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【発明の名称】 ミシン目カッター装置の用紙搬送機構
【発明者】 【氏名】谷川 修

【氏名】香川 修治

【氏名】岡本 元

【要約】 【課題】ミシン目カット位置にある連続用紙に安定したバランスのよい張力を与えてカットミスの発生を防止する。

【解決手段】開閉ローラ10の開閉シャフト11の両端はフレーム25、25に設けられた長孔であるガイド孔25a、25aから外側に突出してガイドされている。開閉シャフト11の両端にはそれぞれ同一のピニオン12、12が固着され、ピニオン12、12はガイド孔25a、25aに沿って配置された同一のラック13、13にそれぞれ噛合している。開閉シャフト11を回動させることにより、開閉ローラ10は固定ローラ16と平行な姿勢を維持しつつ接近離反して開閉する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ミシン目が設けられた連続用紙に印刷可能なプリンタに装着されるミシン目カッター装置に付設され、用紙搬送通路を挟んで上下にそれぞれ配置され、一方は他方に対して接近離反することにより開閉する開閉ローラであり、他方は固定ローラである上下のローラを有し、カット時に上下のローラがプリント部の紙送り装置であるトラクタとの間で連続用紙を張力を保った状態で挟持するとともに、一方向に回動して連続用紙を搬送するミシン目カッター装置の用紙搬送機構において、前記開閉ローラは、前記開閉ローラの両側方にそれぞれ配置されたフレームにそれぞれ設けられた長孔に、前記開閉ローラの軸である開閉シャフトの両端がそれぞれ挿入されてガイドされており、前記長孔に沿って前記固定ローラに対して平行姿勢を維持しつつ接近または離反するように構成されていることを特徴とするミシン目カッター装置の用紙搬送機構。
【請求項2】 前記開閉ローラは、前記開閉シャフトを一方向または他方向に回動させることにより前記固定ローラに対して接近または離反する請求項1に記載のミシン目カッター装置の用紙搬送機構。
【請求項3】 前記開閉ローラの前記開閉シャフトの両端にはそれぞれ同一のピニオンが固定されており、前記各ピニオンは前記各長孔の側方に前記長孔に沿ってそれぞれ前記各フレームに配置された同一のラックにそれぞれ噛合している請求項2に記載のミシン目カッター装置の用紙搬送機構。
【請求項4】 前記開閉ローラと前記開閉シャフトとは、相互の間に一定値以上のトルクが生ずると相互に空転するように構成された請求項3に記載のミシン目カッター装置の用紙搬送機構。
【請求項5】 前記開閉ローラと前記開閉ローラを回動させる駆動モータとは、相互の間に一定値以上のトルクが生ずると相互に空転するように構成された請求項4に記載のミシン目カッター装置の用紙搬送機構。
【請求項6】 前記開閉ローラと前記開閉シャフトとの間に生ずるトルクの前記一定値は、前記開閉ローラと前記駆動モータとの間に生ずるトルクの前記一定値よりも小さく設定された請求項5に記載のミシン目カッター装置の用紙搬送機構。
【請求項7】 前記開閉ローラと前記開閉シャフトとの間及び前記固定ローラと前記固定ローラの軸である固定シャフトとの間には、連続用紙排出方向である一方向に回転する時には、前記一定値以上のトルクが生じた場合を除いて一体に回転し、他方向に回転する時には相互に空転するワンウェイクラッチが設けられている請求項2ないし6に記載のミシン目カッター装置の用紙搬送機構。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ミシン目の設けられた連続用紙に印刷可能な、例えばシリアルプリンタに装着されるミシン目カッター装置に関し、特にミシン目カッター装置に付設されて連続用紙を挟んで保持し、搬送する開閉可能な上下のローラを伴う用紙搬送機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シリアルプリンタのようなミシン目の設けられた連続用紙に印刷可能なプリンタに装着されるミシン目カッター装置において、用紙を挟んで保持し搬送する開閉可能なローラを伴う用紙搬送機構は、モータ、ソレノイド、アーム、ギヤ及び上下ローラ等が組み合わされて構成されていた。
