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【発明の名称】 ブレーキ制御装置
【発明者】 【氏名】大澤 俊哉

【要約】 【課題】マスタシリンダから吐出される作動流体をストロークシミュレータで吸収し、これに代えて制動圧発生手段で発生した制動圧を制動圧シリンダに供給して制動を行うブレーキ制御装置において、ストロークシミュレータを簡易な構成としながらブレーキペダル踏込感覚を任意に調整可能とする。

【解決手段】ストロークシミュレータ15の1つのコイルスプリング19でピストン18を押圧する構成とし、このストロークシミュレータ15とマスタシリンダ1と電磁方向切換弁3FL,3FR間を連通する配管13との間に電磁開閉弁14及び逆止弁16の並列回路を介挿し、電磁開閉弁14をペダル踏込量に応じてデューティ制御し、ペダル踏力−ペダルストローク特性を任意に変更し、さらにデューティ比に乗じる係数をペダル踏込速度、車体速度、アンチロックブレーキ制御状態、システム稼働状態に応じて変更して、ペダル踏込感覚を任意に調整する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ブレーキペダルの踏込量に応じた制動圧の作動流体を出力するマスタシリンダと、圧力制御弁を有して任意の制動圧の作動流体を出力する制動圧発生手段と、前記マスタシリンダ及び制動圧発生手段から出力される作動流体を選択して車輪に配設した制動手段に供給する制動圧選択手段と、前記マスタシリンダから出力された作動流体を吸収するストロークシミュレータと、該ストロークシミュレータ及び前記マスタシリンダ間に介挿された作動流体の流通を断続制御する電磁開閉弁と、該電磁開閉弁と並列に配設された前記ストロークシミュレータから出力される作動流体のみを通過させる逆止弁と、前記ブレーキペダルの踏込量を検出するブレーキ踏込量検出手段と、該ブレーキ踏込量検出手段で検出したブレーキペダル踏込量に応じて前記制動圧発生手段、制動圧選択手段及び電磁開閉弁を制御する制動制御手段とを備えたことを特徴とするブレーキ制御装置。
【請求項2】 前記ストロークシミュレータは、摺動自在なピストンで2つの室に画成されたハウジングを有し、該ハウジングの一方の室に前記ピストンに対してピストン変位に比例した反力を与える弾性体が配設され、他方の室にマスタシリンダからの作動流体が入力され、前記弾性体は、他方の室に入力される作動流体の制動圧と当該室で吸収する作動流体量とが線形特性となるように設定されていることを特徴とする請求項1記載のブレーキ制御装置。
【請求項3】 前記ブレーキ踏込量検出手段は、ブレーキペダルのストローク、ブレーキペダルの踏力及びマスタシリンダ圧の何れかを検出するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のブレーキ制御装置。
【請求項4】 前記制動制御手段は、通常ブレーキ時に前記制動圧選択手段で制動圧発生手段を選択すると共に、当該制動圧発生手段で前記ブレーキ踏込量検出手段で検出したブレーキペダル踏込量に基づいて運転者の要求減速度に応じた制動圧の作動流体を出力させると共に、当該ブレーキペダル踏込量に基づいて前記電磁開閉弁をデューティ制御するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のブレーキ制御装置。
【請求項5】 前記制動制御手段は、電磁開閉弁をデューティ制御する際のデューティ比を、ブレーキペダル踏込量が所定値未満では電磁開閉弁を開操作側とし、所定値以上では閉操作側となるように設定したことを特徴とする請求項4記載のブレーキ制御装置。
【請求項6】 前記制動制御手段は、電磁開閉弁をデューティ制御する際のデューティ比を、ブレーキペダル踏込量が大きくなるに従い電磁開閉弁を閉操作側となる線形特性に設定したことを特徴とする請求項4記載のブレーキ制御装置。
【請求項7】 前記制動制御手段は、電磁開閉弁をデューティ制御する際のデューティ比を、前記電磁開閉弁がブレーキペダル踏込量が大きくなるに従いその二乗に反比例して閉操作側となるように設定したことを特徴とする請求項4記載のブレーキ制御装置。
【請求項8】 前記制動制御手段は、前記ブレーキ踏込量検出手段で検出したブレーキペダル踏込量に基づいてブレーキペダル操作速度を算出するペダル操作速度算出手段を有し、該ペダル操作速度算出手段で算出したブレーキペダル操作速度に基づいて前記デューティ比に乗じる係数を変化させるように構成されていることをことを特徴とする請求項4乃至7の何れかに記載のブレーキ制御装置。
【請求項9】 前記デューティ比に乗じる係数は、ブレーキペダル操作速度が所定速度未満であるときには前記電磁開閉弁が開操作側を維持する第1の値に設定され、ブレーキペダル操作速度が所定速度以上であるときには前記電磁開閉弁が閉操作側となる第2の値に設定されていることを特徴とする請求項8記載のブレーキ制御装置。
【請求項10】 前記デューティ比に乗じる係数は、ブレーキペダル操作速度が所定速度未満であるときに前記電磁開閉弁が開操作側を維持する第1の値に設定され、ブレーキペダル操作速度が所定速度以上であるときに第1の値からブレーキペダル操作速度の増加に応じて徐々に前記電磁開閉弁が閉操作側に向かうように設定されていることを特徴とする請求項8記載のブレーキ制御装置。
【請求項11】 前記制動制御手段は、車両速度を検出する車両速度検出手段を有し、該車両速度検出手段で検出した車両速度に基づいて前記デューティ比に乗じる係数を変化させるように構成されていることをことを特徴とする請求項4乃至7の何れかに記載のブレーキ制御装置。
【請求項12】 前記デューティ比に乗じる係数は、車両速度が所定速度未満であるときには当該デューティ比における電磁開閉弁の開度を減じる第1の値に設定され、車両速度が所定速度以上であるときには当該デューティ比における電磁開閉弁の開度を維持する第2の値に設定されていることを特徴とする請求項11記載のブレーキ制御装置。
【請求項13】 前記デューティ比に乗じる係数は、車両速度が所定速度未満であるときには車体速度の増加に応じて当該デューティ比における電磁開閉弁の開度を減じる第1の値から徐々に増加させ、車体速度が所定速度以上であるときには当該ディーティ比における電磁開閉弁の開度を維持する第2の値に設定されていることを特徴とする請求項11記載のブレーキ制御装置。
【請求項14】 前記制動制御手段は、アンチロックブレーキ非作動中は、前記デューティ比に乗じる係数を前記電磁開閉弁が当該デューティ比における電磁開閉弁の開度を維持する第1の値に設定し、アンチロック作動中は当該デューティ比における電磁開閉弁の開度を減じる第2の値に設定するように構成されていることを特徴とする請求項4乃至7の何れかに記載のブレーキ制御装置。
【請求項15】 前記制動制御手段は、システムの異常を検出するシステム異常検出手段を有し、該システム異常検出手段で異常を検出したときに前記制動圧選択手段をマスタシリンダ側に切換えるとと共に、前記電磁開閉弁を閉状態に制御するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至14の何れかに記載のブレーキ制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、駆動輪を少なくとも電動機及び発電機として機能する電気的回転駆動源によって駆動することにより、制動時に回生制動を行ってエネルギを回収する電気自動車或いはハイブリッド車両に適用して好適なブレーキ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のブレーキ制御装置としては、例えば特開平8−126111号公報に記載されているものがある。
