| 【発明の名称】 |
搬送台車 |
| 【発明者】 |
【氏名】小野 秀隆
【氏名】脇 憲市
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| 【要約】 |
【課題】搬送台車において、低コスト化及び走行安定性の向上を図る。
【解決手段】走行路15の表面部に固定子となる鋼板17を固定すると共に、鋼板17に高周波電源33に接続された給電ケーブル34を付設する一方、台車本体12の移動体36に給電ケーブル34を跨ぐように受電可能な巻線コイル38を有する可動子39を装着すると共に、この巻線コイル38を台車本体に搭載されたリニアモータ14a,14bとバッテリ44に接続する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 平面形状の走行路上を走行する搬送台車において、前記走行路の表面部に固定子となる鋼板を敷設すると共に、該鋼板に高周波電源に接続された給電ケーブルを付設する一方、台車本体に該給電ケーブルを跨ぐように受電可能な巻線コイルを有する可動子を装着すると共に、該巻線コイルを前記台車本体に搭載された走行駆動ユニットに接続したことを特徴とする搬送台車。 【請求項2】 請求項1記載の搬送台車において、前記可動子の下面に所定厚さの低摩耗材を固定し、前記鋼板の表面に沿って該低摩耗材を介して前記可動子を摺動可能としたことを特徴とする搬送台車。 【請求項3】 請求項1記載の搬送台車において、前記走行駆動ユニットは、前記台車本体に通電可能な巻線コイルを有する可動子を装着して構成されたリニアモータであり、前記巻線コイルが受電した電力は該リニアモータに送電されるか、または、前記台車本体に搭載されたバッテリに蓄電可能であることを特徴とする搬送台車。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、工場や倉庫、駐車場などにて、荷物や自動車を搭載して所定の搬送路上を走行する搬送台車に関し、特にその給電装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】例えば、倉庫などで荷物を搭載して搬送する搬送台車を設ける場合、走行路にレールを敷設する一方、台車にこのレールに転動自在なローラを装着することで、この搬送台車を走行路に沿って走行自在としている。 【0003】ところが、このようなレールとローラとからなる駆動機構を有する搬送台車にあっては、レールとローラとの間の走行抵抗が大きく、出力効率がよくないという問題がある。そこで、このような搬送台車にリニアモータを適用したものが考えられている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、搬送台車の駆動機構にリニアモータを適用した場合、一般に、走行路に沿ってコイルが巻かれた一次側固定子を固定する一方、搬送台車にS極とN極を交互に配置した磁石を固定している。また、走行路に対して搬送台車を浮上させる必要から超伝導磁石を用い、走行路に対する搬送台車の案内機構としてレールあるいは車輪を用いている。ところが、このような搬送台車の浮上機構として超伝導磁石を用いると、システムのコストが上昇すると共に、制御が困難であるという問題がある。 【0005】また、搬送台車はリニアモータなどを搭載していることから、この搬送台車に対して電力を供給する必要がある。一般には、走行路に沿って電気線が架設され、搬送台車に搭載された集電装置が摺接することで電力を集めている。ところが、このような集電システムでは、摺接式であるために集電効率は良いものの摺接部分で磨耗が発生し、磨耗粉が周辺に飛散して周辺環境を汚染すると共に、摩耗による部品交換やメンテナンス等が必要となってコストが上昇してしまうという問題がある。 【0006】本発明はこのような問題を解決するものであって、低コスト化及び走行安定性の向上を図った搬送台車を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するための請求項1の発明の搬送台車は、平面形状の走行路上を走行する搬送台車において、前記走行路の表面部に固定子となる鋼板を敷設すると共に、該鋼板に高周波電源に接続された給電ケーブルを付設する一方、台車本体に該給電ケーブルを跨ぐように受電可能な巻線コイルを有する可動子を装着すると共に、該巻線コイルを前記台車本体に搭載された走行駆動ユニットに接続したことを特徴とするものである。 【0008】また、請求項2の発明の搬送台車において、前記可動子の下面に所定厚さの低摩耗材を固定し、前記鋼板の表面に沿って該低摩耗材を介して前記可動子を摺動可能としたことを特徴とするものである。 