【0003】図5に従来の用紙搬送機構の一例を示す。駆動モータ1の駆動軸に固定されたモータギヤ2はシャフト71に固定されたギヤ74と噛合している。シャフト71の両端は両側方のフレーム25、25にそれぞれ回動可能に支持されており、シャフト71はアーム70に遊挿されている。アーム70はシャフト71を中心に旋回可能であり、アーム71の先端には開閉ローラ10の開閉シャフト10aが回動可能に支持されている。開閉シャフト10aにはスプリング76の一端が回動可能に取り付けられ、スプリング76の他端はフレーム25に取り付けられている。さらに開閉シャフト10aにはトルクリミッタ8及びトルクリミッタ8によりトルクが一定値に制限されたギヤ10bが取り付けられている。ギヤ10bには、アーム70に軸支されたアイドラギヤ75を介してモータギヤ2からの駆動が伝達される。また、アーム73には開閉ローラ10を閉じる方向、すなわち下方に向かう方向にアーム70を揺動させるソレノイド73の駆動シャフトが取り付けられている。ギヤ10bは固定ローラ16の固定シャフト14に固着されたギヤ15に噛合している。固定シャフト14の両端は両側方のフレーム25に回動可能に支持されており、右端にはフォトセンサ22により用紙搬送量を検知するためのスリット円板21が取り付けられている。固定シャフト14の左端にはプーリ17が固定されており、ベルト18が掛け渡され、ベルト18はさらにアイドラギヤプーリ19に掛け渡されている。アイドルギヤプーリ19はアイドラギヤ20に噛合している。アイドラギヤ20はプラテンギヤ51に噛合していおり、プラテンギヤ51はプラテン52のシャフトに固定されて、固定シャフト14はプラテン52によるプリンタの紙送り動作に連動して回動する。プラテン52と開閉ローラ10及び固定ローラ16との間には、連続用紙55に設けられたミシン目55aを切断するためのカッターユニット24が配置されている。トラクタ54は印刷部に連続用紙55を供給し、プリントヘッド53はプラテン52に沿って移動しつつ連続用紙55に印刷を行なう。
【0004】以上のような構成において、プリントヘッド53によりプリントされた連続用紙55はトラクタ54により搬送され、スプリング76により開閉ローラ10が開いた状態の開閉ローラ10と固定ローラ16との間に連続用紙55のプリント済の先端のシート部分が侵入する。図示しないセンサにより連続用紙55のミシン目55aをカットされた先端が開閉ローラ10と固定ローラ16との間にまで進んだことが検知されると、ソレノイド73への通電が停止されてシャフトが引っ込んでアーム70が揺動し、開閉ローラ10が閉じて開閉ローラ10と固定ローラ16との間に連続用紙55が挟まれる。続いて駆動モータ1とトラクタ54とを駆動して、次のミシン目55aがカッターユニット24の直下に位置するまで連続用紙55が搬送される。この位置で駆動モータ1とトラクタ54とは停止し、連続用紙55は開閉ローラ10及び固定ローラ16とトラクタ54との間に張力が与えられた状態で保持される。この状態でカッターユニット24が作動してミシン目55aがカットされ、切り離された先端の連続用紙55は駆動モータ1を駆動することにより図示しないスタッカ等に排出される。以上のような手順を繰り返して、連続用紙55のミシン目55aが順次カットされ、連続用紙55の先端のシートが一枚ずつ切り離される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のような上下のローラ10、16の開閉により用紙を挟んで保持し、搬送する用紙搬送機構は、上下のローラ10、16による連続用紙55を挟持する力が用紙搬送方向に対して左右アンバランスになったり弱かったりして適正な張力を得ることができず不安定だった。張力が弱いとカット時に連続用紙55がたるみ、ミシン目55aの切り残しが生じたり、ミシン目55aの位置がカッターユニット24のカッター刃と大きくズレてカットミスを起こすという問題があった。また張力が強すぎても、連続用紙55の側縁近くの送り穴が負けて、トラクタ54において送り穴が長穴になり、搬送に支障を生じたり印刷位置決めが不正確になったりする可能性があった。また、図5に示すように従来の用紙搬送機構の構造は複雑であり、製造コストが高くついていた。
