分散板11近傍の流動床4の圧力を検出する第1の圧力計12と、流動床反応器1内の流動床より上方に配設され、該流動床反応器上方の圧力を検出する第2の圧力計13と、第1の圧力計12および第2の圧力計13で検出された圧力の差圧を検出する差圧検出部14と、流動床反応器1への触媒供給の開閉動作を制御する弁22と、差圧検出部14で検出された差圧の変化幅を検出し、この変化幅が所定値以上になったところで、弁22を閉じて触媒の供給を停止するための制御信号を出力する制御部21とを備えている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 流動床反応器内に重合用固体触媒を供給するとともに、流動床反応器の底部から分散板を介してガス状単量体を流動床反応器内に供給して、流動床反応器内に流動床を形成し、該流動床内での気相重合反応によって重合体もしくは共重合体を製造するに際し、上記分散板近傍の流動床内の圧力を検出し、上記流動床反応器内上方の圧力を検出し、上記検出した両圧力の差圧を検出し、上記差圧の変化幅を検出し、上記変化幅が所定値を超えたか否かを判別し、上記変化幅が上記所定値を超えたと判別されたときに、上記流動床反応器への触媒の供給を停止することを特徴とする気相重合方法。 【請求項2】 上記流動床反応器への触媒の供給を停止した後、上記変化幅が上記所定値を超える回数が所定時間内で所定回数を超えたか否かを判別し、上記回数が所定時間内で所定回数を超えたと判別されたときに、上記触媒の活性を失活させる失活剤を上記流動床内へ供給することを特徴とする請求項1に記載の気相重合方法。 【請求項3】 上記流動床反応器への触媒の供給を停止した後、上記変化幅が所定値を超えなくなったときに、上記流動床反応器への触媒の供給を再開することを特徴とする請求項1または2に記載の気相重合方法。 【請求項4】 上記分散板近傍の流動床内の圧力を、ダイアフラム型圧力計を用いて検出することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の気相重合方法。 【請求項5】 流動床反応器内に重合用固体触媒を供給するとともに、流動床反応器の底部から分散板を介してガス状単量体を流動床反応器内に供給して、流動床反応器内に流動床を形成し、該流動床内での気相重合反応によって重合体もしくは共重合体を得るように構成した気相重合装置において、上記分散板の上方に配設され、分散板近傍の流動床の圧力を検出する第一圧力検出部と、上記流動床反応器内の流動床より上方に配設され、該流動床反応器上方の圧力を検出する第二圧力検出部と、上記第一圧力検出部および上記第二圧力検出部のぞれぞれにて検出された圧力の差圧を検出するための差圧検出部と、上記流動床反応器への触媒供給の開閉動作を制御する弁と、上記差圧検出部で検出された差圧の変化幅を検出し、この変化幅が所定値以上になったところで、上記弁を閉じて触媒の供給を停止するための制御信号を出力する制御部とを備えることを特徴とする気相重合装置。 【請求項6】 上記触媒の活性を失活させる失活剤を上記流動床内へ供給するラインと、上記ラインからの失活剤供給の開閉動作を制御する失活剤用弁とを設け、上記制御部は、さらに上記変化幅が上記所定値を超える回数が所定時間内で所定回数以上になったところで、上記失活剤用弁を開放するための制御信号を出力するように構成されることを特徴とする請求項5に記載の気相重合装置。 【請求項7】 上記制御部は、上記差圧の変化幅を検出する変化幅検出手段と、上記変化幅が上記所定値以上になったか否かを判別する第一判別手段と、上記第一判別手段の判別結果に応じて、上記弁を閉鎖するよう制御する制御手段とからなることを特徴とする請求項5または6に記載の気相重合装置。 【請求項8】 上記制御部は、さらに上記変化幅が上記所定値を超える回数が所定時間内で所定回数に達するか否かを判別する第二判別手段と、上記第二判別手段の判別結果に応じて、上記失活剤用弁の開閉動作を制御するための制御信号を出力する第二制御手段とを備えることを特徴とする請求項7に記載の気相重合装置。 