【0003】この従来例には、モータの出力軸が駆動輪としての前輪に連結されたドライブシャフトに連結されていると共に、左右の前輪に夫々ホイールシリンダが配設され、またマスタシリンダから出力されるブレーキペダルの踏込量に応じた作動流体が油圧バルブで制御されてホイールシリンダに供給され、さらにホイールシリンダとマスタシリンダとの間に油圧バルブによってホイールシリンダに対する油路が遮断されている状態でブレーキペダルのペダルストロークが自然なものとなるように油量を消費するストロークシミュレータが配設された電気自動車の制動装置が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の制動装置にあっては、システムが正常である通常制動時にマスタシリンダから出力される作動流体をストロークシミュレータで吸収することにより、ブレーキペダルの踏込感覚を確保するようにしているが、マスタシリンダから出力される作動流体を直接ホイールシリンダに供給する現状のブレーキシステムと同等のブレーキペダルの踏込感覚を実現するためには、ストロークシミュレータの圧力−作動流体量特性を図21で曲線L1で示す実際のホイールシリンダと同様の非線形特性に合致させる必要があり、その非線形特性を実現しようとすると、図21で折れ線L2で示すような近似特性を考え、これを実現するために、ストロークシミュレータを、図22に示すように、近似特性の折れ線数に応じた2つ以上のバネ等の弾性体E1及びE2を用いて構成しなければならず、ストロークシミュレータのサイズが大型化するという未解決の課題がある。
【0005】また、弾性体によって近似特性を得るため、弾性体のバネ定数を可変とすることができず、近似特性を変更することができないので、運転条件に応じた最適のブレーキペダルの踏込感覚を得ることができないという未解決の課題もある。
【0006】そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、ストロークシミュレータを小型化することができると共に、その圧力作動流体量特性を変化させることが可能なブレーキ制御装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1に係るブレーキ制御装置は、ブレーキペダルの踏込量に応じた制動圧の作動流体を出力するマスタシリンダと、圧力制御弁を有して任意の制動圧の作動流体を出力する制動圧発生手段と、前記マスタシリンダ及び制動圧発生手段から出力される作動流体を選択して車輪に配設した制動手段に供給する制動圧選択手段と、前記マスタシリンダから出力された作動流体を吸収するストロークシミュレータと、該ストロークシミュレータ及び前記マスタシリンダ間に介挿された作動流体の流通を断続制御する電磁開閉弁と、該電磁開閉弁と並列に配設された前記ストロークシミュレータから出力される作動流体のみを通過させる逆止弁と、前記ブレーキペダルの踏込量を検出するブレーキ踏込量検出手段と、該ブレーキ踏込量検出手段で検出したブレーキペダル踏込量に応じて前記制動圧発生手段、制動圧選択手段及び電磁開閉弁を制御する制動制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0008】この請求項1に係る発明においては、ストロークシミュレータの圧力−作動流体量特性を一定特性としながら、ストロークシミュレータで吸収するマスタシリンダから出力される作動流体量を電磁開閉弁を断続制御することにより、変更することができ、運転条件に応じた最適なブレーキペダルの踏込感覚を確保することが可能となり、これを実現するためのストロークシミュレータの構成を小型化することが可能となる。
【0009】また、請求項2に係るブレーキ制御装置は、請求項1に係る発明において、前記ストロークシミュレータが、摺動自在なピストンで2つの室に画成されたハウジングを有し、該ハウジングの一方の室に前記ピストンに対してピストン変位に比例した反力を与える弾性体が配設され、他方の室にマスタシリンダからの作動流体が入力され、前記弾性体は、他方の室に入力される作動流体の制動圧と当該室で吸収する作動流体量とが線形特性となるように設定されていることを特徴としている。
【0010】この請求項2に係る発明においては、ストロークシミュレータに配設される弾性体が1つで済むと共に、その弾性体の特性がマスタシリンダから入力される作動流体の制動圧とこの作動流体を吸収する作動流体量とが線形特性となるように設定されていることにより、特殊な弾性体を使用する必要がない。
【0011】さらに、請求項3に係るブレーキ制御装置は、請求項1又は2に係る発明において、前記ブレーキ踏込量検出手段は、ブレーキペダルのストローク、ブレーキペダルの踏力及びマスタシリンダ圧の何れかを検出するように構成されていることを特徴としている。
【0012】この請求項3に係る発明においては、ブレーキペダルのストローク、ブレーキペダルの踏力及びマスタシリンダ圧の何れかを検出することにより、ブレーキぺペダルの踏込による運転者の要求減速度を確実に検出することができる。
【0013】さらにまた、請求項4に係るブレーキ制御装置は、請求項1乃至3の何れかに係る発明において、前記制動制御手段が、通常ブレーキ時に前記制動圧選択手段で制動圧発生手段を選択すると共に、当該制動圧発生手段で前記ブレーキ踏込量検出手段で検出したブレーキペダル踏込量に基づいて運転者の要求減速度に応じた制動圧の作動流体を出力させると共に、当該ブレーキペダル踏込量に基づいて前記電磁開閉弁をデューティ制御するように構成されていることを特徴としている。
【0014】この請求項4に係る発明においては、ブレーキペダルを踏込んだ通常ブレーキ時に、制動圧発生手段で発生される制動圧の作動流体を制動圧選択手段で選択して制動用シリンダに出力し、このときの制動圧発生手段でブレーキ踏込量検出手段で検出したブレーキペダル踏込量に基づいて運転者の要求減速度に応じた制動圧の作動流体を出力させることにより、制動用シリンダで運転者の要求減速度に応じた制動力を発生させる。一方、ストロークシミュレータでは、その入側に配設された電磁開閉弁がブレーキペダル踏込量に基づいてデューティ制御されるので、そのデューティ比を制御することにより、ストロークシミュレータで吸収するマスタシリンダからの作動流体量を制御して、運転条件に応じたブレーキペダルの踏込感覚を調整することができる。
【0015】なおさらに、請求項5に係るブレーキ制御装置は、請求項4に係る発明において、前記制動制御手段は、電磁開閉弁をデューティ制御する際のデューティ比を、ブレーキペダル踏込量が所定値未満では電磁開閉弁を開操作側とし、所定値以上では閉操作側となるように設定したことを特徴としている。
【0016】この請求項5に係る発明においては、電磁開閉弁を制御する際のデューティ比がブレーキペダル踏込量が所定値未満であるときには全開状態近傍とし、ブレーキペダル踏力の増加に対するブレーキペダルストロークの変化量を大きくし、所定値以上となると、電磁開閉弁を閉状態側として、ブレーキペダル踏力の増加に対するブレーキペダルストロークの変化量を小さくして、所定値を境界として異なる剛性感が得られるペダル踏込感覚とすることができる。
【0017】また、請求項6に係るブレーキ制御装置は、請求項4に係る発明において、前記制動制御手段は、電磁開閉弁をデューティ制御する際のデューティ比を、ブレーキペダル踏込量が大きくなるに従い電磁開閉弁を閉操作側とする線形特性に設定したことを特徴としている。
【0018】この請求項6に係る発明においては、ブレーキペダル踏込量が大きくなるに従いストロークシミュレータで吸収するマスタシリンダから出力される作動流体量が少なくなることにより、ペダル踏力の増加に対するペダルストロークの増加量を放物線状に増加させることができ、ペダル剛性感を滑らかに変化させることができる。
【0019】さらに、請求項7に係るブレーキ制御装置は、請求項4に係る発明において、前記制動制御手段は、電磁開閉弁をデューティ制御する際のデューティ比を、前記電磁開閉弁がブレーキペダル踏込量が大きくなるに従いその二乗に反比例して閉操作側となるように設定したことを特徴としている。
