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【発明の名称】 電気自動車の充電部構造
【発明者】 【氏名】稲垣 明彦

【氏名】飯野 裕康

【氏名】渡辺 真幸

【要約】 【課題】充電部の具体的な構造を提供することにより電気自動車の実用化に寄与し得るようにする。

【解決手段】電気自動車のラジエータグリル1に、外部の充電プラグを挿入可能な充電口2を形成し、該充電口2に蓋体3を開閉自在に取付け、蓋体3の回転中心軸8に蓋開検出器11を取付けるようにしている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電気自動車のラジエータグリルに、外部の充電プラグを挿入可能な充電口を形成し、該充電口に蓋体を開閉自在に取付け、蓋体の回転中心軸に蓋開検出器を取付けたことを特徴とする電気自動車の充電部構造。
【請求項2】 前記充電口を、その両側辺が前方へ進むに従い僅かに中央寄りに傾斜されたほぼ台形状とし、前記蓋体を、充電口とほぼ同形の台形状としたことを特徴とする請求項1記載の電気自動車の充電部構造。
【請求項3】 前記蓋開検出器の側部に位置しラジエータグリルを車体側に取付けるための車体側取付ブラケットと、ラジエータグリルの背面と、蓋開検出器が取付けられ蓋体を開閉自在に軸支する蓋支持ブラケットとで、蓋開検出器を包囲する空間を形成させたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の電気自動車の充電部構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電気自動車の充電部構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、排気ガスの出ない環境に優しい車両として電気自動車の研究開発が進められている。上記電気自動車は、バッテリーをエネルギー源として走行用モータを駆動することにより、走行し得るようにしたものである。そして、上記電気自動車は、所定の距離を走行したら、バッテリーを充電する必要が生じる。バッテリーの充電は、外部の充電プラグを、車両に搭載された充電装置に接続することにより行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような電気自動車は、現在、試作段階にあり、充電部の具体的な構造については、まだ決まっていない。
【0004】そこで、本発明は、充電部の具体的な構造を提供することにより電気自動車の実用化に寄与することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1に記載された発明では、電気自動車のラジエータグリルに、外部の充電プラグを挿入可能な充電口を形成し、該充電口に蓋体を開閉自在に取付け、蓋体の回転中心軸に蓋開検出器を取付けたことを特徴としている。
【0006】このように構成された請求項1にかかる発明では、電気自動車の前側から充電を行わせることが可能となる。また、蓋体が開いたことを蓋開検出器によって検出することができる。
【0007】また、請求項2に記載された発明では、前記充電口を、その両側辺が前方へ進むに従い僅かに中央寄りに傾斜されたほぼ台形状とし、前記蓋体を、充電口とほぼ同形の台形状としたことを特徴としている。
【0008】このように構成された請求項2にかかる発明では、充電口に対して蓋体を、楔が挿入及び離脱されるが如き状態で開閉させることが可能となる。これにより、充電口と蓋体とを長方形とする場合に比べて、蓋体の開閉がスムーズとなり、同時に、閉じた時の充電口の両側辺と蓋体の両側辺との間の隙間を小さくすることが可能となる。且つ、外観品質を向上することが可能となる。
【0009】また、請求項3に記載された発明では、前記蓋開検出器の側部に位置しラジエータグリルを車体側に取付けるための車体側取付ブラケットと、ラジエータグリルの背面と、蓋開検出器が取付けられ蓋体を開閉自在に軸支する蓋支持ブラケットとで、蓋開検出器を包囲する空間を形成させたことを特徴としている。
【0010】このように構成された請求項3にかかる発明では、雨の日や洗車時などに、蓋開検出器へ水などが掛らないようにすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態1】以下、本発明の具体的な実施の形態1について、図示例と共に説明する。
【0012】図1及び図2は、この発明の実施の形態1を示すものである。
【0013】まず、構成を説明すると、この実施の形態1のものでは、電気自動車のラジエータグリル1に、図示しない外部の充電プラグを挿入可能な充電口2が形成される。そして、該充電口2には開閉自在な蓋体3が取付けられている。
