| 【発明の名称】 |
電動車輌のモータ駆動制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】鈴木 宏康
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| 【要約】 |
【課題】発電制動時に発電制動電流の流れが阻害されないようにした電動車輌モータの駆動制御装置を提供する。
【解決手段】車輪回転用のモータMを駆動するフリーホイールダイオード55付きのブリッジ型正逆転回路51と、変位に応じたアクセル信号を出力するアクセル52と、アクセル信号に基づいて正逆転回路51に制御信号を印加する駆動制御部54とを備えている。駆動制御部54は、アクセル52が原位置にあり、かつ、正逆転回路51のモータMに発電制動を付勢する間、当該発電制動電流と逆向きに装備されたフリーホイールダイオード55を有するスイッチ素子FET2に当該スイッチ素子が常時オンとなる制御信号を印加する制動機能を備えている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車輪回転用のモータを駆動するフリーホイールダイオード付きのブリッジ型正逆転回路と、変位に応じたアクセル信号を出力するアクセルと、前記アクセル信号に基づいて前記正逆転回路に制御信号を印加する駆動制御部とを備えた電動車輌のモータ駆動制御装置において、前記駆動制御部は、前記アクセルが原位置にあり、かつ、前記正逆転回路のモータに発電制動を付勢する間、当該発電制動電流と逆向きに装備された前記フリーホイールダイオードを有するスイッチ素子に当該スイッチ素子が常時オンとなる制御信号を印加する制動機能を備えていることを特徴とした電動車輌のモータ駆動制御装置。 【請求項2】 車輪回転用のモータを駆動するフリーホイールダイオード付きのブリッジ型正逆転回路と、変位に応じたアクセル信号を出力するアクセルと、前記正逆転回路の正転逆転を切替える前後進切替スイッチと、この前後進切替スイッチの設定及び前記アクセル信号に基づいて前記正逆転回路に制御信号を印加する駆動制御部とを備えた電動車輌のモータ駆動制御装置において、前記駆動制御部は、前記アクセルが原位置にあり、かつ、前記正逆転回路のモータに発電制動を付勢する間、当該発電制動が開始されるときの前記前後進切替スイッチの設定とは逆の設定に対応した制御信号を前記正逆転回路に印加する制動機能を備えていることを特徴とした電動車輌のモータ駆動制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電動車輌のモータ駆動制御装置に係り、特に、モータ駆動用にブリッジ型の正逆転回路を有し、この正逆転回路に含まれるスイッチ素子の操作によってモータに逆転制動を付勢することの可能な電動車輌のモータ駆動制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】図4に従来例を示す。図4に示す電動車輌のモータ駆動制御装置は、車輪回転用のモータMを駆動するフリーホイールダイオード付きのブリッジ型正逆転回路51と、変位に応じたアクセル信号を出力するアクセル52と、正逆転回路51の正転逆転を切替える前後進切替スイッチ53と、この前後進切替スイッチ53の設定及びアクセル信号に基づいて正逆転回路51に制御信号を印加する駆動制御部54とを備えている。 【0003】この従来例では、正逆転回路51のスイッチ素子として4つの電界効果トランジスタFET1,FET2,FET3,FET4が採用され、図4下のように、各FETにフリーホイールダイオード55が各々併設された従来一般的な正逆転回路として構成されている。ここで、モータMは、バッテリBによって駆動される。 【0004】駆動制御部54は、マイコン541と、このマイコン541の出力段に接続された論理回路542と、この論理回路542の出力信号を増幅して正逆転回路51のFETに印加するFETドライバ543とを備えている。 【0005】このうち、マイコン541は、アクセル信号に応じてモータMを駆動するためのPWM信号を出力する機能と、前後進切替スイッチの設定に応じて「0」「1」が反転する前後進切替信号を出力する機能とを備えている。 【0006】また、論理回路542は、図5の如く構成されている。マイコン541からのPWM信号は、AND62とAND63に入力される。一方、マイコン541からの前後進切替信号はAND62に入力されると共にNOT61を介してAND63に入力される。AND62の出力は、遅延回路66に入力されると共に、NOT64を介して遅延回路67に入力される。一方、AND63の出力は、遅延回路68に入力されると共にNOT65を介して遅延回路69に入力される。そして、遅延回路66の出力はバッファ70を介しFET1への制御信号となる。遅延回路67の出力はバッファ71を介しFET2への制御信号となる。