【0020】この請求項7に係る発明においては、ペダル踏込初期はペダル踏力の増加に対してペダルストロークの増加量が大きく、さらに踏込むと徐々にペダルが重くなり、ペダル剛性感が大きくなるペダル踏込感覚を得ることができる。
【0021】さらにまた、請求項8に係るブレーキ制御装置は、請求項4乃至7の何れかの発明において、前記制動制御手段は、前記ブレーキ踏込量検出手段で検出したブレーキペダル踏込量に基づいてブレーキペダル操作速度を算出するペダル操作速度算出手段を有し、該ペダル操作速度算出手段で算出したブレーキペダル操作速度に基づいて前記デューティ比に乗じる係数を変化させるように構成されていることをことを特徴としている。
【0022】この請求項8に係る発明においては、ブレーキ操作速度に応じて電磁開閉弁を制御するデューティ比が変更されることにより、緩制動時と急制動時とでブレーキペダル踏込感覚を異ならせることができる。
【0023】なおさらに、請求項9に係るブレーキ制御装置は、前記デューティ比に乗じる係数が、ブレーキペダル操作速度が所定速度未満であるときには前記電磁開閉弁が開操作側を維持する第1の値に設定され、ブレーキペダル操作速度が所定速度以上であるときには前記電磁開閉弁が閉操作側となる第2の値に設定されていることを特徴とする。
【0024】この請求項9に係る発明においては、デューティ比が例えば0%で電磁開閉弁が全閉、100%で全開となるように設定されているものとすると、ブレーキ操作速度が所定速度未満である緩制動時にはデューティ比に乗じる係数が“1”近傍の値となるので、ペダル踏力に対するペダルストロークが大きな値となり、通常のペダル踏込感覚を得ることができるが、ブレーキ操作速度が所定速度以上となる急制動時には係数が“1”未満の値となって、ペダル踏力に対するペダルストロークが小さい値となり、ペダル剛性感を大きくすることができる。
【0025】また、請求項10に係るブレーキ制御装置は、請求項8に係る発明において、前記デューティ比に乗じる係数が、ブレーキペダル操作速度が所定速度未満であるときに前記電磁開閉弁が開操作側を維持する第1の値に設定され、ブレーキペダル操作速度が所定速度以上であるときに第1の値からブレーキペダル操作速度の増加に応じて徐々に前記電磁開閉弁が閉操作側に向かうように設定されていることを特徴としている。
【0026】この請求項10に係る発明においては、デューティ比が例えば0%で電磁開閉弁が全閉、100%で全開となるように設定されているものとすると、ブレーキ操作速度が所定速度未満である緩制動時にはデューティ比に乗じる係数が“1”近傍の値となり、ペダル踏力に対するペダルストロークが大きな値となり、通常のペダル踏込感覚を得ることができるが、ブレーキ操作速度が所定速度以上となる急制動時にはブレーキ操作速度が増加するに従い係数が徐々に小さい値となるので、ペダル踏力に対するペダルストロークが小さい値となり、ペダル剛性感を大きくすることができる。
【0027】さらに、請求項11に係るブレーキ制御装置は、請求項4乃至7の何れかの発明において、前記制動制御手段は、車体速度を検出する車体速度検出手段を有し、該車体速度検出手段で検出した車体速度に基づいて前記デューティ比に乗じる係数を変化させるように構成されていることをことを特徴としている。
【0028】この請求項11に係る発明は、車体速度に応じて電磁開閉弁を制御するデューティ比が変更されることにより、低車速時と高車速時とでブレーキペダル踏込感覚を異ならせることができる。
【0029】さらにまた、請求項12に係るブレーキ制御装置は、請求項11に係る発明において、前記デューティ比に乗じる係数は、車体速度が所定速度未満であるときには当該デューティ比における電磁開閉弁の開度を減じる第1の値に設定され、車体速度が所定速度以上であるときには当該デューティ比における電磁開閉弁の開度を維持する第2の値に設定されていることを特徴としている。
【0030】この請求項12に係る発明においては、デューティ比が例えば0%で電磁開閉弁が全閉、100%で全開となるように設定されているものとすると、車体速度が所定速度未満である低車速時にはデューティ比に乗じる係数を“1”未満の比較的小さい値に設定することにより、ペダル剛性を高めてしっかりしたブレーキペダル踏込感覚を確保し、車体速度が所定速度以上である高車速時には係数を“1”近傍の値としてペダル剛性を低下させて緩いブレーキペダル踏込感覚とすることができる。
【0031】なおさらに、請求項13に係るブレーキ制御装置は、前記デューティ比に乗じる係数が、車体速度が所定速度未満であるときには車体速度の増加に応じて当該デューティ比における電磁開閉弁の開度を減じる第1の値から徐々に増加させ、車体速度が所定速度以上であるときには当該ディーティ比における電磁開閉弁の開度を維持する第2の値に設定されていることを特徴としている。
【0032】この請求項13に係る発明においては、デューティ比が例えば0%で電磁開閉弁が全閉、100%で全開となるように設定されているものとすると、車体速度が所定速度未満である停車近傍速度ではデューティ比に乗じる係数を“1”未満の比較的小さい値に設定することにより、ペダル剛性を高めてしっかりしたブレーキペダル踏込感覚を確保し、これから車体速度が増加するに応じてペダル剛性を徐々に低下させ、所定速度以上で“1”近傍の値として緩目のブレーキペダル踏込感覚とすることができる。
【0033】また、請求項14に係るブレーキ制御装置は、請求項4乃至7の何れかの発明において、前記制動制御手段は、アンチロックブレーキ非作動中は、前記デューティ比に乗じる係数を前記電磁開閉弁が当該デューティ比における電磁開閉弁の開度を維持する第1の値に設定し、アンチロック作動中は当該デューティ比における電磁開閉弁の開度を減じる第2の値に設定するように構成されていることを特徴としている。
【0034】この請求項14に係る発明においては、デューティ比が例えば0%で電磁開閉弁が全閉、100%で全開となるように設定されているものとすると、アンチロックブレーキ非作動時には、デューティ比に乗じる係数を“1”近傍の値に設定することにより、ペダル剛性を比較的緩めて緩めのブレーキペダル踏込感覚を確保し、アンチロックブレーキ作動時には係数を“1”未満の比較的小さい値に設定することにより、ペダル剛性を高めてしっかりとしたブレーキペダル踏込感覚を確保する。
【0035】さらに、請求項15に係るブレーキ制御装置は、請求項1〜14の何れかの発明において、前記制動制御手段は、システムの異常を検出するシステム異常検出手段を有し、該システム異常検出手段で異常を検出したときに前記制動圧選択手段をマスタシリンダ側に切換えるとと共に、前記電磁開閉弁を閉状態に制御するように構成されていることを特徴としている。
【0036】この請求項15に係る発明においては、システム異常検出手段でシステム異常を検出したときに制動圧選択手段をマスタシリンダ側に切換え、且つ電磁開閉弁を閉状態に制御することにより、マスタシリンダから出力されるブレーキペダル踏込量に応じた制動圧の作動流体を直接制動用シリンダに供給することにより、通常のブレーキシステムと同様の制動作用を確保し、フェイルセーフ機能を発揮することができる。
【0037】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、ストロークシミュレータで吸収するマスタシリンダの作動流体量を電磁開閉弁で制御することにより、ストロークシミュレータ自体の圧力−作動流体量特性を変更することなく、ストロークシミュレータで吸収するマスタシリンダから出力される作動流体量を変更することができ、運転条件に応じた最適なブレーキペダルの踏込感覚を確保することが可能となり、これを実現するためのストロークシミュレータの構成も小型化することが可能となるという効果が得られる。