【0006】よって本発明の目的は、ミシン目カッター装置の上下のローラの開閉により連続用紙を挟んで保持するとともに搬送を行なう機構の構造を簡単にし、かつカット時の連続用紙のたるみを防止し、安定して張力を持った状態で連続用紙を挟持でき、これによりカットミスをなくすことのできるミシン目カッター装置の用紙搬送機構を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、ミシン目が設けられた連続用紙に印刷可能なプリンタに装着されるミシン目カッター装置に付設され、用紙搬送通路を挟んで上下にそれぞれ配置され、一方は他方に対して接近離反することにより開閉する開閉ローラであり、他方は固定ローラである上下のローラを有し、カット時に上下のローラがプリント部の紙送り装置であるトラクタとの間で連続用紙を張力を保った状態で挟持するとともに、一方向に回動して連続用紙を搬送するミシン目カッター装置の用紙搬送機構において、前記開閉ローラは、前記開閉ローラの両側方にそれぞれ配置されたフレームにそれぞれ設けられた長孔に、前記開閉ローラの軸である開閉シャフトの両端がそれぞれ挿入されてガイドされており、前記長孔に沿って前記固定ローラに対して平行姿勢を維持しつつ接近または離反するようにミシン目カッター装置の用紙搬送機構を構成した。
【0008】請求項1に記載の発明に係るミシン目カッター装置の用紙搬送機構においては、開閉ローラは、開閉シャフトがフレームにそれぞれ設けられた長孔に挿入されてガイドされて開閉し、その際固定ローラに対して平行姿勢を維持しつつ接近または離反するので、開閉ローラと固定ローラとは平行なまま連続用紙を挟持することができ、連続用紙を保持する力がアンバランスになったり所期の張力が得られなかったりすることがない。開閉ローラの平行姿勢を維持するための具体的な機構としては、例えば後述するラックアンドピニオン、リニアガイド等が挙げられる。なお開閉ローラは固定ローラに対して上ローラであることも下ローラであることもあり得る。
【0009】請求項2に記載の発明は、前記開閉ローラは、前記開閉シャフトを一方向または他方向に回動させることにより前記固定ローラに対して接近または離反するように請求項1に記載のミシン目カッター装置の用紙搬送機構を構成した。請求項2に記載の発明においては、開閉シャフトを回動させることにより開閉ローラが固定ローラに対して接近離反して開閉するので、開閉ローラを回動して連続用紙を搬送する動作と開閉ローラを開閉する動作とを一つの駆動モータにより行なわせることができる。
【0010】請求項3に記載の発明は、前記開閉ローラの前記開閉シャフトの両端にはそれぞれ同一のピニオンが固定されており、前記各ピニオンは前記各長孔の側方に前記長孔に沿ってそれぞれ前記各フレームに配置された同一のラックにそれぞれ噛合しているように請求項2に記載のミシン目カッター装置の用紙搬送機構を構成した。請求項3に記載の発明においては、開閉シャフトを回転させると、両端に固定されたピニオンが回転し、ピニオンはフレームに配置されたラックに噛合しているので、回転シャフトの回転に従って開閉ローラは長孔に沿って移動する。開閉シャフトの両端のピニオンは同一であり、各フレームに配置されたラックも同一なので、その移動量もまた同一になり、よって開閉ローラは固定ローラに対して平行な姿勢を保持されつつ移動する。
【0011】請求項4に記載の発明は、前記開閉ローラと前記開閉シャフトとは、相互の間に一定値以上のトルクが生ずると相互に空転するように請求項3に記載のミシン目カッター装置の用紙搬送機構を構成した。請求項4に記載の発明に係るミシン目カッター装置の用紙搬送機構においては、開閉ローラが固定ローラに当接すると、開閉シャフトはそれ以上閉じる方向に移動できず、ラックとピニオンが噛合しているために回転もできなくなる。しかしこの状態においても、開閉ローラは開閉シャフトとの間に一定値以上のトルクが生ずると相互に空転するため、開閉ローラに駆動力が伝達され続けると開閉シャフトの回転が抑止されているにも拘らず回転でき、これにより固定ローラとの間に挟持した用紙を搬送することができ、トラクタが停止した状態では連続用紙に張力を与えるように引っ張り、また連続用紙の先端のシートが切り離された後は用紙を排出することができる。さらに、トルクの一定値を適当に設定することによって、開閉シャフトが開閉ローラを固定ローラに押し付け続ける力を調整することができ、これにより連続用紙を挟む力を調節することができる。