【請求項9】 上記第一圧力検出部が、ダイアフラム型圧力計であることを特徴とする請求項5または6に記載の気相重合装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、流動床反応器内に重合用固体触媒を供給するとともに、流動床反応器の底部から分散板を介してガス状単量体を流動床反応器内に供給して、流動床反応器内に流動床を形成し、該流動床内での気相重合反応によって重合体もしくは共重合体を製造する気相重合方法に関する。 【0002】また、本発明は、上記気相重合方法に基づいて流動床反応器内の重合反応環境を制御する気相重合装置に関する。 【0003】 【従来の技術】従来より、例えばポリエチレンなどのポリオレフィンを得る場合に、エチレンなどのオレフィン単量体などをチタン系固体状触媒、メタロセン系触媒などの存在下で気相重合させる気相重合法が知られている。 【0004】このような気相重合法では、たとえば、図7に示すように、固体状触媒Aを供給ライン112を介して流動床反応器110内に供給するとともに、供給ライン113を介して流動床反応器110の底部から、流動床反応器110底部近傍に配設した多孔板などからなるガス分散板111を介してガス状のオレフィンを吹き込んで、流動床(反応系)114を流動状態に維持しつつ、流動床114内で重合反応を行なっている。そして、流動床114内で重合反応して生成されたポリマー粒子は、ライン115を介して流動床反応器110から、連続的に抜き出されるようになっている。また、流動床反応器110の流動床114を通過した未反応のガス状のオレフィンなどは、流動床反応器110の上方部分に設けられた減速領域116にて流速が低減されて、流動床反応器110の上部に設けられたガス出口110Aを介して流動床反応器110外に排出される。一方、流動床反応器110より排出された未反応のガス状のオレフィンなどは、循環ライン117上に配設された熱交換器(冷却装置)119を通り冷却され、再び流動床反応器110内の流動床114内に吹き込まれるようになっている。なお、ガス状のオレフィンは、循環ライン117に合流する供給ライン120を介して新たな未反応ガスとともにブロワー118に供給され、ブロワー118により連続的に流動床反応器110に供給されるようになっている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところで、オレフィン重合用に流動床反応器に導入される触媒は、ガス状オレフィンと接触し、重合反応を進めていく過程で粒子を形成し、帯電し、反応器内の壁に付着することがある。 【0006】また、重合している環境の温度と、この粒子同士が互いに融着する温度とが非常に近いことが知られている。このため、反応器内壁に付着した粒子が他の粒子と融着し、生長して小塊になり、この小塊が流動床のガスの流れや反応中の粒子の動きを阻害するため、反応環境の悪化を導く虞がある。 【0007】さらに、これらの小塊は、分散板上に落下して流動床のガスの流れを阻害するだけでなく、抜き出し用のライン(図7においてはライン115)を詰まらせるなどの問題を引き起こす虞がある。また、小塊より大きな塊が形成された場合、これらを除くために長期間装置を停止させなければならないため、早期の小塊検出が望まれていた。 【0008】そこで、従来においては、この抜き出し用のラインから生成物を取り出して塊形成の有無を確認したり、あるいは抜き出し用とは別のラインを設けて、このラインより生成物の一部を取り出して小塊形成の有無を確認する方法が行なわれていた。 【0009】しかし、何れの場合においても、小塊形成確認の迅速性に欠けるため、小塊検出の結果を流動床内部の重合反応の環境制御にフィードバックさせることが困難であった。 【0010】本発明は、上述した実情に鑑みてなされたものであり、気相重合過程で形成される小塊の検出を迅速に行ない、重合反応環境の制御を行ないながら気相重合を行なうための気相重合方法を提供することを目的としている。 【0011】また、本発明は、上記気相重合方法に基づいて、流動床反応器内の重合反応環境を制御する気相重合装置を提供することを目的としている。 