| 【発明の名称】 |
バッテリ残量計 |
| 【発明者】 |
【氏名】柴田 亮
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| 【要約】 |
【課題】モータ発電により回生電流が流れている場合でも、バッテリの残存容量を正しく表示する。
【解決手段】本発明のバッテリ残量計10は、バッテリBの電力でモータMを駆動して走行する電動車両に装備されものであり、バッテリBの出力電圧Voutを検出する電圧検出用配線12と、モータMの回生電流Irを検出するシャント抵抗器14と、電圧検出用配線12で検出された出力電圧Vout とシャント抵抗器14で検出された回生電流Irとによってバッテリ10の残存容量Wを決定する残量表示回路16と、残量表示回路16で決定された残存容量Wを表示する残量表示器18とを備えたものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 バッテリの電力でモータを駆動して走行する電動車両等に装備され、前記バッテリの残存容量を表示するバッテリ残量計において、前記バッテリの出力電圧を検出する電圧検出手段と、前記モータの駆動電流又は回生電流を検出する電流検出手段と、前記電圧検出手段で検出された出力電圧と前記電流検出手段で検出された駆動電流又は回生電流とによって前記バッテリの残存容量を決定する残存容量決定手段と、この残存容量決定手段で決定された残存容量を表示する残存容量表示手段と、を備えたことを特徴とするバッテリ残量計。 【請求項2】 前記残存容量決定手段は、前記出力電圧及び前記駆動電流又は回生電流をパラメータとする前記残存容量のデータテーブルを記憶している、請求項1記載のバッテリ残量計。 【請求項3】 前記電流検出手段は、前記駆動電流又は回生電流の流路に設けられたシャント抵抗器からなる、請求項1又は2記載のバッテリ残量計。 【請求項4】 前記電流検出手段は、前記モータの正転時の前記駆動電流又は回生電流の流路に設けられた第一の電流検出手段と、前記モータの逆転時の前記駆動電流又は回生電流の流路に設けられた第二の電流検出手段とからなる、請求項1又は2記載のバッテリ残量計。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、バッテリの電力でモータを駆動して走行する電動車両等に装備され、バッテリの残存容量を操作者に知らせるための、バッテリ残量計に関する。 【0002】 【従来の技術】バッテリの残存容量は、バッテリの出力電圧、バッテリの出力電流及びバッテリの温度の関数となっている。従来のバッテリ残量計は、これらの出力電圧、出力電流及び温度と残存容量との関係をデータテーブルとして予め記憶し、出力電圧、出力電流及び温度を検出しつつ、前記データテーブルによって残存容量を求めていた(特開平2−247588号公報)。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】従来のバッテリ残量計は、バッテリの放電特性のみをデータテーブルとして用いており、下り坂でのモータ発電によるバッテリ電圧への影響は考慮されていない。そのため、従来のバッテリ残量計では、モータ発電によりバッテリ電圧が上昇すると、実際よりも多い残存容量が表示されていた。 【0004】 【発明の目的】そこで、本発明の目的は、モータ発電により回生電流が流れている場合でも、残存容量を正しく表示できるバッテリ残量計を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者は、バッテリの出力電圧及びモータの回生電流とバッテリの残存容量との関係について研究を重ねた結果、これらの間には明確な対応関係があることを見い出した。本発明はこの知見に基づいてなされたものである。 【0006】すなわち、本発明に係るバッテリ残量計は、バッテリの電力でモータを駆動して走行する電動車両等に装備され、前記バッテリの残存容量を表示するバッテリ残量計において、前記バッテリの出力電圧を検出する電圧検出手段と、前記モータの駆動電流又は回生電流を検出する電流検出手段と、前記電圧検出手段で検出された出力電圧と前記電流検出手段で検出された駆動電流又は回生電流とによって前記バッテリの残存容量を決定する残存容量決定手段と、この残存容量決定手段で決定された残存容量を表示する残存容量表示手段とを備えたものである。 