【0014】前記充電口2は、ラジエータグリル1の中央上部に形成される。そして、充電口2は、左右方向へ延びると共に、その両側辺4が前方へ進むに従い僅かに中央寄りに傾斜されており、全体として長方形に近い台形状を呈している。
【0015】前記蓋体3は、充電口2とほぼ同形の長方形に近い台形状をした蓋部5で主に構成されている。そして、蓋部5の両側辺には、図2に示すように、蓋部5に対しほぼ90度の角度を成して下方(ラジエータグリル1の内方)へ延びる蓋支持部6が形成されている。
【0016】そして、ラジエータグリル1の裏面側には前記各蓋支持部6の外側に位置するように蓋支持部6とほぼ平行な蓋支持ブラケット7がそれぞれ取付けられている。各蓋支持部6には、前後方向の中間部分から左右方向外方へ延びる回転中心軸8が取付けられており、各蓋支持部6は対応する蓋支持ブラケット7に回転中心軸8を介して回動自在に軸支されている。そのため、回転中心軸8を中心として蓋体3を後方へ回動することにより、蓋体3の大部分がラジエータグリル1内へ隠れ一部が外へ突出した状態で、充電口2が大きく開口されるようになっている。
【0017】更に、回転中心軸8の外周には、トーションスプリングなどの付勢手段9が嵌着されている。そして、トーションスプリング(付勢手段9)の両端部10が、それぞれ蓋支持部6と蓋支持ブラケット7とに係止されることにより、蓋体3を常時、開方向へ付勢するようになっている。
【0018】更に、一方の蓋支持ブラケット7には、ロータリーエンコーダなどの蓋開検出器11が取付けられており、該蓋開検出器11は、対応する側の回転中心軸8に接続されている。そして、蓋開検出器11は、インストルメントパネルのメータ表示部に設けられた蓋開警告灯12へ信号を送り、蓋開時に蓋開警告灯12を点灯させるようになっている。
【0019】そして、ラジエータグリル1の裏面側からは、後方へ延びて、ラジエータグリル1を車体側パネル13へ樹脂クリップ14を介して取付けられるようにするための車体側取付ブラケット15が複数(図では4本)突設されている。そのうち、図3、図4に示すように、蓋開検出器11の側部に位置する車体側取付ブラケット15aと、ラジエータグリル1の背面と、蓋支持ブラケット7とで、蓋開検出器11を包囲する空間16を形成することにより、外部からの水などが蓋開検出器11に掛らないようにしている。この際、ラジエータグリル1には、両側部に、空気を通すための空気口17を有する空気口形成部18が内方へ多数突出形成されているが、少くとも車体側取付ブラケット15aに対応する位置には、空気口形成部18を形成しないようにしておくか、或いは、空気口17のない模擬空気口形成部19を形成するようにする。なお、図中、符号20は車体側取付ブラケット15aをラジエータグリル1に固定するためのボルト、21は蓋支持ブラケット7をラジエータグリル1に固定するためのボルト、22は蓋支持ブラケット7に取付けられた蓋体3の回動を規制するためのストッパである。
【0020】加えて、ラジエータグリル1には、図5に示すような、蓋体3のロック機構23が設けられている。該ロック機構23は、前後方向へ延びる揺動中心軸24を中心として揺動レバー25を左右へ揺動するアクチュエータ26と、前記揺動レバー25の先端に一端を軸着され充電口2へ向けて延びるアーム27と、該アーム27の他端部に取付けられたロック用爪構成部28とで主に構成されている。該ロック用爪構成部28は充電口2のほぼ中央部後側に位置されている。そして、ロック用爪構成部28のケーシング29の外周にはフランジ30が形成されており、ケーシング29はこのフランジ30の部分をラジエータグリル1に取付けられた係止用ブラケット31に係止されている。また、ロック用爪構成部28のケーシング29内部には、爪部32が突出収納動自在に収容されている。そして、該爪部32の外周にはフランジ33が形成され、該フランジ33とケーシング29の後端部との間には、爪部32を常時突出方向へ付勢するスプリング34が介装されている。そして、蓋体3には、爪部32に係止される係止部35を有する係止用部材36が取付けられている。爪部32には、端部に前面側が長くなり後面側が短くなるテーパ面37が形成され、係止部35には前面側に前記テーパ面37とほぼ平行で爪部32を強制的に押込み可能なテーパ面38が形成されている。なお、アクチュエータ26は、車室内のスイッチを操作することによって電気的に駆動されるようになっている。
【0021】次に、この実施の形態1の作動について、図1を用いながら説明する。