【0012】 【課題を解決するための手段】本発明に係る気相重合における小塊の検出方法は、上述の問題を解決するため、流動床反応器内に重合用固体触媒を供給するとともに、流動床反応器の底部から分散板を介してガス状単量体を流動床反応器内に供給して、流動床反応器内に流動床を形成し、該流動床内での気相重合反応によって重合体もしくは共重合体を製造するに際し、上記分散板近傍の流動床内の圧力を検出し、上記流動床反応器内上方の圧力を検出し、上記検出した両圧力の差圧を検出し、上記差圧の変化幅を検出し、上記変化幅が所定値を超えたか否かを判別し、上記変化幅が上記所定値を超えたと判別されたときに、上記流動床反応器への触媒の供給を停止することを特徴としている。 【0013】さらに、上記流動床反応器への触媒の供給を停止した後、上記変化幅が上記所定値を超える回数が所定時間内で所定回数を超えたか否かを判別し、上記回数が所定時間内で所定回数を超えたと判別されたときに、上記触媒の活性を失活させる失活剤を上記流動床内へ供給することが好ましい。 【0014】また、上記流動床反応器への触媒の供給を停止した後、上記変化幅が所定値を超えなくなったときに、上記流動床反応器への触媒の供給を再開することが好ましい。 【0015】また、上記分散板近傍の流動床内の圧力を、ダイアフラム型圧力計を用いて検出することが好ましい。本発明に係る気相重合装置は、流動床反応器内に重合用固体触媒を供給するとともに、流動床反応器の底部から分散板を介してガス状単量体を流動床反応器内に供給して、流動床反応器内に流動床を形成し、該流動床内での気相重合反応によって重合体もしくは共重合体を得るように構成した気相重合装置において、上記分散板の上方に配設され、分散板近傍の流動床の圧力を検出する第一圧力検出部と、上記流動床反応器内の流動床より上方に配設され、該流動床反応器上方の圧力を検出する第二圧力検出部と、上記第一圧力検出部および上記第二圧力検出部のぞれぞれにて検出された圧力の差圧を検出するための差圧検出部と、上記流動床反応器への触媒供給の開閉動作を制御する弁と、上記差圧検出部で検出された差圧の変化幅を検出し、この変化幅が所定値以上になったところで、上記弁を閉じて触媒の供給を停止するための制御信号を出力する制御部とを備えることを特徴としている。 【0016】さらに、上記触媒の活性を失活させる失活剤を上記流動床内へ供給するラインと、上記ラインからの失活剤供給の開閉動作を制御する失活剤用弁とを設け、上記制御部は、さらに上記変化幅が上記所定値を超える回数が所定時間内で所定回数以上になったところで、上記失活剤用弁を開放するための制御信号を出力するように構成されることが好ましい。 【0017】ここで、上記制御部は、上記差圧の変化幅を検出する変化幅検出手段と、上記変化幅が上記所定値以上になったか否かを判別する第一判別手段と、上記第一判別手段の判別結果に応じて、上記弁を閉鎖するよう制御する制御手段とからなることが好ましい。 【0018】上記制御部は、さらに上記変化幅が上記所定値を超える回数が所定時間内で所定回数に達するか否かを判別する第二判別手段と、上記第二判別手段の判別結果に応じて、上記失活剤用弁の開閉動作を制御するための制御信号を出力する第二制御手段とを備えることが好ましい。 【0019】また、上記第一圧力検出部がダイアフラム型圧力計であることが好ましい。 【0020】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係る気相重合方法および気相重合装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。 【0021】なお、本発明において、「重合」という語は単独重合のみならず、共重合を包含した意味で用いられることがあり、また「重合体」という語は、単独重合体のみならず、共重合体を包含した意味で用いられることがある。また、共重合を行なう場合のガス状単量体は、複数のガス単量体の混合物をいう。 【0022】図1は、本発明に係る気相重合方法を適用した気相重合装置の概略図である。