| 【発明の名称】 |
高強度ガラスポリマーセメント固化材及びその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】舩木 元旦
【氏名】玉野井 英雄
【氏名】柳町 孝治
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】水硬性セメントと、天然ケイ酸塩鉱物の微細粉粒と多量の微細ガラス粉粒と水溶性合成樹脂エマルジョンを混練、固化してなることを特徴とする高強度ガラスポリマーセメント固化材。 【請求項2】着色顔料を添加したことを特徴とする請求項1に記載の高強度ガラスポリマーセメント固化材。 【請求項3】水硬性セメントと、天然ケイ酸塩鉱物の微細粉粒と多量の微細ガラス粉粒の混合体と水溶性合成樹脂エマルジョンを混練する第1工程、成型する第2工程、養生固化する第3工程からなることを特徴とする高強度ガラスポリマーセメント固化材の製造方法。 【請求項4】第1工程で混合体に着色顔料を添加したことを特徴とする請求項3に記載の高強度ガラスポリマーセメント固化材の製造方法。 【請求項5】第2工程は、押出、型詰め、圧延の何れか1つもしくは2つの組み合わせによることを特徴とする請求項3もしくは4に記載の高強度ガラスポリマーセメント固化材の製造方法。 【請求項6】第3工程は、常温固化または蒸気養生によって行うことを特徴とする請求項3乃至5に記載の高強度ガラスポリマーセメント固化材の製造方法。 【請求項7】水硬性セメントと、天然ケイ酸塩鉱物の微細粉粒と多量の微細ガラス粉粒の混合体と水溶性合成樹脂エマルジョンを、混練する第1工程、成型する第2工程、養生固化する第3工程、切断する第4工程からなることを特徴とする高強度ガラスポリマーセメント固化材の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、食品飲料用並びに建材等で利用価値を失ったガラス屑廃材の再生活用法として、水硬性セメントと天然ケイ酸塩鉱物の混合物にガラス屑廃材を多量に混入せしめ、水溶性合成樹脂エマルジョンで混練、固化してなる高強度ガラスポリマーセメント固化材とその製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】現在、我が国では環境保全、資源の有効利用等の観点から、廃棄物のリサイクル処理は重要な課題となり、多くの提案がある。今日あるガラス屑廃材の処理方法及び再利用の手段としては、ガラス廃材に硬化剤、又はアスファルト、セメント等と共に混合し、道路舗装への利用や固化物として採掘場跡地の埋め立て(特開平5−154458号)を試みたり、あるいはガラスビーズに加工して、ガラスビーズ入りコンクリートとして、構造物の光反射板増強剤としての利用(特開平6−340458号)が提案されている。 【0003】しかしながら、アスファルト等の道路舗装に於いては、ガラス廃材最大混入比率は10〜15%程度、並びに特開平6−340458号公報におけるセメント、砂、砂利混合の生コンクリートの中にガラスビーズを入れた構造物の光反射への利用では、全体量の3〜5%程度しか混入できない。ガラス廃材の再利用の面で有効ではあるが、ガラス混入量が少ないため、ガラス廃材を多量に活用するという面では効果が小さい。 【0004】 【本発明が解決しようとする課題】本来、ガラスを水硬性セメントに混入すると、ガラス組成であるケイ酸成分が水硬性セメントのアルカリ分と化学反応(アルカリ骨材反応)を起こし、セメント結晶体中で組成変化を生じて膨張、剥離、亀裂などの劣化現象を引き起こす。そのため、ガラス廃材をコンクリート固化体の骨材として多量に使用することができない。本発明ではガラス廃材を多量に活用したレンガ、タイルさらには大板の内外壁材といった建築、土木資材となる高強度のガラスポリマーセメント固化材とその製造方法を提供するものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明では、天然ケイ酸塩鉱物の微細粉粒と共に多量のガラス屑廃材を微細ガラス粉粒に加工して水硬性セメントの強化骨材として用い、水溶性合成樹脂エマルジョンと混練することにより強度の高いガラスポリマーセメント固化材となることを見いだした。 【0006】すなわち、天然ケイ酸塩鉱物である鉄電気石[NaFe3Al6B3Si6(OH)30]およびザクロ石[Fe3Al2(SiO4)3]はそれぞれ二極性結晶体であるため、粉砕した微細粉粒が独立した二極性結晶体を有し、これが水と接触するとき天然ケイ酸塩鉱物のもつ電気特性により水を電気分解し、水が水素イオン(H+)と水酸イオン(OH−)に分解する。その際、プラスイオン(H+)はイオン移動度が大きいため、水素ガス(H2)として放出されるが、水酸イオン(OH−)は周囲の水分子(H2O)と結合し[H2O+OH−=(H3O2)−]、ヒドロキシルイオン(H3O2)−と呼ばれる界面活性物質に変化し、界面活性効果を発生することがわかっている。 