【0038】また、請求項2に係る発明によれば、ストロークシミュレータに配設される弾性体が1つで済むと共に、その弾性体の特性がマスタシリンダから入力される作動流体の制動圧とこの作動流体を吸収する作動流体量とが線形特性となるように設定されていることにより、特殊な弾性体を使用する必要がないという効果が得られる。
【0039】さらに、請求項3に係る発明によれば、ブレーキペダルのストローク、ブレーキペダルの踏力及びマスタシリンダ圧の何れかを検出することにより、ブレーキぺペダルの踏込による運転者の要求減速度を確実に検出することができるという効果が得られる。
【0040】さらにまた、請求項4に係る発明によれば、ブレーキペダルを踏込んだ通常ブレーキ時に、制動圧発生手段で発生される制動圧の作動流体を制動圧選択手段で選択して制動用シリンダに出力し、このときの制動圧発生手段でブレーキ踏込量検出手段で検出したブレーキペダル踏込量に基づいて運転者の要求減速度に応じた制動圧の作動流体を出力させることにより、制動用シリンダで運転者の要求減速度に応じた制動力を発生させることができる一方、ストロークシミュレータでは、その入側に配設された電磁開閉弁がブレーキペダル踏込量に基づいてデューティ制御されるので、そのデューティ比を調節することにより、ストロークシミュレータで吸収するマスタシリンダからの作動流体量を任意に制御して、運転条件に応じたブレーキペダルの踏込感覚を調整することができるという効果が得られる。
【0041】なおさらに、請求項5に係る発明によれば、電磁開閉弁を制御する際のデューティ比がブレーキペダル踏込量が所定値未満であるときには全開状態近傍とし、ブレーキペダル踏力の増加に対するブレーキペダルストロークの変化量を大きくして比較的緩めのペダル踏込感覚とし、所定値以上となると、電磁開閉弁を閉状態側として、ブレーキペダル踏力の増加に対するブレーキペダルストロークの変化量を小さくして、しっかりとしたペダル踏込感覚とすることができ、所定値を境界として異なる剛性感が得られるペダル踏込感覚とすることができるという効果が得られる。
【0042】また、請求項6に係る発明によれば、ブレーキペダル踏込量が大きくなるに従いストロークシミュレータで吸収するマスタシリンダから出力される作動流体量が少なくなることにより、ペダル踏力の増加に対するペダルストロークの増加量を放物線状に増加させることができ、ペダル剛性感を滑らかに変化させることができるという効果が得られる。
【0043】さらに、請求項7に係る発明によれば、ペダル踏込初期はペダル踏力の増加に対してペダルストロークの増加量が大きく、さらに踏込むと徐々にペダルが重くなり、ペダル剛性感が大きくなるペダル踏込感覚を得ることができるという効果が得られる。
【0044】さらにまた、請求項8に係る発明によれば、ブレーキ操作速度に応じて電磁開閉弁を制御するデューティ比が変更されることにより、緩制動時と急制動時とでブレーキペダル踏込感覚を異ならせることができるという効果が得られる。
【0045】なおさらに、請求項9に係る発明によれば、ブレーキ操作速度が所定速度未満である緩制動時にはペダル踏力に対するペダルストロークが大きな値となり、通常のペダル踏込感覚を得ることができるが、ブレーキ操作速度が所定速度以上となる急制動時にはペダル踏力に対するペダルストロークが小さい値となり、ペダル剛性感を大きくして、しっかりとしたブレーキペダル踏込感覚を得ることができるという効果が得られる。
【0046】また、請求項10に係る発明によれば、ブレーキ操作速度が所定速度未満である緩制動時には、ペダル踏力に対するペダルストロークが大きな値となり、通常のペダル踏込感覚を得ることができるが、ブレーキ操作速度が所定速度以上となる急制動時にはペダル踏力に対するペダルストロークが小さい値となり、ペダル剛性感を大きくして、しっかりとしたブレーキペダル踏込感覚を得ることができ、運転条件に最適なブレーキペダル踏込感覚を得ることができるという効果が得られる。
【0047】さらに、請求項11に係る発明によれば、車体速度に応じて電磁開閉弁を制御するデューティ比が変更されることにより、低車速時と高車速時とでブレーキペダル踏込感覚を異ならせることができるという効果が得られる。
【0048】さらにまた、請求項12に係る発明によれば、車体速度が所定速度未満である低車速時にはペダル剛性を高めてしっかりしたブレーキペダル踏込感覚を確保し、車体速度が所定速度以上である高車速時にはペダル剛性を低下させて緩いブレーキペダル踏込感覚とすることができ、運転条件に最適なブレーキペダル踏込感覚を得ることができるという効果が得られる。
【0049】なおさらに、請求項13に係る発明によれば、車体速度が所定速度未満である停車近傍速度ではペダル剛性を高めてしっかりしたブレーキペダル踏込感覚を確保し、これから車体速度が増加するに応じてペダル剛性を徐々に低下させ、所定速度以上で緩めのブレーキペダル踏込感覚とすることができ、運転条件に最適なブレーキペダル踏込感覚を得ることができるという効果が得られる。
【0050】また、請求項14に係る発明によれば、アンチロックブレーキ非作動時には、ペダル剛性を比較的緩めて緩めのブレーキペダル踏込感覚を確保し、アンチロックブレーキ作動時にはペダル剛性を高めて、ブレーキペダルの踏込に対する抵抗感を与えることにより、急激なペダル操作を抑制して、慎重なペダル操作を促すことができ、運転条件に最適なブレーキペダル踏込感覚を得ることができるという効果が得られる。
【0051】さらに、請求項15に係る発明によれば、システム異常検出手段でシステム異常を検出したときに制動圧選択手段をマスタシリンダ側に切換え、且つ電磁開閉弁を閉状態に制御することにより、マスタシリンダから出力されるブレーキペダル踏込量に応じた制動圧の作動流体を直接制動用シリンダに供給することにより、通常のブレーキシステムと同様の制動作用を確保し、フェイルセーフ機能を発揮することができるという効果が得られる。
【0052】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明をハイブリッド車両に適用した場合の一実施形態を示す概略構成図であり、図中、1はブレーキペダル2の踏込量に応じて駆動輪としての例えば前輪側及び従動輪としての後輪側に対する2系統の前輪側マスタ圧PMfの作動流体及び後輪側マスタ圧PMrの作動流体を発生し、これらを夫々前輪側出力ポートp1及び後輪側出力ポートp2から出力するマスタシリンダである。
【0053】このマスタシリンダ1から出力される前輪側マスタ圧PMfの作動流体は制動圧選択手段としての3ポート2位置の電磁切換弁3FL及び3FRの一方の入力側ポートp1に夫々供給され、後輪側マスタ圧PMrの作動流体は同様の3ポート2位置の電磁切換弁3RL及び3RRの一方の入力側ポートp1に夫々供給される。
【0054】そして、各電磁方向切換弁3FL,3FR及び3RL,3RRの出力側ポートp3は、左右の前輪4FL,4FR及び左右の後輪4RL,4RRに配設された制動用シリンダとしてのホイールシリンダ5FL,5FR及び5RL,5RRに連通され、他方の入力側ポートp2は制動圧発生手段としての制動圧発生回路6に連通されている。
【0055】ここで、前輪4FL及び4FRは、そのドライブシャフトが図示しないエンジン及び走行用電動モータに連結されて回転駆動されると共に、制動時には走行用電動モータが発電機として作用されて回生制動力を発生する。
【0056】また、電磁切換弁3FL〜3RRの夫々は、ソレノイドs1に供給される後述するコントロールユニット30からの制御信号SD がオフ状態であるノーマル位置で入力ポートp1と出力ポートp3とが連通し、入力ポートp2が遮断され、ソレノイドs1に供給される制御信号SD がオン状態であるオフセット位置で入力ポートp1が遮断され、入力ポートp2と出力ポートp3とが連通される。