【0007】 【発明の実施の形態】図1は、本発明に係るバッテリ残量計の一実施形態を示す回路図である。以下、この図面に基づき説明する。 【0008】本実施形態のバッテリ残量計10は、バッテリBの電力でモータMを駆動して走行する電動車両(図示せず)に装備されるものであり、バッテリBの出力電圧Vout を検出する電圧検出手段としての電圧検出用配線12と、モータMの駆動電流(図示せず)又は回生電流Irを検出する電流検出手段としてのシャント抵抗器14と、電圧検出用配線12で検出された出力電圧Vout とシャント抵抗器14で検出された駆動電流又は回生電流Irとによってバッテリ10の残存容量Wを決定する残存容量決定手段としての残量表示回路16と、残量表示回路16で決定された残存容量Wを表示する残存容量表示手段としての残量表示器18とを備えたものである。以下、モータMの駆動電流を「放電電流」という。 【0009】電圧検出用配線12は、バッテリBの正極側に接続されている。シャント抵抗器14は、モータMを駆動するH型ブリッジに直列に接続されている。残量表示回路16は、例えばマイクロコンピュータ及びその周辺回路により構成されており、出力電圧Vout 及び放電電流又は回生電流Irをパラメータとする残存容量Wのデータテーブルを記憶している。このデータテーブルのパラメータとして、バッテリBの温度や気温等を加えてもよい。残量表示器18は、LCDディスプレイやLEDディスプレイである。モータMは直流モータ、バッテリBは鉛蓄電池である。 【0010】また、電動車両には、バッテリ残量計10の他に、アクセル回路30、基準三角波発生器32、コンパレータ34、プルアップ抵抗器36、アンド回路38、電流制限回路40、前後進切替スイッチ42、信号処理回路44、FET駆動回路46、FETQ1〜Q4、安定化電源回路48、電源スイッチ50等が設けられている。 【0011】アクセル回路30は、摺動抵抗器からなる。アクセル回路30、前後進切替スイッチ42及び電源スイッチ50は、運転者によって操作される。基準三角波発生器32、コンパレータ34及びプルアップ抵抗器36は、PWM方式の駆動信号を生成する一般的なものであり、アクセル回路30の出力電圧に比例するように駆動信号のオンオフ比を変化させる。アンド回路38及び電流制限回路40は、シャント抵抗器14の電圧降下が過電流により一定以上となった場合に、駆動信号の出力を制限する。FETQ1〜Q4は、nチャネルMOSFETであり、モータMを正逆回転させるためのH型ブリッジを構成している。信号処理回路44は、例えばマイクロコンピュータ又は論理回路等によって構成され、アンド回路38から出力された駆動信号と前後進切替スイッチ42から出力された前後進信号とに基づき、FETQ1〜Q4ごとの駆動信号を出力する。FET駆動回路46は、信号処理回路44から出力された駆動信号を、FETQ1〜Q4がオンするレベルまで電圧増幅する。安定化電源回路48は、三端子レギュレータ用ICとその外付け部品とにより構成され、バッテリBの出力電圧Vout を降圧して電源電圧Vccを得る。 【0012】図2及び図3は、図1の電動車両の速度を6〔km/h〕となるように制御した場合の勾配依存性を示すグラフである。図2は、バッテリの放充電電流の勾配依存性である。図3は、電動車両の速度の勾配依存性である。図2及び図3の横軸の勾配は、上り坂が「+」であり、下り坂が「−」である。図2の縦軸の電流は、放電が「+」であり、充電が「−」である。以下、図1乃至図3に基づき説明する。 【0013】図2において、登坂時におけるバッテリBは、モータMを駆動するために放電しており、勾配が急になるほど放電電流が大きくなる。登坂10〔°〕以上では、電流制限回路40が作動することにより、放電電流が一定となる。降坂時におけるバッテリBは、モータMの発電によって充電され、勾配が急になるほど充電電流すなわち回生電流が大きくなる。つまり、図2において、第一象限が駆動時を示し、第二象限及び第三象限が回生制動時を示している。 【0014】図3において、速度はアクセル全開での値である。降坂での速度は、6〔km/h〕を維持している。登坂10〔°〕以上では、電流制限回路40が作動することにより、速度が急減する。 【0015】図4及び図5は、図1の電動車両のモータ周辺回路の第一例を示す説明図である。図4は正転駆動の場合を示し、図5は正転時の回生制動の場合を示す。