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【発明の名称】 ハイブリッド車両
【発明者】 【氏名】山口 幸蔵

【氏名】久田 秀樹

【要約】 【課題】ハイブリッド車両の電力効率の向上と、エンジンの駆動効率の向上を図る。

【解決手段】エンジン11と、発電機16と、出力軸14とをプラネタリギヤユニット13を介して連結し、出力軸14に電気モータ25のトルクを出力する構成において、エンジン回転数制御手段は、エンジン11が最高効率領域で駆動するように回転数を制御し、発電機制御手段は、ブレーキ28によって発電機を停止させて電力効率を向上させる。また、係合時回転数演算手段によって、ブレーキ係合時のエンジン回転数を演算し、発電機回転数の制御を容易とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内燃エンジンと、回転数制御可能な発電機と、前記発電機と連結された第1の歯車要素と、出力軸と連結された第2の歯車要素と、前記内燃エンジンと連結された第3の歯車要素とを備えた差動歯車装置と、前記出力軸と一体的に回転する電気モータと、バッテリ残量、アクセル開度、車速のうち少なくともひとつの要素に基づいて、前記内燃エンジンの回転数を予め定められた範囲内に制御するエンジン回転数制御手段と、該エンジン回転数制御手段により制御された回転数に応じて前記発電機の回転数を制御する発電機制御手段とを備え、前記発電機制御手段は、前記発電機の回転を停止させるブレーキを含み、前記エンジン回転数制御手段は、車速から前記ブレーキ係合時のエンジン回転数を演算する係合時回転数演算手段を含むことを特徴とするハイブリッド車両。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気モータが連結された出力軸に、差動歯車装置を介してエンジンと発電機が連結された駆動系を有するハイブリッド車両にかかり、詳しくは、発電機をモータとしても回転数制御し得るハイブリッド車両に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、低公害、低燃費を実現するために、エンジンとモータとを併用した駆動装置を有するハイブリッド車両が提供されている。この種のハイブリッド車両は各種提供されており、例えば、エンジンを駆動することによって発生させられた回転を発電機に伝達して発電機を駆動し、該発電機によって得られた電力をバッテリに送って充電し、さらに該バッテリの電力により駆動モータを駆動するようにしたシリーズ(直列)式のハイブリッド車両や、エンジンと駆動モータの駆動力を出力軸に伝達して車両を走行させ、主として駆動モータの出力を制御して増減速を行うパラレル(並列)式のハイブリッド車両などがある。
【0003】前述のパラレル式のハイブリッド車両においては、差動歯車装置を介して、エンジンと発電機と駆動出力軸とを連結し、駆動出力軸には駆動モータを接続した構造のハイブリッド車両が提案されている(米国特許登録第3,566,717号)。エンジン出力の一部で発電機は駆動し、その回生電力はバッテリーへ供給される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、上記差動歯車装置を有するパラレル式のハイブリッド車両においては、次のような問題がある。バッテリーへの充電は、発電機からの発生電力と、制動時の駆動モータからの回生電力により賄われるが、バッテリーには許容充電量があり、バッテリーの許容充電量を越えた場合には、過充電となるため十分な回生制動ができない場合がある。
【0005】また、アクセルペダルをオフ状態とし、または車両を制動状態とした時に、電気モータによる回生を優先するためにエンジンを停止する制御を行うと、上記のような差動歯車装置を有する方式の車両では、発電機が差動歯車装置を介して出力軸に連結されているので、高速走行時には発電機の回転数が最高許容回転数を越える場合があり、発電機が制御不能となる恐れがある。
【0006】さらに、高速走行状態では、エンジンの回転数もある程度上げる必要があり、高速走行のために十分なエンジントルクを得るためには、図13に示されているような最高効率領域(イ)を外れた領域でエンジンを駆動させなければならず、低燃費を実現することが困難となる。
【0007】本発明の目的は、回生効率が向上し、エンジンの駆動効率が向上したハイブリッド車両を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的は、以下の発明により達成される。