【0057】制動圧発生回路6は、マスタシリンダ1のリザーバ1aに連通された低圧側配管7Lと、この低圧側配管7Lに対して電動モータ8によって回転駆動される油圧ポンプ9を介して連通された高圧側配管7Hと、油圧ポンプ9と高圧側配管7Hとの間の間に接続された蓄圧用のアキュムレータ10と、入力側及び戻り側ポートが夫々高圧側配管7H及び低圧側配管7Lに接続され、且つ出力ポートが電磁方向切換弁3FL,3FR及び3RL,3RRの他方の入力側ポートに個別に接続された電磁比例減圧弁の構成を有する圧力制御弁11FL,11FR及び11RL,11RRとで構成されている。
【0058】ここで、油圧ポンプ9は、アキュムレータ10の蓄圧が、予め設定された第1の設定圧力以下となると電動モータ8が後述するコントロールユニット30によって回転駆動されることにより駆動されて、アキュムレータ10の蓄圧を第1の設定圧力より高い第2の設定圧力まで上昇させる。
【0059】また、圧力制御弁11FL〜11RRの夫々は、図2に示すように、電磁ソレノイドs1に入力される電流値でなる制御信号CSFL〜CSRRに比例した値の出力圧Pcを出力するように構成されている。
【0060】一方、マスタシリンダ1の前輪側出力ポートp1及び電磁方向切換弁3FL,3FRの一方の入力ポートとを連通する油圧配管13に電磁開閉弁14を介してストロークシミュレータ15が接続され、電磁開閉弁14と並列にストロークシミュレータ15から油圧配管13側への作動流体の流出を許容する逆止弁16が配設されている。
【0061】ここで、電磁開閉弁14は後述するコントロールユニット30からのパルス周期Tに対するオン区間tの比で表されるデューティ比D(=(t/T)×100)のパルス信号SP によってデューティ制御され、図3(b)に示すように、パルス信号SP がオン区間tであるときに開状態となって作動流体を通過させ、オフ区間では閉状態となって作動流体の通過を遮断させることにより、ストロークシミュレータ15に対する通過作動流体総量が図3(a)に示すようにパルス信号SP のオン区間tでステップ状に増加する。
【0062】また、ストロークシミュレータ15は、電磁切換弁3FL及び3FRによって前輪側マスタ圧PMfの作動流体が遮断されているときに、消費油量をシミュレートし、マスタシリンダ1から吐出される油量を吸収して消費するように構成されている。
【0063】このストロークシミュレータ15の具体的構成は、図4に示すように、両端を閉塞した円筒状のハウジング17と、このハウジング17内に摺動自在に配設されてこのハウジング内を上室17a及び下室17bの2室に画成するピストン18と、下室17b内に配設されてピストン18を上方に付勢する弾性体としてのコイルスプリング19と、ピストン18の外周面にハウジング17の内周面と密接して配設されたシール部材20とで構成され、上室17aが入出力ポート21を介して電磁開閉弁14及び逆止弁16に接続されている。
【0064】そして、コイルスプリング19のバネ特性は上室17aに入力される作動流体の圧力と吸収する作動流体量との関係が図5に示すように圧力の増加に比例して作動流体量が増加する線形特性となるように設定されている。
【0065】また、ブレーキペダル2には、そのストロークを検出するストロークセンサ22が配設され、またマスタシリンダ1の前輪側ポートp1に接続された油圧配管13には、マスタシリンダ1から吐出される作動流体の前輪側マスタシリンダ圧PMfを検出する駆動輪側マスタ圧検出手段としてのマスタ圧センサ23が配設されていると共に、圧力制御弁11FL〜11RRの出力側にも電磁方向切換弁3FL〜3RRの入力側ポートp2の直前で出力圧Pcを検出する圧力制御弁出力圧検出手段としての出力圧センサ24FL〜24RRが配設されている。
【0066】さらに、車体速度VSPを検出する車体速度センサ25が配設され、この車体速度センサ25は、自動変速機の出力側の回転速度を検出したり、従動輪即ち後輪4RL,4RRの車輪速度の平均値を車体速度としたり、各車輪の車輪速度のうち一番高い車輪速度即ちセレクトハイ車輪速度を車体速度としたり、このセレクトハイ車輪速度と前後加速度センサで検出した前後加速度とから車体速度を推定したり、任意の車体速度検出手段を適用し得る。
【0067】そして、電磁方向切換弁3FL〜3RR、圧力制御弁11FL〜11RR及び電磁開閉弁14が例えばマイクロコンピュータを含んで構成されるコントロールユニット30によって制御される。
【0068】このコントロールユニット30には、ストロークセンサ22で検出したペダルストロークPS、マスタ圧センサ23で検出される前輪側マスタ圧PMfの検出信号DPM 及び出力圧センサ24FL〜24RRで検出される出力圧Pcの検出信号DPFL〜DPRRが入力されていると共に、車体速度センサ25で検出した車体速度VSPが入力され、これらに基づいて所定の演算処理を行って、電磁方向切換弁3FL〜3RR、圧力制御弁11FL〜11RR及び電磁開閉弁14を制御する。
【0069】すなわち、車体速度VSPに基づいて走行用電動モータの回生制動力を算出すると共に、マスタ圧センサ23で検出した前輪側マスタ圧PMfに基づいて要求減速度即ち要求制動力を算出し、要求制動力から回生制動力を減算してホイールシリンダ5FL及び5FRによるシリンダ制動力を算出し、このシリンダ制動力に基づいて圧力制御弁11FL及び11FRに対する減圧指令値CPを算出し、これらに基づいて各圧力制御弁11FL及び11FRをフィードバック制御し、また前輪側マスタ圧PMfに基づいて電磁方向切換弁3FL〜3RRを切換制御し、さらにストロークセンサ22で検出したペダルストロークPSに基づいて算出されるデューティ比Dで電磁開閉弁14をデューティ制御する。
【0070】次に、上記実施形態の動作をコントロールユニット30で実行する前輪側ブレーキ制御処理手順の一例を示す図6のフローチャートを伴って説明する。すなわち、コントロールユニット30では、図6に示す前輪側ブレーキ制御処理を実行する。
【0071】このブレーキ制御処理は、先ず、ステップS1で、マスタ圧センサ23で検出した前輪側マスタ圧PMfを読込み、次いでステップS2に移行して、読込んだ前輪側マスタ圧PMfが予め設定した設定圧PMs(例えば1MPa程度の小さい値)を越えているか否かを判定し、PMf≦PMsであるときには、ブレーキペダル2を踏込んでいない非制動時であるか又はほんの僅かに踏込んだ極緩制動時であり、走行用電動モータによる回生制動の影響がないものと判断して、ステップS3に移行する。
【0072】このステップS3では、電磁方向切換弁3FL,3FRのソレノイドs1を非通電状態とする電流値“0”の制御信号SD を出力することにより、これら切換弁3FL,3FRを夫々ノーマル位置に制御すると共に、電磁開閉弁14に対してオフ状態のパルス信号SP を出力して、これを全閉状態に制御し、且つ圧力制御弁11FL,11FRに対して前輪側マスタ圧PMfと等しい出力圧Pcとなるように減圧指令値CPを算出し、これと出力圧センサ24FL,24FRの検出信号DPFL,DPFRとに基づいてフィードバック制御を行ってから前記ステップS1に戻る。
【0073】一方、ステップS2の判定結果が、前輪側マスタ圧PMfが設定圧PMsを越えているものであるときには、ステップS4に移行して、電磁方向切換弁3FL,3FRのソレノイドs1に所定電流値の制御信号SD を供給することにより、これら切換弁3FL,3FRを夫々オフセット位置に制御してからステップS5に移行する。
【0074】このステップS5では、車体速度センサ25で検出した車体速度VSPをもとに例えば予め設定された図7に示す回生制動力算出マップを参照して、走行用電動モータで発生する回生制動力RBを算出する。