以下、図1、図2、図4及び図5に基づき説明する。 【0016】正転駆動の場合は、FETQ1,Q4をオンにし、FETQ2,Q3をオフにする。その結果、放電電流Ifは、図4に示すように、バッテリB→FETQ1→モータM→FETQ4→シャント抵抗器14→バッテリBと流れる。このときの正転駆動は図2の第一象限に示す特性となる。放電電流Ifによるシャント抵抗器14両端の電圧Va,Vbは、Va>Vbとなる。 【0017】図1では省略したが、FETQ1〜Q4にはそれぞれフリーホイールダイオードD1〜D4が内蔵されている。正転時の回生制動の場合は、FETQ1〜Q4をオフにする。その結果、回生電流Irは、図5に示すように、モータM→フリーホイールダイオードD1→バッテリB→シャント抵抗器14→フリーホイールダイオードD4→モータMと流れる。このときの回生制動は、図2の第三象限に示す特性となる。回生電流Irによるシャント抵抗器14両端の電圧Va,Vbは、Va<Vbとなる。 【0018】逆転駆動の場合は、FETQ1,Q4をオフにし、FETQ2,Q3をオンにする。逆転駆動及び逆転時の回生制動の動作は、正転駆動及び正転時の回生制動の場合に準ずる。また、電圧Va,Vbの極性に基づき、駆動時と回生制動時とは判別できるが、正転時と逆転時とは判別できない。正転時と逆転時とは、前後進切替スイッチ42の状態によって判別する。 【0019】図6は、図1のバッテリ残量計における残量表示回路の一部を示す回路図である。以下、図1、図4、図5及び図6に基づき説明する。 【0020】残量表示回路16は、図示しないマイクロコンピュータの入力側に、オペアンプ16A,16B及び抵抗器161A,162A,163A,161B,162B,163Bを備えている。シャント抵抗器14の一端の電圧Vaは、オペアンプ16Aの+入力端子及びオペアンプ16Bの−入力端子に入力される。シャント抵抗器14の他端の電圧Vbは、オペアンプ16Aの−入力端子及びオペアンプ16Bの+入力端子に入力される。 【0021】正転時は、Va>Vbとなるので、オペアンプ16Aの出力端子から(Va−Vb)が増幅されて出力される。回生制動時は、Va<Vbとなるので、オペアンプ16Aの出力端子から(Vb−Va)が増幅されて出力される。換言すると、オペアンプ16A,16Bの出力電圧VA,VBは、正転時がVA>VB、回生制動時がVA<VBとなるので、いずれか大きい値を読み取ってもよい。なお、シャント抵抗器14の抵抗値は、例えば5〔mΩ〕である。そのため、シャント抵抗器14に30〔A〕流れたとしても、オペアンプ16A,16Bの入力電圧は150〔mV〕であり、オペアンプ16A,16Bにとって問題のないレベルである。 【0022】図7は、図1の電動車両におけるバッテリの出力電圧の放充電時間依存性を示すグラフである。以下、この図面に基づき説明する。 【0023】図7のグラフは、残存容量のデータテーブルを作成するため、放電電流又は充電電流を一定にしたまま、バッテリの出力電圧の経時変化を測定したものである。放電電流は実線で、充電電流すなわち回生電流は破線でそれぞれ示している。回生電流の場合は、図2より10〔A〕以上流れることはないので、最大値を7〔A〕とした。回生電流7〔A〕の曲線は、放電電流7〔A〕で5時間経過後に、充電電流7〔A〕として測定したものである。回生電流3〔A〕の曲線は、放電電流3〔A〕で15時間経過後に、充電電流3〔A〕として測定したものである。したがって、回生電流の時間軸は図とは逆方向となる。放電電流の場合、図示していないが、30〔A〕程度まで細かなステップで特性を得ている。図中の点イは、放電電流20〔A〕での、残存容量が50%となる位置を示す。同様に、点ロ〜へは、それぞれの電流値での残存容量が50%となる位置である。 【0024】放電電流20〔A〕でバッテリの容量を50%消費したとき、出力電圧Voutは点イの電圧値をとる。ここで、放電電流3〔A〕に低下させたとすると、出力電圧Vout は点ニの電圧値になる。続いて、7〔°〕の降坂に移ったとすると、出力電圧Vout は点ヘの電圧値を示すことになる。このとき、出力電圧Vout が上昇しても残存容量は変化しないので、残存容量を変化させないように表示する必要がある。また、このまま長い下り坂を同条件で下ったとすると、点ヘは矢印トの方向に移る。すなわち、残存容量が増加するので、残存容量を増加させて表示する必要がある。 