| 【発明の名称】 |
電動車両における電気モ―タ―のトルク制御方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】ケネス、ジェームズ、ファーカス
【氏名】ムクンダ、ブイ、プレマ
【氏名】ジャック、エイチ、フ
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| 【要約】 |
【課題】比較的高速における制動中に回生トルクが発生され、且つ比較的低速においてクリープ・トルクの相殺が行われる、電動車両における電気モーターのトルクを制御する方法を提供する。
【解決手段】車両性能及びエネルギー保全を向上するために、電動車両の電気モーターMのトルクを制御する方法が、スロットル・トルク要求を受ける工程、ブレーキ・トルク要求を受ける工程及び、車速を検出する工程を含む。ブレーキ・トルク要求を、クリープ相殺成分とブレーキ回生成分とに分離される。クリープ相殺成分とブレーキ回生成分とに基づいてスロットル・トルク要求が調整され、合計トルクを発生する。そして、電気モーターMのトルクが合計トルクに基き制御される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】車両性能及びエネルギー保全を向上するために、電動車両の電気モーターのトルクを制御する方法であって、スロットル・トルク要求を受ける工程、ブレーキ・トルク要求を受ける工程、車速を検出する工程、上記ブレーキ・トルク要求を、クリープ相殺成分とブレーキ回生成分とに分離する工程、上記クリープ相殺成分と上記ブレーキ回生成分とに基づいてスロットル・トルク要求を調整し、合計トルクを発生する工程、及び上記合計トルクに基づいて上記電気モーターのトルクを制御する工程を有することを特徴とする方法。 【請求項2】上記ブレーキ・トルク要求を分離する工程は更に、上記ブレーキ・トルク要求からブレーキ回生成分の絶対値を引いて、第1クリープ相殺信号を発生する工程、該第1クリープ相殺信号をゲイン係数で掛けて、第2クリープ相殺信号を発生する工程、スロットル・トルク命令のクリープ・トルク成分を決定する工程、及び該クリープ・トルク成分と第2クリープ相殺信号の小さい方を選択して上記クリープ相殺成分を発生し、それにより該クリープ相殺成分がクリープ・トルクのみを相殺するのを確実なものとする工程を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電動車両における電気モーターのトルクを制御する方法に関し、より具体的には、電動車両のパワートレーンへのブレーキ信号を用いて、比較的高速における回生つまり負のブレーキ・トルク及び比較的低速でのクリープ前進トルクの相殺の両方を行なう方法に関する。 【0002】 【従来の技術】一般的な内燃機関車両において、時速0から6マイルの範囲でエンジンがクリープ・トルクを発生しながらブレーキが作用すると、かなりの量のエネルギーが浪費され、そして、高車速領域において、ブレーキが作用しているがエンジンは燃料を燃やし続けている場合には、かなりの量の慣性エネルギーが失われている。しかしながら、エネルギー保全が航続距離を最大にする上で非常に重要である電動車両において、特にクリープ・トルク領域と高速制動領域において車両性能とエネルギー保全を向上させるために、車両における電気モーターのトルクを制御する方法を提供することが大いに望まれている。 【0003】これを示すために、電動車両関連用語を理解することが重要である。「ブレーキ回生」は、車両の進行方向に対向し、ブレーキ信号入力の関数として、モーターに車両の電池への回生電流を発生させる、回生トルクを生成することを指す用語である。発生したトルクは、車速を減少させる際に機械ブレーキを補助する。言い換えると、ブレーキが高車速で作用する時に、負のトルクが電流をバッテリーに対して生成し、バッテリを充電し、モーターを減速することにより車両を減速させるのを手助けする。 【0004】「圧縮回生」とは、車両の進行方向に対向し、車速及びアクセル・ペダルの関数として、モーターに車両の電池への回生電流を発生させる回生トルクを生成することを指す用語である。