【0009】(1) 内燃エンジンと、回転数制御可能な発電機と、前記発電機と連結された第1の歯車要素と、出力軸と連結された第2の歯車要素と、前記内燃エンジンと連結された第3の歯車要素とを備えた差動歯車装置と、前記出力軸と一体的に回転する電気モータと、バッテリ残量、アクセル開度、車速のうち少なくともひとつの要素に基づいて、前記内燃エンジンの回転数を予め定められた範囲内に制御するエンジン回転数制御手段と、該エンジン回転数制御手段により制御された回転数に応じて前記発電機の回転数を制御する発電機制御手段とを備え、前記発電機制御手段は、前記発電機の回転を停止させるブレーキを含み、前記エンジン回転数制御手段は、車速から前記ブレーキ係合時のエンジン回転数を演算する係合時回転数演算手段を含むことを特徴とするハイブリッド車両。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明のハイブリッド車両の第1実施形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態のハイブリッド車両の駆動装置を示す概念図である。図において、第1軸線上には、エンジン11と、エンジン11を駆動させることによって発生する回転を出力するエンジン出力軸12と、該エンジン出力軸12を介して入力された回転に対して変速を行う差動歯車装置であるプラネタリギヤユニット13と、該プラネタリギヤユニット13における変速後の回転が出力されるユニット出力軸14と、該ユニット出力軸14に固定された第1カウンタドライブギヤ15と、通常走行状態では主として発電機として作用する発電機16と、該発電機16とプラネタリギヤユニット13とを連結する伝達軸17とが配置されている。ユニット出力軸14は、スリーブ形状を有し、エンジン出力軸12を包囲して配設されている。また、第1カウンタドライブギヤ15は、プラネタリギヤユニット13よりエンジン11側に配設されている。
【0011】プラネタリギヤユニット13は、第1の歯車要素であるサンギヤSと、サンギヤSと噛合するピニオンPと、該ピニオンPと噛合する第2の歯車要素であるリングギヤRと、ピニオンPを回転自在に支持する第3の歯車要素であるキャリヤCRとを備えている。サンギヤSは、伝達軸17を介して発電機16と連結され、リングギヤRは、ユニット出力軸14を介して第1カウンタドライブギヤ15と連結され、キャリヤCRは、エンジン出力軸12を介してエンジン11と連結されている。
【0012】さらに、発電機16は伝達軸17に固定され、回転自在に配設されたロータ21と、該ロータ21の周囲に配設されたステータ22と、該ステータ22に巻装されたコイル23とを備えている。発電機16は、伝達軸17を介して伝達される回転によって電力を発生させる。前記コイル23は図2に示されている蓄電手段であるバッテリ19に接続され、該バッテリ19に電力を供給して充電する。
【0013】発電機16には、伝達軸17の他端側に、ブレーキ28が接続されており、このブレーキ28を係合状態とすることで、ロータ21が固定され、発電機16の回転およびサンギヤSの回転が停止されるようになっている。
【0014】第1軸線と平行な第2軸線上には、電気モータ25と、電気モータ25の回転が出力されるモータ出力軸26と、モータ出力軸26に固定された第2カウンタドライブギヤ27とが配置されている。
【0015】電気モータ25は、モータ出力軸26に固定され、回転自在に配設されたロータ37と、該ロータ37の周囲に配設されたステータ38と、該ステータ38に巻装されたコイル39とを備えている。電気モータ25は、コイル39に供給される電流によってトルクを発生させる。そのために、コイル39は上記バッテリ19に接続され、該バッテリ19から電流が供給されるように構成されている。本発明のハイブリッド車両が減速状態において、電気モータ25は、図示しない駆動輪から回転を受けて回生電力を発生させ、該回生電力をバッテリ19に供給して充電する。
【0016】そして、前記エンジン11の回転と同じ方向に図示しない駆動輪を回転させるために、第1軸線及び第2軸線と平行な第3軸線上には、駆動出力軸としてカウンタシャフト31が配設されている。該カウンタシャフト31にはカウンタドリブンギヤ32が固定されている。また、該カウンタドリブンギヤ32と第1カウンタドライブギヤ15とが、及びカウンタドリブンギヤ32と第2カウンタドライブギヤ27とが噛合させられ、第1カウンタドライブギヤ15の回転及び第2カウンタドライブギヤ27の回転が反転されてカウンタドリブンギヤ32に伝達されるようになっている。