【0009】また、請求項3の発明の搬送台車において、前記走行駆動ユニットは、前記台車本体に通電可能な巻線コイルを有する可動子を装着して構成されたリニアモータであり、前記巻線コイルが受電した電力は該リニアモータに送電されるか、または、前記台車本体に搭載されたバッテリに蓄電可能であることを特徴とするものである。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。 【0011】図1に本発明の一実施形態に係る搬送台車の給電装置を表す概略、図2に本実施形態の搬送台車の給電装置における走行路を表す概略、図3に本実施形態の搬送台車の概略、図4に本実施形態の搬送台車における支持体の断面、図5に本実施形態の搬送台車におけるリニアモータの概略、図6にリニアモータの通電制御による支持体の作動を表す概略、図7に搬送台車による直角横行分岐作動を表す概略、図7に搬送台車による直角回転分岐作動を表す概略、図9に搬送台車による接線分岐作動を表す概略を示す。 【0012】本実施形態において、図3乃至図5に示すように、搬送台車11は、平板形状の台車本体12の下部に複数(実施形態では8個)の支持体13が水平旋回自在に支持され、この各支持体13に左右一対のリニアモータ14a,14bが装着されて構成されており、この搬送台車11はリニアモータ14a,14bの推進力によって走行路15上を移動可能となっている。 【0013】即ち、この走行路15は、コンクリート製の基板16の表面部にリニアモータ14a,14bの固定子となる鋼板17が敷設されて形成されている。一方、搬送台車11の支持体13にはリニアモータ14a,14bの各可動子18、つまり、多数積層された鉄板19に巻線コイル20が巻き付けられてなる可動子18がハウジング21内に格納され、このハウジング21の下面に低摩擦材22が図示しないボルトによって取付けられている。この低摩擦材22は可動子18と固定子となる鋼板17との距離を一定に保持するように所定の厚さ(例えば、1mm)に形成され、超高分子性ポリエチレンやテフロンなどから形成されており、長期の使用によって摩耗したときには交換可能となっている。そして、必要に応じてこの低摩擦材22の下面に界面活性剤を塗布することで、鋼板17と低摩擦材22との摩擦抵抗を軽減することが望ましい。 【0014】従って、可動子18の巻線コイル19に通電(電流I)することで、可動子18と鋼板17(固定子)との間に磁界Hが発生し、可動子18に対して力Fが作用することとなり、2つのリニアモータ14a,14bによって支持体13を移動することができる。 【0015】また、支持体13(ハウジング21)の上部には支持軸23が固定される一方、台車本体12の下部には支持筒24が固定され、この支持筒24に支持軸23が水平旋回自在で、且つ、上下移動自在に嵌合している。そして、この支持筒24と支持軸23とで形成される空間に圧油を充填し、油圧を給排することで支持軸23を介して台車本体12を上下移動することができる。また、支持体13に装着された左右一対のリニアモータ14a,14bの各可動子18へは図示しないバッテリからそれぞれ独立して電力を供給できるようになっており、各リニアモータ14a,14bの各可動子18への通電方向を逆にすることで、支持軸23を介して台車本体12を水平旋回することができる。 【0016】即ち、図6(a)に示すように、左右のリニアモータ14a,14bの各可動子18へ一方方向から電力を供給すると、支持体13は前方への推進力を得て前進することができ、図6(b)に示すように、リニアモータ14a,14bの各可動子18へ他方方向から電力を供給すると、走行中していれば支持体13に対してブレーキが作用し、停止していれば後方への推進力を得て後退することができる。また、図6(c)(d)に示すように、左右のリニアモータ14a,14bの各可動子18へ電力を供給方向を逆にすると、支持体13は回転方向の推進力を得て右旋回あるいは左旋回することができる。支持筒24と支持軸23との間にロック機構を設け、支持体13の前進時や後退時にこのロック機構によって支持筒24と支持軸23とを相対回転不能とすることで、台車本体12の走行を安定させることもできる。 【0017】ここで、本実施形態の搬送台車11の給電装置について説明する。図1及び図2に示すように、走行路15の中央には所定距離をおいて前後一対のケーブル取付孔31,32が形成されている。そして、基端部が走行路15の下方に設置された高周波電源33に接続された1本の給電ケーブル34が、この取付孔32から走行路15上に露出して長手方向に沿って付設され、取付孔31を迂回してから再び走行路15上に沿って付設されて取付孔33から走行路15下方に延びて高周波電源33に接続されている。