【0075】ここで、回生制動力算出マップは、図7に示すように、車速Vが“0”から低設定車速V1 までの間は回生制動力RBが“0”を維持し、その後設定車速V1から設定車速V2 までの間は車体速度VSPの増加に応じて二次曲線的に増加し、設定車速V2 から設定車速V3 までの間は車体速度VSPの増加にかかわらず例えば、0.25Gに相当する一定値を維持し、設定車速V3 から設定車速V4 までの間は車体速度VSPの増加に応じて二次曲線的に減少し、設定車速V4 以上では車速Vの増加にかかわらず例えば0.1Gに相当する一定値を維持する特性に設定されている。
【0076】次いで、ステップS6に移行して、前輪側マスタ圧PMfをもとに運転者の要求する減速度に応じた要求制動力DBを算出する。次いで、ステップS7に移行して、要求制動力DBから回生制動力RBを減算することにより、ホイールシリンダ5FL及び5FRで発生するシリンダ制動力CBを算出する。
【0077】次いで、ステップS8に移行し、算出されたシリンダ制動力CBに対応する減圧指令値CPを算出し、これと出力圧センサ24FL,24FRで検出した出力圧Pcとが一致するようにフィードバック制御信号CSFL,CSFRを圧力制御弁11FL,11FRに出力してからステップS9に移行する。
【0078】このステップS9では、ストロークセンサ22で検出したペダルストロークPSを読込み、次いでステップS10に移行して、ペダルストロークPSをもとに図8に示すデューティ比算出マップを参照することにより電磁開閉弁14に対するデューティ比Dを算出し、次いでステップS11に移行して、算出されたデューティ比Dのパルス信号SP を電磁開閉弁14に出力してからステップS12に移行する。
【0079】ここで、デューティ比算出マップは、図8で実線図示の特性線Laで示すように、ペダルストロークPSが“0”から設定値PS1 に達するまでの間はデューティ比Dが電磁開閉弁14が全開状態となるオン状態を連続する100%を維持し、設定値PS1 以上となるとオン状態に対してオフ状態が長い全閉側の所定値d1 (例えば20%程度)を維持するように設定されている。
【0080】ステップS12では、前輪側マスタ圧PMfが“0”であるか否かを判定し、PMf>0であるときにはステップS13に移行して、前輪側マスタ圧PMfを読込んでから前記ステップS5に戻り、PMf=0であるときにはステップS14に移行する。
【0081】このステップS14では、圧力制御弁11FL,11FRに対する減圧指令値CPを“0”に設定することにより、圧力制御弁11FL,11FRの出力圧Pcを夫々“0”に制御してから前記ステップS1に戻る。
【0082】なお、後輪についてはマスタシリンダ1から前輪側マスタシリンダ圧PMfとに比例した後輪側マスタシリンダ圧PMrの作動流体が出力され、ブレーキペダルストロークには影響しないので、圧力制御弁11RL,11RRを前輪側マスタ圧PMfに基づいてプロポーショナルバルブに相当する特性となるように制御する。
【0083】この図6のブレーキ制御処理が制動制御手段に対応し、このうちステップS2〜S4の処理が制動圧選択手段に対応している。したがって、今、ブレーキペダル2を解放し、且つアクセルペダルを踏込むことにより、車両がエンジンによって及び/又は走行用電動モータを電動機として作動させることにより、所定速度で走行しているものとすると、この状態では、ブレーキペダル2が解放されていることにより、マスタシリンダ1の前輪側マスタ圧PMf及び後輪側マスタ圧PMrは共に“0”となっている。
【0084】この状態では、図6の前輪側ブレーキ制御処理が実行されたときに、前輪側マスタ圧PMfが“0”であることにより、ステップS2からステップS3に移行して、電磁切換弁3FL,3FRのソレノイドs1に対して制御信号SD は出力されず、ソレノイドs1が非通電状態を維持すると共に、圧力制御弁11FL,11FRに対する減圧指令値CPも“0”となり、圧力制御弁11FL,11FRの出力圧Pcも“0”に制御される。
【0085】このため、電磁切換弁3FL,3FRがノーマル位置を維持することにより、マスタシリンダ1の前輪側マスタ圧PMfがそのままホイールシリンダ5FL,5FRに供給される。
【0086】この状態では、前輪側マスタ圧PMf及び後輪側マスタ圧PMrが共に“0”であることにより、各ホイールシリンダ5FL,5FRに供給されるシリンダ圧も“0”となっており、非制動状態を維持する。
【0087】この状態から、アクセルペダルを解放し、これに代えてブレーキペダル2を踏込むと、これに応じてマスタシリンダ1の前輪側及び後輪側マスタ圧PMf及びPMrが増加し、前輪側マスタ圧PMfが設定圧PMsに達するまでの間は、ステップS3に移行することにより、電磁切換弁3FL,3FRがノーマル位置に保持されると共に、圧力制御弁11FL,11FRの出力圧Pcが前輪側マスタ圧PMfの増加に応じて、これと一致するように増加される。
【0088】この状態で、前輪側マスタ圧PMfが設定圧PMsに達すると、ステップS4に移行して、電磁切換弁3FL,3FRが共にオフセット位置に切換えられることにより、マスタシリンダ1から出力される前輪側マスタ圧PMfが電磁開閉弁14を介してストロークシミュレータ12に供給される一方、圧力制御弁11FL,11FRから出力される出力圧Pcが電磁切換弁3FL,3FRを介して前輪側のホイールシリンダ4FL,4FRに供給される。
【0089】このとき、圧力制御弁11FL,11FRの出力圧Pcは前輪側マスタ圧PMfと等しく制御されているので、ホイールシリンダ4FL,4FRに入力される制動圧自体は変動することはなく、運転者に違和感を与えることはない。
【0090】これと同時に、走行用電動モータが発電機として作動されて回生制動状態となり、この走行用電動モータで発生する回生制動力RBと、制動圧発生回路6で発生されるマスタシリンダ1で発生する前輪側マスタシリンダ圧PMfに応じた制動力DBから回生制動力RBを減じた制動力CBに応じた制動圧Pcに基づいてホイールシリンダ5FL,5FRで発生される制動力とが駆動輪としての前輪4FL,4FRに作用され、両者の和の制動力が前輪側マスタシリンダ圧PMfに応じた制動力と等しくなる。
【0091】このとき、マスタシリンダ1から吐出される前輪側マスタシリンダ圧PMfの作動流体は、電磁方向切換弁3FL,3FRによってホイールシリンダ5FL,5FRへの供給が停止されるが、この作動流体は電磁開閉弁14を介してストロークシミュレータ12に供給されることになり、ブレーキペダル2の踏込ストロークを確保することができる。
【0092】ここで、ブレーキペダル2の踏込量が少なく、ペダルストロークPSが設定値PS1 に達するまでの間は、図8に示すように、デューティ比Dが100%を維持するので、電磁開閉弁14に対してデューティ比100%即ちオン状態を継続するパルス信号PSが出力され、これによって電磁開閉弁14が全開状態に制御される。
【0093】このため、マスタシリンダ1から吐出される作動流体は直接ストロークシミュレータ15に供給され、このストロークシミュレータ15の圧力−作動流体量特性が図5に示すように線形特性とされ前輪マスタシリンダ圧PMfの増加に応じて吸収する作動流体量が増加することになり、ペダル踏力に対するペダルストロークは、図9で実線図示の特性線Laで示すようにペダル踏力が“0”から増加したときにペダルストロークが急増することになり、ペダル剛性が小さく設定される。
【0094】この状態から、さらにブレーキペダル2を踏込んで、ストロークセンサ22で検出されるペダルストロークPSが設定値PS1 に達すると、図6のステップS10で算出されるデューティ比Dが閉側の所定値d1 に設定され、これに応じたパルス信号SP が電磁開閉弁14に出力されることにより、この電磁開閉弁14の平均開度が全開時の20%程度となることにより、マスターシリンダ1からストロークシミュレータ15に供給される作動流体量が減少される。