図1に示すように、気相重合装置は、流動床反応器1内に重合用固体触媒Aを供給するとともに、ブロワー8により流動床反応器1の底部からガス分散板11を介してガス状単量体を流動床反応器1内に吹き込んで、流動床反応器1内に流動床4を形成し、該流動床4内での気相重合反応によって重合体もしくは共重合体を得るように構成されている。 【0023】すなわち、上記気相重合装置では、固体状触媒Aを供給ライン2を通して流動床反応器1内に供給する一方、ガス状のオレフィンなどの単量体を、供給ライン3を通して流動床反応器1の底部から流動床反応器1底部近傍に配設した多孔板などからなるガス分散板11を介して吹き込んで、流動床(反応系)4を流動状態に維持しつつ、流動床4内で重合反応が行なわれる。なお、ガス状単量体は、循環ライン7に合流する供給ライン20を介して連続的に供給されるようになっている。なお、供給ライン20には、分子量調整剤としての水素、あるいは不活性ガス等をオレフィンガスとともに供給することもできる。 【0024】そして、流動床4内で重合反応して生成されたポリマー粒子は、ライン5を介して流動床反応器1から連続的に抜き出されるようになっている。一方、流動床4を通過した未反応のガス状単量体は、流動床反応器1の上方部分に設けられた減速領域6にて流速が低減されて、流動床反応器1の上部に設けられたガス出口10Aを介して流動床反応器1外に排出されるようになっている。 【0025】ところで、流動床反応器1より排出された未反応の単量体は、再び流動床反応器1内の流動床4内に吹き込む前にその重合反応熱を除去する必要があるため、循環ライン7の上流側に接続された熱交換器(冷却装置)9に導入され冷却されるようになっている。 【0026】熱交換器9によって冷却された単量体のガスは、続いて、循環ライン7の下流側に配設されたブロワー8および供給ライン3を介し、流動床反応器1の底部からガス分散板11へと供給され、再び流動床反応器1内の流動床4内に吹き込まれるように構成されている。 【0027】さらに、ブロワー8が接続している供給ライン3には、触媒の活性を失活させ、重合反応を停止させる作用のある失活剤を供給するための失活剤供給ライン23が失活剤用弁24とともに接続されている。なお、この失活剤の種類は限定されず、どのような失活剤を用いてもよい。 【0028】ところで、上記分散板11の上方には、該分散板11近傍の流動床4の圧力を検出する第一圧力検出部である第1の圧力計12が配設されている。一方、上記流動床反応器1内の流動床4より上方には、該流動床反応器1上方の圧力を検出する第二圧力検出部である第2の圧力計13が配設されている。 【0029】さらに、第1の圧力計12および第2の圧力計13のそれぞれにて検出された圧力の差圧ΔPを検出する差圧検出部14と、上記流動床反応器1への触媒供給の開閉動作を制御する弁22と、上記差圧検出部14で検出された差圧ΔPの変化幅を検出し、この変化幅が所定値以上になったところで、上記弁22を閉じて触媒の供給を停止し、さらに上記変化幅が上記所定値を超える回数が所定時間内で所定回数以上になったところで、失活剤用弁24を開放するよう制御するにことで上記失活剤を流動床4内へ投入し、さらに所定時間後上記流動床反応器1各部、例えばブロワー8、熱交換器9などの動作を停止するための制御信号を出力するように構成された制御部21とが配設されている。 【0030】また、ブロワー8は、遠心型ブロワーであることが好ましく、その回転動作は後述するように制御部21により制御される。ここで、第1の圧力計12は、流動床反応器1の下方に配設され、例えば図2に示すように、ダイアフラム15の他にさらに圧力検出部31、フランジ32、ダイアフラム軸33などを備えたダイアフラム型圧力計である。 【0031】ダイアフラム15は、例えば受圧部が薄い金属板でできており、フランジ32により支持され、ダイアフラム軸33を介して圧力検出部31に接続している。このダイアフラム15は、流動床4内の圧力を受圧部で受けると、該受圧部の裏側との圧力差により弾性変形し、軸方向の伸縮変位を生じ、この伸縮変位をダイアフラム軸33を介して圧力検出部31に送る。 