| 【発明の名称】 |
タワークレーン設置開口部の雨養生用開閉テント |
| 【発明者】 |
【氏名】西上 雅朗
【氏名】山本 由紀夫
【氏名】宇治原 建二
【氏名】古橋 辰雄
|
| 【要約】 |
【課題】大型タワークレーンのマストに容易に取り付けることができ、上階への盛り替え時に解体・再組立作業が不要であり、しかも排水が簡単にできるようにしたタワークレーン設置開口部の雨養生用開閉テントを提供する。
【解決手段】タワークレーンのマストに漏斗型の開閉テントを取り付け、開口部の下で開いて雨水を受けると共にテントの中心部に流下させ、中心部に設けた集水部材及び排水管により排水ホースに導いて外部に排水する。開閉テントはウインチ等の巻き上げ機にワイヤーロープを介して吊り下げ、この巻き上げ機を作動させてテントの開閉操作と上下移動を行い、上階への盛り替え時には、テントを閉じて上方へ移動させることにより開口部を通過させ、上階に位置決めした後再びテントを開く。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】タワークレーンに取り付けられた巻き上げ機によりクレーンマストに沿ってそれぞれ上下動する上部円環部材及び下部円環部材と、上部円環部材に基端部が枢支されて放射状に取り付けられた複数の支持アームと、下部円環部材に基端部が枢支されて放射状に取り付けられると共に、ほぼ中間部が前記支持アームの先端部にそれぞれ枢支された複数のアームと、このアームに取り付けられたシートとを備え、前記巻き上げ機により上部円環部材を下降させた時には、前記支持アームを介してアームを外向きに倒し、タワークレーン設置開口部の下方でシートを開いて雨養生とし、上部円環部材を上昇させた時には、前記支持アームを介してアームを内向きに起こし、シートを閉じることにより前記タワークレーン設置開口部を通過できるように構成したことを特徴とするタワークレーン設置開口部の雨養生用開閉テント。 【請求項2】開閉テントは、シートを開いた時にほぼ漏斗型となるように形成し、下部円環部材に集水部材及び排水管を設けた請求項1記載のタワークレーン設置開口部の雨養生用開閉テント。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、タワークレーン設置開口部の雨養生用開閉テントに関する。 【0002】 【従来の技術】大規模な高層ビル新築工事現場等では、ビルの内部に大型のタワークレーンを複数台設置して、工事に必要な資材を所定の位置まで揚重・搬送したり、鉄骨柱や梁、外壁PC板等の取り付け工事を行っている。ビルの内部にタワークレーンを設置すると、そのマスト廻りが開口部となるため、雨天時にはそこから雨水が浸入してしまう。そのため、開口部が塞がる前に仕上げ工事等を行うような場合には、開口部に雨養生用シート等を張って雨水の浸入を防いでいる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の雨養生用シートによると次のような問題がある。 ■ 開口部に雨養生用シートを張るのに多くの時間と手間が掛かる。 ■ タワークレーンは工事の進捗に合わせて上階に移動するため、その都度雨養生用シートの盛り替え(解体・再組立)が必要となって作業が面倒である。 ■ シート上に溜った雨水の排水がし難い。 【0004】本発明は、このような従来の問題を解決するためになされ、タワークレーンマストに容易に取り付けることができ、上階への盛り替え時に解体・再組立作業は不要であり、しかも排水が簡単にできるようにした、タワークレーン設置開口部の雨養生用開閉テントを提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】この目的を達成するための手段として、本発明は、タワークレーンに取り付けられた巻き上げ機によりクレーンマストに沿ってそれぞれ上下動する上部円環部材及び下部円環部材と、上部円環部材に基端部が枢支されて放射状に取り付けられた複数の支持アームと、下部円環部材に基端部が枢支されて放射状に取り付けられると共に、ほぼ中間部が前記支持アームの先端部にそれぞれ枢支された複数のアームと、このアームに取り付けられたシートとを備え、前記巻き上げ機により上部円環部材を下降させた時には、前記支持アームを介してアームを外向きに倒し、タワークレーン設置開口部の下方でシートを開いて雨養生とし、上部円環部材を上昇させた時には、前記支持アームを介してアームを内向きに起こし、シートを閉じることにより前記タワークレーン設置開口部を通過できるように構成したタワークレーン設置開口部の雨養生用開閉テントを要旨とする。又、開閉テントは、シートを開いた時にほぼ漏斗型となるように形成し、下部円環部材に集水部材及び排水管を設けたことを要旨とする。 【0006】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳説する。図1において、1は建設中のビルの内部に設置された大型のタワークレーンであり、そのマスト2の周囲には各階とも開口部3が設けられている。 【0007】4はほぼ漏斗型の開閉テントであり、前記タワークレーン1の下部昇降フレームに取り付けた第1、第2の電動ウインチ等の巻き上げ機5、5′にワイヤーロープ5a、5′aを介して吊り下げられ、これらの巻き上げ機5、5′をそれぞれ作動することによりテントの開閉操作と上下移動ができるようにしてある。 【0008】この開閉テント4は、図2に示すように前記マスト2に沿って上下動可能に嵌合された上部円環部材6と下部円環部材7とを有し、上部円環部材6の外周部には複数本の支持アーム8が放射状に設けられ、これら支持アーム8の基端部はブラケット9を介してそれぞれ上下回動可能に枢支されている。