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【発明の名称】 ハイブリッド車両用モータ
【発明者】 【氏名】池田 透

【氏名】鈴木 哲男

【要約】 【課題】部品点数を削減するとともに、重量を有効に軽減させることを可能にする。

【解決手段】クランクシャフト14に連結されるとともに、外周部にマグネット38が装着されてステータ18内で回転するロータ部20と、トランスミッション12に連結されてこのトランスミッション12に駆動力を伝達するドライブプレート部22とを備え、前記ロータ部20および前記ドライブプレート部22が、板材からプレス成形により一体的に成形される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】内燃エンジンとトランスミッションとの間に配置されるハイブリッド車両用モータであって、前記内燃エンジンのクランクシャフトに連結されるとともに、外周部にマグネットが装着されてステータ内で回転するロータ部と、前記トランスミッションに連結されて該トランスミッションに駆動力を伝達するドライブプレート部と、を備え、前記ロータ部および前記ドライブプレート部は、板材からプレス成形により一体的に成形されることを特徴とするハイブリッド車両用モータ。
【請求項2】請求項1記載のモータにおいて、前記ロータ部は、角部に絞り加工が施されていることを特徴とするハイブリッド車両用モータ。
【請求項3】請求項1または2記載のモータにおいて、前記ロータ部の外周にヨーク部材が圧入されるとともに、前記ヨーク部材の外周に円筒部材を介して前記マグネットが装着されることを特徴とするハイブリッド車両用モータ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃エンジンとトランスミッションとの間に配置されるハイブリッド車両用モータに関する。
【0002】
【従来の技術】ガソリンの燃焼によって駆動力を発生させる内燃エンジンと、回生による発電および電力により駆動力を発生させ、前記内燃エンジンの出力をアシストするモータとして使用されるモータジェネレータとを備え、これらによる駆動力を必要に応じて合成し、車両を走行させるハイブリッド車両が提案されている(特開平9−156388号公報参照)。
【0003】この種のモータは、通常、図4に示すように、図示しない内燃エンジンから延在するクランクシャフト2に固定されるロータ3と、このロータ3の外周側に装着されるドーナツ形状のステータ4を備えている。ロータ3にディスク状のドライブプレート6が固定され、このドライブプレート6にトランスミッション7がボルト8を介して連結されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記のモータでは、内燃エンジン側のクランクシャフト2に連結されるロータ3と、トランスミッション7に連結されるドライブプレート6とが、それぞれ個別に製造されている。このため、ロータ3にドライブプレート6がボルト8を介して固定されており、モータ全体の部品点数が多くなっている。
【0005】さらに、ロータ3は、一般的に鋳造製品であるために比較的重量物となっている。ところが、通常、自動車において性能の向上を図るためには、軽量化が望まれており、特に内燃エンジンとモータとを組み合わせたハイブリット車両では、前記モータの重量を大幅に軽減させる必要があるが、上記のように重量物であるロータを備えたモータでは、この種の要請に対応することができないという問題が指摘されている。
【0006】本発明は、この種の問題を解決するものであり、部品点数を有効に削減するとともに、大幅な軽量化が容易に可能なハイブリット車両用モータを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係るハイブリット車両用モータでは、内燃エンジンのクランクシャフトに連結されるロータ部と、トランスミッションに連結されるドライブプレートとが、板材からプレス成形により一体的に成形される。これにより、モータの部品点数が削減されるとともに、ロータ部の重量が一挙に軽減され、前記モータの軽量化が容易かつ確実に遂行される。
【0008】また、ロータ部は、角部に絞り加工が施されており、薄肉状の前記ロータ部自体の剛性を有効に向上させることができ、実用に適することが可能になる。さらに、ロータ部の外周部にヨーク部材が圧入され、このヨーク部材の外周部にマグネットを配置して円筒部材が装着される。これにより、モータ全体の構成の簡素化および組み立て作業の容易化が図られる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施形態に係るハイブリッド車両用モータであるモータジェネレータ10の分解斜視説明図であり、図2は、前記モータジェネレータ10の縦断面説明図である。 モータジェネレータ10は、例えば、ガソリンを燃焼させることによって駆動力を発生させる内燃エンジンを備えたハイブリッド車両に組み込まれており、回生による発電および電力により駆動力を発生させて内燃エンジンの出力をアシストする機能を有する。