【0017】さらに、カウンタシャフト31には、カウンタドリブンギヤ32より歯数が小さなデフピニオンギヤ33が固定される。そして、第1軸線、第2軸線及び第3軸線に平行な第4軸線上にデフリングギヤ35が配設され、該デフリングギヤ35と前記デフピニオンギヤ33とが噛合させられる。また、前記デフリングギヤ35にディファレンシャル装置36が固定され、デフリングギヤ35に伝達された回転が前記ディファレンシャル装置36によって差動させられ、駆動輪に伝達される。上記構成において、駆動出力系は、プラネタリギヤユニット13と、発電機16と、第1カウンタドライブギヤ15と、カウンタドリブンギヤ32と、第2カウンタドライブギヤ27と、カウンタシャフト31と、デフピニオンギヤ33と、デフリングギヤ35と、ディファレンシャル装置36とによって構成されている。
【0018】このように、エンジン11によって発生させられた回転をカウンタドリブンギヤ32に伝達することができるだけでなく、電気モータ25によって発生させられた回転をカウンタドリブンギヤ32に伝達することができるので、エンジン11だけを駆動するエンジン駆動モード、電気モータ25だけを駆動するモータ駆動モード、並びにエンジン11及び電気モータ25を駆動するエンジン・モータ駆動モードでハイブリッド型車両を走行させることができる。また、発電機16において発生させられる電力を制御することによって、前記伝達軸17の回転数を制御することができる。さらに、発電機16によってエンジン11を始動させることもできる。また、発電機の回転を停止させる場合には、ブレーキ28を係合せさて発電機16のロータ21を固定することができる。
【0019】次に、本発明のハイブリッド車両の制御系について、図2のブロック図に基づいて詳細に説明する。本実施形態の制御系は、車両制御装置41と、エンジン制御装置42と、モータ制御装置43と、発電機制御装置44とを有している。これらの制御装置41、42、43、44は、例えばCPU(中央処理装置)、各種プログラムやデータが格納されたROM(リード・オン・メモリ)、ワーキングエリアとして使用されるRAM(ランダム・アクセス・メモリ)等を備えたマイクロコンピュータによって構成することができる。
【0020】ここで、エンジン回転数制御手段は、バッテリ残量、アクセル開度、車速のうち少なくともひとつの要素に基づいて、エンジン回転数を制御する。発電機制御手段は、発電機の回転を停止させるブレーキを含み、エンジン回転数制御手段は、車速から前記ブレーキ係合時のエンジン回転数を演算する係合時回転数演算手段を含む。
【0021】即ち、エンジン回転数制御手段は、車両制御装置41とエンジン制御装置42とによって、発電機制御手段は、車両制御装置41と発電機制御装置44とブレーキ28とによって、係合時回転数演算手段は、車両制御装置41によってそれぞれ構成されている。
【0022】さらに、この制御系は、アクセル開度αを検出するアクセルセンサ45と、車速Vを検出する車速センサ46と、ブレーキ踏み量βを検出する減速操作検出手段であるブレーキセンサ47と、バッテリ19の充電残量SOCを検出する充電容量検出手段であるバッテリセンサ48とを備えている。それぞれのセンサ45、46、47、48で検出された検出値は車両制御装置41へ供給される。車速センサ46は、実際に車軸の回転数を検出し、車両制御装置41へ検出した回転数を供給する。車両制御装置41は、車速センサ46から供給された回転数に基づいて車速Vを算出する。
【0023】車両制御装置41は、ハイブリッド車両の全体を制御するもので、アクセルセンサ45からのアクセル開度αと、車速センサ46からの車速Vに応じたトルクTM* を決定して、これをモータ制御装置43へ供給する。
【0024】また、車両制御装置41は、エンジン制御装置42に対してエンジンON/OFF信号を供給する。具体的には、例えば、ブレーキが踏み込まれて、ブレーキセンサ47からブレーキ踏み込み量βが供給されると、エンジン11を非駆動状態とするエンジンOFF信号を供給し、ブレーキが解除されるとエンジン11を駆動状態とするエンジンON信号を供給する。このエンジンON/OFF信号は、アクセルのON/OFFによって信号が切り換わる構成としてもよい。
【0025】エンジン制御装置42は、車両制御装置41から入力されるON/OFF信号に基づいて、エンジン11を、エンジントルクを出力している駆動状態(ON状態)と、エンジントルクを発生させていない非駆動状態(OFF状態)とに切換えるとともに、エンジン回転数センサから入力されたエンジン回転数NEに応じてエンジン11のスロットル開度θを制御することで、エンジン11の出力を制御するようになっている。また、このエンジン制御装置42によって、エンジン11は常時最高効率領域で運転されるように制御されている。