遅延回路68の出力はバッファ72を介しFET3への制御信号となる。遅延回路69の出力はバッファ72を介しFET4への制御信号となる。 【0007】次に、図6に基づいて装置の全体動作を説明する。前後進切替信号は「1」のとき前進、「0」のとき後退を示すものとする。 【0008】装置が稼動状態に設定され、アクセル52に所定の変位が加えられると、マイコン541から図6のPWM信号が出力される。今、前後進切替スイッチ53は「前進」に設定され、前後進切替信号として「1」が出力されているものとする。このとき、論理回路542から出力されるFET制御信号は、それぞれ図6のようになる。即ち、FET1への制御信号は、PWM信号の位相と同じパルス信号である。FET2への制御信号は、PWM信号と逆相のパルス信号である。FET3への制御信号は常時「0」である。FET4への制御信号は常時「1」である。このとき、図1ではFET4が常時オンとなり、FET1がPWM信号のデューティに応じた割合でオンオフされるから、アクセルの変位に応じた駆動力でモータMが駆動され、車輌の前進が加勢される。 【0009】ここで、図6において、FET1への制御信号とFET2への制御信号の立ち上がりが、PWM信号に対しデッドタイムtd分だけ遅延されているが、これは論理回路542に含まれる遅延回路66〜69の作用によるものである。図6に示すように、車輌の前進が加勢されるときはFET1とFET2が交互にオンになるので、このデッドタイムtdを設けることによって両者の短絡を防止したものである。 【0010】なお、前後進切替スイッチ53が「後退」に設定されているときは、論理回路542に入力される前後進切替信号が「0」になるので、図6において、FET1とFET3の信号が入れ替わると共に、FET2とFET4の信号が入れ替わる。これにより、モータMには、前進のときと逆方向の電流が流れることとなり、車輌の後退が加勢される。 【0011】また、例えば車輌が前進しているときに、アクセル52が原位置に復帰されると、マイコン541の処理によりPWM信号のデューティは全閉(図9上のようにオン時間がほぼ0の状態)に設定される。この動作を図7のフローチャートに沿って説明する。アクセル52がオフ(原位置に復帰)されている間(S11)、モータ駆動用PWM信号のパルス幅は減速度定数Dによって徐々に狭められ(S12)、最終的に1(全閉を意味する値)に達せられる(S13,S14)。この結果、図9に示すように、FET1への制御信号は「0」、FET2への制御信号はほぼ常時「1」、FET3への制御信号は「0」、FET4への制御信号は「1」に維持されるので、正逆転回路51では、図8に示すような発電制動電流が生じ、モータMの回転が減速方向に加勢される。発電制動電流は、図8のように、ほぼ常時オンとなっているFET2を流れると共に、FET4側のフリーホイールダイオード55を通じて流れる。 【0012】このような従来例は、例えば、特開平8―70505号公報にも開示されている。 【0013】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来例にあっては、実際にはFET2への制御信号が常時「1」というわけではなく、周期的に僅かに途切れる。このため、発電制動電流も周期的に僅かに途切れ、車輌の制動距離が延びる原因となり得る不都合があった。これは、論理回路542の遅延回路においてデッドタイムtdを設けた影響である。このデッドタイムtdは、正逆転回路の安全性を重視すれば比較的長いほうが好ましいのであるが、このデッドタイムtdを長く設けるほど発電制動電流が途切れる割合が増すという相容れない不都合になっていた。 【0014】 【発明の目的】本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、特に、発電制動時に発電制動電流の流れが阻害されないようにした電動車輌モータの駆動制御装置を提供することを、その目的とする。 【0015】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、車輪回転用のモータを駆動するフリーホイールダイオード付きのブリッジ型正逆転回路と、変位に応じたアクセル信号を出力するアクセルと、アクセル信号に基づいて正逆転回路に制御信号を印加する駆動制御部とを備えている。特に、駆動制御部は、アクセルが原位置にあり、かつ、正逆転回路のモータに発電制動を付勢する間、当該発電制動電流と逆向きに装備されたフリーホイールダイオードを有するスイッチ素子に当該スイッチ素子が常時オンとなる制御信号を印加する制動機能を備える、という構成を採っている。 【0016】本発明では、例えば、発電制動が開始されるときに、図3のようにFET2に常時「1」の制御信号(「0」にならなければよい)を印加する。これにより、FET2は常時オンになり、発電制動電流の流れを妨げない。 