【0012】請求項5に記載の発明は、前記開閉ローラと前記開閉ローラを回動させる駆動モータとは、相互の間に一定値以上のトルクが生ずると相互に空転するように請求項4に記載のミシン目カッター装置の用紙搬送機構を構成した。請求項5に記載の発明に係るミシン目カッター装置の用紙搬送機構においては、開閉ローラが閉じ、トラクタが停止した状態であっても、開閉ローラを回転させる駆動モータを作動させ続けることにより、開閉ローラと固定ローラとが連続用紙を用紙排出方向に引っ張り続けることができる。また、その引っ張る力は開閉ローラと駆動モータとの相互の間で空転を開始するトルクの一定値に依存する。よってこのトルクを設定することにより、開閉ローラ及び固定ローラとトラクタとの間の連続用紙の張力を調節することができる。また駆動モータにかかる負荷を遮断して、駆動モータを保護することができる。
【0013】請求項6に記載の発明は、前記開閉ローラと前記開閉シャフトとの間に生ずるトルクの前記一定値は、前記開閉ローラと前記駆動モータとの間に生ずるトルクの前記一定値よりも小さく設定して請求項5に記載のミシン目カッター装置の用紙搬送機構を構成した。上述のように開閉ローラは、開閉シャフトとの間で空転でき、かつ駆動モータとの間で空転することができる。まず先に開閉ローラが閉じて、それからもさらに連続用紙を搬送できるように開閉シャフトとの間で開閉ローラが空転して回転し、次に連続用紙の張力を適当な大きさに調整するために駆動モータとの間で空転が生じなければならない。このため、開閉ローラと開閉シャフトとの間が先に空転を始め、その後に開閉ローラと駆動モータとの間で空転が生ずるように、それぞれのトルクの一定値に差が付けられている。
【0014】請求項7に記載の発明は、前記開閉ローラと前記開閉シャフトとの間及び前記固定ローラと前記固定ローラの軸である固定シャフトとの間には、連続用紙排出方向である一方向に回転する時には、前記一定値以上のトルクが生じた場合を除いて一体に回転し、他方向に回転する時には相互に空転するワンウェイクラッチが設けられているように請求項2ないし6に記載のミシン目カッター装置の用紙搬送機構を構成した。請求項7に記載の発明においては、ミシン目カット時にトラクタ方向に引っ張る力が開閉ローラ及び固定シャフトに挟持された連続用紙に働いても、各ローラが回転して連続用紙が連続用紙排出方向と反対の方向に引き出され、ミシン目カット位置がずれたり連続用紙がたるんだりしてカットミスが生ずることが防止される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下図示の実施の形態について説明する。
【0016】図1は、本発明に係るミシン目カッター装置の用紙搬送機構の一つの実施の形態を示す斜視図であり、ケース及びプリンタ部等の一部部材を省略してある。
【0017】同図において、駆動モータ1はパルスモータであり、上下のローラである開閉ローラ10及び固定ローラ16を駆動するとともに開閉ローラ10を開閉する。駆動モータ1は用紙搬送経路の両側方にそれぞれ配置されたフレーム25、25の一方に取り付けられている。駆動モータ1のシャフトにはモータギヤ2が固定されており、モータギヤ2はギヤ3に噛合している。シャフト6には、相互に順に嵌合した状態でギヤ3と第1トルクリミッタ4とプーリ5とが回動可能に取り付けられており、ギヤ3とプーリ5とは相互の間に一定値のトルクが生ずると相互に空転するようになっている。
【0018】プーリ5には伝動ベルト23が巻回されており、伝動ベルト23はギヤプーリ7に掛け渡されている。この伝動機構はアイドラギヤを利用しても構成可能である。第2トルクリミッタ8の内輪は開閉シャフト11の固定ピンに、ギヤプーリ7は第2トルクリミッタ8の外輪に、ワンウェイクラッチ9はパイプ27におのおの嵌合しており、ギヤプーリ7は、第2トルクリミッタ8、ワンウェイクラッチ9及び開閉ローラ10とともに、開閉シャフト11に軸支されている。ギヤプーリ7は第2トルクリミッタ8を介して開閉シャフト11に取り付けられており、開閉シャフト11とギヤプーリ7との間に一定値のトルクが生ずると相互に回転するようになっている。第2トルクリミッタ8に設定された一定値のトルクは、第1トルクリミッタ8に設定された一定値のトルクよりも小さく、具体的には約2分の1に設定されている。