【0026】さらに、車両制御装置41は、発電機ブレーキ28を動作させる電磁バルブ54へソレノイドON/OFF信号を供給する。電磁バルブ54は、供給されるON/OFF信号に基づいて電磁バルブ54に内蔵されているソレノイドが作動し、例えばON信号の場合には、ソレノイドが作動してバルブが開放され、オイルポンプからの圧油を発電機ブレーキ28へ供給して発電機ブレーキ28を係合状態とし、OFF信号の場合には、バルブが閉鎖されて発電機ブレーキ28の係合を解除する。
【0027】発電機制御装置44は、発電機16の回転数NGを制御し、車両制御装置41から供給された目標回転数NG* となるように、電流(トルク)IGを制御する。発電機制御装置44は、電流(トルク)IGによって、発電機16をモータとして駆動させることもできる。
【0028】モータ制御装置43は、供給されたトルクTM* が電気モータ25から出力されるように電気モータ25の電流(トルク)IMを制御する。
【0029】次に、上記構成のハイブリッド車両の動作について説明する。図3(A)は、本発明の第1実施形態のプラネタリギヤユニット13(図1)の概念図、図3(B)は、本発明の第1実施形態におけるプラネタリギヤユニット13の通常走行時の速度線図である。
【0030】本実施形態においては、図3(A)に示されているように、プラネタリギヤユニット13のリングギヤRの歯数がサンギヤSの歯数の2倍となっている。従って、リングギヤRに接続されるユニット出力軸14の回転数(以下「リングギヤ回転数」という。)をNRとし、キャリヤCRに接続されるエンジン出力軸12の回転数(以下「エンジン回転数」という。)をNEとし、サンギヤSに接続される伝達軸17の回転数(以下「発電機回転数」という。)をNGとした時、NR、NE、NGの関係は、図3(B)に示されているように、【0031】NG=3・NE−2・NRとなる。
【0032】そして、ハイブリッド車両の通常走行時においては、リングギヤR、キャリヤCRおよびサンギヤSは、いずれも正方向に回転させられ、図3(B)に示されるように、リングギヤ回転数NR、エンジンの回転数NE、発電機回転数NGは、いずれも正の値を採る。
【0033】次に、車両制御装置41の制御動作について、図4、図9、図10および図12のフローチャート並びに図5、図6、図7、図8及び図11のマップに基づき詳細に説明する。アクセルセンサ45からアクセル開度αが車両制御装置41に入力され(ステップS101)、ブレーキセンサ47からブレーキ踏み量βが入力され(ステップS102)、車速センサ46から車速Vが入力され(ステップS103)、またバッテリセンサ48からバッテリ残量SOCが入力される(ステップS104)。
【0034】入力されたアクセル開度αと、車速Vと、バッテリ残量SOCとから、図5〜図7に示されているマップに基づいてエンジン増速回転数ΔNeiを演算する(ステップS105)。このマップは、車両制御装置41内に予め記憶されており、車速が30km/h以下である低速域でのマップ(図5)と、30〜60km/hの範囲である中速域でのマップ(図6)と、60km/h以上である高速域でのマップ(図7)に別れている。
【0035】各マップは、アクセル開度αが大きい程、エンジン増速回転数ΔNeiが大きく、かつバッテリ残量SOCが小さいほど、エンジン増速回転数ΔNeiが大きくなるように設定されている。最初に、車速Vによって、3つのマップの内のいずれかが選択され、その後、アクセル開度αとバッテリ残量SOCから、縦軸のエンジン増速回転数ΔNeiが決定される。なお、各マップにおいて、電力を節約するため、増減速が500rpm以上1500rpm以下の範囲でエンジン増速回転数ΔNeiが求められる。
【0036】次に、図8に示されているマップに基づき、ブレーキ踏み量βからエンジン減速回転数ΔNedを演算する(ステップS106)。図9のフローチャートに示されているように、エンジン増速回転数ΔNeiとエンジン減速回転数ΔNedから、エンジン回転数増分ΔNeを求める(ΔNe=ΔNei−ΔNed)(ステップS107)。
【0037】求められたエンジン回転数増分ΔNeの値が、−500〜500rpmの範囲であるか否かを判断する(ステップS108)。この範囲内である場合には、エンジン回転数増分ΔNeの値を0とする(ステップS109)。この範囲外である場合には、次のステップを実行する。
【0038】エンジン回転数増分ΔNeの値が、1500rpmより大きいか否かを判断する(ステップS110)。大きい場合には、エンジン回転数増分ΔNeの値を1500とする(ステップS111)。小さい場合には、次のステップを実行する。
【0039】図10のフローチャートに示されているように、エンジン回転数増分ΔNeの値が、−1500rpmより小さいか否かを判断する(ステップS112)。小さい場合には、エンジン回転数増分ΔNeの値を−1500とする(ステップS113)。大きい場合には、次のステップを実行する。以上のように、エンジン回転数増分ΔNeの値を−1500〜1500rpmの範囲に制限したのは、発電機16の最大出力を考慮したためである。