【0032】圧力検出部31は、上記伸縮変位に基づいて圧力の大きさを検出し、検出結果を差圧検出部14へ送る。なお、ダイアフラム15の大きさは、特に限定はされないが、例えば半径が通常の圧力測定に用いられるものと同じ5cm〜10cmである。また、ダイアフラム15の配設位置は、通常は分散板11からダイアフラム15の中心までの高さHが該分散板11近傍における流動床反応器1の直径(直胴部の直径)の0.5倍以下、好ましくは0.3倍以下の位置であり、特に好ましくはダイアフラム15の下端が分散板11の上面に近い位置である。 【0033】また、ダイアフラム15の代わりに用いられるものとしては、受圧面が直接測定対象に接するものであれば、特に限定されるものではなく、例えば圧電素子が挙げられる。 【0034】また、ダイアフラム15は流動床反応器1の外周上の上述した位置に少なくとも一つ、好ましくは複数個一定間離間して配設され、すなわち一つまたはそれ以上の各ダイアフラムに対応する数の第1の圧力計12が設けられる。 【0035】第2の圧力計13は、流動床反応器1の上方減速領域に配設され、上記第1の圧力計12と同様の構成を有するダイアフラム型圧力計である。この第2の圧力計13は、上述した方法と同様の方法にてダイアフラム16で受けた圧力の大きさを検出して、検出結果を差圧検出部14に送る。また、第2の圧力計13は一つでもよいし、複数設けてもよい。 【0036】差圧検出部14は、上記第1の圧力計12および上記第2の圧力計13のそれぞれで検出された圧力の差、差圧ΔPを検出して、この差圧ΔP値を制御部21に送る。 【0037】制御部21は、上記差圧ΔPの変化幅を検出し、この変化幅に基づいて、触媒の供給を制御する弁22の開閉動作、ガス状単量体の供給を調節するブロワー8の回転動作、熱交換器9の動作、上記失活剤の供給動作を制御する失活剤用弁24の開閉動作、図示しないがライン5からの生成した重合体の抜き取り動作、供給ライン20からのガス状単量体の供給動作などを制御するための制御信号を出力する。 【0038】また、この一連の制御動作は、本発明に係る気相重合における小塊の検出方法に基づいてなされるものである。そこで、上記小塊の検出方法について説明する。なお、本説明において一部の番号を付した部材は、図1または図2で示すそれぞれ対応する番号を付した部材と同一のものである。 【0039】この小塊の検出方法は、例えば図3に示すように、上記分散板11近傍の流動床内4の圧力を検出し(ステップS1)、上記流動床反応器1内上方の減速領域圧力を検出し(ステップS2)、上記検出した両圧力の差圧を検出し(ステップS3)、上記差圧の変化幅を検出し(ステップS4)、上記変化幅が所定値を超えたか否かを判別し(ステップS5)、上記変化幅が上記所定値を超えたと判別されたときに、上記流動床反応器への触媒の供給を停止する(ステップS6)。また、上記変化幅が上記所定値を超える回数が所定時間内で所定回数を超えたか否かを判別し(ステップS7)、上記回数が所定時間内で所定回数を超えたと判別されたときを、気相重合過程で所定の大きさ以上の小塊が生成されたとし(ステップS9)、まず失活剤を流動床4内へ供給し(ステップS10)、上記流動床反応器1全体の動作を停止する(ステップS11)ようになっている。 【0040】具体的には図3の様に行なわれる。すなわち、先ず流動床反応器1を作動させて、気相重合を開始してステップS1に進む。ステップS1では、流動床反応器1の分散板11近傍の流動床4の圧力を検出し、ステップS3に進む。なお、この圧力検出は上記第1の圧力計12にて行なわれる。ステップS2では、流動床反応器1内の上方の圧力を検出し、ステップS3に進む。なお、この圧力検出は上記第2の圧力計13にて行なわれる。 【0041】ステップS3では、上記第1の圧力計12および上記第2の圧力計13のそれぞれで検出された圧力から、両圧力の差圧ΔPを検出し、ステップS4に進む。この差圧検出は、差圧検出部14にて行なわれる。 【0042】ステップS4では、上記差圧ΔPの変化幅が検出され、ステップS5に進む。ステップS5では、上記差圧ΔPの変化幅が所定値を超えたか否かが判別される。 