【0095】このため、ストロークシミュレータ15で吸収される作動流体量が減少することから、ペダル踏力に対するペダルストロークは、図9で実線図示のように、特性線Laの勾配が緩やかとなってペダル踏力の増加に応じたペダルストロークの増加量が減少することから、ペダル剛性が大きくなって運転者に対してしっかりしたペダル踏込感覚を与えることができ、前述した従来のホイールシリンダ特性に近似した特性を得ることができる。
【0096】このように、上記第1の実施形態によると、ハウジング17内にピストン18と線形特性を有するコイルスプリング19とで構成し、入力される圧力に対する吸収する作動流体量を線形特性とした簡易な構成のストロークシミュレータ15を適用しながら従来のホイールシリンダ特性に近似した特性を得ることができ、しかも図9における特性線Laは図8に示すデューティ比算出マップの特性線Laにおけるペダルストローク設定値PS1 前後の値を変更することにより、傾きを任意に変更することができる。
【0097】なお、上記第1の実施形態においては、デューティ比算出マップを図8における実線図示の特性線Laで構成する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図8における破線図示の特性線Lbで示すように、ペダルストロークPSが“0”であるときにデューティ比Dが100%でこれからペダルストロークPSが増加したときにこれに反比例してデューティ比Dが減少する線形特性に設定するようにしてもよく、この場合にはペダル踏力に対するペダルストローク特性は、図9で破線図示の特性線Lbで示すように、ペダル踏力の増加に応じてペダルストロークが二次曲線的に連続して増加することになり、滑らかなペダル踏込感覚を得ることができる。
【0098】また、デューティ比算出マップを図8における一点鎖線図示の特性線Lcで示すように、ペダルストロークPSが“0”であるときにデューティ比Dが100%でこれからペダルストロークPSが増加したときにその二乗に反比例してデューティ比Dが減少する二次曲線特性とすることもでき、この場合には、ペダル踏力に対するペダルストローク特性は、図9で一点鎖線図示の特性線Lcで示すように、ペダル踏力が小さい間は前述した特性線Lbより大きな勾配でペダルストロークが増加し、その後ペダルストロークの増加量が徐々に減少し、ペダル踏力が大きいときには特性線Lbよりペダルストロークが小さくなる。
【0099】次に、本発明の第2の実施形態を図10〜図12について説明する。この第2の実施形態は、ブレーキペダルの踏込速度を検出して、これに応じてストローク特性を変更するようにしたものである。
【0100】すなわち、第2の実施形態においては、コントロールユニット30で実行するブレーキ制御処理が、図10に示すように、前述した第1の実施形態における図6の処理において、ステップS10及びステップS11の間にステップS9で読込んだペダルストロークPSを微分してペダル踏込速度VBPを算出するステップ21と、算出されたペダル踏込速度VBPをもとに図11に示す係数算出マップを参照してデューティ比Dに乗算する係数Aを算出するステップS22と、算出された係数AをステップS10で算出されたデューティ比Dに乗算して最終デューティ比DE を算出するステップS23とが追加され、且つステップS11が最終デューティ比DE のパルス信号SP を出力することを除いては図6と同様の処理を行い、図6に対応する処理については同一ステップ番号を付し、その詳細説明はこれを省略する。
【0101】ここで、係数算出マップは、図11で実線図示の特性線L21で示すように、ペダル踏込速度VBPが“0”から所定値VS1に達する迄の間では、係数Aが“1”を維持し、ペダル踏込速度VBPが所定値VS1以上となると係数Aが所定値a1 (例えば0.3程度)を維持するように設定されている。
【0102】この第2の実施形態によると、ブレーキペダル2を踏込んで制動状態としたときに、そのペダル踏込速度VBPが所定値VS1より小さい緩制動状態では、図10の処理が実行されたときにステップS22で算出される係数Aが“1”に設定されることにより、図12で実線図示の特性線L22で示すように、前述した第1の実施形態と同様のペダル踏力−ペダルストローク特性が得られるが、ペダル踏込速度VBPが所定値VS1以上となる急制動時には、係数Aが“1”より小さい所定値a1 に設定されることにより、ペダル踏力−ペダルストローク特性が図12で一点鎖線図示の特性線L23で示すように緩制動時の特性に比較して係数Aの低下分だけ低い特性となり、全体的にペダル剛性が高まって、しっかりとしたペダル踏込感覚となり、正確な急制動操作を行うことができる。
【0103】なお、上記第2の実施形態においては、係数算出マップを図11で実線図示の特性線L21で構成した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図11で一点鎖線図示の特性線L24で示すように、ペダル踏込速度VBPが所定値VS1以上となったときに、ペダル踏込速度VBPの増加に反比例して係数Aが減少するように設定することもでき、この場合には、ペダル踏込速度VBPに対応したきめ細かなペダル踏力−ペダルストローク特性を得ることができ、また、特性線L24に代えて双曲線状の特性線を設定することもできる。
【0104】次に、本発明の第3の実施形態を図13〜図15について説明する。この第3の実施形態は、車体速度に応じてストローク特性を変更するようにしたものである。
【0105】すなわち、第3の実施形態では、コントロールユニット30で実行するブレーキ制御処理が、図13に示すように、前述した第2の実施形態における図10の処理において、ステップS21が車体速度センサ25で検出した車体速度VSPを読込むステップ31に置換され、ステップS22が車体速度VSPをもとに図14に示す係数算出マップを参照してデューティ比Dに乗算する係数Bを算出するステップS32に置換され、ステップS23が算出された係数BをステップS10で算出されたデューティ比Dに乗算して最終デューティ比DE を算出するステップS33に置換されていることを除いては、図10と同様の処理を行い、図10に対応する処理については同一ステップ番号を付し、その詳細説明はこれを省略する。
【0106】ここで、係数算出マップは図14で実線図示の特性線L31に示すように、車体速度VSPが“0”から比較的低い所定値VS3に達する迄の間では、係数Bが“1”未満の所定値b1 (例えば0.3程度)を維持し、車体速度VSPが所定値VS3以上となると、係数Bが“1”を維持するように設定されている。
【0107】この第3の実施形態によると、ブレーキペダル2を踏込んで制動状態としたときに、車体速度VSPが所定値VS3より小さい低速走行状態では、図13の処理が実行されたときにステップS32で算出される係数Bが“1”未満の所定値b1に設定されることにより、図15で一点鎖線図示の特性線L32で示すように、前述した第2の実施形態における急制動時と同様のペダル踏力−ペダルストローク特性が得られ、ブレーキの食いつき感を運転者に与えることができ、車体速度VSPが所定値VS3以上となる通常走行時での制動時には、係数Bが“1”に設定されることにより、図15で実線図示の特性線L33で示すように前述した第2の実施形態における通常制動時と同様のペダル踏力−ペダルストローク特性が得られる。
【0108】なお、上記第3の実施形態においては、係数算出マップを図14で実線図示の特性線L31で構成した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図15で一点鎖線図示の特性線L34で示すように、車体速度VSPが“0”であるときに所定値b1 となり、これから車体速度VSPの増加に比例して係数Bが増加し、所定値VS3より高い所定値VS4以上で“1”を維持するように設定することもでき、この場合には、低車速域で車体速度VSPに対応したきめ細かなペダル踏力−ペダルストローク特性を得ることができ、また、特性線L34に代えて双曲線状の特性線を設定することもできる。