【0040】図11に示されているマップに基づき、発電機ブレーキ28を係合して、発電機16を固定した時のエンジン回転数(ブレーキオンエンジン回転数)Nebを求める(ステップS114)。ブレーキオンエンジン回転数Nebは、図11のマップ中の直線cによって、横軸の車速から縦軸のエンジン回転数を求めることによって得られる。求められるエンジン回転数は、エンジンのアイドリングを保証するため、最低値を1000rpmとしている。
【0041】次に、ブレーキオンエンジン回転数Nebとエンジン回転数増分ΔNeからエンジン回転数指令値Necを求める(Nec=Neb+ΔNe)(ステップS115)。この回転数指令値Necは、車両制御装置41からエンジン制御装置42へ供給される。図12に示されているように、エンジン回転数指令値Necが1000rpmより大きいか否かを判断する(ステップS116)。小さい場合には、発電機16を空転させて(ステップS117)エンジン11のアイドリングを保証する。
【0042】大きい場合には、エンジン回転数増分ΔNeが0であるか否かを判断し(ステップS118)、0である場合には、発電機ブレーキ28を係合するためのON信号を電磁バルブ54に出力する(ステップS119)。このブレーキ28の係合によって、発電機を停止状態で保持するための電力エネルギを節約できる。
【0043】エンジン回転数増分ΔNeが0でない場合には、エンジン回転数増分ΔNeの3倍の値を発電機回転数指令値とし(ステップS120)、発電機16に該指令値を出力する。ここで、エンジン回転数増分ΔNeが正の値である場合には、発電機16は発電をする。また、エンジン回転数増分ΔNeが負の値である場合には、発電機16はモータとして駆動し、放電することとなる。
【0044】上記制御動作において、エンジン増速回転数ΔNeiを決定するマップ(図5〜図7)では、バッテリ残量SOCが大きい程、エンジン増速回転数ΔNeiの値は小さく設定されるので、エンジン回転数増分ΔNeの値もバッテリ残量SOCが大きい程小さくなり、結果としてエンジン回転数増分ΔNeが負の値となれば、発電機16はモータとして駆動し充電量を消費するように制御される。このため、ブレーキ踏み込み時には、効率良く回生制動することができる。
【0045】また、高車速時の場合も同様で、図7に示されているように、バッテリ残量が大きいほど、エンジン増速回転数ΔNeiは負の値を取ることとなり、結果としてエンジン回転数増分ΔNeが負の値となって、発電機16はモータとして駆動する。図13のエンジン最良燃費曲線図で説明すると、図中線aは、最良燃費曲線であり、線bは、等燃料消費率曲線である。エンジン11は、エンジン制御装置42によって、最良燃費曲線に添って駆動するように制御され、特に通常走行時には、等燃料消費率曲線のなかで最も燃費の良い領域(イ)内で駆動するように制御される。
【0046】車速が高速となると、エンジン回転数を上げる必要があるが、本発明では、上記のように発電機をモータとして駆動させることによって、発電機に回転数の増加分を負担させることができ、エンジン11を最良燃費領域(イ)で駆動させることが可能となる。
【0047】
【発明の効果】以上に説明したように、請求項1に記載の発明は、エンジンの回転数を最適効率領域で駆動させ、その際に生ずる出力不足を、発電機の回転数を制御することによって補うことができるので、高い燃料消費効率を維持することが可能となり、また発電機をモータとして駆動させると、蓄電手段の蓄電量を任意に減らすことができるので、蓄電手段の蓄電量を所望の量に制御することが可能となる。
【0048】そして、バッテリ残量、アクセル開度、車速に基づき、エンジン回転数を制御することで、走行状態に合わせてエンジン回転数制御および発電機制御が可能となり、より効率の良いハイブリッド車両とすることができるとともに、発電機の回転を停止させるブレーキを設けることで、発電機の回転を0とする制御を行うための電力を消費する必要がなく、電力効率をさらに向上させることができる。
【0049】この際、ブレーキを係合した時のエンジンの回転数を演算することによって、エンジン回転数制御手段により制御された回転数に応じて行う発電機回転数の制御が容易となる。
【出願人】 【識別番号】591261509
【氏名又は名称】株式会社エクォス・リサーチ
【出願日】 平成7年(1995)10月14日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】堀 弘
【公開番号】 特開平11−332022
【公開日】 平成11年(1999)11月30日
【出願番号】 特願平11−105845