【0043】ここで、小塊の検出原理並びに上記所定値について説明する。作動中の流動床反応器1内は、下方側すなわち流動床4側が高圧で、上方側すなわち減速領域6側が低圧である。ここで、流動床4は絶えず流動状態にあるため、ダイアフラム15で検知する圧力は、一定の範囲で変化する。一方、減速領域6は流動状態でないため、ダイアフラム16で検知する圧力は略一定である。したがって、両圧力差である差圧ΔPは、小塊が形成される前の状態(以下定常状態という)で、一定の振れ幅を以て変化する。 【0044】図4は、検出した差圧ΔPの時間tに対する変化の一例を示すグラフである。図4において、幅ΔL1 は上記定常状態の差圧ΔPの変化幅を表している。通常において、幅ΔL1 は差圧ΔPの3%程度である。 【0045】図5は、重合体塊が形成される際の推測図であるが、まず気相重合反応過程で小塊51が形成され、流動床反応器1の内壁に付着した場合、この小塊51は他の小塊52と合体し生長したり、分散板11めがけて落下する。ある程度以上大きくなった小塊53は、落下する過程で流動床4の動きに巻き込まれることなく、直接分散板11に衝突する。 【0046】また、小塊53の中には、分散板11に衝突後にダイアフラム15に当接したり、図示しないが分散板11に衝突せず直接ダイアフラム15に当接するものもあると考えられる。 【0047】第1の圧力計12は、小塊がダイアフラム15に当接した瞬間に、高い圧力を検出する。一方、第2の圧力計13では一定の圧力が検出されるため、差圧検出部14では大きい値の差圧ΔPが検出される。図4において、幅ΔL2 はこのときの差圧ΔPの変化幅を表す。 【0048】この幅ΔL2 は、小塊のダイアフラム15に対する当接強度に応じて変化する。当接強度は、小塊の大きさおよび当接時の瞬間速度に依存する。したがって、幅ΔL2 がある一定の大きさ(閾値)以上になったときに、小塊が形成された可能性がある状態(以下異常状態という)が検出されたとする。この閾値を上記所定値として用い、該閾値は、比ΔL2 /ΔL1 が1.2以上、好ましくは1.2〜5、さらに好ましくは1.5〜5となるような幅ΔL2 である。 【0049】したがって、図3に戻って、ステップS5では、ステップS4で得られた差圧ΔPの変化幅が、上記閾値を与えるΔL2 を超えたか否かが判別される。この判別結果が、NOすなわち上記変化幅が上記所定値を超えない(異常状態が検出されない)場合、ステップS1およびS2に戻り、以上の動作を繰り返す。 【0050】また、ステップS5の判別結果が、YESすなわち異常状態が検出された場合、ステップS6に進む。ステップS6では、弁22を閉鎖して固体状触媒Aの供給を停止し、ステップS7に進む。ここで、触媒の供給を停止することで、流動床4での気相重合のさらなる促進が抑えられるとともに、新たな触媒が供給されないため小塊の最大形成量も抑えられる。 【0051】ステップS7では、触媒供給停止後の差圧ΔPの変化幅が上記所定値を超える回数が所定時間内で所定回数を超えるか否かが判別される。すなわち、上記異常状態が持続するか否かが判別される。この判別結果が、NOすなわち差圧ΔPの変化幅が上記所定値を超える回数が所定時間内に所定回数を超えない(上記異常状態が所定時間持続しない)場合、ステップS8に進んで、弁22を開放して固体状触媒Aの供給を再開し、ステップS1およびS2に進んで以上の動作を繰り返す。 【0052】また、ステップS7の判別結果がYESすなわち上記異常状態が所定時間持続した場合、ステップS9に進んで所定の大きさ以上の小塊の形成が確認されたものとし、ステップS10に進む。 【0053】なお、ステップS5の当接強度の判別のみではなく、さらにステップS7で一定以上の当接強度検出の頻度の判別を行なうことで形成された小塊の検出を行なうのは、例えば当接強度の判別のみでは、この検出は小塊がダイアフラム15に当接する確率のみに頼ることとなる。このため、形成された小塊がほとんどない状態で小塊が検出されたと決定したり、あるいは単純な小塊形成以外の要因、例えば誤作動、流動床の流動状態などに基づいて小塊が検出されたと決定する虞がある。 