【0010】モータジェネレータ10は、図示しない内燃エンジンとトランスミッション12との間に配置されており、前記内燃エンジンから延在するクランクシャフト14に固定されるロータ16と、このロータ16の外周側に装着されるドーナツ形状のステータ18とを備える。
【0011】ロータ16は、図1および図3に示すように、ロータ部20とドライブプレート部22とを備えるとともに、前記ロータ部20および前記ドライブプレート部22は、鋼板等の板材からプレス成形により一体的に成形される。ロータ部20は、略カップ状に成形されており、その底部側にクランクシャフト14を配置するための凹部24と、前記クランクシャフト14をボルト26により前記底部側に固定するための孔部28とが形成される。ロータ部20の角部には、剛性を上げるための絞り加工が施されている。
【0012】ロータ部20の外周32には、所定角度間隔ずつ離間してマグネット位置決め用凹部33が形成されており、この外周32にリング状のヨーク部材34が圧入される。このヨーク部材34の内周には、ロータ部20の凹部に嵌合する内側突起35aが形成される一方、このヨーク部材34の外周に形成された各外側突起35b間には、円筒部材36を介して複数のマグネット38が装着される。
【0013】ロータ部20の後端側に一体的に成形されるドライブプレート部22は、前記ロータ部20の外周32から半径外方向に広がる円盤形状を有している。このドライブプレート部22の周縁部には、複数の孔部39が形成され、この孔部39に挿入されるボルト40と各ボルト40に螺合されるナット42とを介して、前記ドライブプレート部22がトランスミッション12に連結される(図2参照)。
【0014】図1および図2に示すように、ステータ18は、それぞれ円周方向に複数配置されるステータコア44と、このステータコア44の外周部に断面略コ字状のガイド部材46を介して巻き付けられるコイル(導線)48と、前記ステータコア44同士が円環状に連接された状態で該ステータコア44を一体的に圧入するリング部材50と、前記リング部材50がねじ止め固定されるステータハウジング52とを備える。
【0015】ステータコア44は、同一形状の弾性力のある鉄系材料から得られた板体を所定の枚数積層して形成されている。ステータコア44は、略T字状の形状を有しており、図1に示すように、その頭部54には、円周方向の一端部に凸部56が形成される一方、その他端部に前記凸部56に対応する凹部58が形成される。
【0016】このように構成されるモータジェネレータ10では、ロータ16のロータ部20に設けられた凹部24にクランクシャフト14が配置され、ボルト26を介してこのロータ部20が前記クランクシャフト14に固定される。一方、ロータ16のドライブプレート部22に形成された孔部39にボルト40が挿入され、このボルト40の先端にナット42が螺合されることにより、前記ドライブプレート部22がトランスミッション12に連結される。
【0017】ロータ部20の外周32には、ヨーク部材34を介してマグネット38が装着されており、ロータ16およびステータ18を介して回生による発電や電力による駆動力を発生させて、内燃エンジンの出力をアシストしている。
【0018】この場合、本実施形態では、ロータ部20およびドライブプレート部22が鋼板等の板材からプレス成形により一体成形されており、ロータを鋳造成形して構成される従来の構造に比べ、ロータ部20の重量を大幅に軽減することができる。これにより、モータジェネレータ10全体の重量が一挙に軽減され、ハイブリット車両の性能を有効に向上させることが可能になる。
【0019】しかも、ロータ部20とドライブプレート部22とが一体成形されるため、部品点数が大幅に削減されるという効果が得られる。その際、ロータ部20の角部30に絞り加工が施されており、薄肉形状の前記ロータ部20自体の剛性を有効に維持することができる。
【0020】さらにまた、ロータ部20の外周32には、所定角度間隔ずつ離間して凹部33が設けられており、ヨーク部材34の内側突起35aを各凹部33に嵌合するだけで、マグネット38をこのロータ部20に対して容易かつ高精度に位置決めすることが可能になる。なお、凹部33の数は、例えば1個であってもよく、また、この凹部33に代替して1または複数の突部を設けても、同様の効果が得られる。
【0021】
【発明の効果】本発明に係るハイブリット車両用モータでは、クランクシャフトに連結されてステータ内で回転するロータ部と、トランスミッションに連結されるドライブプレート部とが、板材からプレス成形により一体的に成形される。このため、特に、ロータ部の重量を大幅に軽減し得るとともに、部品点数が一挙に削減される。これにより、ハイブリット車両としての性能の向上が可能になる他、モータ自体の製造コストを有効に抑えることができる。
【出願人】 【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)5月19日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏 (外1名)
【公開番号】 特開平11−332010
【公開日】 平成11年(1999)11月30日
【出願番号】 特願平10−136910