【0019】開閉ローラ10はパイプ27の周囲に取り付けられており、パイプ27とギヤプーリ7とはワンウェイクラッチ9と第2トルクリミッタ8と開閉シャフト11とを介して相互に取り付けられている。よって第2トルクリミッタ8により、開閉ローラ10と開閉シャフト11との間に一定値のトルクが生ずると相互に空転するようになっている。ワンウェイクラッチ9はギヤプーリ7が図2視時計回り方向に回転した時には開閉ローラ10をロックし、反時計回り方向に回転した時には開閉ローラ10を空転させる。これにより開閉ローラ10が連続用紙55を用紙排出方向の逆方向に戻すのを防止する。
【0020】開閉シャフト11の両端は、フレーム25、25にほぼ上下方向(図2に示すように、固定ローラ16の半径方向であり、かつプーリ5の接線方向)に設けられた長孔であるガイド孔25a、25aにそれぞれ上下方向に移動可能に挿入されて延びており、フレーム25、25から外側方向に突き出した両端にはそれぞれピニオン12、12が固着されている。ピニオン12、12はフレーム25、25の外面にガイド孔25a、25aに沿ってそれぞれ配置されたラック13、13にそれぞれ噛合しており、これにより開閉ローラ10は固定ローラ16に平行な水平姿勢を保持したまま上下方向に移動することができる。開閉ローラ10は摩擦係数の高い弾性体であり、具体的にはゴム製である。
【0021】ワンウェイギヤ15は固定シャフト14に嵌入して、周囲に固定ローラ16が取り付けられたパイプ27及び軸受26に嵌合されている。固定ローラ16も弾性体、具体的にはゴム製である。ワンウェイギヤ15は固定シャフト14が図2視反時計回り方向に回転する時には固定ローラ16をロックするが、時計回り方向に回転する時には固定ローラ16を空転させる。これにより、連続用紙55が用紙排出方向の逆方向に戻るのを防止する。固定シャフト14は両端近くをフレーム25、25により回動可能に指示されており、フレーム25から突き出た一端にはスリット円板21が固着され、フォトセンサ22により固定ローラ16の回転量すなわち連続用紙55の搬送量を検知するようになっている。フレーム25から突き出た他端にはプーリ17が固着されている。図示していないプリンタの紙送りモータの駆動はトラクタ54、プラテン52、プラテンギヤ51、アイドラギヤ20、アイドラギヤプーリ19、伝動ベルト18、プーリ17を介して固定シャフト14に伝動され、これによりスリット円板21と連動する。
【0022】トラクタ53はミシン目55aの設けられた連続用紙55を印刷部に供給し、プリントヘッド53は印刷を行なう。カッターユニット24は、プラテン52と開閉ローラ10及び固定ローラ16との間に配置されてミシン目55をカットする。
【0023】次に本実施の形態の動作について説明する。図2(a)(b)はそれぞれ図1に示した実施の形態に係るミシン目カッター装置の用紙搬送機構の動作を説明する側面図であり、フレーム部分及びプリント部を含む一部部材を省略して示してある。図3は図1の機構の動作を説明するフローチャートであり、プリンタ側とミシン目カッター装置側の動作をそれぞれ示してある。図4(a)〜(d)は、カッターユニット24による連続用紙カット動作を示す正面図であり、一部部材を省略してある。
【0024】プリントヘッドによる連続用紙55の先端のシート部分へのプリントが終了すると、以下のような過程の連続用紙カット動作が開始される。図3において、まずプリンタ側でプリンタにミシン目カッター装置が装着されているかが確認され(チェックC1)、次に切り取り開始条件(制御コード、初期値設定、マニュアル操作等)が満たされるまで待機する(チェックC2)。