【0007】本発明ではこの特性を利用し、水硬性セメントに強化骨材として天然ケイ酸塩鉱物の微細粉粒と微細ガラス粉粒を入れ水溶性合成樹脂エマルジョンと混合すると、この水溶性合成樹脂エマルジョンの界面活性効果が促進される。その結果、水硬性セメントと樹脂成分との親和力が高まり、セメント結晶質組成と水溶性合成樹脂とが緻密に絡み合った共重合体を作り、高い曲げ特性と圧縮特性を示す。さらに、水溶性樹脂は水の界面活性効果により、セメント結晶質組成とガラスとの間に樹脂膜を形成する。その結果、セメント結晶質組成に直接ガラスが接触しない状態となり、セメントとガラスとの反応を阻止し、多量のガラスを添加した場合でも極めて高い強度のガラスポリマーセメント材が得られることがわかった。これまでは、ガラス屑を水硬性セメントに混入させると固化体の強度低下が見られたが、水硬性セメントの骨材として添加した天然ケイ酸塩鉱物の微細粉粒と水溶性合成樹脂エマルジョンの相乗効果を活かしたガラス廃材の多量活用の可能性のあることがわかり、本発明を完成するに至った。 【0008】本発明の水硬性セメントとしては、普通ボルトランドセメント、早強セメント、ホワイトセメント、アルミナセメントのいずれでもよいが、本発明ではホワイトセメントを用いた。天然ケイ酸塩鉱物の粉砕とガラス屑の粉砕は回転叩解式粉砕機を使用した。天然ケイ酸塩鉱物の粒度は5μm〜250μm程度、またガラスの粒度は150μm〜10mm程度でよい。着色顔料は無機顔料、有機着色剤いずれを用いても差し支えない。水溶性合成樹脂エマルジョンとしては、酢酸ビニル系エマルジョン、酢酸ビニル・アクリル共重合樹脂エマルジョン、酢酸ビニル・エチレン共重合樹脂エマルジョン、アクリル系共重合樹脂エマルジョン、アクリル・スチレン共重合樹脂エマルジョン、酢酸ビニル・エチレン・塩化ビニル共重合樹脂の一種ないし、それ以上を用いるほか、これらのパウダーを水硬性セメント、天然ケイ酸塩鉱物の微細粉(または粒)、微細ガラス粉(または粒)と共に適量の水を添加して、セメント−水溶性合成樹脂エマルジョンとして調整することができる。本発明では、水溶性合成樹脂エマルジョンとして、アクリル・スチレン共重合樹脂と酢酸ビニル・エチレン・塩化ビニル共重合樹脂を水で希釈し、20〜40重量%濃度調整したものを用いた。本発明の、高強度ガラスポリマーセメント固化材は、天然ケイ酸塩鉱物の微細粉(または粒)10〜90重量部、微細ガラス粉(または粒)20〜180重量部、ホワイトセメント10〜90重量部にたいし、水溶性合成樹脂エマルジョン20〜50重量部の組成からなる。水溶性合成樹脂エマルジョンは20〜50重量部の範囲内であればよいが、混練の粘度を考慮すると、好ましくは35〜45重量部とするとよい。 【0009】本発明の製造方法は、天然ケイ酸塩鉱物の微細粉(または粒)、水硬性セメントおよび微細ガラス粉(または粒)を予め混合し、前記組成重量組成になるように作成し、該混合組成物と水溶性合成樹脂エマルジョンとを混練機により均一分散した後、板状型枠に型詰めし、脱気、養生、固化成形して高強度ガラスポリマーセメント固化材を得る。 【0010】本発明の成形方法の具体例としては、押出、圧延、型詰め等の公知の成形方法または前記公知の方法の組合せ等でよい本発明の養生固化方法の具体例は、常温・常圧下の養生固化、蒸気養生等の公知の養生固化方法等の公知の方法でよい。 【0011】本発明の切断加工の具体例は、ダイヤモンドカッター、ウォータージェット等による公知の方法でよい。また、切断加工は、板状の固化体を長さ方向もしくは幅方向あるいは両方向に切断しても、ブロック状もしくは塊状の固化体を厚さ方向に切断してもよい。 【0012】すなわち、本発明の高強度ガラスポリマーセメント固化材は、予め所要の形状に成形して得るものでも、切断によって所要の形状を得るものでもよい。また、得られる固化体は、建築、土木資材となる大、小のタイル、レンガ、板等である。 【0013】本発明の高強度ガラスポリマーセメント固化材の製造方法の特徴は前述の他、高い温度で焼き固めることないためエネルギー消費を抑制し、常温・常圧のもとでの製造を可能とし、環境保全が第一であると云う観点にたつ、地球にやさしい製造方法を特徴としている。以下実施例によりさらに詳しく説明する。 【0014】 【実施例1】水硬性セメント(ホワイトセメント)70重量部、強化骨材として天然ケイ酸塩鉱物である鉄電気石の微細粉粒70重量部、微細ガラス粉粒60重量部を、水溶性合成樹脂エマルジョンであるアクリル・スチレン共重合樹脂(固形分30重量%)43重量部と混練してクリーム状とした後、型枠に型詰め成形した。固化脱型し、養生14日後に強度試験をおこなった。比較例として、天然ケイ酸塩鉱物の代わりに天然砂を用いた場合の強度試験結果を併記する。圧縮強度試験はJIS R−5201、曲げ強度試験はJIS A−1408に準じた。その結果、圧縮強度696Kgf/cm2、曲げ強度161Kgf/cm2を得た。天然ケイ酸塩鉱物の代わりに天然砂を用いた比較試験の値は、圧縮強度242Kgf/cm2、曲げ強度87Kgf/cm2であった。 