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【発明の名称】 |
静圧空気軸受用カーボン摺動材の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】和田 稔 【氏名】渡辺 美博 |
【課題】空気軸受として適当な空気透過量(15〜150cc/cm2・min)を有すると共に、空気圧力による粉塵の発生の少ない静圧空気軸受用カーボン摺動材の製造方法を提供する。
【解決手段】空気透過量が15cc/cm2・min以上のカーボン材に、タールピッチ又はコールタールを含浸した後、焼成する静圧空気軸受用カーボン摺動材の製造方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 空気透過量が15cc/cm2・min以上のカーボン材に、タールピッチ又はコールタールを含浸した後、焼成することを特徴とする静圧空気軸受用カーボン摺動材の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、静圧空気軸受用カーボン摺動材の製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】カーボン材は摺動特性や機械加工性に優れるため空気軸受として使用されている。しかしながら、一般に、カーボン材は多孔質な材料であり、空気透過量のバラツキが大きい。空気軸受に使用する場合、所定範囲の空気透過量(一般的には15〜150cc/cm2・min)のカーボン材を選別して使用するため、歩留りが悪く、また、カーボン材の内部で脱落した粒子や、開孔に入りこんだ機械加工時の切削粉が、空気圧力により軸受外部に吐出する問題がある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、空気軸受として適当な空気透過量(15〜150cc/cm2・min)を有すると共に、空気圧力による粉塵の発生の少ない静圧空気軸受用カーボン摺動材の製造方法を提供するものである。 【0004】 【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は空気透過量が15cc/cm2・min以上のカーボン材に、タールピッチ又はコールタールを含浸した後、焼成することを特徴とする静圧空気軸受用カーボン摺動材の製造方法を提供するものである。 【0005】 【発明の実施の形態】本発明において用いられるコールタール又はタールピッチを含浸するカーボン材は、一般の炭素材、即ちコークス粉、黒鉛粉、カーボンブラックなどの骨材に、コールタール、タールピッチなどの結合材を用い、捏和(混練)・粉砕・成形・焼成したものを用いることができる。 【0006】カーボン材としては、空気透過量が15cc/cm2・min以上、好ましくは50〜300cc/cm2・minのものが用いられる。空気透過量が15cc/cm2・min未満のものを用いると材料内部までコールタール又はタールピッチを均一に含浸できない。本発明の製造方法は従来空気軸受に使用できなかった空気透過量が150cc/cm2・minを超えるカーボン材も用いることができ歩留りに優れている。なお、ここで空気透過量は試量厚さ:5.4(mm)、測定断面積:19.6(mm2)(φ5mm)、空気圧力:5(kg/cm2)、マスフロメーターで流量を測定し、計算により求めた値を意味する。 【0007】本発明において、150cc/cm2・min以上のカーボン材には、コールタールよりもタールピッチの方を含浸することが望ましい。コールタールを含浸した場合残炭率が低いため、タールピッチを含浸した場合より効果が少ない。 【0008】本発明において用いられるカーボン材を製造するにあたり、捏和(混練)は、一般に双腕型ニーダーなどを用いて、骨材、結合材等の各材料を好ましくは200〜300℃で加熱混練することにより行われる。 【0009】粉砕は、捏和で得られたものを、各種粉砕機を用いて平均粒径20〜30μmになるように粉砕することにより行われる。 【0010】成形は、粉砕により得られた粉体を、油圧プレスなどにより好ましくは800〜1200kg/cm2の圧力でブロック形状にすることにより行われる。 【0011】焼成は、還元雰囲気下で好ましく800〜1200℃に昇温することにより行われる。昇温時間は、300〜500時間が好ましい。還元雰囲気下で昇温する方法としては、成形体のまわりに炭素粉を詰める方法などがある。 【0012】このようにして得られた空気透過量が15cc/cm2・min以上のカーボン材にタールピッチ又はコールタールを含浸するのであるが、タールピッチ又はコールタールはカーボン材の開孔に含浸され、粒子間の空隙を縮小し空気透過量を静圧空気軸受用カーボン材に適当な範囲である15〜150cc/cm2・minの範囲にすることができる。また、粒子間の結合力を強め粒子の脱落を低減し、空気圧力による粉塵の発生を低減することができる。 