又、上部円環部材6の上端要所には係止部6aが設けられ、第1の巻き上げ機5のワイヤーロープ5aが係止されている。 【0009】一方、下部円環部材7の外周部には前記支持アーム8に対応させて複数本のアーム10が放射状に設けられ、これらアーム10の基端部はブラケット11を介してそれぞれ上下回動可能に枢支され、ほぼ中間部が前記支持アーム8の先端部にブラケット12を介してそれぞれ枢支されている。更に、下部円環部材7の上端要所には係止部7aが設けられ、前記第2の巻き上げ機5′のワイヤーロープ5′aが係止されている。 【0010】13は雨養生用のシートであり、図3に示すように前記アーム10に取り付けられてマスト2を中心とした漏斗型を呈しており、外周縁に沿って設けた吊輪にロープ13aが挿通されている。 【0011】14は排水管であり、図5に示すように前記下部円環部材7の外周部にこれを取り巻くようにして円環状に取り付けられ、上部には一定の間隔をあけて集水部材15が設けられ、これらの集水部材15は前記シート13に接続されてシート13の内側に溜った雨水を集めて排水管14に導けるようにしてある。更に、排水管14の下部には排水口14aが設けられ、排水ホース16(図1)を着脱自在に接続する。 【0012】このように構成された本発明に係る開閉テント4は、図1のように建築途中の最上階の開口部3の下で開いて雨養生用に使用される。即ち、降雨時にシート13の内側で雨を受け、その雨水を中央部に流下させると共に前記集水部材15を介して排水管14に導き、更に排水口14aから排水ホース16を経て外部に排水することができる。 【0013】この時、シート13は前記ロープ13aを緊張状態に支持して外縁部を張るようにすると好ましく、又下部円環部材7とマスト2との隙間を適宜のシール材で又はシート13の中央孔の縁部で塞ぐようにしておくと良い。 【0014】図6は、開閉テント4の上階への盛り替えを示すもので、先ず排水ホース16を外して(イ) のように開閉テント4を閉じ、その閉状態を保持して上方へ移動させる。開閉テント4を閉じるには、前記第1の巻き上げ機5を作動させて上部円環部材6のみを上昇させると、支持アーム8がブラケット9を支点としてそれぞれ下向きに回動し、上部円環部材6の上昇につれて下部円環部材7のアーム10をブラケット11を支点としてそれぞれ上向きに回動させて引き起こす。この結果、開閉テント4は、図4に示すようにシート13が内側にすぼめられて閉じ、前記開口部3を通過できる状態となる。 【0015】開閉テント4を閉じた後に、第1、第2の巻き上げ機5、5′を同時に作動し上部円環部材6及び下部円環部材7を上昇させることにより、開閉テント4を閉じたまま開口部3を通過させ、上階の開口部3′に対して開閉テント4を位置付けた時点で第1、第2の巻き上げ機5、5′を共に停止させる。 【0016】この後、下部円環部材7は第2の巻き上げ機5′で吊持した状態を保持し、第1の巻き上げ機5のみ作動させて上部円環部材6を下降させると、支持アーム8がブラケット9を支点としてそれぞれ上向きに回動し、ブラケット12を介して下部円環部材7のアーム10をそれぞれブラケット11を支点として徐々に下向きに回動させて押し倒す。この結果、開閉テント4は、図6(ロ) のようにシート13が外側に拡げられて開き、前記排水口14aに排水ホース16を再び接続すれば上階の開口部3′に対し雨養生することができる。 【0017】このようにして、開閉テント4を開閉しながら順次上階に盛り替えすることができ、しかも高層ビルの建築の進捗に伴ってタワークレーン1のマスト2と一体的に上昇させることが可能である。従って、従来のように盛り替え時にシートを外し、上階へ搬送した後に再度張り付けるといった面倒な作業が不要になる。尚、本発明による開閉テントは、タワークレーン設置開口部の雨養生用としてのみならず、落下物防止用としても役に立つものである。その際には、シートに代わってネット等の材料を用いることも可能である。 【0018】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、大型タワークレーンの設置開口部の雨養生用の開閉テントをクレーンマストに上下動可能に取り付けたので、従来のように開口部に雨養生用シートを張る必要がなくなり、多くの作業時間と手間を省くことができる。又、開閉テントの開閉操作及び上下移動は開閉テントを吊り下げている巻き上げ機を作動させて容易に行えるようにしたので、盛り替え時には開閉テントを閉じてそのまま上方に移動させ、上階で再び開閉テント開けば盛り替え作業が終了する。このため、従来のように盛り替えの度毎に解体・再組立をする必要がなくなり、盛り替え作業を著しく簡略化することができる。更に、開閉テントには集水部材及び排水管を取り付けたので、シート上に溜った雨水の排水がし易く、階下への雨水の浸入を完全に防止できる等の優れた効果を奏する。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000002299 【氏名又は名称】清水建設株式会社
|
| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月17日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】秋元 輝雄
|
| 【公開番号】 |
特開平11−180679 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)7月6日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−348005 |
|