【0022】バッテリーを充電する場合、先ず、車室内のスイッチを操作することによってロック機構23のアクチュエータ26を電気的に駆動させる。すると、揺動中心軸24を中心として揺動レバー25が図中左側へ揺動され、アーム27を介しスプリング34の付勢力に抗して爪部32がケーシング29内へ一時的に引っ込められる。これにより、爪部32と係止部35との係止状態が解除されるので、トーションスプリングなどの付勢手段9の付勢力により、回転中心軸8を中心として蓋体3がストッパ22に当たるまで後方へ回動され、蓋体3がラジエータグリル1内へ隠れて、充電口2が開口される。このようにロック機構23を設けることにより、車室内から簡単に充電口2を開口させることができる。また、蓋部5の両側辺にラジエータグリル1の内方へ向けて延びる蓋支持部6を形成し、蓋支持部6に前後方向の中間部分から左右方向外方へ延びる回転中心軸8を取付けて、回転中心軸6を中心として蓋体3を開くことにより、蓋体3の大部分がラジエータグリル1内へ隠れ一部が外へ突出するようにして充電口2が開口されるようにしたことにより、少ない動作で蓋体3の開閉を行わせることが可能となると共に、充電口2を大きく開けることが可能となり、且つ、蓋体3を外力から保護することができる。加えて、ラジエータグリル1に対し蓋体3を効率良く作り付け且つ収容させることが可能となる。
【0023】充電口2が開口されると、回転中心軸8に接続されたロータリーエンコーダなどの蓋開検出器11が回転中心軸8の回動を検知し、インストルメントパネルのメータ表示部に設けられた蓋開警告灯12へ信号を送って、蓋開警告灯12を点灯させ、開蓋を知らせる。このように、開蓋を検知し得るようにすることにより、蓋体3の閉め忘れを認識することができる。なお、蓋開検出器11からの信号を利用して、開蓋時に走行用モータへの通電を停止するよう構成することなども可能である。
【0024】この状態で、充電口2へ図示しない外部の充電プラグを挿入することにより、車両に搭載された充電装置を介してバッテリーに充電が行われる。このように、ラジエータグリル1に充電口2を形成することにより、電気自動車の前側から、ボンネットなどを開けることなく簡単に充電を行わせることが可能となる。
【0025】バッテリーの充電が完了したら、充電口2から図示しない外部の充電プラグを抜き取り、蓋体3を手で動かし、充電口2を閉じる。この際、ロック機構23の爪部32には、端部に前面側が長くなり後面側が短くなるテーパ面37が形成され、蓋体3の係止部35には前面側に前記テーパ面37とほぼ平行なテーパ面38が形成されているので、蓋体3を手で閉じる動作を行うことにより、係止部35のテーパ面38が爪部32のテーパ面37を押すこととなり、よって、スプリング34の付勢力に抗して爪部32がケーシング29内へ強制的に押込まれる。そして、係止部35が爪部32を越えると、爪部32は、再びスプリング34の付勢力によってケーシング29内から突出され、係止部35を係止するので、蓋体3は、ロックされる。
【0026】また、充電口2を、その両側辺4が前方へ進むに従い僅かに中央寄りに傾斜された長方形に近い台形状とし、蓋体3の蓋部5を、充電口2とほぼ同形の長方形に近い台形状としているので、充電口2に対して蓋部5を、楔が挿入及び離脱されるが如き状態で開閉させることが可能となる。これにより、充電口2と蓋部5とを完全な長方形とする場合に比べて、蓋部5の開閉がスムーズとなり、同時に、閉じた時の充電口2の両側辺4と蓋部5の両側辺との間の隙間を小さくすることが可能となる。且つ、外観品質を向上することが可能となる。
【0027】更に、蓋開検出器11の側部に位置する車体側取付ブラケット15aと、ラジエータグリル1の背面と、蓋支持ブラケット7とで、蓋開検出器11を包囲する空間16を形成させるようにしているので、雨の日や洗車時などに、蓋開検出器11へ水などが掛らないようにすることができる。
【0028】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1の発明によれば、電気自動車の前側から充電を行わせることが可能となる。また、蓋体が開いたことを蓋開検出器によって検出することができる。
【0029】また、請求項2の発明によれば、充電口に対して蓋体を、楔が挿入及び離脱されるが如き状態で開閉させることが可能となる。これにより、充電口と蓋体とを長方形とする場合に比べて、蓋体の開閉がスムーズとなり、同時に、閉じた時の充電口の両側辺と蓋体の両側辺との間の隙間を小さくすることが可能となる。且つ、外観品質を向上することが可能となる。
【0030】更に、請求項3の発明によれば、雨の日や洗車時などに、蓋開検出器へ水などが掛らないようにすることができる、という実用上有益な効果を発揮し得る。
【出願人】 【識別番号】000001476
【氏名又は名称】株式会社カンセイ
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
【出願日】 平成10年(1998)5月12日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 民雄
【公開番号】 特開平11−332003
【公開日】 平成11年(1999)11月30日
【出願番号】 特願平10−128601