【0054】したがって、小塊の検出精度を上げるため、ステップS5で当接強度が一定以上である状態を「異常状態」として検出し、ステップS7でこの異常状態が持続していると判別されたときを、一定個数以上の一定の大きさ以上の小塊形成が確認されたものとしている。 【0055】ステップS10では、上記失活剤が流動床4内に供給され、重合反応が停止し、ステップS11に進む。ステップS11では、流動床反応器全体の動作、例えば上記ブロワー8の回転動作、上記熱交換器9の動作、上記生成した重合体の抜き取り動作、上記ガス状単量体の供給動作などを停止して、制御動作が終了する。 【0056】なお、ここでは流動床反応器全体の動作を自動制御してもよいし、またはステップS9で所定の大きさ以上の小塊の形成を確認した後で、アラームを鳴らし、このアラームに応じて手動で該流動床反応器全体の動作を停止させてもよい。 【0057】ここで、例えば高さ10mで、分散板近傍の直径が2.5mの流動床反応器を例にとって、各値を具体的に説明する。このような流動床反応器では、上記差圧ΔPが通常3000mmAqである。したがって、定常状態における差圧ΔPの変化幅ΔL1 を3000×0.03=90mmAq、異常状態における差圧ΔPの変化幅ΔL2 を例えば150mmAq(比ΔL2 /ΔL1 =5/3)と設定し、異常状態が持続していると判別するための上記所定値を任意に設定すればよい。 【0058】このような小塊の検出方法は、例えば上記制御部21を図6に示すように構成することで実現することができる。なお、以下の説明において、各構成の動作に対応する図3中のステップ番号を括弧内に示す。また、図6で示されていない番号が付された部材は、図1または図2中のそれぞれ対応する番号が付された部材と同一である。 【0059】図6によれば、この制御部21は、上記差圧の変化幅を検出する変化幅検出手段である遅延回路41および差分計算回路42と、上記変化幅が上記所定値以上になったか否かを判別する第一判別手段であるコンパレータ43と、上記第一判別手段の判別結果に応じて、上記弁を閉鎖するよう制御する第1制御部44と、上記変化幅が上記所定値を超える回数が所定時間内で所定回数に達するか否かを判別する第二判別手段であるカウンタ45と、上記第二判別手段の判別結果に応じて、上記失活剤用弁24の開閉動作を制御するための制御信号を出力する第2制御部46とからなる。 【0060】図6において、遅延回路41は、端子ΔPから連続入力される差圧ΔPを所定の時間だけ送らせた差圧ΔP’を差分計算回路42に送る。差分計算回路42は、端子ΔPから入力される差圧ΔPと、遅延回路41より送られる差圧ΔP’との差、すなわち差圧ΔPの変化幅を求めてコンパレータ43に送る。 【0061】コンパレータ43は、上記差圧ΔPの変化幅と、外部より端子Dを介して入力される上記閾値を与える値ΔL2 とを比較し、該差圧ΔPの変化幅が該値ΔL2を超えたときに信号、例えばパルスを第1制御部44およびカウンタ45に出力する。 【0062】第1制御部44は、上記パルスが入力されると上記弁22を閉鎖するための信号を出力端子を介して該弁22に出力する。カウンタ45は、上記コンパレータ43から出力されるパルスを数えるための回路であって、パルスが入力される度に数値が加算され、異常状態が持続していると判別するための上記所定値Nを超えたときに制御パルスを第2制御部46に出力する。なお、この所定値Nは外部より入力される値である。さらに、図示されないクロック発生器からクロックパルスが入力されるとこの加算された数値がリセットされるとともに、リセットパルスが第2制御部46に出力される。 【0063】具体的には、上記制御パルスは上記コンパレータ43からのパルスが上記クロックパルスの一周期内で上記所定値Nを超えたときのみ出力され、一方上記リセットパルスは上記制御パルスが出力されてもされなくても上記クロックパルスが入力される度に、すなわち上記クロックパルスの周期ごとに出力される。また、カウンタ45にて加算された数値は、リセットパルスが出力された時点でリセットされる。 