【0025】ミシン目カッター装置側ではプリンタにミシン目カッター装置を装着後、初期設定(カッター電源ON)すると、図4(a)に示すようにカッターユニット24がホームポジション(図4(a)に示すようにセンサ29bによりカッターユニットが検知されている位置)に戻される(ステップS1)。次に図2(a)に示すように駆動モータ1が時計回り方向に回転し、ギヤ3、第1トルクリミッタ4、プーリ3、伝動ベルト23、ギヤプーリ7、第2トルクリミッタ8を介して開閉シャフト11が反時計回り方向に回転する。開閉シャフト11の両端のピニオン12はラック13にそれぞれ噛合しているため、開閉ローラ10はガイド孔25a、25aに沿って矢印A方向に移動し、固定ローラ16から離反して開く。このとき両端のピニオン12とラック13との噛合により、開閉ローラ10は水平で固定ローラ16に平行な姿勢を保持したまま移動する。開閉シャフト11はガイド孔25aの上端に達するまで移動し、駆動モータ1は設定されたステップ数だけ回転して停止する。このとき第1トルクリミッタにより、設定された一定以上のトルクが生ずると開閉シャフト11はそれ以上回転しないため、駆動モータ1への負荷が遮断され、駆動モータ1が保護される。また以上の過程を通じてワンウェイクラッチ23により開閉ローラ10に回転する力は加わらない。駆動モータ1には停止後も保持電流が通電されて開閉ローラ10は開いた状態を保ちながらプリンタ側の動作命令を待つ(ステップS2)。
【0026】図3のチェックC3においてプリンタ側の切り取り開始条件が満たされると、例えばマニュアル操作による開始コマンド等によって、プリンタ側はトラクタ54により連続用紙55のミシン目55aをカッターユニット24の直下のカット位置まで送って一旦停止し、その後逆送り、順送り、逆送りを連続して1〜2行分行なってから最初のミシン目カット位置に戻し、カット動作の終了まで待機する(ステップS3)。このプリンタの紙送り動作は、カッター側に用紙切り取り開始の合図となる機械的なサインであって、通常使われない用紙送り動作(具体的には、用紙をカット位置まで送って一旦停止し、逆送り0.5インチ(約1.27cm)、順送り1インチ(約2.54cm)、逆送り0.5インチ(約1.27cm))をカッター側にてスリット円板21とフォトセンサ22とにより検知し、用紙切り取りを開始する。これは、本実施の形態に係るミシン目カッター装置がプリンタのオプション装置(後付け)であり、ミシン目カッター装置をコントロールする信号ラインがプリンタ側にないため、機械的な動作をサインとしたものである。よってプリンタにミシン目カッター装置が最初から組み込まれている場合や、ミシン目カッター装置のための信号ラインが用意されている場合には、このような動作は必要ない。
【0027】図1に示されているように、プリンタの紙送り動作はトラクタ54、トラクタ54と連動するプラテン52、さらにプラテンギヤ51、アイドラギヤ20、アイドラギヤプーリ19、伝動ベルト18、ギヤ17を介して固定ローラ16が連動し、固定シャフト14の一端に固定されたスリット円板21を検知するフォトセンサ22により紙送り量が検知され、カッター装置側は切り取り開始のサインとして検知する(チェックC3)。
【0028】カッター装置側において切り取り開始のサインが検知されると、図2(b)に示すように駆動モータ1が反時計回り方向に回転し、開閉ローラ10は矢印B方向に回転しながら、ピニオン12トラック13との作用により固定ローラ16に対して平行な姿勢を維持しつつ固定ローラ16に接近して当接し、連続用紙55を固定ローラ16との間に挟持する。このとき開閉シャフト11はガイド孔25a、25aの下端にほぼ達しており、駆動モータ1はさらに設定されたステップ数だけ回転する。しかし開閉ローラ10は固定ローラ16に当接してさらに押し付けられており、固定ローラ16の反発力が第2トルクリミッタ8の設定トルク値を超えるトルクを生じさせると、開閉シャフト11と開閉ローラ10との間は空転し、開閉シャフトは矢印B方向に回転しなくなる。これにより開閉ローラ10と固定ローラ16との間で連続用紙55を挟持する力が調節できる。開閉シャフト11の回転が停止してからも開閉ローラ10は回転するが、トラクタ54が停止しているにも拘らず開閉ローラ10及び固定ローラ16が連続用紙55を用紙排出方向へと搬送するため、開閉ローラ10及び固定ローラ16とトラクタ54との間の連続用紙55には張力が与えられる。ある一定の大きさの張力が生ずると、駆動モータ1と開閉ローラ10との間には第1トルクリミッタ4に設定されたトルク値以上のトルクが発生し、第1トルクリミッタ4が作用して開閉ローラ10の回転が停止する。これにより張力の大きさを調節することができるとともに、駆動モータ1に過負荷が生ずることを防止する。駆動モータ1には停止後も保持電流が流されて、連続用紙55を一定の力で挟持し続け、連続用紙55に一定の張力を与え続ける(ステップS4)。