このような給電ケーブル34は走行路15の長手方向に沿って複数付設されている。従って、高周波電源33によって走行路15上に給電ケーブル34に対して交流電流Eを供給できる。 【0018】一方、台車本体12の下部には回転軸35によって移動体36が水平旋回自在に装着されており、この移動体36には多数積層された鉄板37に巻線コイル38が巻き付けられてなる可動子39がハウジング40内に格納され、このハウジング40の下面に低摩擦材41が図示しないボルトによって取付けられている。この低摩擦材41は可動子39と鋼板17との距離を一定に保持するように所定の厚さに形成され、低摩擦材22と同様に、超高分子性ポリエチレンやテフロンなどから形成されており、長期の使用によって摩耗したときには交換可能となっている。そして、必要に応じてこの低摩擦材41の下面に界面活性剤を塗布することで、鋼板17と低摩擦材41との摩擦抵抗を軽減することが望ましい。 【0019】この可動子39は走行路15上の給電ケーブル34を跨ぐように位置しており、台車本体12に搭載された走行駆動ユニットに接続されている。即ち、台車本体12には可動子39の巻線コイル38が接続される受電ユニット42が搭載され、この受電ユニット42は整流ユニット43を介してバッテリ44に接続されている。また、受電ユニット42にはコントローラ45が接続されると共に、整流ユニット43にはインバータ46を介してリニアモータ14a,14bに接続されている。 【0020】従って、走行路12に沿って搬送台車11が走行すると、給電ケーブル34上を移動体36の可動子39が移動し、給電ケーブル34の交流電流Iに対して磁界Hが発生し、この磁界H(磁束)によって誘起した電圧Vを巻線コイル38を介して受電ユニット42が受電し、整流ユニット43が整流してバッテリ44が蓄電することができると共に、インバータ46を介してリニアモータ14a,14bに送電してこのリニアモータ14a,14bを駆動して搬送台車11が走行することができる。 【0021】以下、搬送台車11の作動について説明する。図7に示すように、全ての支持体13の各リニアモータ14a,14bに前方への推進力を与えると、搬送台車11は走行路15aに沿って前進することができる。そして、搬送台車11が十字分岐点15xに至り、方向転換をせずにこの十字分岐点15xを右方に横行させる場合、左右のリニアモータ14a,14bの各可動子18へ電力を供給方向をそれぞれ逆にし、搬送台車11は旋回させずに支持体13のみを90度旋回させる。そして、各支持体13が90度旋回した状態で、再び全ての支持体13の各リニアモータ14a,14bに前方への推進力を与えると、搬送台車11は十字分岐点15xを直角に横行して分岐し、走行路15bに沿って走行することができる。 【0022】また、図8に示すように、搬送台車11が走行路15aに沿って前進して十字分岐点15sに至り、方向転換をしてこの十字分岐点15sを右方に横行させる場合、左列の支持体13の各リニアモータ14a,14bに前方への推進力を与える一方、右列の支持体13の各リニアモータ14a,14bに後方への推進力を与え、搬送台車11を90度右旋回させる。そして、搬送台車11が90度右旋回した状態で、再び全ての支持体13の各リニアモータ14a,14bに前方への推進力を与えると、搬送台車11は十字分岐点15sを直角に回転して分岐し、走行路15bに沿って走行することができる。 【0023】更に、図9に示すように、搬送台車11が走行路15aに沿って前進して二又分岐点15yに至り、方向転換をしてこの二又分岐点15yを左方に斜行させる場合、左列先頭の支持体13の各リニアモータ14a,14bに左旋回の推進力を与えて90度左旋回させる一方、右列最後尾の支持体13の各リニアモータ14a,14bに右旋回の推進力を与えて90度右旋回させる。すると、搬送台車11は二又分岐点15yの走行路15cに沿って所定角度左旋回し、続いて左列先頭の支持体13を右旋回させて元に戻す一方、右列最後尾の支持体13を左旋回させて元に戻し、全ての支持体13の各リニアモータ14a,14bに前方への推進力を与えると、搬送台車11は二又分岐点15yを左方に斜行して分岐し、走行路15cに沿って走行することができる。 【0024】このような搬送台車11の走行時、高周波電源33から給電ケーブル34に交流電流Iを供給すると、移動体36の可動子39に磁界Hが発生し、誘起した電圧Vを巻線コイル38を介して受電ユニット42が受電し、整流ユニット43が整流してバッテリ44あるいはリニアモータ14a,14bに送電している。この場合、バッテリ44には予め十分な電力が蓄電されており、通常はバッテリ44の電力がリニアモータ14a,14bに供給されてこのリニアモータ14a,14bが駆動している。