【0013】タールピッチ又はコールタールのカーボン材への含浸は、タールピッチ又はコールタールを好ましくは200〜270℃に加熱し、好ましくは8〜14kg/cm2の圧力下で行われる。 【0014】含浸後の焼成は、還元雰囲気下で好ましくは800〜1200℃に昇温することにより行われる。昇温時間は、300〜500時間が好ましい。 【0015】得られるカーボン材は、静圧空気軸受用として、精密位置決め装置の案内や、高速回転軸受などの静圧空気軸受に用いられる。 【0016】 【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。 【0017】実施例1骨材としての自家製黒鉛粉(体積平均粒子径20μm)54重量%とカーボンブラック(Thermatomic Carbon Co., 製、かさ比重:0.85cc/g(51.7kg/cm2加圧)、灰分:0.27wt%、水分:0.04wt%、商品名サーマックス)11重量%に、バインダーピッチ(川崎製鉄製、商品名PKL、軟化点:84℃、固定炭素分:56wt%、灰分:0.3wt%以下、水分:3wt%以下)を35重量%配合し、温度250℃で数時間混練する。 【0018】この捏和物を平均粒径25μmに粉砕する。粉砕粉を油圧プレスにて、圧力1000kg/cm2で500×500×200mmのサイズに成形した。 【0019】この成形品を、還元雰囲気下1000℃に450時間で昇温し焼成し、空気透過量180cc/cm2・minのカーボン材を得た。 【0020】次に、このカーボン材を240℃で5時間乾燥した後、圧力容器内で3mmHgまで脱気し、240℃で溶解したタールピッチ(川崎製鉄製、商品名PKQL、軟化点:87℃、固定炭素分:55wt%、灰分:0.1≧wt%、水分:3≧wt%)を10kg/cm2の圧力で加圧含浸した。こうして含浸したカーボン材を、還元雰囲気下800℃に450時間で昇温し焼成した。 【0021】こうして得られたカーボン材の物理特性と空気透過量を測定した。 【0022】また、発塵性の指標として図1のように、超音波洗浄器(125W/100V)1にて試験管2内のテストピース4を5分間洗浄したときの洗浄水3を蒸発させ、残留物の重量を測定した。 【0023】その結果、空気透過量は60cc/cm2・min、超音波洗浄による吐出物は2mgであった。測定結果をまとめて表1に示す。 【0024】実施例2実施例1と同様の操作で得られた別ロットのカーボン材の中から、空気透過量が120cc/cm2・minのブロックを240℃で5時間乾燥した後、圧力容器内で3mmHgまで脱気し、240℃に加熱したコールタール(川崎製鉄製、比重:1.18、水分:0.8wt%、粘度:120cp/50℃、固定炭素分:24wt%)を10kg/cm2の圧力で加圧含浸した。こうして含浸したカーボン材を、還元雰囲気下800℃に450時間で昇温し焼成した。 【0025】こうして得られた含浸・焼成したカーボン材の物理特性と空気透過量および発塵性を測定した。 【0026】その結果、空気透過量は40cc/cm2・min、発塵性は1mgであった。測定結果をまとめて表1に示す。 【0027】比較例1実施例1の含浸・焼成前のカーボン材の物理特性と空気透過量および発塵性を測定した。 【0028】その結果、空気透過量は180cc/cm2・min、発塵性は4mgであった。測定結果をまとめて表1に示す。 【0029】比較例2実施例2の含浸・焼成前のカーボン材の物理特性と空気透過量および発塵性を測定した。 【0030】その結果、空気透過量は120cc/cm2・min、発塵性は3mgであった。測定結果をまとめて表1に示す。 【0031】 【表1】
表1に示すように、実施例1、2の空気透過量は比較例1、2より小さく、空気軸受として適当な範囲(15〜150cc/cm2・min)になっている。また発塵性も小さい。 【0032】 【発明の効果】本発明により、空気軸受として適当な空気透過量(15〜150cc/cm2・min)を有すると共に、空気圧力による粉塵の発生の少ない空気軸受用カーボン摺動材が得られた。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004455 【氏名又は名称】日立化成工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)9月2日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】穂高 哲夫
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| 【公開番号】 |
特開平11−79838 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)3月23日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−236747 |
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