【0109】また、上記第3の実施形態においては、停止近傍の低車速域でペダル剛性を大きくするように設定する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、係数算出マップとして図16で実線図示の特性線L41で示すように、高速側の所定値V5 以上となったときに、係数Cを“1”から所定値c1 (例えば0.3程度)に変更するように設定することにより、図17で一点鎖線図示の特性線L42で示すように高速走行時にも低車速時と同様にペダル踏力−ペダルストローク特性を通常走行時に比較して低下させることにより、運転者にブレーキの効き感を与えることができる。
【0110】さらには、係数算出マップを図16で一点鎖線図示の特性線L42で示すように、車体速度VSPが所定値V5 以上となったときに、係数Cを“1”から徐々に車体速度VSPの増加に反比例して減少させるように設定することにより、高速走行時となったときに、ペダル踏力−ペダルストローク特性を徐々に変更して、ペダル剛性を徐々に強めることができる。
【0111】さらに、上記第1〜第3の実施形態においては、デューティ比算出マップを使用してデューティ比Dを求める場合について説明したが、これに限定されるものではなく、ペダルストロークPSが所定値PS1 以上であるか否かを判定し、PS<PS1 であるときにデューティ比Dを100%とし、PS≧PS1 であるときにデューティ比Dを所定値d1 に設定するソフトウェア処理を行うようにしてもよく、また係数A〜Cについても同様にソフトウェア処理するようにしてもよい。
【0112】次に、本発明の第4の実施形態を図18及び図19について説明する。この第4の実施形態は、アンチロックブレーキ制御装置を搭載した車両において、アンチロックブレーキ制御装置でアンチロックブレーキ制御中であるか否かによって係数Eを変更するようにしたものである。
【0113】すなわち、第4の実施形態では、コントロールユニット30で実行されるブレーキ制御処理が、図18に示すように、前述した第3の実施形態におけるステップS31〜S33が省略され、これらに代えて、図示しないアンチロックブレーキ制御装置がアンチロックブレーキ制御中であるか否かを判定するステップ41と、その判定結果がアンチロックブレーキ非制御中であるときに係数Eを“1”に設定するステップS42と、ステップS41の判定結果がアッチロックブレーキ制御中であるときに係数Eを“1”未満の所定値e1 (例えは0.3程度)に設定するステップS43と、ステップS42及びS43で設定した係数EをステップS10で算出したデューティ比Dに乗算して最終デューティ比DE を算出するステップS44とが設けられていることを除いては前記図13と同様の処理を行い、図13との対応部分には同一ステップ番号を付し、その詳細説明はこれを省略する。
【0114】この第4の実施形態によると、アンチロックブレーキ制御装置で、車輪スリップ率が小さくアンチロックブレーキ制御が行われない緩制動時には、図18の処理でステップS41からステップS42に移行することにより、係数Eが“1”に設定されるので、図19で実線図示の特性線L51で示すように、前述した第2及び第3の実施形態における通常制動時及び通常走行時と同様のペダル踏力−ペダルストローク特性が得られ、この状態から車輪スリップ率が大きくなってアンチロックブレーキ制御が実行されると、ステップS41からステップS43に移行して、係数Eが所定値e1 に設定されることにより、図19で一点鎖線図示の特性線L52で示すように、ペダル踏力−ペダルストローク特性が低下されて、ペダル剛性が全体として大きくなり、ブレーキペダル2の踏込に対する抵抗感を与えることにより、急激なペダル操作をしにくいペダル踏込感覚を運転者に与え、慎重なペダル操作を促すことができる。
【0115】次に、本発明の第5の実施形態を図20について説明する。この第5の実施形態は、ブレーキシステムに異常が発生したときに制動圧を確保するようにしたものである。
【0116】すなわち、第5の実施形態では、コントロールユニット30で実行されるブレーキ制御処理が、図20に示すように、前述した第1の実施形態における図6の処理でのステップS10及びS11の間に、前輪側のブレーキシステムが異常であるか否かを判定するステップS51と、その判定結果がシステム異常であるときに電磁方向切換弁3FL及び3FRをノーマル位置に切換える制御信号SD を出力すると共に、電磁開閉弁14を閉状態とするデューティ比Dが“0”%のパルス信号SP を出力してから処理を終了するステップS52が追加され、ステップS51の判定結果がブレーキシステムが正常であるときに前記ステップS11に移行するように構成されていることを除いては前記図6と同様の処理行い、図6との対応する処理には同一ステップ番号を付し、その詳細説明はこれを省略する。
【0117】この第5の実施形態によると、前輪側ブレーキシステムが正常であるときには、第1の実施形態と同様のペダルストローク量PSに基づいて電磁開閉弁14をデューティ制御することにより、ペダル踏込量に応じたペダル踏力−ペダルストローク特性を得ることができるが、前輪側ブレーキシステムに異常が発生すると、図20の処理において、ステップS51からステップS52に移行して、電磁方向切換弁3FL,3FRをノーマル位置に切換えることにより、マスタシリンダ1から吐出される作動流体を直接ホイールシリンダ5FL,5FRに供給し、且つ電磁開閉弁14を閉状態とすることにより、ストロークシミュレータ15で吸収する作動流体量を零として、マスタシリンダ1から吐出される作動流体を全量ホイールシリンダ5FL,5FRに供給して、所定の制動力を確保して、フェイルセーフ機能を発揮することがでできる。
【0118】このとき、電磁開閉弁14と並列に逆止弁16が設けられているのでブレーキペダル2の踏込を弱めて、配管13内の作動流体の前輪側マスタシリンダ圧PMfがストロークシミュレータ15に蓄積されている圧力より低下すると、ストロークシミュレータ15内の作動流体が逆止弁16を通じてマスタシリンダ1側に戻される。
【0119】なお、上記第5の実施形態においては、第1の実施形態にフェイルセーフ機能を設けた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、第2〜第4の実施形態に同様のフェイルセーフ機能を設けるようにしてもよいことは言うまでもない。
【0120】また、上記各実施形態においては、ストロークシミュレータ15のピストン18をコイルスプリング19で付勢する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、板バネ、ゴムその他の弾性体を適用してもよい。
【0121】さらに、上記各実施形態においては、ペダル踏込量検出手段として、ペダルストロークセンサ22を適用する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、マスタシリンダ1に伝達されるトルクを検出するトルクセンサや、マスタシリンダ1から吐出されるマスタシリンダ圧を検出するマスタ圧センサ23を適用するようにしてもよい。
【0122】さらにまた、上記各実施形態においては、前輪を駆動輪とした場合について説明したが、後輪を駆動輪とする場合にも本発明を適用し得るものである。なおさらに、上記各実施形態においては、ハイブリッド車両に本発明を適用したが、電気自動車にも本発明を適用することができる。
【出願人】 【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
【出願日】 平成10年(1998)5月26日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也 (外3名)
【公開番号】 特開平11−341604
【公開日】 平成11年(1999)12月10日
【出願番号】 特願平10−144308