【0025】図8は、図7のグラフに基づき作成した、残存容量のデータテーブルの一例を示す図表である。図9は、残存容量のデータテーブルを一般化した図表である。以下、これらの図面に基づき説明する。 【0026】図8及び図9において、残存容量は、五段階で表示し、数字が大きいほど多い。残存容量が「−」の表示は、正常時にはあり得ない値であるので、何らかの異常が発生していることを示している。残存容量は、出力電圧が高いほど多く、図7から明らかなように、出力電圧及び電流値が同じであれば放電時の方が回生時よりも多い。図8において、例えば8〜10〔A〕のように、パラメータとして無視されている電流値がある。この無視されている電流値になったときは、その以前の電流値である10〜13〔A〕又は6〜8〔A〕における残存容量を表示するか、又は、10〜13〔A〕と6〜8〔A〕とにおける残存容量の中間の値を自動補正して表示する。このように、パラメータとしての電流値を飛び飛びの値とすることにより、データ量を大幅に削減できる。 【0027】図10及び図11は、図1の電動車両のモータ周辺回路の第二例を示す説明図である。図10は正転時の回生制動の場合を示し、図11は逆転時の回生制動の場合を示す。以下、これらのに基づき説明する。 【0028】本例における電流検出手段は、モータMの正転時の回生電流Ifrの流路に設けられたシャント抵抗器141と、モータMの逆転時の回生電流Irrの流路に設けられたシャント抵抗器142とからなる。 【0029】正転時の回生制動の場合は、FETQ1〜Q4をオフにする。その結果、回生電流Ifrは、図10に示すように、モータM→フリーホイールダイオードD1→バッテリB→シャント抵抗器142→フリーホイールダイオードD4→モータMと流れる。回生電流Ifrによるシャント抵抗器142両端の電圧Va2,Vb2は、Va2<Vb2となる。 【0030】逆転時の回生制動の場合は、FETQ1〜Q4をオフにする。その結果、回生電流Irrは、図11に示すように、モータM→フリーホイールダイオードD3→バッテリB→シャント抵抗器141→フリーホイールダイオードD2→モータMと流れる。回生電流Irrによるシャント抵抗器141両端の電圧Va1,Vb1は、Va1<Vb1となる。 【0031】このように、シャント抵抗器141,142は前進側と後進側とがそれぞれ独立しているから、前進のときはシャント抵抗器142、後進のときはシャント抵抗器141のそれぞれの電圧降下を読み取る。また、電圧Va1,Va2とを、それぞれ図6に示す電圧Va,Vbとなるように接続すれば、図6に示す回路は一つでよい。 【0032】なお、本発明は、いうまでもなく、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、電流検出手段は電流検出コイル等でもよく、電圧検出手段は電圧計等でもよい。また、電動車両としては、電動車椅子、電動三輪車、電動アシスト自転車、電気自動車、ハイブリッド車等が挙げられる。更に、本発明は、電動車両の他にも、バッテリの電力でモータを駆動する電気機器であって回生制動を行うものであれば、適用することができる。 【0033】 【発明の効果】本発明に係るバッテリ残量計によれば、バッテリの出力電圧とモータの回生電流とによってバッテリの残存容量を決定するようにしたので、回生制動時の残存容量を正確に表示できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002082 【氏名又は名称】スズキ株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)4月21日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】高橋 勇
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| 【公開番号】 |
特開平11−308701 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)11月5日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−126792 |
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