【0029】次にカッター動作が開始されて、カッターユニットを動かし用紙をカットする(ステップS5)。図4(a)〜(d)に示すように、カッターユニット24はキャリアモータ28によりキャリア駆動ベルト30を駆動することによって用紙送り方向と直角方向に連続用紙55の側縁から側縁まで移動して、ミシン目55aの切断を行なう。すなわち、センサ29bにより検知されるホームポジションにあるカッターユニット24を図視左方向に移動させると、カッターユニット24は反時計回り方向に旋回して、カッター刃がミシン目55aを突き破る(図4(b))。カッターユニット24をさらに左方向に移動させると、ミシン目55aの左寄りの部分が連続用紙55の左側縁までカットされる。センサ29aによりカッターユニット24が移動経路の左端に達したことが検知されるとキャリアモータ28が逆転し、カッターユニット24は右方向に向かって移動を始める。カッターユニット24は時計回り方向に旋回して、ミシン目55aの切り残した部分が右側縁までカットされる(図4(c))。カッターユニット24が移動経路の右端に達すると、センサ29cがこれを検知し、カットが終了する。
【0030】以上の過程においてカッター刃がミシン目55aを突き破り、カットする間、連続用紙55を引っ張る力が生ずるが、前述のように連続用紙55は開閉ローラ10と固定ローラ16との間に挟持され、またワンウェイクラッチ9とワンウェイギヤ15によりそれぞれ連続用紙55が戻る方向に開閉ローラ10と固定ローラ16とは回転できようになっているので、ミシン目カッター位置にズレを生ずることも、連続用紙55に加わる張力が弱まることもなく、従ってカットミスが確実に防止される。
【0031】カットの過程においてカッターユニット24が移動経路右端に到着すると、プリンタ側にカッター作業が終了したことを機械的動作(図示していない)により応答を返す(ステップS6)。プリンタ側は、ステップS3において切り取り開始命令を発してから、設定された切断制限時間をカウントしており(チェックC5)、切断制限時間を超えるとオペレータパネルにエラー表示をする。カット終了応答を受け取ると(チェックC4)、連続用紙55をスタート設定位置に戻し(ステップS8)、連続用紙55の先端のシート部分にプリントする準備を行なう。
【0032】図4(d)に示すように、カッターユニット24が移動経路右端に達すると、キャリアモータ28が再び逆転してカッターユニット24を左方向に移動させて(図4(d))、ホームポジションに戻す。その間に駆動モータ1は開閉ローラ10を時計回り方向に、固定ローラ16を反時計回り方向に回転させ、カットされた連続用紙55の先端のシートを排出する(ステップS7)。カッターユニット24がホームポジションに戻ったことをセンサ29bにより検知すると、駆動モータ1を時計回り方向に回転させて開閉ローラ10を開き、次の切り取り開始サインがプリンタ側から来るまで、開閉ローラ10を開いた状態で待機する(ステップS9)。
【0033】以上本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能であることは言うまでもない。
【0034】
【発明の効果】以上のように本発明に係るミシン目カッター装置の用紙搬送機構によると、開閉ローラを固定ローラに平行な姿勢を維持したまま接近離反させることができ、連続用紙を安定してバランスよく挟持することができるので、カットミスを防止することができる。
【出願人】 【識別番号】591082225
【氏名又は名称】日本ビジネスコンピューター株式会社
【出願日】 平成10年(1998)4月23日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】網野 誠 (外2名)
【公開番号】 特開平11−301914
【公開日】 平成11年(1999)11月2日
【出願番号】 特願平10−128103