そして、受電ユニット42が受電した電力はリニアモータ14a,14bに対して補助的に供給されると共に、搬送台車11が下り坂を走行するときは回生ブレーキによってリニアモータ14a,14bが発電機となって発電するために、この電力と一緒にバッテリ44に蓄電される。 【0025】このように本実施形態の搬送台車11にあっては、下部に装着した支持体13にリニアモータ14a,14bを装着し、このリニアモータ14a,14bにバッテリ44から電力を供給することで、発生した推進力によって搬送台車11を走行路15に沿って移動可能とする一方、下部に装着した移動体13に可動子39を装着し、走行路15上に給電ケーブル34から受電することで、給電した電力によって搬送台車11を走行路15に沿って移動可能としている。従って、受電ユニット42は非接触状態で容易に電力を給電することができる。 【0026】また、移動体36の可動子39の下面に低摩擦材41を取付け、移動体36がこの低摩擦材41を介して走行路15上を摺動自在としたことで、可動子39と鋼板17との距離をこの低摩擦材41によって一定に維持することができ、可動子39の磁力を適正に発生させて安定した電力を得ることができる。 【0027】なお、本実施形態では、走行路15上に長手方向に所定間隔をあけて給電ケーブル34を付設したが、リニアモータ14a,14bはバッテリ44から電力を受けて搬送台車11を走行させており、十字分岐点15x,15sや二又分岐点15yには付設する必要はなく、給電ケーブル34が搬送台車11の走行に支障をきたすことはない。また、搬送台車11が、図7に示すように、十字分岐点15xを直角に横行する場合には、移動体36を回転軸35を支点として図示しない駆動装置によって回動することで可動子39を給電ケーブル34に沿わせることができる。 【0028】そして、本実施形態の搬送台車11は、下部に8個の支持体13を装着したが、その数は実施形態に限定されるものではない。また、搬送台車11上にチェーンコンベヤあるいはローラコンベヤ等を搭載することで、自動車や荷物を自動的に積み卸しすることができる。 【0029】 【発明の効果】以上、実施形態において詳細に説明したように請求項1の発明の搬送台車によれば、走行路の表面部に固定子となる鋼板を敷設すると共に、この鋼板に高周波電源に接続された給電ケーブルを付設する一方、台車本体に給電ケーブルを跨ぐように受電可能な巻線コイルを有する可動子を装着すると共に、該巻線コイルを台車本体に搭載された走行駆動ユニットに接続したので、受電した電力を走行駆動ユニットに給電して搬送台車を走行路に沿って移動することとなり、高周波電源の電力を給電ケーブルを介して非接触状態で容易に給電することができ、構成部品が摩耗して周辺環境を汚染したり、部品交換やメンテナンス等を抑制して低コスト化を図ることができる。 【0030】また、請求項2の発明の搬送台車によれば、可動子の下面に所定厚さの低摩耗材を固定し、鋼板の表面に沿ってこの低摩耗材を介して可動子を摺動可能としたので、可動子と鋼板との距離を低摩擦材によって一定に維持することができ、可動子の磁力を適正に発生させて安定した電力を得ることができ、搬送台車の走行安定性の向上を図ることができる。 【0031】また、請求項3の発明の搬送台車によれば、走行駆動ユニットを台車本体に通電可能な巻線コイルを有する可動子を装着して構成されたリニアモータとし、巻線コイルが受電した電力をこのリニアモータに送電するか、または、台車本体に搭載されたバッテリに蓄電するようにしたので、リニアモータに対して受電した電力あるいはバッテリの電力を供給することとなり、搬送台車を長期間にわたって安定して走行させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006208 【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)4月13日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】光石 俊郎 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−299010 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)10月29日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−101275 |
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