発生されるトルクの量は、内燃機関車両のエンジンの圧縮抵抗感覚に匹敵する様に設定される。 【0005】「クリープ・トルク」とは、時速0から6マイルの間が典型的である低速に車両がある時に、アクセル踏み込み量が全閉の状態で、車両を前進させるモーター・トルクを生成することを指す用語である。発生されるトルクは、内燃機関車両のクリープ前進感覚に匹敵する様に設定される。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】従って、比較的高速における制動中に回生(負)トルクが発生され、且つ比較的低速においてクリープ(前進)トルクの相殺が行われる、電動車両における電気モーターのトルクを制御する方法を提供することが望ましい。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は、ブレーキ・ペダル入力を用いて、車両の慣性エネルギーを回収するために高速において回生トルクを発生する一方で、クリープ・トルク速度領域において浪費されるエネルギー量を削減するために、車両のクリープ・トルク量を小さくする様にモーターに命令することにより、ブレーキ回生とクリープ相殺の両方を達成する。この方法はまた、クリープ・トルクの相殺が車両を上り坂で後退させる場合には、クリープ相殺を穏やかであるが迅速に停止する。 【0008】より具体的には、本発明は、車両性能及びエネルギー保全を向上するために、電動車両における電気モーターのトルクを制御する方法を提供し、それは、スロットル・トルク要求を受ける工程、ブレーキ・トルク要求を受ける工程、及び車速を検出する工程、を含む。ブレーキ・トルク要求は、クリープ相殺成分とブレーキ回生成分とに分離される。スロットル・トルク要求は、クリープ相殺成分とブレーキ回生成分とに基づいて調整され、合計トルクを発生する。そして電気モーター・トルクは合計トルクに基づいて制御される。 【0009】ブレーキ・トルク要求を分離する工程が、車速に基づいて分離マップにより生成された分離係数によりブレーキ・トルク要求を乗算し、それによりブレーキ回生成分を発生する工程を含むのが好ましい。ブレーキ回生成分の絶対値がブレーキ・トルク要求から引かれて第1クリープ相殺信号を発生する。第1クリープ相殺信号はゲイン係数により乗算されて第2クリープ相殺信号を発生する。スロットル・トルク命令のクリープ・トルク部分が決定され、このクリープ・トルク部分と第2クリープ相殺信号の小さい方が選択されてクリープ相殺成分を発生し、それにより、クリープ相殺成分がクリープ・トルクのみを相殺するのを確実なものとする。 【0010】 【発明の効果】従って、本発明は、電動車両のパワートレーンへのブレーキ信号を用いて、比較的高速における回生つまり負のブレーキ・トルクの提供及び比較的低速でのクリープ前進トルクの相殺の両方を行なう方法を提供することが出来る。 【0011】本発明の上述の目的、特徴、効果などは、添付の図面を参照して、本発明を実現する最良の態様についての、以下の詳細な説明を読むことで、容易に理解することが出来る。 【0012】 【発明の実施の形態】本発明は、ブレーキ・ペダル入力を用いて、車両の慣性エネルギーを回収するために高速において回生トルクを発生する一方で、クリープ・トルク速度領域において浪費されるエネルギー量を削減するために、車両のクリープ・トルク量を小さくする様にモーターに命令する。制御システムは、ブレーキ・ペダル入力が上述の2つの目的のいずれかに使われるべきかを円滑に決定し、もしそうであるならば、ブレーキ・トルク要求とスロットル・トルク要求とを円滑に合計する。 【0013】ブレーキがどの様にしてモーター・トルク要求全体を修正すべきかを決定するのを助けるために、種々の車両状態を理解することが重要である。 【0014】スロットル・トルク要求マップが図1に示される。全車速領域に亘って、全閉スロットル曲線Aと全開スロットル曲線Bとが示されている。水平軸は車速Vmphであり、垂直軸は電流Iqであり、電流はトルクを表す。車両のドライバーにより決定されるスロットル位置が、スロットル・トルク要求を決定するために、全閉・スロットル曲線Aと全開スロットル曲線Bとの間の補間を行なうのに用いられる。