【0064】第2制御部46は、上記制御パルスと上記リセットパルスとの両方が入力されたときには上記流動床反応器1の各部の動作を停止させるための制御信号を出力端子を介して該各部、例えば上記失活剤用弁24、ブロワー8、熱交換器9などに出力し、上記リセットパルスのみが入力されたときには上記弁22を開放するための制御信号を出力端子を介して該弁22に出力する。 【0065】なお、ここでは上記流動床反応器1の各部の動作を停止させるための信号または上記弁22を開放するための信号を用いて流動床反応器1の自動制御を行なう例を示したが、これに限定されることはなく、例えば上記いずれかの制御信号に基づいてアラームを鳴らしたり、あるいは表示装置に表示させるなどして操作者に知らせ、操作者が手動で流動床反応器1の動作を制御してもよい。 【0066】上記気相重合装置によれば、第1の圧力計12で分散板11近傍の流動床4内の圧力を検出し(ステップS1)、第2の圧力計13で流動床反応器1内の上方の圧力を検出し(ステップS2)、差圧検出部14で両圧力の差圧ΔPを検出し(ステップS3)、遅延回路41および差分計算回路42で上記差圧ΔPの変化幅を検出し(ステップS4)、コンパレータ43で該差圧ΔPの変化幅が所定値を超えたか否かが判別される(ステップS5)。そして、該変化幅が所定値を超えたときに第1制御部44で上記弁22を閉鎖することで触媒供給を停止する(ステップS6)。一方、カウンタ45で差圧ΔPの変化幅が所定値を超える回数が所定時間内で所定回数を超えたか否かを判別し(ステップS7)、該回数が所定時間内で所定回数を超えたときに第2制御部46で上記失活剤用弁24を開放させ、失活剤を流動床4内へ供給する(ステップS10)。また、上記変化幅が所定値を超える回数が所定時間内で所定回数を超えないときに上記弁22を開放することで触媒供給を再開する(ステップS8)ように制御することができる。 【0067】従って、このように構成することで、流動床反応器1内の生成物を外部に取り出さなくても、生成物中の小塊の形成を検出することが可能になるため、小塊の検出を迅速に行なうことが可能になり、この検出結果を用いて流動床反応器内の重合環境を効果的に制御することが容易になる。 【0068】以上、本発明の好ましい実施態様を説明したが、本発明はこれに限定されることなく、本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。 【0069】 【発明の効果】本発明に係る気相重合における小塊の検出方法および気相重合装置によれば、気相重合過程で形成される小塊の検出を迅速に行ない、この検出結果を用いて流動床反応器内の重合環境を効果的に制御することが可能になる。 【0070】また、小塊の可能性が出た時点で、流動床への触媒の供給を停止するとともに、触媒の失活剤を投入するため、小塊形成をそれ以上促進させる虞もなく、従って反応環境の急激な悪化が生じる虞もない。 【0071】また、小塊の検出が迅速に行なわれるため、流動床反応器内に大きな塊が形成される前に対策を講じることが可能になり、反応器内の清掃時間等の短縮を図ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005887 【氏名又は名称】三井化学株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)9月10日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】鈴木 俊一郎
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| 【公開番号】 |
特開平11−80217 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)3月26日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−245704 |
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