【0015】 【実施例2】水硬性セメント(ホワイトセメント)70重量部、強化骨材として天然ケイ酸塩鉱物であるざくろ石の微細粉粒70重量部、微細ガラス粉粒60重量部を、水溶性合成樹脂エマルジョンであるアクリル・スチレン共重合樹脂(固形分30重量%)43重量部と混練してクリーム状とした後、型枠に型詰め成形した。固化脱型し、養生14日後に実施例1と同様の強度試験をおこなった。その結果得られた高強度ガラスポリマーセメント板の圧縮強度は735Kgf/cm2、曲げ強度は189Kgf/cm2であった。 【0016】 【実施例3】水硬性セメント(ホワイトセメント)70重量部、強化骨材として天然ケイ酸塩鉱物である鉄電気石の微細粉粒70重量部、微細ガラス粉粒60重量部を、水溶性合成樹脂エマルジョンである酢酸ビニル・エチレン・塩化ビニル共重合樹脂(固形分30重量%)43重量部と混練してクリーム状とした後、型枠に型詰め成形した。固化脱型し、養生14日後に実施例1と同様の強度試験をおこなった。その結果得られた高強度ガラスポリマーセメント板の圧縮強度は672Kgf/cm2、曲げ強度145Kgf/cm2であった。 【0017】 【実施例4】水硬性セメント(ホワイトセメント)70重量部、強化骨材として天然ケイ酸塩鉱物であるざくろ石の微細粉粒70重量部、微細ガラス粉粒60重量部を、水溶性合成樹脂エマルジョンである酢酸ビニル・エチレン・塩化ビニル共重合樹脂(固形分30重量%)43重量部と混練してクリーム状とした後、型枠に型詰め成形した。固化脱型し、養生14日後に実施例1と同様の強度試験をおこなった。その結果得られた高強度ガラスポリマーセメント板の圧縮強度は715Kgf/cm2、曲げ強度は153Kgf/cm2であった。 【0018】 【実施例5】水硬性セメント(ホワイトセメント)70重量部、強化骨材として天然ケイ酸塩鉱物である鉄電気石の微細粉粒70重量部、微細ガラス粉粒60重量部を、水溶性合成樹脂エマルジョンである酢酸ビニル・エチレン・塩化ビニル共重合樹脂(固形分30重量%)20重量部とアクリル・スチレン共重合樹脂(固形分30重量%)23重量部と混練してクリーム状とした後、型枠に型詰め成形した。固化脱型し、養生14日後に実施例1と同様の強度試験をおこなった。その結果得られた高強度ガラスポリマーセメント板の圧縮強度は701Kgf/cm2、曲げ強度153Kgf/cm2であった。 【0019】 【実施例6】水硬性セメント(ホワイトセメント)70重量部、強化骨材として天然ケイ酸塩鉱物であるざくろ石の微細粉粒70重量部、微細ガラス粉粒60重量部を、水溶性合成樹脂エマルジョンである酢酸ビニル・エチレン・塩化ビニル共重合樹脂(固形分30重量%)20重量部とアクリル・スチレン共重合樹脂(固形分30重量%)23重量部と混練してクリーム状とした後、型枠に型詰め成形した。固化脱型し、養生14日後に実施例1と同様の強度試験をおこなった。その結果得られた高強度ガラスポリマーセメント板の圧縮強度は748Kgf/cm2、曲げ強度198Kgf/cm2であった。 【0020】 【実施例7】水溶性合成樹脂エマルジョンである酢酸ビニル・エチレン・塩化ビニル共重合樹脂(固形分30重量%)20重量部とアクリル・スチレン共重合樹脂(固形分30重量%)23重量部と天然ケイ酸塩鉱物であるざくろ石の微細粉粒を用いた場合の、ガラス粉粒の混入量の違いにより得られた高強度ガラスポリマーセメント板の圧縮強度と曲げ強度の結果を表1に示す。 【0021】 【表1】
【0022】 【発明の効果】1)水硬性セメントに天然ケイ酸塩鉱物と多量のガラス粉粒を用い、水溶性合成樹脂エマルジョンと混練固化することで、建築、土木資材として用いることができる高強度のガラスポリマーセメント固化材を得ることができた。 2)高強度ガラスポリマーセメント固化材は、炭酸ガスやNOX、SOX等を発生させる焼成炉を用いて焼き固めることが無く、地球環境保全に適合した製造方法である。 3)廃棄物のリサイクル処理として、多量のガラス粉粒を再活用できる道が開けたことにより、ガラス廃材の多量使用が可能となった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000165505 【氏名又は名称】元旦ビューティ工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)2月26日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】福田 武通 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−240744 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)9月7日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−89191 |
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