【0017】また、請求項2記載の発明では、車輪回転用のモータを駆動するフリーホイールダイオード付きのブリッジ型正逆転回路と、変位に応じたアクセル信号を出力するアクセルと、正逆転回路の正転逆転を切替える前後進切替スイッチと、この前後進切替スイッチの設定及びアクセル信号に基づいて正逆転回路に制御信号を印加する駆動制御部とを備えている。特に、駆動制御部は、アクセルが原位置にあり、かつ、正逆転回路のモータに発電制動を付勢する間、当該発電制動が開始されるときの前後進切替スイッチの設定とは逆の設定に対応した制御信号を正逆転回路に印加する制動機能を備えた、という構成を採っている。 【0018】本発明では、例えば図8のようにFET2がチョッピング制御、FET4が全同通とされている状態において、マイコンが正逆転回路に発電制動を付勢すると共に前後進切替信号を反転させる。これにより、FET2とFET4の信号が入れ替わるので、図3のように、FET2は全同通、FET4はチョッピング制御となる。このとき、発電制動電流は、FET2を流れると共にFET4のフリーホイールダイオード55を流れるので、発電制動電流の流れは妨げられない。 【0019】これにより、前述した目的を達成しようとするものである。 【0020】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1乃至図3に基づいて説明する。本実施形態が従来例と異なるのはマイコンの動作である。即ち、回路の構成は、図4乃至図5に示すものであるから、同一部分は同一符号を付して重複説明を省略する。 【0021】マイコン541の動作も、モータMの正転動作及び逆転動作は従来例と同一であり、アクセル52が原位置に復帰し正逆転回路51に発電制動電流が流れている間の処理が異なるので、その動作を図1のフローチャートに基づいて説明する。 【0022】アクセル53がオフされている間(S1)、モータ駆動PWM信号が1(全閉の状態)になっているか判断し(S2)、全閉の状態になければ、減速度定数Dを減算してPWM信号のパルス幅を徐々に狭めてゆく(S3)。この結果、PWM信号が全閉の状態になるまで減速度定数Dの減算を繰り返す(S4,S5)。そして、遂にPWM信号が全閉になると(S2)、前後進切替信号を反転する(S6)。例えば、前進中であれば前後進切替信号を「1」から「0」に反転する。 【0023】この前後進切替信号の反転は、論理回路542の出力に作用する。この結果、従来例で説明した図9の信号状態に対し、図2のように、FET1の制御信号とFET3の制御信号が入れ替わり、また、FET2の制御信号とFET4の制御信号が入れ替わる。このため、図3のように、チョッピング制御がFET4の側に移り、FET2は常時オンとなるところ、発電制動電流はFET2及びFET4のフリーホイールダイオード55を通じて常時流れることができ、モータMの制動能力を従来よりも向上することができる。よって、同一環境下では、車輌の制動距離を短くすることが可能となる。 【0024】ここで、本発明は、上記実施形態に限定されず、正逆転回路の発電制動時に発電制動電流と逆向きに装備されたフリーホイールダイオードを有するスイッチ素子に当該スイッチ素子が常時オンとなる制御信号を印加するものであればよい。 【0025】 【発明の効果】本発明は、以上のように構成され機能するので、これによると、駆動制御部が、正逆転回路の発電制動時において、通常チョッピング制御される側のスイッチ素子に当該スイッチ素子が常時オンとなる制御信号を印加するので、発電制動電流の流れを阻止することがなく、モータの制動能力を向上することができ、同一環境下では、車輌の制動距離を短くすることが可能となる。特に、前後進切替信号を反転させることにより上記効果を得ようとする場合は、従来の駆動制御部の構成をそのまま利用することができプログラム変更のみで対応することが可能となるため経済的である、という従来にない優れた電動車輌のモータ駆動制御装置を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002082 【氏名又は名称】スズキ株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)4月22日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】高橋 勇
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| 【公開番号】 |
特開平11−308702 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)11月5日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−128283 |
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