図1において、全閉スロットル曲線Aが垂直及び水平軸を横切る点の間にクリープ速度領域があり、全閉・スロットル曲線Aが水平軸を横切る点の右側に回生速度領域があり、そして、垂直軸の左側に負速度領域がある、ことに注意すべきである。これらの領域とスロットル・トルク要求とが、以下の説明で参照される。 【0015】A.クリープ速度領域クリープ速度領域は、ほぼ時速0から6マイルの間の領域である。この領域は、図1において、全閉スロットル曲線が垂直及び水平軸を横切る点の間に、現れる。この速度領域にある時に、ドライバーは、ブレーキ・トルクが、全体として負のトルク要求または回生トルク要求を発生することを望んではいない。ドライバーは、ブレーキが、スロットル・トルク要求のクリープ部分を相殺することを望むだけである。ブレーキとスロットルの両方が踏み込まれる場合には、ドライバーは、ブレーキ・トルクがスロットル要求のクリープ部分を相殺することを望むのみで、ブレーキ・トルクがスロットル・トルク要求を完全に打ち消すことを望んではいない。クリープ・トルクの量が変化する場合には、このクリープ・トルクを打ち消すのに用いられるブレーキ・トルクの量も変化しなければならない。 【0016】B.回生速度領域回生速度領域が図1において、全閉スロットル曲線Aが水平軸を横切る点の右側に示されている。車速がクリープ速度領域から離れて回生速度領域まで増加すると、ドライバーは、もはやブレーキをクリープ・トルクを打ち消すために用いることに興味はない(クリープ・トルクはないが、圧縮回生トルクがあるかもしれない)。ドライバーは、その時点で、ブレーキ・ペダルが、ブレーキ回生電流または負トルクがトルク要求全体に対して貢献することを望むことになる。この付加的なブレーキ回生トルクをもたらすか引き出すための円滑な方法を述べる。 【0017】C.負速度領域図1を参照すると、負速度領域が垂直軸の左側に発生する。上述の様に、クリープ速度領域において、ブレーキ・トルクはクリープ・トルクを打ち消すのに用いられる。車両が上り坂にある場合には、クリープ・トルクを打ち消すことは、車両を後退し始めさせることになる。この状態を検出して、クリープ・トルクを打ち消さない様にすることでブレーキ・トルクが回復し、車両が後退するのを停止させるのを助ける方法が、ここで提供される。制御システムは、クリープの相殺から、クリープの非相殺へとなめからかに移行する。車両が(急な坂で)後退し続ける場合または、故意に負の速度にあった場合には、ブレーキ・ペダルの踏み込みにより、ブレーキ・トルクが前進方向へかかるべきであり、更には、機械式ブレーキが車両を後退から停止させるのを補助する。 【0018】加えて、ブレーキとスロットルが共に踏み込まれた状態で、速度ゼロで車両が上り坂にある場合には、車軸に正トルクがかかるべきである。再び、ブレーキ・トルクは、スロットル・トルクを完全に打ち消すべきではない。それで、ブレーキ・ペダルが開放され、機械式ブレーキを解除させる場合には、車両は車軸への正トルクにより前進し始めることになろう。仮に制御システムが、ブレーキ・トルクにスロットル・トルクを完全に打ち消させる様に設計されていると、同じ条件において、ブレーキを解除すると、車両が前進加速する前に短時間(機械式ブレーキが解除され正トルクが立ち上がるまでの時間)後退することになろう。 【0019】ブレーキ回生及びクリープ相殺の両方のために、電気モーター・トルクを用いる方法を、図2に示されたブロック図を用いて、説明する。このブロック図に対する入力は、a) Vmph - マイル/時である車速、b) G iq throt - スロットル位置と車速の関数であるスロットル・トルク命令、及びc) G iq brake - ブレーキ・ペダル位置の関数であるブレーキ・トルク命令である。この図の出力は、車速及び、スロットル及びブレーキの両方のトルク命令に基づく全体トルク命令であるG iq sumである。この方法の主な要素は、回生/クリープ相殺マップC内に含まれる。 【0020】「分離係数」と呼ばれる回生/クリープ相殺マップCの出力は、ブレーキ・トルク命令G iq brakeにより乗算される。その解であるG iqbrkregは「ブレーキ回生成分」と名づけられ、ブレーキ回生目的に用いられる。G iq brakeの未使用部分、つまりG iq brakeからG iqbrkregの絶対値を引いた値は、「第1クリープ相殺信号」と呼ばれ、ブレーキ・クリープ相殺のために用いられる。これは、ブレーキ・トルクのクリープ相殺と回生との間の円滑な移行を可能とする。 【0021】第1クリープ相殺信号は、クリープ・トルクを迅速に相殺するために、4というゲインにより乗算されることで、更に修正され、第2クリープ相殺信号を発生する。結果として生じる値はそれから、スロットル・トルク命令のクリープ・トルク部分G iq creepにクランプつまり制限され、クリープ相殺に用いられるブレーキ部分がクリープ部分を相殺することのみ行なうのを確実なものとする。このGiq creep信号は、スロットル・トルク命令の「クリープ・トルク部分」と呼ばれる。クリープ・トルク部分と第2クリープ相殺信号の小さい方が、クリープ相殺成分発生のために選択され、図2においてG iqcrocanとラベル付けされる。そしてこの値が、スロットル・トルク要求G iq throtから差し引かれて、図2においてiq sum1とラベル付けされたクリープ・調整トルクとなる。 【0022】クリープ調整トルクiq sum1はそして、図2においてG iqbrkregとラベル付けされたブレーキ回生成分を引くことにより、G iq sumとラベル付けされた合計トルクとなる。合計トルクG iq sumは、モーターMの電気モーター・トルクを制御するのに用いられる。 【0023】図2に示される回生/クリープ相殺マップCは、適切な車両感覚と動作を提供する様に調整されるのを可能とする多くの校正値(図2においてK ...として特定される)を含む。クリープ領域から回生速度領域への過渡状態において、このマップの出力は0から1へと上昇させられ、ブレーキ・トルク命令を、クリープ相殺とは反対に回生目的に用いられる様にする。回生速度領域からクリープ速度領域への移行は、望まれる通りに、反対の効果を生じる。更に、車両が後退し始める場合(つまり負速度領域への移行)には、このマップCの出力は0から-1へと変化する。これは、クリープ相殺成分を減少させ(これは、クリープ・トルク部分G iq creepへのクリップつまり固定によっても確保される)、ブレーキ回生部分に合計トルクG iq sum全体への付加的効果を持たせる。これは、ブレーキに、後退することから車両を保持する積極的効果を持たせ、機械式ブレーキがそうするのを実際に補助することになる。このマップの曲線の両方においてヒステリシスが用いられ、移行状態が車両振動を起こすのを防止している。 【0024】本発明の方法は電動車両の制御システムに摘要され、平面及び種々の勾配の両方において、ドライバーの感覚及び電気的作動の両面で好結果が得られた。本発明を実施する最良の態様を詳細に述べてきたが、本発明が関連する分野の当業者であれば、特許請求の範囲を逸脱することなく本発明を実施する種々の代替案及び実施例を想到するであろう。
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| 【出願人】 |
【識別番号】599051454 【氏名又は名称】エコスター・エレクトリック・ドライブ・システムズ、エル.エル.シー.
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| 【出願日】 |
平成11年(1999)4月14日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】三原 靖雄
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| 【公開番号】 |
特開平11−332005 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)11月30日 |
| 【出願番号】 |
特願平11−106131 |
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